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  • 【レポート】スマホ新法で変わるアプリ外課金、グロース戦略の最前線 デジタルガレージ『アプリペイ』が描く収益最大化の道筋(MOBILE STARS SPRING 2026)

Adjust、Braze、Moloco、Moonplateが運営するモバイルアプリマーケター向けコミュニティ「MOBILE STARS」による第7回目となるイベント「MOBILE STARS SPRING 2026」が、2026年4月21日に渋谷ヒカリエのJustCoにて開催。

本イベントでは、アプリマーケティングの最前線で活躍する実務者を招き、いま注目されるテーマとリアルな成功事例が共有されました。

本記事では、MOBILE STARS・運営代表によるオープニングトークに続き、2025年12月に施行された「スマホ新法」を背景に注目が高まる「アプリ外課金」をテーマとしたセッションの模様をお届けします。国内初のアプリ外課金サービス『アプリペイ』を展開する株式会社デジタルガレージより、最新トレンドやグロース戦略について語られました。

OPENINGトーク:アプリマーケターが集い、学びあうコミュニティへ

イベント冒頭、運営代表の大西正太氏が登壇し、開会の挨拶を述べました。

大西氏自身も現役のアプリマーケターとして活動しながらMOBILE STARSを運営しているといい、「今日この後、登壇される方からさまざまなお話をいただけるが、ぜひ多くを学び、明日からの皆さんの活動に活かしていただきたい」と参加者に呼びかけました。

MOBILE STARSは今回で7回目の開催となり、スタートアップから大企業まで多様なバックグラウンドを持つアプリマーケターが集う場として定着しつつあります。

大西氏は、セッション終了後に用意されているネットワーキングの時間についても触れ、「名刺交換はもちろん、今日学んだことや、日頃抱えている悩みなどを、ぜひ隣の方々と話してほしい」とコメント。

コミュニティとしての"つながり"の重要性を強調し、セッションへの期待感を高めました。

▲MOBILE STARS運営代表・大西 正太 氏

▲MOBILE STARS運営代表・大西 正太 氏

アプリ外課金は「非ゲーム領域」へ。広がる導入の裾野

登壇者紹介

丸山 恭平 氏
株式会社デジタルガレージ
アプリペイ事業部 部長

アプリ開発会社にて約10年間にわたり、アプリ広告事業の立ち上げや自社アプリを含む多様なアプリの企画から運用を牽引。2021年よりデジタルガレージに参画し、決済サービスを活用した「アプリペイ」の企画・立ち上げを主導。現在は事業責任者としてサービスをリードしている。

谷口 健二 氏
Adjust株式会社
Senior Partnerships Manager

広告代理店出身で、人材紹介会社での日系グローバル企業の採用支援や、フリーランスとしてのエンジニア採用支援など、多彩な経歴を持つ。現在はAdjustにてパートナーシップを担当。

セッション冒頭、MCを務めるAdjustの谷口氏は、2025年12月18日に施行された「スマホ新法」を背景にアプリ外課金への注目が高まっているものの、アプリ外課金=ゲームアプリ向け、というイメージがまだ根強いことに触れました。

しかし実際には、非ゲーム領域のアプリでも導入が進んでいる状況だといいます。そうした変化の最前線を語る登壇者として、日本で最も早くアプリ外課金ビジネスに着手した一人である丸山氏(株式会社デジタルガレージ)を迎えたと紹介。

丸山氏が事業責任者を務める『アプリペイ』は、従来のアプリ内課金でApple・Googleに支払う30%の手数料に対し、クレジットカード決済なら5%の手数料で利用できるサービスだと紹介。導入社数は60社以上、リリース済みは60タイトル、契約ベースでは100タイトルを超えるといいます。

▲『アプリペイ』とは?_MOBILE STARS SPRING 2026登壇資料

▲『アプリペイ』とは?_MOBILE STARS SPRING 2026登壇資料

『アプリペイ』経由の課金比率は平均40%、最大で70%に達するクライアントもあり、ユーザーがアプリ外で課金すること自体が定着しつつあると丸山氏は説明しました。

▲『アプリペイ』の導入実績_MOBILE STARS SPRING 2026登壇資料

▲『アプリペイ』の導入実績_MOBILE STARS SPRING 2026登壇資料

活用形態は大きく3つ。各社のSNSや公式ショップから集客する「公式ストア」としての活用、自社アプリ外課金ストアに加えて、『アプリペイ』のメディアネットワークを活用する目的で出店する「モール」としての活用、そして国内デベロッパーアプリの海外配信において、アプリ外課金を提供する「グローバル展開」です。

『アプリペイ』は全65カ国に対応しており、納税や法令対応もすべて代行する体制を整えています。

▲『アプリペイ』の活用形態_MOBILE STARS SPRING 2026登壇資料

▲『アプリペイ』の活用形態_MOBILE STARS SPRING 2026登壇資料

「サービス利用」か「自社構築」か ― 判断の分かれ目

アプリ外課金を始める際、「既存サービスの利用」と「自社構築」という2つの選択肢があります。

丸山氏は「最初に取り組むのであれば、サービスを使う方が早く簡単」と話します。手数料率を比較すると、クレジットカード決済はアプリペイが5%、自社構築が3%程度と差はあるものの、PayPayやキャリア決済で優遇料率を引き出せるため、総合的にはアプリペイの方が安くなるケースが多いといいます。

さらに自社構築では、運用・サーバー費用、CS対応、外部メディアからの集客などを自社で担う必要があり、負担は小さくありません。

一方で、自社でIDを持ち、ユーザーコミュニケーションを深めたいというニーズがあるクライアントには自社ショップが適しているとし、「どちらか一方ではなく、両方をうまく活用することが現実的な選択肢」と語りました。

実際、大手ゲーム会社の多くは自社ショップを構築しているといいます。非ゲーム領域では、サブスクリプション対応への要望が強いとのこと。『アプリペイ』では現在サブスクリプションに対応しております。自社で開発する事なく、すぐに導入可能になっております。

▲丸山 恭平 氏(株式会社デジタルガレージ アプリペイ事業部 部長)

▲丸山 恭平 氏(株式会社デジタルガレージ アプリペイ事業部 部長)

「メディア×データ×グローバル」で次の成長へ ― アプリ外課金の頭打ちを超える新規ユーザー獲得戦略

丸山氏がこの日最も強調したのは、アプリ外課金のメリットが「手数料削減」にとどまらないという点でした。

アプリ外ストアは、アプリ内課金では実現しにくい多様なプロモーション施策の舞台となります。例えば、購入者へのデジタルコンテンツ以外のプレゼント、WEBガチャ、グッズ販売など、売り方の自由度が大きく広がります。

ゲームを中心に既に多くのパブリッシャーがWEBストアを構築しているといいます。しかし、ストアを構築するだけでは外部課金の比率を伸長させるのは難しく、販促やキャンペーンといった追加投資が欠かせません。1〜2年運用すると30〜40%で頭打ちになる傾向があり、そこから先の成長にはさらなる仕掛けが求められます。

そこでデジタルガレージがいま注力しているのが、『アプリペイメディアネットワーク』という集客強化サービスです。攻略サイト、ゲーム情報サイト、同社が運営するポイントモール、インフルエンサーからの紹介など、外部メディア経由で外部ストアへの流入を生み出します。

この取り組みから見えてきたのは、自社ストアを運営するタイトルであっても「接触ポイントが変わることで、まだまだ新しいユーザーを獲得できる」と、『アプリペイメディアネットワーク』がもたらす新規獲得のポテンシャルを強調しました。

今後は、デジタルコンテンツにとどまらず、他IPコンテンツの販売にも領域を広げる計画です。すでに一部クライアントでは、東京ゲームショウで受け取れるTシャツを事前販売するなど、IPとユーザーの接点を日常に広げる試みが始まっています。

海外展開・広告効果可視化 ― 収益最大化を支えるインフラ

アプリ外課金による収益最大化を実現するには、「グローバル展開」と「広告効果の可視化」という2つの周辺インフラが欠かせません。

海外配信に挑戦する場合、最も大きな壁となるのが納税対応です。現地法人の設立に加え、例えばアメリカでは州ごとに税率が異なり、ユーザーがどの地域から課金しているかをZIPコードで正確に把握する必要があります。

丸山氏は「自社でやろうとしたが、とても無理だった」というクライアントの声を紹介し、複雑な各国ルールへの対応負荷の大きさを指摘しました。アプリペイは全65カ国に対応し、納税・法令対応をすべて代行することで、クライアントが人件費や運用負担を抑えながら海外展開できる環境を提供しています。

もう一つの軸が、広告効果の正確な可視化です。アプリペイは2026年3月にAdjustとの連携を開始し、アプリペイでの課金情報をAdjustのダッシュボードにリアルタイムで送信できるようになりました。

これまでアプリ内課金のみで測定していた広告のROIに、アプリ外課金のデータも加わることで、マーケターは広告施策の費用対効果をより正確に把握できるようになります。

谷口氏は「アプリ外課金のデータは本来マーケター側で連携作業が必要だが、アプリペイならそのまま可視化できる」と、実務上のメリットを補足しました。

▲谷口 健二 氏(Adjust株式会社 Senior Partnerships Manager)

▲谷口 健二 氏(Adjust株式会社 Senior Partnerships Manager)

Q&Aで深掘り ― 競合との違い、ユーザー心理、今後の展望

セッション最後のQ&Aでは、事前に寄せられた質問に丸山氏が回答しました。

ー海外のMoR(Merchant of Record)事業者との違いについて

多くのMoR事業者は海外の非上場企業であり財務等の情報が見えにくいのに対し、アプリペイは国内の上場企業であるデジタルガレージが運営しており、決算情報を通じて経営状況を確認できる点が強みだといいます。

ゲーム会社では海外課金が月間数十億円規模に達することも多く、取引先の信用力は重要な判断軸になります。加えて、国内エンジニアと海外エンジニアによる連携開発体制が構築されているため、日本語でのサポートや機能要望への対応スピードも優位性の一つだと語りました。

ーアプリ内課金より手間のかかるアプリ外課金を、ユーザーはなぜ受け入れるのか?

丸山氏は「スマホ新法のおかげもあり、Apple・Googleが30%の手数料を取っていたことがユーザーにも知られてきている」と話します。

さらに、「サ終するくらいなら、外で課金して運営会社を応援したい」と考える熱量の高いユーザーが多く、手間を惜しまない傾向が見られるといいます。

ー入金のタイミングについて

アプリペイは国内売上の場合は翌月末払い(海外売上は翌々月15日払い)で、Appleより早いケースがあるとのこと。また、海外売上については日本円での入金となるため、為替の影響を受けない点もメリットとして挙げました。

まとめ:アプリ外課金は「収益構造の再設計」のステージへ

アプリ外課金は、単なる「手数料削減の手段」から、メディア・データ・グローバルを組み合わせた「収益構造の再設計」のステージへと進化しつつあります。

丸山氏のセッションは、アプリマーケターが次のグロースをどう描くかを考える上で、具体的な数字と事例を交えた示唆に富む時間となりました。

アプリマーケターが集うコミュニティ“MOBILE STARS”

セッション終了後には、参加者同士が食事とドリンクを楽しみながら交流するネットワーキングの時間が設けられました。

今回のネットワーキングは「NETWORKING sponsored by Mixpanel」として、ユーザー行動をリアルタイムに可視化するプロダクト分析プラットフォーム『Mixpanel』のサポートのもと開催されました。

Mixpanel』は、非エンジニアでも直感的に分析できるセルフサービス型のダッシュボードや、Adjust・Brazeといったツールとの連携によるマーケティング施策の高度化を支援するサービスです。

「MOBILE STARS」は、Adjust、Braze、Moloco、Moonplate, Inc.の運営のもと、アプリマーケターにとっての学びとつながりの場を継続的に提供する取り組みです。今回のSPRING 2026は、Mixpanelがネットワーキングスポンサーとして参加し、アプリブがメディアパートナーとして関わる形で開催されました。

アプリ業界の発展を願う多くの関係者の支援により本イベントが実現していることに、この場を借りて深く感謝申し上げます。

次回のMobile Starsは2026年8月に開催予定です。
アプリマーケティングに従事するみなさんの成長をサポートする場として、今後も継続的にこうしたイベントを届けてまいります。

MOBILE STARS コミュニティ参加申し込みはこちら

MOBILE STARS 公式サイト

MOBILE STARS SPRING 2026 後編はこちら

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