急な発熱や体調不良で「インフルエンザかコロナかもしれないけれど、病院に行くべき……?」と迷ったことはありませんか? 高熱で動けないなど、外出が難しいこともありますよね。そんなとき、オンライン診療アプリを活用すれば、自宅にいながら医師の診療を受けられるため、便利かつ安心です。

この記事では、オンライン診療アプリの基本情報から選び方、料金や待ち時間、実際の使用感までを詳しく解説します。体調不良時の備えとしてチェックしてみましょう。

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オンライン診療アプリで可能なこと

『みてねコールドクター』のビデオ通話画面

▲『みてねコールドクター』は医師からビデオ通話がかかってくる

オンライン診療アプリは、自宅にいながら医師の診療を受けられる点が魅力です。また、多くのアプリが1時間以内の診療予約に対応しており、発熱やアレルギーなど、迅速な診断が必要な場合には非常に便利です。

ただし、血液検査やレントゲンなどが必要な重篤な症状には適していないため、用途に応じてうまく使い分けるとよいでしょう。

『CLINICS』のオンライン診療検索画面

▲『CLINICS』のオンライン診療検索画面 現在地から近い病院を探せる

多くのオンライン診療アプリでは以下の機能が使えます。

  • オンライン診療
  • 対面診療の予約
  • お薬手帳の利用&薬局の処方箋送信
  • 薬の配送サービス

オンライン診療にはいくつかの制限があります。特に重要な点として、検査や確定診断はできない点が挙げられます。ただし、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症といった流行性疾患が疑われる場合には、手持ちの検査キットで陽性が確認された際、抗ウイルス薬を処方してもらえるケースもあるようです。

オンライン診療にはいくつかの制限があります。特に重要な点として、検査や確定診断はできない点が挙げられます。ただし、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症といった流行性疾患が疑われる場合には、手持ちの検査キットで陽性が確認された際、抗ウイルス薬を処方してもらえるケースもあるようです。

『LINEドクター』の画面

▲『LINE』のサービスの一部である『LINEドクター』

オンライン診療は、「薬だけ欲しい」という要望にも対応可能です。医師の処方が必要な薬も、オンライン診療を受けた後に、薬局での受け取りまたは配送を選んで受け取ることができます。例えば『LINEドクター』を利用すれば、薬の種類から選択して受診することも可能です

オンライン診療アプリの選び方

アプリストアで「オンライン診療」と検索すると、いくつものアプリが出てきて、どれを選べばよいのか迷ってしまうものです。筆者も最初は「どれも似たようなものかな?」と思いましたが、実際にいくつか使ってみると、診療科目や診察時間、支払い方法だけでなく、操作のしやすさや予約の取りやすさなど、思わぬ違いが見えてきました。

実際に利用してわかったことをもとに、アプリを選ぶためのポイントを詳しくお伝えします

アプリ選定の際に考慮したいポイント

『CLINICS』の検索画面

▲『CLINICS』の検索画面。さまざまな条件で選べる

オンライン診療アプリは、まず以下の点に注目して選ぶといいでしょう。

  • 診療対応科目(内科、呼吸器科など)
  • 対応時間
  • 待ち時間
  • 利用可能な地域
  • 費用(診療費用、システム利用料、薬の配送費用など)
  • 使いやすさ(画面の見やすさ、予約のしやすさ)

特に、アプリが対応している診療科目と対応エリアは必ず確認しましょう。また、どの科の診療を受けたらいいか迷った際には、症状に応じたアドバイスをしてくれるアプリや、チャット機能で医師に相談できるアプリを選ぶとスムーズです。

▲『ファストドクター』には相談チャットがある

▲『ファストドクター』には相談チャットがある

代表的なオンライン診療アプリの紹介と比較表

比較表

アプリ名 特徴 対応診療科目 料金 その他 おすすめの人
CLINICS(クリニクス) ・お薬配送あり
・歯科の予約もできる
・症状チェッカーあり
各医院による ・利用料:500円+クレジットカード払い ・対面診療の予約も可
・金額が高め
・別途通話料や処方箋代など費用がかかるクリニックが多い
・クイック診療はない
行きつけのクリニックがある方
curon(クロン) ・お薬配送あり
・クイック診療の受付時間は9〜12時、13時30分〜17時30分
・クイック診療:一般内科、循環器内科、総合診療科、アレルギー科、呼吸器内科発熱外来など(曜日により異なる)
・他は各医院による
・利用料330円+薬局利用料440円〜660円
・予約料330円〜
・クレジットカード払い
・決済金額が即日わかる
・対面診療のキャッシュレス決済機能あり
・キャッシュレス決済したい方
・早く診察を受けたい方
ファストドクター ・24時間対応、休日対応
・医師の救急往診あり
内科、小児科、心療内科、精神科、皮膚科、アレルギー科 ・利用料:330円+診察料990円〜
・お薬の配送:翌日〜翌々日配送 1,034円〜1,320円
・クレジットカード、コンビニ後払い
・各種診断書発行
・医療機関は選べない
・漢方薬も処方可
・往診を頼みたい方
・夜間や休日に利用したい方
LINEドクター ・『LINE』の一部の機能
・基本は欲しい薬に合わせて選ぶ
・8〜19時まで受付
・お薬即日配送あり
内科、小児科、皮膚科、精神科/心療内科、耳鼻咽喉科、小児科、産婦人科 ・利用料:330円〜660円
・クレジットカード
・薬の配送1〜4日以内
現在地から近い病院の距離がわかる 手軽に決まった薬が欲しい方
みてねコールドクター ・東京、神奈川のみお薬即日配送あり(15時30分まで)
・24時間365日対応
・医師の往診あり
内科、小児科、皮膚科、アレルギー科、流行性疾患 ・利用料:無料
・深夜料金加算あり(22〜翌6時)
・お薬の即日配送料880円
・支払い方法:GMO後払い、クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、LINE Pay
・薬の配送は東京・神奈川のみ
・各種診断書発行
・電話問い合わせ可能
・夜間や休日に利用したい方
・コストを抑えて手軽に利用したい方

※問い合わせは基本的にフォームのみで、電話対応なし

保険証や医療証はどのアプリでも使えますが、クレジットカードがないと使えないアプリが大半です。利用料金や使い勝手については、即時予約できる3つのアプリを実際に使って比較してみました。

即時予約ができるアプリを実際に使って比較してみた!

以下の条件で『ファストドクター』『curon(クロン)』『みてねコールドクター』の3アプリでオンライン診断を受け、比較しました。

・アプリ指定のクリニックへの即時予約機能で予約
・症状:咳が1ヵ月以上続いている。熱や喉の痛みはない。
・受診時に必要だった書類:健康保険証
・全て初診扱い

その結果は以下のようになりました。

アプリ名 対応時間 待ち時間 診察時間 金額 医師の性別 診断結果 処方 料金の確定
ファストドクター 24時間365日 22分 7分 ・診療代:1,510円
・お薬代:1,570円
・合計:3,080円
女性 マイコプラズマからの咳喘息疑い 2週間分まで 翌日午前
curon(クロン) クイック診療の受付時間は9〜12時 13時30分〜17時30分
他は医療機関による
18分 5分 ・診療代:2,070円
・お薬代:2,246円
・合計:4,316円
女性 咳喘息疑い 1ヵ月分まで 即時
みてねコールドクター 24時間365日 55分 4分 ・診療代:1,210円
・お薬代:1,220円
・合計:2,430円
男性 特になし 1週間分まで 3日後

※保険証はどのアプリも使える。

オンライン診療アプリの待ち時間比較

▲最も早く診療が受けられたのは『curon』だった

実際に利用してみてわかったのは、料金や待ち時間、薬の受取り方など、アプリ内の情報だけでははっきりしない情報が意外と多いということでした。例えば、待ち時間がどのタイミングで発生するのかや薬局にいつ受け取りに行けばいいのかなど、事前には想像しにくいものです。

そこで体験を通じてわかった「料金」「待ち時間」「薬の受取り方」について、具体的な違いを詳しくお伝えします。

診察代は手数料で差がつく

診療代は保険診療の費用に加え、一部のアプリでは利用料金が発生するため、1,210円〜2,070円程度と差が見られました。

待ち時間は時間帯による

待ち時間については、利用する時間帯によって混雑状況が異なりますが、特に午前中はどのアプリでも比較的スムーズで、30分以内に受診できる印象でした。

『ファストドクター』の待ち時間

▲『ファストドクター』の待ち時間

ただし、どのアプリも13時ごろから混雑が始まり、以降は2時間以上待つ場合もありました。また、薬を受け取るまでにさらに数時間かかることがあるため、当日中に薬が必要な場合は、15時ごろまでに受診を終えるのが望ましいでしょう。

薬の受取方法

オンライン診療の後、お薬を受け取るまでが一連の流れです。配送か薬局受け取りの2択になり、配送の場合は薬剤師とのビデオ通話によるオンライン服薬指導を受ける必要があります。

『ファストドクター』利用時に選択しましたが、欠品やジェネリック医薬品の使用、薬の飲み合わせについて通話で丁寧なヒアリングを受け、対面の薬局を利用する場合と比べても不安は感じませんでした。

薬局の場合は、最寄りの薬局を選ぶとアプリから処方箋が送信されます。お知らせが来たら受け取りに行けばよいため、薬局で長時間待つ必要はありません。

『ファストドクター』『curon(クロン)』『みてねコールドクター』の印象の違い

医師の対応やアプリの使いやすさなど『ファストドクター』『curon(クロン)』『みてねコールドクター』を実際に使ってみた印象は以下です。

丁寧な診療とわかりやすい機能で安心して受診できたファストドクター

『ファストドクター』は、2016年に設立され、各自治体とも連携している時間外救急プラットフォームです。24時間365日対応しており、夜間や休日でも医療機関と適切につながることができるサービスを提供しています。

『ファストドクター』のトップ画面

▲『ファストドクター』のトップ画面。それぞれの科の待ち時間が表示されて便利

アプリの画面では「往診」と「オンライン診療」から選べます。「オンライン診療」は症状に合わせた科を選び、症状や薬の受取方法、薬局を選んで申し込む流れでした。

『ファストドクター』の画面

アプリの画面では「往診」と「オンライン診療」から選べます。「オンライン診療」は症状に合わせた科を選び、症状や薬の受取方法、薬局を選んで申し込む流れでした。

申込みをした後、オンライン診療までの待ち時間を使って体温や保険証、支払い方法などの情報を登録するため、効率よく手続きすることができました。

『ファストドクター』の待ち時間

▲段階ごとにSMSが来て分かりやすい

診療は、事前にSMSで通知が届き、リンクからアクセスする「診療ルーム」でビデオ通話を開始する形式でした。診察の際、最初に医師免許を提示したうえで女性医師が対応してくださり、症状や不安な点を細かく丁寧に聞いてもらえたため、オンライン診療でありながら不安を感じることはありませんでした。

診療後には、お薬の配送サービスを利用しました。配送は東京都内で翌日対応となり、翌朝9時ごろに到着。薬代は1,570円、配送料は1,034円で、クロネコヤマトの手渡し配達でした。
また、このアプリはオンライン診療だけでなく緊急往診の機能も備えており、メニューがわかりやすく迷うことなく利用できる点から、安心して使えるアプリだと感じました。

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診療までの待ち時間が最も短かった『curon(クロン)』

『curon(クロン)』の主な機能は、かかりつけ医とのオンライン診療ですが、「クイック診療」という特定の病院を選ばずに利用できるメニューも提供されています。この機能では、診療科目と希望時間を選ぶだけで、最短30分以内に診療を受けることが可能です。

『curon』の画面

▲自分で病院を選ぶ手間がないので便利

他の2つのアプリとの大きな違いは、曜日によって科が違う点です。

曜日 対応診療科目 診療時間
火〜土曜 アレルギー科、総合診療科、一般内科、循環器内科、呼吸器内科、消化管内科、肛門内科、内分泌内科、糖尿病内科、甲状腺科、皮膚科、漢方内科、発熱外来 ・9〜12時30分(最終受付12時)
・13時30分〜18時
日曜 アレルギー科、一般内科、婦人科、皮膚科、美容皮膚科、診療内科、漢方内科、発熱外来、その他 12時30分〜20時
月曜 アレルギー科、一般内科、婦人科、皮膚科、美容皮膚科、診療内科、漢方内科、発熱外来、その他 15時〜20時

「クイック診療」は診察までが本当に早く、申込みから18分後に受診ができました。ただし、火曜から土曜は12時30分〜13時30分が休診時間となっており、昼休みの時間帯に利用できないため、特に会社員にとっては少し使いにくい点が気になりました。

また、アプリ内での待ち時間が表示されない点や、問診票の過程が出てくるより前に診察が始まってしまい、少し慌ててしまった場面があったため、さらなる改善が期待されます。

アプリ内にビデオ通話システムがある

▲アプリ内にビデオ通話システムがある

金額がすぐに確定されるためわかりやすい点、薬の処方可能期間が1ヵ月と長めである点が使いやすいと感じました。

会計がわかりやすい
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利用料が無料でもっともリーズナブルだった『みてねコールドクター』

『みてねコールドクター』は、家族アルバムアプリ『みてね』から派生したサービスです。

[『みてねコールドクター』は「BabyTech(R)」で大賞を受賞 詳しくはこちら]

『みてねコールドクター』の画面

▲待ち時間がトップ画面ですぐにわかる

『みてねコールドクター』のアプリは非常にシンプルで、診療科や具体的な症状を選ぶことなくオンライン診療の申込みを行う形式です。ただし、対応している診療科が「内科・小児科」「皮膚科」「アレルギー科」「流行性疾患」に限られているため、「外科」などこれらに該当しない症状で受診を希望する場合は、他のアプリの利用を検討したほうがいいでしょう。

診療は医師からビデオ通話がかかってくる形式でした。症状を伝え、「咳がひどいなら咳止めを出しておきましょう」という処方と、「部屋の加湿に気をつけたほうがいい」などのアドバイスを頂いて約4分ほどで診察が終了。

『みてねコールドクター』の使いやすい点としては、料金が安いこと、そして診察開始までの残り人数や待ち時間の目安がわかりやすいことが挙げられます。これらの点から、手軽さを重視する方には適しているアプリだと感じました。

『みてねコールドクター』の待ち時間

▲待ち人数もわかるので予定が立てやすい

特に印象的だったのは、他の2つのアプリと比較して金額が最も安かった点です。クレジットカード払いを利用する場合、利用料や処方箋送信料がかからず、保険診療の金額のみで済みました。診療代は1,210円で、『curon』の2,070円と比べると860円の差があり、非常にコストパフォーマンスに優れていると感じました。

さらに、アプリ内で家族分の薬の受取りや配送をまとめて依頼できるため、「一家全員で感染症にかかってしまった」というようなケースでは非常に便利です。一方で、薬の処方が7日分までに制限されており、これは他のアプリと比較すると短めでした。

親子での診察に便利
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オンライン診療は高くない!

オンライン診療を利用してみて、意外にも費用が安かったことに驚きました。体調が悪い中、着替えて外出し、さらに病院での待ち時間や往復の交通費を考えると、数百円の手数料は決して高いとは感じません。
特に、『みてねコールドクター』は利用料が無料で、診療代と薬代をあわせても2,470円で済み、非常にお手頃だと感じました。

また『ファストドクター』は深夜や土日祝日の緊急往診にも対応しており、アプリから往診を依頼することも可能です。このような柔軟なサービスは非常に心強いです。
インフルエンザや新型コロナウイルスの感染が増えるこの時期、体調を崩したときの備えとして、こうしたアプリをあらかじめダウンロードしておくと安心かもしれません。

また、事前にお薬手帳アプリを入れておくと受取時もスムーズです。オンライン診療、処方箋のアプリ送信と併せて使えば、ほぼ待ち時間なく必要なお薬を処方してもらうことができます。事前にスマホに入れておくといざというときにも安心です。(文・清 仁美)

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