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  • スマホのホラーゲームの限界を追求する『ザイザックス』最恐アプリ集

ホラーゲームの人気アプリを量産している『ザイザックス』社をご存じでしょうか? ホラー1作目の『無影灯』から大ヒットし、それ以降のアプリも安定して高く評価されているゲームデベロッパーです。

過去の成功体験に縛られることなく、コンセプトを一新した作品を次々にリリース。それでいて毎回面白いので、「ここのゲームはどれも期待できる」と熱心なファンを生み出しています。

この記事では、ザイザックス社のホラーゲームを一挙ご紹介すると共に、開発者インタビューで伺ったこだわりポイントや苦労話なども織り交ぜました。

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アプリの作り方について伺った記事はこちら

幽霊は女性スタッフの変顔。人気ホラーゲーム量産『ザイザックス』流、超低予算ゲームの作り方

【脱出】続・恐怖!廃病院からの脱出:無影灯・真相編

ザイザックスのホラー第1弾である『無影灯』の続編。前作から数ヶ月が経ったある日、新聞記者のあなたは廃病院の取材へ向かうことになります。目的は、行方不明になっているメスを見つけること。自殺した院長が夜な夜な探し回っていると噂される中、あなたはそれを無事に探し出せるか……。

▲不気味な廃病院に、1人で入り込むことになったあなた。

▲血なまぐさい手術室……こんなの、何も出てこないわけがない!

▲ヒィッ!!

左右スワイプで360度グルグル見渡せるため、どの方向から霊が出てくるかわからないヒヤヒヤ感がハンパじゃない……どこで来る? どこで来る!? と全身がこわばりっぱなしです。

作品づくりのポイント

・続編を出すとは当初は考えていなかったため、前作との矛盾が起きないよう注意しつつエンディングを増やすなど、ストーリー作りに注力した。

・前作ユーザーにも飽きさせないよう、「前作は玄関から入ったが今度は玄関に鍵がかかっており、窓から入る」など設定に新鮮さが出るよう工夫した。

【VR版】改・恐怖!廃病院からの脱出:無影灯

初代の無影灯をVR版にリニューアルした本作。舞台設定やシナリオは同じですが、VRならではのオリジナル演出を導入。無影灯をクリア済の人でも、もう1度新鮮な気持ちで遊べます。

▲スマホ画面はこのような表示。VRゴーグルをつけて見れば、奥行きある3D映像になる。

▲以前見た霊でも、立体的に飛び出してこられたら平気ではいられない……。

VR版では、ドアやアイテムなどを見て画面内のドットを合わせることがタップの動作になります。部屋の広いところで、もしくは回転椅子に座るなどしてプレイしてください。

作品づくりのポイント

・開発当時(2016年)はVR元年と言われたときで、初めてのことだったので技術的に難航。日本語資料が少ないので海外の文献を読むなど、苦労しながら開発した。

・真正面だけでなく、下から何かが飛び出てきたり、上から髪の毛がバッと落ちてくるなどの仕掛けを採用。前作をプレイした人にも新しい楽しみがある。

・メニュー画面とゲーム画面に遠近感がありすぎると3D酔いをするなどの注意点があったため、社内で3D酔いしやすい人にテストしてもらって改善を重ねた。

Panic Ship

無影灯とは打って変わって、プレイヤーがダイナミックに逃げ惑うパニックホラー。海難事故で漂流していたあなたは1隻の旅客船に流れ着くものの、船内は薄暗く人の姿も見当たらない。恐る恐る中へと入っていくと、そこにいたのは……!!

▲2つのコントローラを使って船内を移動。

▲懐中電灯で照らしながら船内を探索。バッテリーの減りが焦りにつながる。

▲怪物に追いつかれたら終わりだ! 狭い船内で逃げるのに必死。

怪物から逃げ惑うだけでなく、船員が残した遺品から、生還へのヒントを探る謎解き要素も。しかし、のんきに探索させてはもらえません。捕まれば即ゲームオーバー、最恐最悪の追いかけっこです。

作品づくりのポイント

・無影灯はゆっくり行動できる脱出ゲームだが、「どうしよう、どうしょう!」と逃げ焦るパニック系ゲームも作ってみたく、海外向けを意識して開発。

・3Dの世界を動き回るので、操作性をスムーズにするのが難しく苦労した。

・グラフィックが良すぎるとバッテリーの急速な減り、ひどい発熱等につながるので、あえてギリギリまで落とし、スペックが低めのスマホでも快適に遊べるようにした。

友引道路

そこは、「入ったら二度と出られない」と噂される道路。出口が見つからない中、背後から子供の人形がジワジワと近づいてきます。何が恐ろしいって、人形の足音を聞くことがヒントになるため必然的に音量を上げてプレイせざるを得ない、ということ。ミュート状態でのチキンプレイなどさせてもらえないのです。

▲正面を向いている間は自動で歩き、左右スワイプすると足を止め振り返ることができる。

▲足音に気付きふと後ろを振り向くと、人形がすぐそこに!

▲追いつかれたら最後、生きては帰れない……。

「来るぞ、来るぞ」と身構えていても、いざ出てくるとやはり平常心ではいられません。人形が近づいてきたら左右スワイプで後ろを振り返り懐中電灯を当てるのですが、間に合うか否か……毎回緊張が高まります。

作品づくりのポイント

・海外の人気ホラー『Five Nights at Freddy's』を参考に、単発でサクッと遊べるものにしようと企画。ストーリーもつけることで、全編楽しめるようにした。

・人形はほぼランダムに出てくるので、開発した自分たちですらビックリしてしまう。

・最初は視点を3方向に切り替える予定だったが、「なめらかに見渡せたほうが怖く緊張感が出るのでは」ということで360度操作に切り替えたのが苦労したポイント。

ホラーファンも戦慄する『友引道路』。ひたひたひた……背後に……

夢怨

骨董品屋で日本人形を手に入れてから、夢で屋敷に迷い込むことになってしまった主人公。真っ赤な恐ろしい部屋を歩き回り、悪夢の謎や日本人形との関係を探っていきます。ここで登場する霊は、単なる脅かしではなく襲いかかってきます。タップ連打で撃退しましょう。

▲屋敷のあちこちを探索。夢の中なので、少しもやがかかっており不気味さが増している。

▲この屋敷はどうもワケありの様子。一体何があったのか……。

▲突然出てくる幽霊! 精神ゲージが0にならないよう、タップで撃退。

「和」をテーマにしたホラーは、一段と怖さが増しますね。この屋敷は一体誰のものなのか、そこで何が起きていたのか……。怖いけどストーリー展開が気になるので、片目をつむりながらでもプレイしたくなってしまいます。

作品づくりのポイント

・前作『Panic Ship』が洋風だったので今度は和風にし、夢と現実を混ぜてみると面白いのではないかということで今回の作風に至った。1日目、2日目とステージ制にすることでメリハリをつけたのが工夫ポイント。

・いろいろな怖さを入れていこうということで、霊がいきなり走ってきたり、アイテムを拾った直後に手が出てきたりと、ランダム要素も含めて恐怖のパターンを増やした。

・ホラーの中でも構成やストーリーを重視する人におすすめ。

恐怖!美術館からの脱出:プレイルーム

課外授業で廃れた美術館を訪れたあなたは、「プレイルーム」と名付けられた絵画に吸い込まれてしまう。そこには1人の男の子がいて、あなたと遊びたがっている様子……。絵画の世界は一体どうなっているのか、そして無事に抜け出すことはできるのか……!?

▲美術館のトイレを借りようとしたら間違えて倉庫に入ってしまい、そこで不思議な絵を見つける。

▲ふいに現れた謎の男の子。襲ってはこないものの、明らかに怪しい……。

▲美術館を舞台にしているだけあって、彫刻や絵画などが多数登場。

ホラーゲームとしての怖さと美術館の上品さが入り交じり、なんともミステリアスな世界観に仕上がっています。絵画にまつわる過去を紐解きながら、現実世界へ脱出するための鍵を探りましょう。

作品づくりのポイント

・これまでのゲームで培ってきた技術や、ユーザーから受けてきたフィードバックをたっぷり盛り込んで作った。

・絵の中に入るというファンタジーな世界を作るにあたって、デザイナーが頑張ってくれた作品。貸衣装屋で服を借りて撮影するなど、手間暇かけて素材を用意した。

8月3日、新作『サクラタンテイブ』がリリース!

作品ごとに異なる要素を取り込んでいて、バラエティ豊かなラインナップでしたね。

そんなザイザックスから8月3日、新作『サクラタンテイブ』がリリースされました。「360度視点の脱出ホラー」というエッセンスは残しつつ、ラノベのような今風のイラストを採用し、これまた新鮮なゲームになっています。

「じゃあ、たった今から、君とあたしは探偵部ってことで!」

高校生の臨は、同級生のさくらに頼まれ、行方不明になっているさくらの親友「鳥羽麻奈美」の捜索を開始した。 集まっていく親友の痕跡、「SDカード」、「スマートフォン」、「残された謎のメッセージ」…。

「6日間 続けて」という意味深なメッセージに込められた真意とは…!?」

▲「このゲームを5人に教えなければ呪われる」というチェーンメールのようなアプリがあるらしい。親友はそれに手を出して……?

▲アイテムを組み合わせる、スマホを傾ける、ボタンを長押しするなど、幅広い機能を活用した謎解きが楽しい。

▲自販機の下を調べようとしたら……ひえっ!! 明るい雰囲気のゲームと油断すると、思わぬところでビクッとさせられる。

ゲーム実況動画は自由に配信してOKとのことなので、実況者の方は夏を盛り上げる企画として取り上げてみてはいかがでしょうか。

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