背景のぼかしには被写体を引き立てる効果があり、プロのような写真を撮影するための重要なテクニックです。
最近ではiOS、Androidともに、スマホカメラでも綺麗な背景ぼかしができる「ポートレートモード」を搭載するのが当たり前になりつつあります。
そこでこの記事では、スマホカメラで背景ぼかしをかける方法や、おすすめの写真加工アプリ、その使い方まで幅広く知識をまとめました。
この記事を読めば、スマホ一台で高品質なぼかし写真が撮れるようになるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
簡単! スマホカメラで背景ぼかしをかける方法やおすすめ加工アプリの使い方
スマホカメラで背景にぼかしをかけるには?
背景に綺麗なぼかしがかかった写真は、本格派な雰囲気があって魅力的ですが、スマホカメラでは撮影が難しいとイメージされていませんか?
- ポートレートモードを利用する
- フォーカス機能を利用する
- 写真撮影した後で背景にぼかしをかける
このように、スマホでも写真の背景に綺麗なぼかしをかける手段はいくつかあります。
まずは背景にぼかしをかけるための、3つの主な手段について簡単に知っておきましょう。
スマホカメラのポートレートモードを利用する
最近では、純正のスマホカメラにあらかじめ「ポートレートモード」を搭載するモデルも増えてきました。
ポートレートモードとは、目の前の被写体に注目し、背景を強くぼかして撮影できるカメラ機能のことです。
スマホのモデルによってはポートレートモードで撮影した背景のぼかし具合を、後から画像編集で調整することもできます。
お手持ちのスマホカメラにポートレートモードが搭載されている場合は、最も手軽なぼかし方法といえるでしょう。
スマホカメラのフォーカス機能を利用する
スマホカメラの多くは、画像のように被写体をタップすることで、フォーカスしたい箇所を指定できる機能が備わっています。
ポートレートモードと比較すると、背景のぼけ具合はかなり弱まるものの、ピントを合わせてレンズを被写体に注目させる程度の調整が可能です。
写真撮影した後で背景にぼかしをかける
スマホカメラにポートレートモードが備わっていない、もしくはフォーカス機能ではぼかし具合が物足りないという場合でも、諦める必要はありません。
写真を撮影した後に、加工アプリを使って背景にぼかしをかけることも可能です。
ポートレート加工が可能なおすすめのアプリと、その使い方については記事の後半で紹介するので、気になる方はぜひチェックしてください。
背景ぼかしの仕組み
この項目では、背景をぼかすために必要な要素について、初心者にも分かりやすく解説します。
基礎知識を理解することで、背景ぼかしなどの高度な撮影手法をより手軽に利用しやすくなるでしょう。
背景のぼけ具合を構成する要素は、主に下記の4つです
- F値(カメラの絞り具合)
- 焦点距離
- 被写体とカメラの距離
- 被写体と背景の距離
F値=カメラの絞り具合を表す数値
F値とは、カメラの「絞り」具合を表す数値です。
「絞り」は一言でいうとピントの合う範囲を決める調節機能のことで、この数値が小さいほど背景のぼけ具合が強くなります。
具体的には、F1.8などの低いF値を選ぶことでピントの合う範囲が狭まり、背景が美しくぼかされるのです。
スマホカメラや加工アプリでも、「F値」を調節できる場合があるため覚えておくとよいでしょう。
焦点距離は長いほど背景ぼかしに有利
焦点距離とは、カメラレンズの中心部からイメージセンサーまでの距離を表す数値のことです。イメージセンサーには、レンズで捉えたものを電気信号に変え、デバイス画面に映し出す役割があります。
- 焦点距離が短い=画角が広い
- 焦点距離が長い=画角が狭い
焦点距離の仕組みは上記の通りです。
焦点距離が長ければ、狭い画角によって目の前の被写体を大きく映し出せます。つまり、背景と被写体を差別化し、はっきりと背景にぼかしをかけられるのです。
一方で、焦点距離が短いと画角が広くなるため、被写体と背景との差別化が難しくなり、背景ぼかしはかけにくくなります。
被写体とカメラの距離はできるだけ近く
被写体とカメラの距離を近づけることで、相対的に被写体と背景の距離が遠くなり、背景のぼかし具合が強くなります。
しかしカメラによっては被写体とカメラを近づける「接写」が難しいこともあるため、距離を近づけすぎて画面全体がぼやけてしまわないよう、注意が必要です。
被写体と背景の距離はできるだけ遠く
前述した要素に関連し、背景と被写体の距離が遠いほど、背景はぼかしやすくなります。
接写に対応しにくいスマホカメラの場合は、カメラと被写体を近づけるのではなく、被写体と背景を遠ざけるようにしてみるのもおすすめです。
スマホカメラで背景ぼかしをかけてみよう
それでは実際に、スマホカメラを使った背景ぼかしを実践してみましょう。
この項目ではスマホカメラに搭載されている、ポートレートモードの使い方を紹介します。
端末によって操作方法が若干異なる可能性があるため、一度端末の取扱説明書をあわせて確認いただくとよいでしょう。
【iPhone/Android】ポートレートモードの使い方
スマホカメラをポートレートモードに切り替える方法は、とても簡単です。
スマホの純正カメラを起動すると、シャッターボタンの上にスマホに搭載されているモード一覧が表示されます。
画面を指でスワイプして、「ポートレート」に切り替えましょう。
シャッターボタンの上に表示されている文字で、現在のモードを確認できるのが一般的です。
モード切替がない場合は、カメラの設定画面やカメラ上部に表示されているメニューを確認してみてください。
【iPhone/Android】撮影済みポートレート写真のボケ具合を調整する
スマホの機種によっては、ポートレートモードで撮影した写真を後から調整できる場合もあります。
ギャラリーやカメラロールからポートレートモードで撮影した写真を確認してみましょう。
画像はAndroid端末のGalaxy Z Flip3の画面ですが、ぼかし具合やエフェクトを調整できる「バックグランドエフェクトを変更」というメニューが表示されていますね。
ポートレートモードが搭載されているiPhoneの場合は、ポートレートモードで撮影した写真をフルスクリーン表示させることで、上記と同様の「編集」メニューが表示されます。
ポートレート写真の編集画面に進んでみると、ポートレート機能を活用したエフェクトの変更や、エフェクトのかかり具合を調整できるようになっています。
こうしたエフェクトの種類や調整可能な箇所は、機種によって異なるため、ご自身の端末で試してみてくださいね。
後から背景ぼかしができるおすすめ写真加工アプリ5選
スマホカメラにポートレートモードが搭載されていない場合や、もう少し個性的な編集を加えたい場合は写真加工アプリの利用が便利です。
この項目では、背景ぼかしが可能なおすすめのアプリを5つピックアップしました。
どれも無料でダウンロードできるおすすめのアプリなので、気になるアプリを見つけたら、ぜひダウンロードしてみてください。
『BeautyPlus』
『BeautyPlus(ビューティープラス)』は美容系の加工に特化した多機能な写真加工アプリですが、背景のぼかし機能も非常に高品質です。
記事の後半では『BeautyPlus』を使った背景のぼかし方を紹介しています。操作がとても簡単なので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
『Picsart』
『Picsart(ピクスアート)』は写真加工に必要な多くのツールとフィルターがそろっています。
特に「アート風」や「ペーパー風」など、多種多様なエフェクトが用意されており、ユニークな作品を作成できるのが特徴的です。
そのほか肌補正や切り抜き、合成、映り込みの削除などの本格的な機能を使ってプロさながらの加工ができます。
『Fotor』
『Fotor(フォター)』は多機能な写真加工アプリで、もちろん背景のぼかしにも対応できます。
美肌補正機能も備わっていますが、コラージュ加工や背景のレタッチ、プロ仕様のフィルター機能などが、よりおすすめです。
『カメラ360』
『カメラ360』はビューティーカメラ機能が強力で、手軽に美しい自撮り写真が撮れます。
中でも顔のレタッチ機能が高性能で、顔のパーツを自分好みに調整できるのもポイントです。
また、ぼかしツールがとても多く、背景だけでなく顔のモザイク加工も簡単にできますよ。
『ぼかし丸』
『ぼかし丸(ぼかしまる)』はぼかし加工に特化した写真加工アプリです。
20種以上の個性的なぼかしを用意しており、ペンツールや切り抜き機能で簡単にぼかせます。
また、操作がとてもシンプルなうえ、加工途中にアプリを閉じても続きから再開できるので安心です。
簡単! 『BeautyPlus』を使った背景のぼかし方
おすすめ写真加工アプリとして紹介した『BeautyPlus』は、美容系加工もさることながら、背景ぼかしなどの機能も高性能です。
そこで今回は、『BeautyPlus』を実際に使いながら、背景のぼかし方を分かりやすく解説します。
カメラアプリにポートレートモードが搭載されていない方は、ぜひ一緒に試してみてください。
1.『BeautyPlus』のカメラで撮影する
まずは『BeautyPlus』アプリを開いて、カメラ機能を起動しましょう。
『BeautyPlus』のホーム画面下部にある「+」をタップし「カメラ」を選択するとカメラ機能が起動できます。
画面下部にあるカメラアイコンをタップするとシャッターが切れますよ。
2.編集画面で背景にぼかしをかける
『BeautyPlus』のカメラ機能で撮影できたら、編集画面に移動します。
撮影後の画面下部にある「編集」をタップしましょう。
編集画面下部にあるタブを「編集」に切り替え、「ぼかし」を選択します。
『BeautyPlus』の無料版では、最も自然な「ソフトフォーカス」、ユニークな「放射線」、そしてプライバシーの保護に最適な「モザイク」の中から、ぼかしの形状が選択可能です。
次に写真の下にある指のアイコンに切り替え、背景のぼかしたい範囲を手動で選択していきます。選択された範囲はピンク色で表示されます。
範囲選択が完了したら画面右下にあるチェックマークをタップしましょう。
ぼかし加工1回では物足りない方は、希望のぼかし具合になるまで同じ工程を繰り返してみてください。
背景ぼかしを3回繰り返すと、画像のようにぼかし具合がかなり強くなりました。
背景のぼかしが可能なおすすめのスマホ
純正カメラにポートレートモードを備えた、おすすめのスマホモデルをいくつか紹介します。
次に機種変更するモデルをお探しの方は参考にしてみてください。
iPhoneシリーズ
iPhoneシリーズは、何年も前のモデルから既にポートレートモードを搭載しており、純正カメラとしても高性能です。
2023年12月時点では、以下のモデルでポートレートモードが搭載されています。
- iPhoneSE(第2世代以降)
- iPhoneXR以降
- iPhone7Plus以降~iPhone15シリーズ
本体価格は高いものの、最新モデルのiPhone15では充電ポートにUSB-Cが採用されたことでより人気を集めているようです。
Android:SHARP AQUOS R8
AQUOS R8は、2023年8月にシャープから発売された「AQUOS」シリーズの最新モデルです。
5,030万画素の広角レンズと1,300万画素の超広角レンズを搭載し、スマホカメラの「ポートレート」ではインカメラにも対応しています。
また人物だけでなくペットのポートレート撮影も可能で、一眼レフカメラさながらの高クオリティな写真撮影ができるでしょう。
Android:OPPO Reno7 A
比較的低価格で購入できるポートレートモード付きスマホなら、OPPO Reno7 Aがおすすめです。
2023年12月時点では約3万円~約4万円前後の販売価格となっており、コストパフォーマンスに優れたモデルとして人気を集めています。
また、低価格帯ながらもポートレートモードはしっかりと搭載し、中でも「ネオンポートレートモード」を利用することで幻想的な写真撮影も可能です。
スマホカメラでも背景ぼかしは簡単にできる!
背景ぼかしは写真の印象を大きく変える要素の一つです。
近年では技術の進化によって、スマホカメラの「ポートレートモード」や写真加工アプリを利用するだけで、簡単に一眼レフカメラで撮影したような高品質な写真撮影を実現できます。
この記事でお伝えした知識を活かし、ぜひ日常の写真撮影を楽しんでください。