ChatGPTとは?始め方や注意点、企業での活用事例を詳しく解説

ChatGPTとは?始め方や注意点、企業での活用事例を詳しく解説

最終更新日:2024年07月10日

ChatGPTは、OpenAI社が開発した革新的な対話型AIサービスです。自然な会話ができるだけでなく、さまざまな分野の専門知識も持ち合わせており、ビジネスシーンでの活用にも注目が集まっています。

最新のAI技術を駆使したChatGPTを味方につけることで、業務の効率化や新たなサービス創出など、さまざまな可能性が広がるでしょう。

今回は、ChatGPTの特徴や始め方、企業での活用事例、導入時の注意点などを詳しく解説します。ChatGPTを使ってみたい方や、ビジネスへの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

ChatGPTとは、対話形式で回答してくれる生成AIサービスのこと

ChatGPTは、2022年11月にアメリカのOpenAI社がリリースした、人間のように対話形式で答えてくれる生成AIサービスです。OpenAI社が独自に開発した「GPT」と呼ばれる言語モデルを利用し、インターネット上にある膨大な情報を学習することで、複雑な語彙・表現も理解し回答してくれます。

13歳以上(18歳未満は保護者の許可が必要)であればアカウント作成が可能で、誰でも無料で利用できます。

ChatGPTは常に進化を続けており、2023年9月には、音声・画像認識機能が追加され、画像生成ができるようになりました。その後、2023年3月には、より性能が向上した「GPT-4」をリリース。2023年5月にはChatGPT公式の日本版iOSアプリ、7月にはAndroid版のアプリがリリースされ、ますます身近な存在となっています。さらには、2024年5月にGPT-4と同等の言語モデル能力を持ちながら、テキスト以外の情報処理能力が向上した「GPT-4o」がリリースされました。

なお、ChatGPTには無料版と有料版があり、利用シーンに応じて使い分けることで、業務の幅も大きく広がるでしょう。

ChatGPT-3.5とChatGPT-4の違い

ChatGPTには無料版のGPT-3.5と有料版のGPT-4があります。どちらも学習済みのAIであるため、新規にAIを学習させる必要はなく、質問を投げかければ回答してくれるのが特徴です。

2024年6月時点では、「ChatGPT Plus」「ChatGPT Team」「ChatGPT Enterprise」の3つのプランでGPT-4を使用できます。それぞれのプランの内容は以下のとおりです。

■ChatGPTのプラン内容

プラン名 無料版 ChatGPT Plus ChatGPT Team ChatGPT Enterprise
料金 無料 20ドル/月 1人あたり30ドル/月(年払いの場合、25ドル/月) 使用状況により異なる
利用可能モデル GPT-3.5、GPT-4o GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o
メッセージ数 5時間あたり10回(GPT-4o) 3時間あたり80回(GPT-4o) 3時間あたり100回(GPT-4o) 無制限(GPT-4o)
用途 個人利用 個人利用 企業利用 企業利用
ウェブからの情報取得
マルチモーダル機能
データ分析
ファイルのアップロード
音声会話
画像生成(DALL-E3) ×
GPTストアの利用
GPTsの作成 ×
チーム向けの管理機能 × ×
チームのワークスペース作成 × ×
ビジネスデータのトレーニング排除 × ×
GPT-4への無制限アクセス × × ×
優先的なサポート × × ×
データ保存期間の管理 × × ×

※2024年6月時点

ChatGPT Plusでできること

ChatGPT PlusとはGPT-4を使用できる有料プランで、ビジネスでの本格活用を考えるならChatGPT Plusを選ぶのがおすすめです。AIの能力を最大限に引き出すことで、業務の生産性を大きく高められるでしょう。

では、ChatGPT Plusを利用することで、具体的にどのようなことができるのでしょうか。ChatGPT Plusだけの限定機能は以下のとおりです。

画像生成

ChatGPT Plusでは、入力したテキストをもとに画像を生成する機能も搭載されています。また、生成する画像は、ユーザーの指示に応じて、テイストを変えることもできるのもうれしいポイントです。

画像生成機能を使えば、ブログやSNSの投稿画像を簡単に作成できます。文章だけでなく、ビジュアル面でのコンテンツ制作にもChatGPTが活躍してくれるのです。

ただし、生成された画像を商用利用する際は、OpenAI社の利用規約をよく確認し、適切に扱う必要があります。権利関係には細心の注意を払いましょう。

GPTsの作成

ChatGPT Plusには、ChatGPTをカスタマイズできる「GPTs」という機能があります。GPTsは、プログラミングの知識がなくても、自然言語のやりとりだけでオリジナルのAIツールが作れる機能です。さらには、ほかのユーザーが開発したツールを試すこともできます。

GPTsを使えば、専門的な知識がなくてもAIツールを開発できます。業務の幅が広がるだけでなく、新たなサービス創出のチャンスにもつながるでしょう。

GPTsの詳細については下記をご覧ください。

GPTsとは?初心者でもできる開発方法や活用事例を解説

ChatGPTを会社で利用するには?

近年、ビジネスシーンでChatGPTを活用する企業が増えています。生成AIに社内ルールや企業独自の知見を学習させることで、カスタマイズされたAIアシスタントとして活用できるからです。

ここでは、ビジネスシーンでChatGPTを使用する際の具体的な活用方法についてみていきます。

ChatGPTを業務に取り入れることでできること

ChatGPTに、企業ごとのルールや知見を学習させることで、企業独自のAIとして活用することができます。うまく学習させれば、顧客情報などを自動で管理したり、マニュアルを自動作成したりと、業務の効率化や人件費の削減も可能でしょう。

さらには専門的な知識を学習させたGPTsを使うことで、単純作業の自動化だけでなく、高度な判断を要する業務のサポートもできるようになります。ChatGPTに業務を任せることで、人間にしか行えない創造的な仕事に時間を割けるようになるのです。

具体的には、以下のような業務でChatGPTが活用できます。

<ChatGPTを活用することで効率化できる業務例>

  • 情報収集やデータ分析

  • 文章の作成や要約、翻訳

  • 表計算やグラフの作成

  • アイディアの壁打ち

  • コードの作成

  • ユーザーからの問い合わせ対応

ChatGPTを学習させる方法の詳細については下記をご覧ください。

ChatGPTに学習させるには?詳しい学習方法や注意点を解説

ChatGPTを業務で利用する方法については下記をご覧ください。

ChatGPTは業務利用できる?活用例や注意点などを解説

ChatGPTを導入した企業の活用事例

続いて、すでにChatGPTを導入している企業の事例を見てみましょう。

「大和証券」は、ChatGPTを導入し、全社員約9,000人が業務改善を試みています。具体的には、英語等での情報収集のサポートや、資料作成の外部委託にかかる時間の短縮、費用の軽減、プログラミングの素案作成などにChatGPTを活用しています。

また、転職サイト大手「ビズリーチ」は、ChatGPTを使うことで職務経歴書を自動作成する機能を開発し、応募者の手間を大幅に減らすことに成功しました。

ほかにも、金融機関での審査業務の効率化や、メーカーでの製品マニュアル作成、小売業での問い合わせ対応の自動化など、業界を問わずChatGPTの導入が進んでいます。

このようにChatGPTは、幅広い業種・業務で活躍できる可能性を秘めているのです。自社の課題に合わせて、うまくカスタマイズして活用しましょう。

ChatGPTのビジネス活用の詳細については下記をご覧ください。

ChatGPTをビジネスで使うには?業界別の活用事例を紹介

日本企業でのChatGPTの導入例については下記をご覧ください。

ChatGPTの活用事例は?導入している日本企業の具体的な例を紹介

ChatGPTは法人契約できる? 

ここまで、ChatGPTを業務で活用する方法を紹介してきましたが、ChatGPTを法人で利用する場合は、どのような契約が望ましいのでしょうか。

ChatGPTには、法人向けプランとして「ChatGPT Team」と「ChatGPT Enterprise」の2つが用意されており、それぞれ利用人数や機能、セキュリティレベルなどが異なります。自社の規模や用途に合わせて、適切なプランを選ぶことが重要です。各プランの特徴は以下のとおりです。

  • ChatGPT Team

ChatGPT Teamは、チームでの作業を効率化するのに適したプランです。GPT-4に優先アクセスでき、画像生成や情報収集などのツールの利用制限もChatGPT Plusより緩和されています。また、無料版やChatGPT PlusのGPT-4oよりも利用できるメッセージ数が多いのも大きなメリットです。なお、ChatGPT Teamで入力された情報はOpenAIモデルのトレーニングに使用されないのも特徴といえます。

料金は1ユーザーあたり月額30ドル、年払いの場合は月額25ドルになります。コストパフォーマンスに優れ、中小企業でも導入しやすいプランといえるでしょう。社内の業務効率化を目指すなら、ChatGPT Teamがおすすめです。

  • ChatGPT Enterprise

ChatGPT Enterpriseは大規模な利用に適した企業向けプランです。セキュリティレベルが高く、先進的な対策が取られています。

ChatGPT Enterpriseは、ChatGPT Teamの機能に追加して、GPT-4へのアクセス無制限やOpenAI社からの優先的なサポートを受けられるのが特徴です。また、送信・保存したデータが暗号化されるようになっているため、セキュリティの安全性が高いのも法人契約する上で重要なポイントでしょう。なお、ChatGPT Team同様、ChatGPT Plusよりも多くのメッセージのやりとりができます。

ChatGPT Enterpriseの料金体系は非公開で、利用にはOpenAI社へ直接の問い合わせが必要です。大企業での全社的な導入や、機密情報を扱うプロジェクトなどでは、ChatGPT Enterpriseの利用を検討することをおすすめします。特にセキュリティを重視したい場合には、最適なプランといえます。

ChatGPT Enterpriseについては下記をご覧ください。

ChatGPT Enterpriseとは?従来のChatGPTとの違いを解説

ChatGPTの始め方

ChatGPTはメールアドレスを登録してアカウントを作成すればすぐに利用できます。具体的な手順は以下のとおりです。

PCでChatGPTを始める場合

PCとスマートフォンでは登録方法が異なります。PCで利用する場合は、以下の手順に沿って登録してください。

<ChatGPTの登録手順(PC版)>

(1)ChatGPTのページにアクセスする

(2)「Sign up」を選択する

(3)メールアドレスを入力する(もしくはGoogle、Microsoft、Appleのいずれかのアカウントと連携する)

(4)個人情報と電話番号を入力する

(5)認証コードを入力する

登録が完了したら、早速チャット画面で質問を投げかけてみましょう。AIとの対話を通じて、ChatGPTの使い方をマスターしていくのがおすすめです。

スマートフォンでChatGPTを始める場合

続いて、スマートフォンでChatGPTを始める場合の方法を解説します。以下の手順に沿って登録を行いましょう。

<ChatGPTの登録手順(スマートフォン版)>

(1)スマートフォンでApp Storeにアクセスし、ChatGPTアプリをインストールする

(2)ChatGPTアプリを開き、「Sign up with email」をタップする

(3)メールアドレスを入力する

(4)認証用メールを開き「Verify email address」を選択する

(5)個人情報と電話番号を入力する

(6)認証コードを入力する

登録が完了したら、「Send a message」に質問を送って動作確認することをおすすめします。実際にChatGPTと会話することで、その利便性や可能性を実感できるはずです。

スマートフォン版のChatGPTアプリを使えば、いつでもどこでもAIとの会話を楽しめます。通勤時間やちょっとした空き時間を使って、ChatGPTとコミュニケーションを取ってみるのもおすすめです。

ChatGPTを使う際の注意点

ChatGPTは非常に便利なツールですが、いくつか注意点もあります。安全かつ有効に活用するために、以下の点に気をつけましょう。

情報が正確か確認する

ChatGPTは膨大なデータから回答を生成するため、提示された情報が常に正しいとは限りません。重要な案件では、信頼できる情報源で内容を再確認することが大切です。AIからの回答を鵜呑みにせず、最終的な判断は人間が下すようにしましょう。特に、医療や法律など専門性の高い分野では注意が必要です。

情報漏洩に注意する

ChatGPTに個人情報や機密情報を入力することで、情報が漏洩するリスクがあります。ChatGPTはユーザーが入力した情報を学習し回答を生成する仕組みです。そのため、ChatGPTに企業の機密情報を入力すると、ほかのユーザーの回答に反映されてしまうケースがあります。たとえ暗号化されていても、場合によってはOpenAIの関係者に閲覧される可能性もあるでしょう。

個人情報の入力も最小限にとどめ、秘匿性の高いデータは別の方法で管理するのが賢明です。

情報漏洩を防ぐためにも、社内でのChatGPTの利用ルールを定めたり、セキュリティ対策を講じたりすることが重要です。機密情報の取り扱いには、細心の注意を払う必要があります。

ChatGPTの情報漏洩を防ぐ方法の詳細については下記をご覧ください。

ChatGPTで情報漏洩を防ぐには?リスクと対策方法を解説

著作権を侵害していないか確認する

ChatGPTによって生成された文章が、既存の書籍やサイトの内容と酷似していた場合、著作権侵害を疑われる可能性があります。生成したコンテンツが、既存の著作物に酷似していないか、入念にチェックする必要があるでしょう。

また、著作権が含まれるプロンプトを流用した場合も、違反の対象になりかねません。商用利用を行う際には、事前に専門家に確認してもらうことをおすすめします。

また、ChatGPTで生成したコンテンツを商用利用する際は、OpenAI社の利用規約をよく読むことも大切です。無断使用などで、法的問題に発展するリスクがあります。

ChatGPTを商用利用する場合の詳細については下記をご覧ください。

ChatGPTを商用利用するには?著作権問題やリスクを解説 

ChatGPTの導入を検討している方は「ナイルの生成AIコンサルティング」に相談を

本記事では、ChatGPTの概要から活用事例、導入時の注意点まで幅広く解説してきました。

ChatGPTを業務に取り入れると、ビジネスの可能性は大きく広がるはずです。AIの力を適切に活用できれば、これまでにない新しい価値が生み出せることでしょう。

ただし、AIならではの留意点もあるので、十分に理解した上で活用することが大切です。自社に合ったやり方を模索しながら、ChatGPTを味方につける必要があります。

また、ChatGPTをビジネスに活かすには、適切な運用ノウハウが欠かせません。初めて導入する企業は、専門家のアドバイスを受けるのが得策といえます。

ナイル株式会社が運営する「生成AIコンサルティング」では、ChatGPTのセミナーをはじめ、業務でどのように使うかの洗い出しや、コスト削減効果の可視化についてご相談いただけます。また、生成AIの知見のあるエンジニアによるマイクロアプリケーションの開発もでき、生成AIを使って業務効率化が図れるでしょう。

ChatGPTの導入を検討されている方は、まずは気軽に無料相談にお申込みください。

ChatGPTセミナーの詳細については下記をご覧ください。

ChatGPTのセミナーに参加するメリットとは?種類や選び方について解説

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