人材派遣会社(以下、派遣会社)は派遣社員に仕事を紹介してくれます。しかしどこの派遣会社でも、同じ仕事が見つかるわけではありません。本記事では派遣会社の特徴や、選ぶ際のポイントを紹介します。より安心して仕事を探すためにも、派遣会社がどういったものなのか把握しておきましょう。

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派遣会社とは、人材を別企業に派遣する企業のこと

派遣会社とは、人材を別企業に派遣する企業のこと

派遣会社とは、派遣会社に登録された人材を、別の企業へ派遣する企業のことを指します。また登録している人に対して研修を提供するなど、就業にあたってのサポートも行います。派遣先で働く派遣社員は派遣会社と雇用契約を結びつつ、派遣先の企業で業務の指示を受けつつ働くことになります。

派遣会社とハローワークとの違い

ハローワークとは全国500ヵ所以上に設置されている雇用サービス機関。仕事を紹介してくれるという点では派遣会社に近いイメージがありますが、異なる点も多くあります

ハローワークは国が運営している

派遣会社は一般企業ですが、ハローワークは厚生労働省が運営しています。地方公共団体と連携もしながらさまざまな取り組みを行っています。

ハローワークではさまざまな雇用形態を選べる

派遣会社で紹介してもらえる仕事の雇用形態は派遣社員のみ。対してハローワークの求人には、派遣のほかにも正社員やアルバイトなど、さまざまな雇用形態があります。ただし派遣会社に比べると、希望の条件に沿った仕事を紹介してもらえることは少ない傾向にあります。

採用の仕組みが異なる

派遣社員の場合は派遣会社と雇用契約を結び、紹介してもらった派遣先の企業に応募・就業します。応募から就業までの手続きは、基本的に人材派遣会社の担当者が行ってくれます。

ハローワークで求職する場合は、ハローワークと雇用契約を結ぶわけではありません。また企業とのやり取りに担当者は入らず、企業への応募や履歴書の送付、面接の日程調整などは自分で行います。

派遣の種類

派遣の種類

派遣は雇用形態によっていくつかの種類に分かれます。ここではそれぞれの種類の特徴を解説します。

登録型派遣

一般に派遣というと、多くの場合は登録型派遣を指します。これは派遣会社に求職者として登録し、紹介してもらった派遣先の企業に就業しているあいだだけ、派遣会社と雇用契約を結ぶもの。

この登録型派遣では、同じ派遣先の同じ部署に勤務できるのは最長3年までと決められています。3年の期間が満了すると、同じ派遣先の企業でも別の部署に異動する、別の派遣先を探すなど勤務先を変えなくてはなりません。

無期雇用派遣(常用型派遣)

無期雇用派遣とは、派遣会社と無期限の雇用契約を直接結ぶ形態。派遣会社に社員として所属した上で、派遣先の企業に派遣されます。

こちらは登録型派遣とは異なり、3年の期限を超えても同じ派遣先の同じ部署で働けます。また就業していない期間があっても給与が発生するため、次の仕事が見つかっていない場合でも収入が安定しています。

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、就業期間が終了した後に、派遣先の企業と直接の雇用契約を結ぶことを前提とした形態です。派遣先には最長6ヵ月派遣され、その後は派遣先の企業と労働者の双方が合意すれば、派遣先との直接の雇用契約に切り替わります。

派遣で働きたいというよりは、企業で実際に働いてみて合うかどうかを確かめたい人に向いた形態といえます。

派遣会社に登録するメリット

派遣会社に登録するメリット

派遣会社に登録するメリットにはどのようなものがあるでしょうか。ここからはいくつかのメリットを紹介します。

自分のライフスタイルに合った仕事を探してもらえる

派遣会社では自分の希望する条件に合う仕事を探してもらえます。働きたい時間や日数、活かしたいスキルなど、自分のスタイルに合わせて仕事を選べます。残業時間も契約の範囲内で決められているため、プライベートも重視しやすいでしょう

また自分で仕事探しをしなくていいため、負担が少ないのもポイントです。

就業にあたって担当者のサポートを受けられる

派遣で働く際には、労働者それぞれに派遣会社の担当者がつき、就業にあたってのサポートが受けられます。仕事選びの悩みや職務経歴書の作成などを、気軽にマンツーマンで相談可能。また就業した後も、労働環境への不安などがあれば相談に乗ってくれます。必要があれば派遣先の企業に確認もしてくれるので、派遣先に直接聞きにくいことがあっても安心です。

基本的なPCスキルやビジネスマナーの研修がある

多くの派遣会社では、無料で基本的なPCスキルやマナーの研修を受けられます。ブランクがある人でも、就業したときにしっかり働けるようフォローしてくれるでしょう。

派遣会社に登録するデメリット

派遣会社に登録するデメリット

一方で派遣会社には、以下のようなデメリットも挙げられます。メリットとともに参考にしてください。

登録型派遣では最長3年しか同じ職場にいられない

登録型派遣で働く場合、派遣先の同じ部署には最長でも3年しか勤められません。企業によってはそれより早く雇用契約が終了となる場合もあります。

同じ職場に長くとどまれないため、環境の変化がストレスになったり、スキルをしっかり身につけられなかったりすることもあるでしょう。また雇用契約が終了してから、次の仕事が見つかるまでは仕事がありません。次の仕事探しが難航すると、無収入の期間が生じてしまいます

ただし同じ派遣先でも部署を変えれば再び3年まで勤められるほか、無期雇用派遣や派遣先との直接雇用に切り替えれば、同じ職場に引き続き就業できます。

収入が安定せず、基本的にボーナスも出ない

派遣社員は基本的にボーナスが出ないので、正社員のような収入は望めません。また時給制のため、祝日が多いと給与が減ってしまいます。先述のように求職中は給与が出ないこともあり、安定して収入を得られるとは言いがたいです。

派遣先の経営が厳しくなると、契約を解除されやすい

派遣先の経営が厳しくなった場合、派遣先と直接契約していない派遣社員は契約を解除されやすい傾向にあります。予定より早く次の仕事を探すことになるので、仕事探しが難航したり、ライフプランが崩れたりすることもあるでしょう。

派遣会社を選ぶときのポイント

派遣会社を選ぶときのポイント

派遣会社にもそれぞれ特徴があり、見つかる仕事や働きやすさが異なります。これから紹介する派遣会社の選ぶときのポイントをもとに、自分が探したい仕事や、希望する働き方に合った派遣会社を選びましょう。

扱っている求人の業界・職種

求人数が多く、また幅広い職種を扱っている派遣会社なら、それだけ自分に合う仕事も見つけやすいでしょう。また多くの求人が集まる派遣会社では、大手企業や人気の職種の求人を見つけるチャンスです。

対応しているエリアの広さ

さまざまな地域に対応している派遣会社もあれば、地域密着型の派遣会社もあります。広い地域の仕事を扱っている派遣会社では、必然的に見つかる仕事の選択肢も多くなります

逆に特定の地域の仕事に特化した派遣会社では、地元の仕事が見つかりやすいので、住んでいる環境や通勤時間を変えずにさまざまな仕事ができます

優良派遣事業者の認定の有無

派遣会社の中でも特に優れた企業は、厚生労働省から優良派遣事業者に認定されています。この優良派遣事業者に認定されている派遣会社であれば、派遣社員へのキャリアアップ支援や法令の遵守、派遣先とのトラブルの防止など安心して働ける環境を期待できます

働くにあたって不安のある人や、信頼できる派遣会社を選びたい人は、優良派遣事業者に認定された派遣会社がおすすめです。

受けられるサポートや福利厚生の内容

多くの派遣会社では基本的なビジネススキルの研修が受けられますが、派遣会社によってはより専門的な講座やスキルアップの支援が受けられることも。自分の働きやすさや求めるスキルを重視するなら、そうしたサポートや福利厚生の充実度を見てみるといいでしょう。

【表で見る】契約社員と派遣社員の違い

契約社員 派遣社員
雇用主 勤務先の企業 人材派遣会社
勤務先との面接 必要 不要
給与 主に月給制。安定しているが正社員よりは低め 主に時給制。勤務時間や出勤日数で変動する
交通費 多くの場合支給される 多くの場合支給されない
業務内容 契約時に決められた業務のみ担当 契約時に決められた業務のみ担当
業務時間 ライフスタイルに合わせて選べる ライフスタイルに合わせて選べる
福利厚生 勤務先の企業のものを利用。一部が適用されない場合もある 人材派遣会社のものを利用
待遇や給与の交渉 契約社員が勤務先と直接行う 人材派遣会社と勤務先の間で行う
契約期間 最長3年までの勤務が可能。契約が更新されれば再び最長3年まで勤務できる 最長3年までの勤務が可能。以降は同じ派遣先への勤務はできない
契約満了後の対応 自分で次の勤務先を探す 人材派遣会社の担当者に、次の派遣先を探してもらう

派遣会社を活用して、スムーズな仕事探しを

派遣会社によって、見つかる仕事や受けられるサポートはさまざま。自分に合う派遣会社を選べば、よりスムーズに良い仕事を見つけられます。担当者のフォローを受けつつ、自分の好きなスタイルで働いてみましょう。

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