乳児の睡眠支援アプリ『SciBaby(サイベビー)』が2025年2月27日にリリースされました(Android版のみ。iPhone版は6月リリース予定)。東京科学大学(旧・東京工業大学)生命理工学院 黒田研究室が研究のために作成したもので、画期的な寝かしつけアプリとして注目を集めています。

編集部にはちょうど乳児を抱え、初の子育てで苦労しているメンバーが……。わらにもすがる思いで体験してみたその効果はいかに? 早速使用レポートをお届けします。

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東京科学大学が研究開発!
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『SciBaby』は科学的根拠に基づく寝かしつけアプリ

『SciBaby』は、乳児の生理的状態を可視化する腕時計型脈拍センサーと連携し、最適な寝かしつけタイミングを提案する革新的なアプリです。いったい、アプリでどうやって寝かしつけができるのか……? 気になる原理を調査してみました。

「輸送反応」が赤ちゃんのリラックスを促す

『SciBaby』の説明

出典:寝かしつけアプリ「SciBaby」

『SciBaby』の核心となるのは、2013年に発見された「輸送反応」という現象。哺乳類の乳児が抱っこされて運ばれるとリラックスし、泣き止むというものです。しかも、抱き歩きを5分続けると、泣いている乳児の半数ほどが寝つくということもわかりました。この原理を応用すると、アプリを使って乳児を自然な眠りにつかせられるのだといいます。

心拍数データを基に寝かしつけを最適化

最適な寝かしつけタイミングを予測するため、『SciBaby』では専用の腕時計型脈拍センサー(別途手配)をセットで使うことが推奨されています。抱っこしている側は、センサーで取得した心拍数データも参考にしつつ、アプリが指示する時間に合わせて(赤ちゃんの状況によっては時間を延長して)抱き歩きや抱き座りを行うことで、寝かしつけられるという仕組みになっているのです。

まずは使ってみよう! 『SciBaby』の使用方法

本当に、5分程度の抱き歩きで赤ちゃんは泣き止むのでしょうか? 半信半疑ながらも、子供を寝かしつけたくてたまらない編集部メンバーに『SciBaby』を使用してもらいました。まずはアプリとセンサーの設定方法や使い勝手について見ていきましょう。

『SciBaby』アプリと専用センサーの設定・装着方法

ストアから『SciBaby』アプリをダウンロードし、起動したら最初に赤ちゃんのニックネームと生年月日を入力しましょう。次に、個人情報やデータの取扱いに関する重要事項の説明が出てくるので、問題なければ最後の「上記内容に同意します」にチェックし、OKボタンを押します。これで利用できる状態になりました。

『SciBaby』アプリ設定画面

続いて表示された画面の「抱き歩き(センサーが必要です)」を選択すると、センサーとの連携(ペアリング)が始まるので、スマホのBluetoothをオンにし、センサーの電源も入れましょう。連携が完了して右のような画面が出たら、センサーの装着に移ります。
センサーがない場合は「お試し版」を利用します。赤ちゃんの心拍数は測れませんが、寝かしつけに必要な動作のタイミング指示を受けることは可能です。

『SciBaby』専用センサー

▲センサーはベルトで装着する

センサーの装着はいたって簡単で、面ファスナー式のベルトを赤ちゃんの足にクルッと回しつけるだけです。

センサーの装着方法

▲生後3ヵ月の乳児に使用

新米パパ・編集部I

装着するときは「ギャン泣きしてるから寝かしつけたい」というシーンばかりなので、足がジタバタしてる状態なのにもかかわらず、一瞬でつけられる手軽さだったのは助かりました。
ただ、太ももあたりに装着しようとすると、冬は服の裾をめくる必要があり、少し手間が。特に外す際、慎重にやらないと起こしてしまうことも……。足首に付けるとやりやすかったですね。

心拍数グラフを見ながら寝かしつけ開始

『SciBaby』計測画面

アプリには、センサーが取得した心拍数データがリアルタイムでグラフ表示されます。センサーを調整し、赤い波形が表示されたら計測OKの合図。心拍数グラフ表示に切り替え、経過時間に合わせつつ、落ち着いたところでお布団にうまく寝かせられれば、寝かしつけは終了です。

BGM選択画面

設定画面からBGMを選ぶことも可能です。ただし音自体に赤ちゃんが反応してしまう場合もあるため、不要であれば設定をオフにする、またはイヤホンなどを使って抱いている側にだけ聞こえるようにしておくといいでしょう。

効果てきめん! 寝かしつけに成功

抱き歩きの様子

アプリの「スタート」をタップすると、音声ガイドが抱き歩きのタイミングを指示してくれます。それに合わせ、廊下をうろうろ、部屋をぐるぐる……しばらく抱き歩きをしてみたところ、開始30秒~1分ほどでギャン泣きから落ち着き、3分ほどでウトウトし始め、5分経つころにはほぼ寝ている状態に!

続いて行う抱き座りの8分間では、すでに寝ている場合はそのまま寝続け、寝ていなかった場合も半分くらいの確率で入眠したというのです。

新米パパ・編集部I

結果にはかなり驚きました。抱き歩きをしたらどんなにギャン泣き状態でも100%泣き止むんです。75%は抱き歩き中に入眠までいったので、今では泣き止まないなと思ったらまず抱き歩きしてます。開始30秒で黙るので最高です!
また、何度か繰り返すうちに、抱っこの仕方でも効果が変わる印象を受けたので、赤ちゃんにとって心地よい抱っこを探すことにも腐心しました。慣れてくるとグラフを見て「あとちょっとで寝るな、もうちょっと抱き歩きするか」という判断もできるようになり、かなり経験値が増えたように思います。

背中スイッチにも一定の効果が

ようやく寝たと思っても、乳児を布団に寝かせるとそこで起きてしまうことも。これは「背中スイッチ」とも呼ばれ、誰しもが苦労するところですよね。

『SciBaby』は、背中スイッチ対策として「抱き座り」の時間を挟んでいる点が特徴的です。これは赤ちゃんが深い眠りにつくまで待ってから寝かせるためのもので、この行動のおかげで8割程度がそのまま寝続けてくれるという結果も出ています。
起きてしまう残りの2割に対しては、どういう状態なら起こすことなく寝かせられるのか、AIを用いた方法を模索中とのことなので、今後の研究成果の発表や機能追加が待たれます。

新米パパ・編集部I

抱き座りで寝ていないときは、再度抱き歩きすることで入眠させることはできましたが、布団に寝かせる瞬間が一番難しかったですね……。半分くらいは寝かせた瞬間に起きてギャン泣き、という感じでした。うちの子供の場合、寝かしつけクッションで抱き歩き→抱き座りをして、入眠したら太極拳ばりにゆっくりした動きで布団にそっと置くと成功率が高かったです。

5月には東京科学大学すずかけ台キャンパスで実機体験が可能

すずかけサイエンスデイ案内

出典:すずかけサイエンスデイ

2025年5月17日(土)、18日(日)に開催される、東京科学大学のすずかけサイエンスデイでは、アプリの体験会も実施されるとのこと。
アプリの機能を最大限に使うには専用のセンサーを購入しなければなりませんが、まず試してみたい方はこの機会を利用してみてはいかがでしょうか。

アプリの体験会は事前予約制で、両日とも11時、13時、14時、15時から。所要時間は45分程度とのことです。申込みやイベントの詳細は研究室のサイトでご確認くださいね。

(文:辻美紀子)

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