ChatGPTはなぜ堂々と嘘をつく? 人はどうすべきか

ChatGPTはなぜ堂々と嘘をつく? 人はどうすべきか

最終更新日:2023年06月27日

ChatGPT(チャットジーピーティー)は、OpenAIによって開発された対話型の人工知能(AI)で、人間のような自然な対話を模倣することができ、その応答は時には人間が書いたものと見分けがつかないほど精巧です。

しかし、ChatGPTは時折、誤った情報を提供する、いわゆる「嘘をつく」ことがあります。

本記事では、ChatGPTがどのようにして嘘をつくのか、そしてそれをどのように理解し対処すべきなのかについて詳しく解説します。AIの利用者であれば誰もが知っておくべき重要な情報ですので、ぜひ最後までお読みください。

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ChatGPTの学習プロセス

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ChatGPTは、大量のテキストデータを学習することで、人間のような自然な対話を模倣する能力を獲得します。この学習プロセスは「トランスフォーマー」と呼ばれる深層学習モデルを基にしており、数百GBに及ぶテキストデータを解析してパターンを学び、それを基に新たなテキストを生成します。

この学習データは、インターネット上の無料情報から得られます。ウェブサイト、ブログ、フォーラム、書籍など、さまざまな種類のテキストが含まれています。このため、ChatGPTは広範なトピックについて知識を持つことができます。

しかし、この学習方法には限界があります。まず、学習データがインターネット上の情報に限定されているため、その情報が必ずしも正確であるとは限りません。また、有料の情報源や専門的なデータベースからの情報は含まれていません。さらに、ChatGPTは学習データの真偽を判断する能力を持っていないため、誤った情報も真実として学習してしまいます。

これらの限界は、ChatGPTが時折、誤った情報を提供する原因となります。

ChatGPTと嘘

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ChatGPTが誤った情報を提供するのは、その学習プロセスと密接に関連しています。具体的な例としては、存在しない論文の情報を提供する、誤った歴史的事実を述べる、科学的に誤った説明をするなどがあります。これらは、ChatGPTが学習したテキストデータに含まれる誤った情報を基に生成されます。

また、ChatGPTは質問に対する最もらしい回答を生成しますが、その回答が必ずしも真実であるわけではありません。これは、ChatGPTが「最もらしい」回答を生成するために、学習したテキストデータのパターンを基に新たなテキストを生成するからです。その結果、真実でない情報でも「最もらしい」ものとして生成されることがあります。

ChatGPTは、ある文脈で次に来る単語を予測するための確率的なモデルです。それは過去のデータから学習した確率分布に基づいて、次に来る最も可能性が高い単語やフレーズを選びます。

しかし、このプロセスは必ずしも最も「真実」の単語やフレーズを選ぶわけではありません。それは最も「ありそうな」単語やフレーズを選ぶという意味です。したがって、確率的なプロセスが原因で誤った情報を生成する可能性があるのです。

さらに重要なことは、ChatGPTには善悪の概念や倫理感がないということです。これは、ChatGPTが人間のような意識や感情を持たないAIであるためです。そのため、ウソでも捏造でも極めて最もらしく答えることがあります。

ChatGPTを適切に利用するために

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ChatGPTを適切に利用するためには、以下の三つの要素が重要となります。

  • ChatGPTの仕組みを理解する

  • ChatGPTがウソをつく理由を理解する

  • 適切な質問をする能力

1. ChatGPTの仕組みを理解する

まず、ChatGPTの仕組みを理解することが重要です。ChatGPTは人間のような意識や感情を持たず、学習したテキストデータのパターンを基に新たなテキストを生成します。そのため、その回答は必ずしも真実であるわけではなく、また善悪の概念や倫理感を持つわけでもありません。

2. ChatGPTがウソをつく理由を理解する

次に、ChatGPTがウソをつく理由を理解することも重要です。ChatGPTが誤った情報を提供するのは、その学習データに誤った情報が含まれているため、または「最もらしい」回答を生成する過程で誤った情報が生成されるためです。これを理解することで、ChatGPTの回答を適切に評価し、必要に応じて他の情報源を参照することが可能となります。

3. 適切な質問をする能力

最後に、適切な質問をする能力も重要です。ChatGPTは質問に対する最もらしい回答を生成しますが、その質問が曖昧だったり、誤解を招くような表現だった場合、誤った回答を生成する可能性があります。そのため、明確で具体的な質問をすることで、より正確な回答を得ることができます。

これらの要素を理解し、適用することで、ChatGPTの利用者はこの強力なツールをより効果的に、そして安全に利用することが可能となります。

こちらの記事では、ChatGPTから適切な回答を得るために必要なプロンプト作成のコツを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

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ChatGPTは、その人間のような自然な対話能力により、教育、エンターテイメント、カスタマーサービスなど、さまざまな分野での応用が期待されています。しかし、その一方で、ChatGPTが誤った情報を提供する、いわゆる「嘘をつく」可能性もあることを理解することが重要です。

この問題は、ChatGPTの学習プロセスとその性質に根ざしています。ChatGPTは人間のような意識や感情を持たず、学習したテキストデータのパターンを基に新たなテキストを生成します。そのため、その回答は必ずしも真実であるわけではなく、また善悪の概念や倫理感を持つわけでもありません。

しかし、これらの問題を理解し、適切な質問をする能力を身につけることで、ChatGPTの利用者はこの強力なツールをより効果的に、そして安全に利用することが可能となります。

ChatGPTの将来的な可能性は無限大です。しかし、その利用には注意が必要であり、その仕組みと限界を理解し、適切な質問をする能力を身につけることが求められます。これらを心に留めて、ChatGPTを利用することで、その真の価値を最大限に引き出すことができるでしょう。

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