終わりなく存在し続ける「出会いの場」 〜出会い系サービスの歴史〜

昨今では婚活の場として出会い系サービスが利用されるようになりました。「出会い系」という言葉はインターネット普及期に『スタービーチ』などの「出会い系サイト」として広まりを見せました。なので、出会い系サービスというとここ20年ぐらいのものかと思われていますが、それまでに「出会い」を目的としたサービスがなかったわけではありません。

出会い系サイトが広まるもっと以前から人々は「出会い」を目的としたメディアやサービスを追い求めていて、こんにちの「出会い系サービス」につながっていくのです。

ここでは「出会い系」の歴史を辿り、人々が変わらず追い求める“出会い”について紐解いていきます。

出会いを目的としたサービスはネット以前からあった

出会いを目的としたサービスの登場は雑誌の文通欄から始まります。文通欄の本来の目的としては趣味仲間や文通相手を探す場として利用されていましたが、なかには恋愛や結婚相手を求めて投稿する人もいました。「ペンパル」といった外国人と文通をすることを楽しむ人が増えていった時代です。

今では考えられないことかもしれませんが、雑誌の文通欄では手紙のやりとりを行うため、氏名や住所などの個人情報が掲載されていました。しかし、いまのように援助交際などのトラブルが起こることは少なかったと言われています。

その後、「出会い」を目的としたサービスが一気に加速していきます。それがテレホンクラブ(テレクラ)の登場です。1985年に日本で初めてのテレクラが登場しました。

知らない人のために説明すると、テレクラとは電話を介して女性との会話や出会いを斡旋するお店のことです。男性客は個室で待機し、女性から掛かってくる電話を待ちます。素早く受話器を取ることで電話先の女性と会話をすることができます。

その後、自宅の電話から利用可能な「伝言ダイヤル」や「ダイヤルQ2」といったサービスが広がりを見せます。テレクラと違い、お店に行かなくても自宅で会話することができるということで多くの人が利用しました。

しかし、利用者が増えるとともに犯罪なども増え、未成年者の利用や高額料金など、多くの問題を抱え急速に衰えていきます。

90年代、ポケベル大流行

90年代に入るとポケットベルが流行します。「ベル友」がブームとなり、数字による語呂合わせによってメッセージのやりとりがされるようになりました。「0840=おはよう」や「14106=愛してる」など、若者の間で普及します。

1993年には緒形拳と裕木奈江主演のドラマ「ポケベルが鳴らなくて」が放送されるなど、ポケベルが流行の最先端となりました。

また雑誌の『じゃマール』の友達募集欄にはベル番※が掲載され、出会うための手段としてポケベルが使われていました。
※ベル番:ポケベルに個体に紐付けられた番号のこと「ポケベルの番号」

「Windows95」が発売。パソコンが普及

その後、Windows95が発売され、パソコンが普及します。このときに初めて「出会い系サイト」が登場することになります。当然、パソコンを持っていないと利用ができなかったのですが、パソコンの普及と共に「出会い系サイト」への利用者は広がっていきます。

97年ごろですが、私も一年ぐらい利用していたことがあります。私が当時使っていたサイトは、趣味別や都道府県別で掲示板が立っており、そこに自己紹介文とメールアドレスを記載して直接やりとりをするものでした。それまで私は知らない人と文通はおろか、メールのやりとりもしたことがなかったため、メールのやりとりをする人とサイトを通して出会える(結局このときは会わなかったのだが)場所があるということに衝撃を受けたのを今でも覚えています。

2000年代、携帯電話の普及

2000年に入り、携帯電話が広く普及していきます。パソコンでしか利用できなかった「出会い系サイト」は携帯電話からでもアクセスすることができるようになり、規制のなかった当時は未成年者を含む若者を中心として、多くの人が利用するようになりました。

その後、2004年にmixiやグリーが登場します。リリース当時はサービス内で自分が日記を書き、それに対してマイミクといわれる自分と繋がりのある友人からコメントを貰ったり、同じ趣味や関心ごとを持った人たちが集まるコミュニティ機能が人気を呼びました。そのコミュニティでは、いつしか出会いを目的とした人たちも集まるようになっていきました。

こういったサービスを通じて知り合い、ネットで知り合った人と出会うことが一般化してきたのです。

婚活の場としての利用も一般化しつつある

かつては一部の人たちだけが利用していた出会い系サービス。テレクラやダイヤルQ2の頃は、利用者にどこか「後ろめたさ」がありました。しかし、いまではSNSの普及によって「ネットの出会い」への抵抗感はすっかりと薄れていきました。

現代では毎年のように婚姻率は下がり、初婚年齢は上がっていると厚生労働省は発表しています。その原因として、「収入格差の拡大」や「女性の社会進出」、「独身主義者の増加」などさまざま言われています。しかし、結婚したいけど出会える場がない、という声も多く上がっています。

そうした結婚したいけど出会う場所がない人たちにとって、出会う場所のひとつとなっているのが、出会い系サービスです。婚活といえばお見合いや合コン、人の紹介などでしたが、今では自分一人で気に入った相手を探すことができる時代になりました。

形を変えながらも存在し続ける出会い系サービス。今後もまだまだ続いていくのではないでしょうか。

この記事を書いたライター

西野大祐