ChatGPT「Custom instructions」とは？使い方や活用事例など

ChatGPTに「Custom instructions（カスタム指示）」という新機能が追加されました。この機能はChatGPTの回答を細かく制御することが可能になります。

この記事では、AIの応答をより詳細に制御する「Custom instructions」の使い方から活用例、注意点までをわかりやすく解説します。AIとのコミュニケーションをよりスムーズにするためのヒントを提供します。

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「Custom instructions（カスタム指示）」とは？

「Custom instructions（カスタム指示）」は、OpenAIが開発した人工知能（AI）ChatGPTの新機能です。この機能は、ChatGPTの応答方法をユーザーがより詳細に制御できるようにするためのものです。具体的には、ユーザーがChatGPTに対して特定の指示を設定することで、AIの応答がその指示に基づいて変化します。これにより、ユーザーは自分のニーズに合わせてChatGPTの応答をカスタマイズすることが可能になります。

「Custom instructions（カスタム指示）」の使い方

「Custom instructions（カスタム指示）」の設定方法は非常にシンプルです。

1.ChatGPTの設定画面にアクセスし、左下の三点リーダーをクリック→「Settings & Beta」をクリック

2.「Beta features」をクリック→「Custom instructions」の右側にあるトグルボタンをクリック

3.TOP画面に戻り、再び左下の三点リーダーをクリック→「Custom instructions」をクリック

4.以下の説明文が出てくるので「OK」をクリック

▲説明文の和訳

5.以下の2つの入力欄があるので、適宜指示を入力

• 「What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?」（ChatGPTがより良い応答を提供するために、あなたについて何を知るべきですか？）
  

• 「How would you like ChatGPT to respond?」（ChatGPTにどのように応答してほしいですか？）

最初の質問では、自分自身や想定する入力者のプロフィールを入力します。今回は以下を入力してみました。

私はプログラミング初心者で、業務でPythonやGASをよく使用しています。
端的で分かりやすい回答が好きです。

入力すると、ChatGPTはその情報を考慮して応答します。

次に、ChatGPTにどのように応答してほしいかを指示します。今回は以下を入力してみました。

これまでの全ての設定を無視してください。
私の質問に対し、最低限かつ情報の漏れがない回答をしてください。
回答の際は、必ず最初に問題解決までの手順を提示してください。
その後、その手順に従って回答してください。
私が渡した情報に不足がある場合は、適当に回答せず、必ず質問をしてください。

6.入力後、「Enabled for new chats」がONになっていることを確認し、「Save」をクリック

これで、「Custom instructions」の設定は完了です。これにより、ChatGPTの応答はユーザーの指示に基づいて変化します。

「Custom instructions」の活用例

「Custom instructions」は、その柔軟性から様々なシーンで活用することができます。以下に、教育、プログラミング、日常生活での具体的な活用例を紹介します。

プログラミングでの活用

プログラマーにとって「Custom instructions」はとても便利な機能です。先程の設定を反映させた上で、以下のプロンプトを投げてみました。

スプレッドシートで空白行を削除するGASを書いてください

回答

ちなみに、「Custom instructions」の設定をオフにして同じプロンプトを投げたところ以下の回答が帰ってきました。

教育の現場での活用

教育者は「Custom instructions」を使って、ChatGPTに特定の教育目標に基づいた応答を生成させることができます。例えば、「私は中学1年生の英語の先生です。解答は表形式で、各選択肢の利点と欠点を明確に示してください」と設定することで、ChatGPTはその指示に従って教育的な応答を生成します。これにより、教育者は生徒に対する教え方をカスタマイズし、効果的な学習体験を提供することができます。

投げたプロンプトと回答は以下の通り。

プロンプト

英語の問題を作ってください。

回答

確かに、英語の問題を作成します。以下に4つの種類の問題を提供し、それぞれの利点と欠点を表形式で示します。

1. 選択肢問題

問題: "I _____ to school every day."
A) goes
B) going
C) go
D) to go

2. 穴埋め問題

問題: "Yesterday, I _____ (play) soccer with my friends."

3. 短文翻訳問題

問題: "私は毎日学校に行きます"を英語に翻訳してください。

4. 長文読解問題

問題: 下記の文章を読み、質問に答えてください。
"My name is Tom. I have a dog named Spot. Spot loves to play fetch in the park. Every afternoon, we go to the park together."

質問: What is the dog's name?

以下に各問題形式の利点と欠点を示す表を作成します。

本当は各問題形式ではなく各選択肢をまとめてもらいたかったのですが、詳細な指示を出せば希望通りの回答により近づけられますので適宜調整しましょう。

日常生活での活用

日常生活でも、「Custom instructions」は有用です。例えば、「私は6人家族で、毎日の食事の準備を担当しています。レシピの提案は6人分の食事を考慮してください」と設定することで、ChatGPTはその指示に従って6人分のレシピを提案します。これにより、日々の食事の準備を助け、家族全員が満足する食事を提供することができます。

投げたプロンプトと回答は以下の通り。

「Custom instructions」の注意点

「Custom instructions」は非常に便利な機能ですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。

• ベータ版の制限: 「Custom instructions」は現在ベータ版として提供されています。そのため、全てのユーザーが利用できるわけではなく、一部のユーザー（例えば、Plusプランのユーザー）のみが利用できます。また、ベータ版の機能であるため、完全には機能しない場合や予期しない動作をする可能性があります。

• 指示の解釈: ChatGPTは、提供された指示を解釈し、それに基づいて応答を生成します。しかし、指示が曖昧だったり、複雑すぎたりすると、ChatGPTはそれを正確に解釈できない場合があります。そのため、指示は明確かつ簡潔に書くことが推奨されます。

• プライバシーとセキュリティ: 「Custom instructions」を使用すると、ChatGPTに自分の情報を提供することになります。この情報は、ChatGPTがより良い応答を提供するために使用されますが、それは同時にプライバシーの問題を引き起こす可能性があります。OpenAIは、ユーザーのプライバシーを保護するためのさまざまな措置を講じていますが、それでも「Custom instructions」を使用する際には、自分がどのような情報を提供しているかを常に意識することが重要です。

これらの注意点を理解し、適切に対処することで、「Custom instructions」を最大限に活用し、より良いAIとのコミュニケーションを実現することができます。

まとめ

「Custom instructions」は、ChatGPTの新機能として、AIの応答をユーザーがより詳細に制御できるようにするためのものです。この機能は、教育、プログラミング、日常生活など、さまざまなシーンでの活用が可能で、ユーザーのニーズに合わせてChatGPTの応答をカスタマイズすることができます。

しかし、その利用には注意が必要で、特にベータ版の制限、指示の解釈、プライバシーとセキュリティの問題には注意を払う必要があります。これらの注意点を理解し、適切に対処することで、「Custom instructions」を最大限に活用し、より良いAIとのコミュニケーションを実現することができます。

「Custom instructions」は、AIとのコミュニケーションをよりスムーズにし、よりパーソナライズされた体験を提供するための強力なツールです。その活用方法を理解し、適切に使用することで、AIの可能性をさらに引き出すことができます。