「これは映える!」と思ってスマホで撮った風景やスイーツ。ですが、見返したら今ひとつきれいに撮れていなくてがっかり…。そんな経験はありませんか?
今回は、SNS映えを狙うスマホ写真の撮影テクニックを5つ解説します。iPhoneを例に紹介しますが、Androidや一眼レフでも使えるテクニックばかり!
アルバムやはがきなどにプリントするやり方も伝授しますので、気に入った写真が撮れたらぜひ印刷して楽しんでくださいね。
スマホ写真をもっと楽しむ! 「映え」を作る撮影テク5選&プリント方法
【簡単テク1】ピントを合わせる
映えるスマホ写真を撮るポイントは、被写体にしっかりピントを合わせることです。
ピントの合わせ方
ピントを合わせるには、スマホの画面上で、ピントを合わせたい被写体を軽くタップします。
黄色い四角が表示された場所にピントが合っています。あとは撮影ボタンを押すだけ。
ここで、ピントを合わせる前と後で写真に違いがあるのかを見てみましょう。
ピントを合わせる前に撮影した写真。背景も被写体もボケてしまっています。
ピントを合わせた写真。背景がボケて被写体が目立つ写真になります。
スマホのカメラは構えると自動でピントを合わせてくれるAF(オートフォーカス)機能が搭載されています。
ですが、狙った位置にピントを合わせてくれるとも限らないので、撮影前には自分でもピントを合わせるように癖をつけましょう。
背景のぼかし方
手前にピントが合っていて、背景がきれいにボケた写真をスマホで撮影するには、2つのポイントを意識しましょう。
[Point 1]被写体と背景の間隔を大きめに開ける
被写体と背景の距離が離れるほど、背景をきれいにボケさせることができます。被写体や背景を動かせる場合は距離を意識してみましょう。
[Point 2]被写体に近づいてピントを合わせる
被写体やボケさせたい背景が動かない場合、ズーム機能を併用しつつ被写体に近づくようにします。マクロ機能や外付けのマクロレンズを使うのもおすすめです。
被写体と背景の距離が近く、スマホが被写体に近づいていないので、あまりボケていない写真になりました。
ドリンクのカップをグッと手前に寄せてピントを合わせました。背後の景色がきれいにボケていますね。
AE/AFロックを活用する
AE(明るさ)とAF(焦点)を固定して撮影できる機能をAE/AFロックをいいます。特に、ピントを合わせた距離を変えずに写真の構図を変えたい時はAFロックが便利です。
AFロックを使うには、ピントを合わせたいところを長押しします。画面の上に「AE/AFロック」と表示されたらOK! 黄色い四角の中にあった被写体との距離でピントが固定されました。
AFロックをかけた状態。黒猫にピントが合っています。
カメラを横にずらしても、黒猫にピントがあっています。
AFロックをかけていれば、ほかの被写体にピントが合うことがありません。
【簡単テク2】明るさを調節する
写真を撮る場所が明るすぎる、あるいは暗すぎて困ったことはありませんか? そんなときは、露出調整機能を使って明るさを調整してみましょう。
露出調整で明るさを調節する
ピントを合わせるには、被写体を画面上でタップする……という話はすでにしましたね。
このとき、黄色い四角の横に太陽のマークが表示されます。
明るい写真を撮りたいときはこの太陽のマークを上に、暗い写真を撮りたいときは下にスライドさせます。
露出を調整せずに撮影した写真。暗くて被写体がはっきり見えません。
露出を明るして撮影した写真。被写体がよく見えて華やかな印象になりました。
ただし、すべての写真が明るい方が良いというわけではありません。
夜景を撮る場合や、明るいところを印象的に見せたい場合は、あえて暗い方が良い場合があります。
露出を明るくして撮影した写真。夜景が明るくなりすぎるので、全体的に白っぽく見える「白飛び」が起きやすくなります。
露出を暗くして撮影した写真。明暗がはっきりするので、明るい箇所に注目させやすい写真になります。
なお、AE/AFロックを使えば明るさを固定したり、ピントを調節したりできます。
フラッシュはなるべく使わない
暗いところや夜だと、明るくするためにフラッシュを使いたくなることがあるかもしれません。しかし、フラッシュの光は強すぎるので、撮りたいものが白っぽくなってしまいます。
フラッシュを使用した写真。全体的に白っぽくなり、被写体が真っ白になってしまいました。
フラッシュなしで撮影した写真。夜に撮影しましたが、被写体が十分見えます。
使わないと暗くて何も撮影できない場合を除いて、フラッシュはなるべく使わないようにしましょう。HDR(ハイダイナミックレンジ)機能がついているなら、使ってみるのもおすすめ。
もしそれでも写真が暗いと思ったら、露出を調整したり、加工アプリで後から調節したりフラッシュ以外の方法を考えてみましょう。
【簡単テク3】グリッド機能を活用して映える構図を作る
構図(画面内の配置)も映える写真を作るポイントのひとつ。構図を決めるときに役立つのが、「グリッド」という機能です。
グリッド機能を設定する
グリッドとは、カメラの画面に表示される縦横の線のこと。この線を目安にすると構図を作りやすくなります。
グリッドの出し方は、「設定」から「カメラ」をタップして、「グリッド」をオンにします。すると、カメラ画面に縦横2本ずつグリッドが表示されます。
グリッドを使って作る基本の構図
基本的な構図の中から2つ、グリッドを使って作りやすいものを紹介します。
三分割構図
三分割構図とは、カメラの画面を縦横それぞれ三分割し、その線や線が交わる点に強調したいものを配置する方法です。
スマホカメラのグリッド線はちょうど縦横を三分割しているので、この線を参考にするだけで簡単に三分割構図を作ることができます。
三分割構図のメリット・デメリット
三分割構図は、誰でも簡単に挑戦できる構図です。画面に余白が生まれるので、抜け感や余韻がある雰囲気ある写真を撮りやすいというメリットがあります。
とはいえ、この構図に頼りすぎると、撮る写真がどれも同じような印象になってしまうということも。三分割構図に頼りすぎず、新しい構図も取り入れるようにしましょう。
日の丸構図
日の丸構図は、写真の真ん中に撮りたいもの、強調したいものを配置する構図です。グリッドを使うと、写真の真ん中がどこになるかわかりやすくなり、簡単に日の丸構図を作ることができます。
日の丸構図で撮った写真は、撮りたいものがより強調され、安定感がある雰囲気になります。
日の丸構図のメリット・デメリット
撮りたいものを画面中央に配置する日の丸構図には、構図を簡単に作れるというメリットがあります。グリッドを出していなくても、撮りたいものを中央に配置するのは比較的簡単。誰でも作れる、初心者向きのシンプルな構図のひとつだと言えるでしょう。
その一方で、シンプルな構図だからこそ「よくある写真」っぽい雰囲気になりやすいです。おしゃれな雰囲気の写真にしたい場合は、色や明るさなどを一工夫するといいでしょう。
【簡単テク4】光の当たり方を意識する
写真を撮るときに意識したいのが光の当たり方。どこから光が当たっているかを意識すると、写真の印象が変わります。
順光
「順光」とは、被写体の正面から光が当たっていること。正面から光が当たるので、被写体の形や色をはっきり明るく見せることができます。
順光で気をつけなければいけないのは、人物を撮る時です。
人物を順光で撮る場合は、正面から光が当たるので眩しさに目を細めてしまいがち。誰かを撮る時や自撮りをするときには順光を避けたほうが、ぱっちり開いた目の写真が撮りやすくなります。
サイド光で撮影した写真。陰影が入るので立体感が出やすくなります。
順光で撮影した写真。顔にしっかり光があたって、明るいイメージになります。
逆光
「逆光」は、被写体の背後から光が当たっていること。背後から光があたるため、被写体は黒く影っぽく見えます。
人物を撮る時などば、逆光で撮ると顔が暗く影になるので、避けるのが一般的。
光が強ければ、被写体が完全にシルエット(影)になるので、あえて影絵っぽく楽しむ撮り方をしてみるのもあり。特に、花や木などは、あえて逆光で撮ると色が引き立ちます。
イチョウを撮影。木の幹が逆光でシルエットのように見え、葉の色が際立ちます。
サイド光
サイド光とは、被写体の横からあたる光のこと。被写体に影ができるので、立体感が生まれます。
明暗がはっきりとするので、初心者でも簡単に挑戦できる光の当たり方です。
被写体の質感もわかりやすくなるので、料理やスイーツなどをサイド光で撮ると美味しそうな見た目を演出することができます。
サイド光で撮影。食材の影が皿に落ちて、明暗がはっきり見えます。
【簡単テク5】撮る角度(アングル)を変えてみる
いつも目の前にスマホを構えた姿勢で写真を撮っていませんか? どんな角度(アングル)で撮るかで写真の印象は変わります。
ちょっと上から、あるいは下から撮るなどしていろいろ工夫してみてください。
横から撮る
横からまっすぐ撮ると、見たままに近い、安定感ある写真を撮ることができます。
ただ、目の高さから撮る写真は場合によっては安定感がありすぎて、当たり前すぎる雰囲気の写真になることも。そんなときは、明るさや構図などをちょっと工夫してみるといいですよ。
下から撮る
ちょっと下から見上げるように撮ると、被写体の存在感がアップ。ドラマチックな写真を撮ることができます。
特におすすめなのは、地面すれすれの低い場所から写真を撮ること。迫力ある写真が撮れますよ。
上から撮る
上から見下ろすように撮る方法です。腕をぐっと伸ばして視点より高いところから撮ってみても面白いですよ。
ただし、スイーツなどを撮るときには、自然とこの見下ろすアングルから撮ることになります。こういうときは、ちょっと気をつけないと当たり前すぎる雰囲気の写真になってしまいがち。
そんなときは、スマホをちょっと低めに構えてまっすぐ撮ったり、この後に紹介する真俯瞰(まふかん)で撮るなどするのがおすすめです。
真俯瞰(まふかん)で撮る
特に真上から撮る角度を「真俯瞰(まふかん)」と呼びます。スイーツや料理などを撮るときにこの方法を使うと、盛り付けやデザインなどがよくわかっておしゃれな雰囲気になりやすいですよ。
気に入った写真をプリントアウト(印刷)する
映える写真の楽しみ方は、SNSなどに上げるだけではありません。プリントアウトして飾ったり、手帳に貼ったりして楽しむ方法もあります。スマホ写真のプリントアウトの方法を紹介します。
自宅でプリントする
自宅にプリンターがある人は、プリンターでプリントアウトするのが最も手軽な方法でしょう。Wi-Fi接続ができるプリンターがあれば、スマートフォンとプリンターを直接Wi-Fiでつないで簡単にプリントすることができます。
モバイルプリンターという選択肢もあり!
モバイルプリンターは、スマートフォンとBluetoothを使って接続し、画像を印刷できるプリンターです。スマートフォン程度の大きさなので、自宅はもちろん外出先も持ち歩けて、その場ですぐプリントアウトできるのも魅力的です。
モバイルプリンターを利用する場合は、専用のプリント用紙が必要です。裏がシール面になっている用紙もあるので、手帳や日記、カードや手紙などに貼っで楽むこともできます。
ただし、専用用紙の大きさは一般的な写真のL版以下で、画質も一般のプリンターと比較すると落ちるというデメリットがあります。
スマートフォンとBluetoothで接続して使うタイプのモバイルプリンター。画質が高く、湿気や汚れに強いオーバーコート加工ができるのがポイントです。
専用アプリで印刷前にフィルターなどで加工できるのも便利! 専用のプリント用紙にはシールタイプもあり、手帳やカードに貼って楽しむこともできます。
お店・コンビニ・ネットプリントでプリントする
家電量販店、カメラショップ、コンビニエンスストアでは、スマホから直接写真をプリントできるサービスを提供しているところがあります。
忙しくてなかなか店に行けないという場合は、インターネットやアプリで申し込めるネットプリントサービスもありますよ。
ましかくプリントでちょっとおしゃれに
ちょっとおしゃれにプリントアウトしたいなら、インスタグラムの写真のような正方形(ましかく・スクエア)の形にプリントできる「ましかくプリント」がおすすめです。
最近はスクエア型の写真用紙も販売されていますので、自宅にプリンターがある人は、この用紙を使ってプリントアウトできます。
また、カメラショップや家電量販店、コンビニエンスストア、ネットプリントでもましかくプリントができるサービスがありますよ。
ちょっとしたテクを使ってもっと映える写真を楽しもう!
撮りたいものを見つけたときにさっと気軽に撮れるのは、スマホ写真の長所のひとつ。だけど、撮るときに少し構図を考えたり明るさを調節したりするだけで、もっといい写真が撮れるようになります。
ぜひ、今回紹介した5つの簡単テクを生かして、写真を撮ったりプリントしたりしてスマホ写真を楽しんでみてください。
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