カメラアプリの定番『LINE Camera』、自撮りカメラ『B612』、食べ物をシズル感たっぷりに写す『Foodie』、自然にメイクを施す『LOOKS』。
これらのカメラアプリは、全部「LINE」が提供しているアプリということはご存知でしたか?
『LINE』社員が教える! B612やFoodieで一番人気のフィルター&おすすめ加工テク
TwitterやInstagramを当たり前のように使う今、カメラアプリは私たちの生活とは切っても切れない存在になってきています。
では、そうやっていつも使っているアプリはどのように作られているのでしょうか?
今回はカメラアプリの開発に携わっている、LINE マーケティングコミュニケーション室の葛島 智子さん、田中 康太さんにインタビューを実施。カメラアプリの開発はどのように行っているのか、オススメの使い方や人気のフィルターなどについて伺ってきました。
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インタビューに入る前に、LINEのカメラアプリはどういったものがあるのか、おさらいしておきましょう。
LINE Camera
2012年4月よりスタート。累計ダウンロード数は1億7000万以上。
スタンプやフレームをたくさん収録している他、文字入れ、美顔補正など、自由に加工を楽しめます。
B612
2014年8月よりスタート。累計ダウンロード数3億以上。
自撮り専用アプリ。綺麗に見せてくれる多彩なフィルターや、顔認識で様々なエフェクトを楽しめる「アニメーションスタンプ」で人気を集めています。
Foodie
2016年2月よりスタート。累計ダウンロード数1700万以上。
食べ物の撮影に特化したフード専用カメラ。肉料理、ケーキなど、食べ物のジャンルに合わせた「食べ物フィルター」を収録しています。また、グルメ情報誌のような”真上撮り”を補助する機能も特徴的。
LOOKS
2016年10月よりスタート。累計ダウンロード数500万以上。
まるで本当にメイクしているかのような「Makeupフィルター」で自撮りができます。メイクの濃さは1~100%で細かく調整可能。
すべて合わせると、ダウンロード数が5億に届きそうな勢い! みなさんのスマホの中にも、ひとつは入っているのでは?
最近のトレンドは「ナチュラル」。盛りすぎないおしゃれな加工
― 人気のフィルターやスタンプを教えてください。
葛島:『LINE Camera』では昔からハートやサングラスが人気で、これは今も変わりません。
田中:『Foodie』は、ピンク系の「SW2」、お肉が綺麗に見える「BQ」シリーズや、色がパキッと出る「FR2」などのフィルターが人気です。
葛島:カメラアプリの社員人気は『Foodie』が一番です。食べ物以外も綺麗に取れて、男性人気も高いですね。
葛島:『B612』はピンク系フィルターの「Miracle」が人気ですね。ここ1~2年でピンクフィルターの流れがきています。アニメーションスタンプでは、ヒゲだけのシンプルなものが人気です。
― スタッフの間で人気のフィルターなどはありますか?
田中:『B612』の「ピンクたぬき」じゃないですかね。
葛島:輪郭が隠れて見える範囲が狭くなるので、誰でも可愛くなります(笑) でも盛っているわけではなく、生き物を乗せているだけなので、あざとさはないかと。
― おじさんでも可愛くなります?
葛島:なります!(笑)
― どういうものがヒットするか、人気の傾向はありますか?
葛島:最近は自然に盛れる「ナチュラル系」が主流ですね。実際に会ったときの自分と、SNSの自分がかけ離れているのは少し懸念されたりしてます。
アニメーションスタンプも最初は耳などがついてガッツリと加工するものが人気でしたが、今はヒゲだけみたいなシンプルなものが好まれてます。
でも、半年前に流行った機能がまったく使われなくなったり、需要の移り変わりはとても早いですね。
中国・韓国はアンチナチュラル!? 海外のトレンドは日本と全然違う
― 期待したほどヒットしなかったなんて機能もあるのでしょうか?
葛島:海外と日本では感覚が違うってことですかね。日本で人気のものが海外でウケなかったり、日本でイマイチだったものが海外では人気が出たり。
例えば日本はナチュラル志向と言いましたが、中国や韓国はとにかく”盛る”んです。目は大きく顎は尖らせてと、わざとらしいくらい加工するので、日本のものでは加工度が低すぎると感じるみたいですね。
田中:だから加工度は、国ごとにデフォルトのパーセンテージを調整しています。
― では、日本だけでヒットしたものはあるんですか?
葛島:B612に入っているAR背景フィルターのランタンの人気が高かったです
元のデザインは台湾に昔からあるランタンなんですが、女子中高生の間でディズニー映画に出てくるスカイランタンに似てるって盛り上がってて。まさかここまでニーズがあるとは、正直予想していませんでした。
― 開発チームは推しているけど、イマイチ浸透しない加工テクなどがあれば教えてください!
田中:フィルターを重ねるのはどうですか? 同じアプリ内だけでなく、Foodie×LINE Cameraとか。例えばピンクがかったフィルターに別のフィルターをかけると、もっと綺麗になったりしますよ。
ニーズに特化。あえて機能をまとめない
― カメラアプリを4つもリリースされていますが、『LINE Camera』に機能を集約しない理由はなんですか?
葛島:特化型にしてあげた方が、ユーザーのニーズに応えてあげられると思っています。
― どの機能を使えばいいか、わからなくならないようにするためでしょうか?
葛島:そうですね。LINEも当初そうだったのですが、シンプルな機能の方がわかりやすいし、ユーザーに好まれるんです。
まずはシンプルな機能で出して、そこからユーザーニーズを捉えて徐々に発展させていくようにしています。
流行をキャッチしたら、数日でフィルターを実装!
― フィルターやスタンプのデザインの発想は、どこから集めていますか?
葛島:ユーザーへのインタビューも行いますが、メインはSNSのチェックですかね。何を使っているかタグを検索したり、写真の撮り方がどう変わっているかを見ています。
田中:インスタよりもTwitterをチェックしています。インスタでは写真しか見ないことが多いですが、Twitterは画像と一緒に文字も見るので、ブームが広がっていきやすいですね。「溶けちゃった」加工なんかは、まさにそうだと思います。
葛島:インスタはおしゃれな写真がアップされているだけですが、Twitterにいる”普通の子”たちは「こういう加工したよ」「これは盛りすぎw」とか、そういう話を積極的にしています。
― 何人のスタッフで企画しているんですか?
田中:企画に関しては10人くらいです。SNSの動向や、実際の使用数などのデータをもとに話しています。そのほかに開発やデザイナーもいますね。
葛島:多い時は、毎日話し合いをしているなんてときもありますね。
田中:年齢は23歳から30代後半まで。LINEに携わっているスタッフは、みんな若い子に何が流行っているかを常に意識しているので、年齢差による意見の相違みたいなものは特に発生しないですね。
― 例えばフィルター1枚を開発するのに、どのくらいかかりますか?
田中:フィルターだけなら数日とか。早ければ1、2日で入れることもあります。
葛島:それで人気が高ければ横展開していく(バリエーションを増やす)という感じですね。
誰でも使えるコミュニケーションツールのひとつに
― 今後、LINEのカメラアプリをどうしていきたいですか?
葛島:なんだかんだ言って、撮った写真はLINEで送るというユーザーが一番多いんです。やっぱりコミュニケーションを活性化させるツールでありたいですね。
スマートフォンネイティブでカメラなどに一番早く取り組むのは10代、20代の女性ですが、そこだけに限定せず、男女・年代問わず誰でも使えるサービスであるべきだと思っています。
田中:LINEのユーザーは、年齢層もアプリに対する理解度も幅が広いですからね。
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