会社を無断欠勤し、そのままフェードアウトする「バックレ」。この記事を読んでいるあなたは、仕事にストレスを抱えたことで仕事をバックレたいと考えているのではないでしょうか。
しかしそうしてしまうことで、その後の人生の足枷になるリスクや、多くの人に迷惑をかける可能性があります。
本記事では、仕事をバックレると起こることや、バックレてしまったときの対処法を詳しく解説していきます。
仕事をバックレるのは危険! その後に起こることや対処法を徹底解説
仕事をバックレてしまう原因
「仕事に行きたくない、バックレたい」と思ってしまうことには、いくつかの原因が考えられます。
ここでは、バックレたくなる原因をいくつか見ていきます。自分に当てはまるものがないかチェックしてみてください。
職場の雰囲気や人間関係にストレスを感じている
「職場の空気が合わず、気を使い過ぎて疲れる」「嫌なことを言ってくる人がいる」など、職場の雰囲気や人間関係でストレスが溜まり、会社に行きたくなくなっているケースです。
ちょっとした違和感程度でも、毎日仕事をするうちに、ストレスが大きくなってしまうのはよくあること。同僚や社内の相談窓口に一度相談してみるのをおすすめします。
仕事の時間が長すぎて疲れが取れない
長時間残業や休日出勤が常態化して、心も身体も常に疲れている……。このような環境では、会社に行きたくなくなるのも無理はありません。
不当な長時間労働は、正当な手続きで対処するのが原則です。バックレてしまうと、被害者なのにも関わらず、自分が不利な立場になりかせません。
<長時間労働、残業への対処法>
・上司や総務に労働時間の改善を訴える
・病院で診断書を書いてもらい、休みを取る
・配属先の変更を希望する
・正当な手順で転職活動をする
・労働基準監督署に相談する
長時間労働に耐えられないのはあなたのせいではありません。無理なものは無理と、はっきり伝えることが大切です。
一度休んでしまって出勤するのが気まずい
一度休んでしまって、会社に行くのが気まずくなってしまった人もいるのではないでしょうか。
たしかに気まずさを感じることもありますが、休めば休むほど会社に行きづらくなっていきます。あとあとさらに大変なことになるよりは、多少注意を受けてでも会社に行くほうがましでしょう。
不必要に怒られてばかりで気が滅入っている
上司から厳しい指導を受けたり、毎日怒られたりすることで、会社に行くのがおっくうになるパターンもあります。
怒られること自体は、一概に悪いことだとは言い切れません。ミスを反省し、次に活かすきっかけになることもありますよね。
しかし、明確な理由もなく、ただただ理不尽に毎日怒鳴られるのは異常です。ストレス発散のために起こっているだけな可能性が高いです。転職や部署移動などで、なるべく早く上司から離れることをおすすめします。
辞めたいのに辞めさせてもらえない
退職は労働者の権利です。退職を受け入れてもらえない場合は、まずは総合労働相談センターや労働基準監督署に相談することが大切です。「損害賠償を請求するぞ」などと脅された場合は、弁護士に相談しましょう。
仕事をバックレるとどうなる?
仕事のバックレには長期的にも短期的も、デメリットがたくさんあります。
ここからは、仕事をバックレた後に起こることを5つ紹介します。
会社から大量の連絡が来る
無断欠勤をした当日は、会社から大量の連絡が来ます。来るはずの従業員が来ないわけですから当然ですね。
最初からズル休みやバックレを疑う企業もありますが、ほとんどの場合は「従業員に何かトラブルがあったのでは」と心配して連絡をします。
また緊急連絡先に電話することも考えられます。その場合は親からも連絡が来るでしょう。
自宅に訪問してくる可能性がある
会社から家が近かったり、社宅に住んでいたりする場合は、会社の人が自宅を訪ねるケースもあります。
従業員が自宅で倒れていたり、病気で動けなくなっていたりしたら大変だからです。何らかのトラブルが発生したリスクを考慮し、企業側もこの時点ではバックレだとは決めつけられません。
もし自宅にもいないとなれば、警察に捜索願を出される可能性もゼロではありません。こうなるとさらにたくさんの人に迷惑をかけることになります。
懲戒解雇されるリスクがある
最悪の場合、懲戒解雇になってしまうこともあります。
懲戒解雇とは、企業への違反行為に対する処罰の中で最も重い処分です。逮捕や殺人、横領行為の際に与えられる処罰と同じですから、相当に重責な処分だと言えます。
多くの企業では「2週間以上無断欠勤した場合は解雇する」と規定しています。厚生労働省が「2週間以上にわたり正当な理由なく欠勤して、出勤の催促にも応じない場合は解雇が可能」と明示しているからです。
懲戒解雇とはならなくても、2週間以上無断欠勤をしたら、普通解雇となってしまう可能性は高いでしょう。
転職活動で圧倒的に不利になる
もし懲戒解雇になってしまったら、離職票や退職証明書には「重責処分」と記載されます。そのためあなたが懲戒解雇された事実は、転職希望先の会社にわかってしまいます。
退職理由をごまかすのは経歴詐称です。入社できたとしても、内定の取り消しや解雇処分を受けることになります。
もし普通解雇だったとしても、書類に重責処分と記載されることも多いです。どちらにせよ、バックレ後の再就職は相当に険しい道になるでしょう。
退職金が減額かゼロになる
仕事をバックレても働いた分の給与を受け取る権利はあります。一方で退職金については、受け取れる額が減るかゼロになるのが一般的です。
懲戒解雇になった場合の退職金の扱いについては、会社の就業規則ごとに異なります。ただし満額を受け取れることはほとんどありえないと考えておいたほうがいいです。
仕事をバックレてしまった場合にすべきこと
「無断欠勤してしまった。どうしよう……」と焦っている人もいるかもしれません。
やってしまったことは仕方ないので、どう対処すべきかを考えましょう。
ここからは、仕事をバックレてしまったときにすべきことを解説します。
早急に会社の人に連絡・謝罪する
まずは会社に連絡を取り、無断欠勤をしたことを謝罪しましょう。
会社側はあなたと連絡を取れないことにいら立っているかもしれませんが、それ以上にあなたの安否を心配しています。
時間が経つほどに連絡を取りづらくなりますので、無断欠席を後悔しているのであればすぐにでも会社に電話してください。懲戒解雇されることに比べれば、会社から怒られることなど大した問題ではありません。
自分の意思をはっきりと伝える
もし会社を辞めたいのであれば、電話ではっきりと退職の意思を伝えましょう。
ここで下手に誤魔化してしまうと、しんどくなったときにまた無断欠勤をしてしまうかもしれません。逃げ癖を治すのは大変です。
せっかく勇気を出して連絡をしたのですから、もう一歩がんばりましょう。
仕事をバックレてしまいたくなったときの対処法
仕事にストレスを抱えているとき、ついバックレることが頭をよぎることもあるでしょう。
そこでここからは、仕事をバックレてしまいたくなったときの対処法を4つ、順番に解説していきます。
何らかの理由をつけて会社を休む
まずはしっかりと許可をとった上で会社を休みましょう。会社を休むのは労働者の権利です。
「仕事をバックレたい」という欲求は、衝動的なものであることがほとんど。1日でもいいので仕事から離れることで、冷静な思考を取り戻せるでしょう。
バックレたい理由が改善可能かを考える
ストレスの原因は人それぞれ異なります。なぜ自分が仕事をバックレたいと感じているのかを考えましょう。
そしてバックレたい原因が改善可能であるなら、退職する前に行動を起こしてみてください。
たとえば「業務内容にやりがいを感じない」という理由なら、異動の打診をしてみる。「仕事量が多すぎて処理できない」なら、上司に相談してみるなど。
改善できるかもしれない問題から逃げてしまうと、次の職場もすぐに辞めたくなってしまうかもしれません。
辞めたいなら正式に退職を申し出る
ストレスの原因が自分ではどうにもならないものだったら、会社の規定に沿って退職を申し出ましょう。上長に話し合いの場を設けてもらうパターンが多いです。
退職の理由はなるべく率直に伝えるのがおすすめです。あなたを引き止めるために、問題の改善に動いてくれるかもしれません。コントロールできない理由であれば無理に引き止められることもないので安心です。
退職の意思を伝えるのは勇気がいりますが、ストレスを抱えたまま仕事を続けるほうがしんどいです。思い切って伝えましょう。
退職の意思を受け入れてくれないなら退職代行を使う
退職を受け入れてくれない悪質な企業の場合、退職代行を使うのも手です。
退職代行とは、退職に関するあらゆる手続きを代行してくれるサービス。退職意思の伝達や退職日の調整、書類の手続きなどを本人に代わって行います。
退職代行を使えば確実に会社を辞められます。業者を使って辞めたことで訴えられることもほとんどありません。訴訟には、対象の人が会社に損害を与えた明らかな理由が必要だからです。退職代行を使ったことが会社に損害を与えることはないですよね。
退職代行の価格は2万〜3万円。決して安い金額ではありませんが、すぐにでも会社を辞めたい人はぜひ利用を検討してみてください。
仕事のバックレは絶対に控えよう
本記事では、仕事をバックレてしまった後に起こることや対処法について説明してきました。
バックレた事実は、後々あなたの首を絞めることになります。会社に損害を与えた人を採用したい企業はありません。
今バックレたいと感じているなら、とにかくまずは休みを取って冷静になることが大切です。無理にでも自由な時間を作って、バックレたい原因の改善方法はないかを考えてみてください。改善方法がなくても音信不通になるようなことはせず、正規の手続きで退職を進めれば、円満に会社を辞められる可能性が高いです。
本記事の内容を参考に、自分のキャリアと人生について、今一度深く考えてみましょう。
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