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  • 電子印鑑を作成できるフリーソフト・有料サービス一覧 PDFやExcelでの作り方も解説

近年のさまざまな状況が「働き方改革」を推進し、リモートワークを導入する企業が増えてきました。

その一方で、書類の押印や発送のために出勤を余儀なくされる事務職の方がいるのも事実。こうした状況が続く中で注目がどんどん高まっているのが「電子印鑑」です。導入コストが気になるビジネスパーソンに向けて、この記事ではフリーソフトを中心に紹介します。

「電子印鑑って何?」「作るのって難しいの?」といった疑問もしっかり解消していくので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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【更新情報】
・2023年11月12日:電子印鑑の法的効力について追加しました
・2023年11月12日:電子印鑑サービスの無料、有料の違いを追加しました
・2023年11月12日:各サービスを最新の情報に更新しました

電子印鑑とは

電子印鑑イメージ画像

世界におけるビジネスシーンは署名がスタンダードですが、それとは異なるハンコ文化が長く根付いてきた日本。実印、銀行印、認印などを書類の用途に応じて使い分けながら、業務を行うことが業務において当たり前に行われています。

実際に近年はさまざまなものが電子化されたり、業務効率向上の一環としてペーパーレス化が推し進められたりしていますが、やはり押印するというアナログな業務は欠かせないものとされていました。

そんななか登場したのが、押すという作業をパソコン上でできるようになる電子印鑑。PDFやExcel、Wordなどのデータに直接押印できるとあって、効率化をはじめ多くのメリットを生みます。

電子印鑑サービスの無料・有料の違い

無料の電子印鑑サービスやアプリは印影のみ作れます。効力としては認印程度となるため、契約書の重要書類の作成には適していません。社内での上司の押印が必要、といった機会で利用するイメージです。

一方、有料の電子印鑑サービスはタイムスタンプ情報が組み込まれた電子証明書付きの印鑑が作れます。

セキュリティが高く、押印したのが本人であることや、書類が改ざんされていないことを証明することができるので実印と同等の効力を持ちます。よって、ビジネス上の重要な書類への押印も可能です。

>>無料の電子印鑑サービスはこちら
>>有料の電子印鑑サービスはこちら

法的効力を持たせるためには電子証明書が必要

電子印鑑に法的効力があるかどうかは、電子証明書の有無で変わります。

電子証明書がついた電子印鑑であれば、公文書や契約書、社印などでも使用でき、法的効力も持ちます。実印と同じと考えて問題ありません。

2001年施行の電子署名法第三条でも「当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」と定められています。

一方、アプリや無料サービスを利用した電子印鑑で作れるのは印影のみです。この場合、複製しやすいため、印鑑本来がもつ「本人性の証明」が難しく、法的効力はありません

結論、重要な契約や公文書に使用する場合は、電子証明書(電子署名)付きの電子印鑑が必要であり、そういった機能がある電子印鑑サービスを選ぶ必要があるということになります。

>>無料の電子印鑑サービスはこちら
>>有料の電子印鑑サービスはこちら

電子化が可能な書類の一覧

・会計帳簿
・証憑書類(相手方から受け取った見積書、注文書、契約の申込書、送り状、納品書、検収書、請求書、契約書・領収書の一部等。自己の作成したこれらの書類の写し)
・振替伝票
・営業報告書
・財産目録
・事業(業務・事務)報告書
・付属明細書
・組合員(会員、加入員)名簿
・議決権行使書
・規約等
・資産負債状況書類
・社債権者集会議事録・謄本
・社債原簿・謄本
・総会議事録(創立総会含む)
・取締役会議事録
・定款
など

出典元:経済産業省/[入門編]電子化が可能な文書

電子印鑑を用いるメリット

書類を印刷して、確認して、印鑑を押して、手渡したり、郵送したりという行程を手間に感じていた方にとって、それが格段に効率化を図れることが大きなメリット。実印や朱肉を用意したり、印刷するのにかかるコストも同時に削減できたりするのも経費削減に繋がります。

これまでと異なり、パソコン上で書類を確認してから作っておいた電子印鑑を貼り、メールなどで送付すればOKなので、出勤せずとも同じ仕事をPC上でおこなえるように。

リモートワークなのに出勤しなければいけない状況をなくせます。

電子印鑑のメリットまとめ

  • PC、スマホ上で決裁を完結でき、業務を効率化できる
  • インク代や紙代などのコストを抑えられる
  • 書類にしなくてよいので管理が容易
  • 作成に特別な知識が必要ない

電子印鑑を用いるデメリット

無料の電子印鑑サービスを利用する場合、簡単に作れる反面、なりすましが可能で認印程度の効力しかありません。

法的効力を持つためには電子証明書つきの有料の電子印鑑サービスが必要となります。そのための導入コストはデメリットといえるかもしれません。

また、取り引き先によっては電子印鑑が非対応であったり、同意が必要な場合もあります。特に役所などの公的機関はまだまだ導入されていないことが多く、実印の出番も少なくないのが実情です。

電子印鑑のデメリットまとめ

  • 無料の電子印鑑の場合、認印程度の効力しかない(なりすましが可能)
  • 電子印鑑サービスを導入するコストはかかる
  • 取引先によっては非対応/同意が必要

電子印鑑を無料で作成できるフリーソフト・アプリ

ネット上で入所できるフリーソフトやオンラインツールなどを用いれば、電子印鑑は誰にでも簡単に作ることが可能です。

実際に様々なサービスが存在しているので、ここからはそれぞれについて紹介していきたいと思います。

ただし、前述の通り、有料のサービスと違ってセキュリティが低く、認印程度の効力しかありません。契約書などに利用する場合、有料のサービスを利用しましょう。

>>有料の電子印鑑サービスはこちら

クリップスタンプ

『クリップスタンプ』画面イメージ

WordやExcel、一太郎で作られた文書に、日付印や三文判などを押印できるフリーソフトです。作成できるのは「日付印」「代理印」「三文判」「丸印」「角印」の5種類で、複数の印鑑を使い分けられることがメリット。

日付印と代理印は、部署名・日付・名前を上中下段にそれぞれ入力することが可能で、日付は任意に指定するほか、PCの時計から自動取得することもできます。

表示形式も和暦・西暦から選択制できるのはメリット。WordやExcelを日頃から重宝しているのならばこのソフトを大いに活用できます。

ただデメリットも。文書に押印した印影のサイズ変更や削除することが可能となってしまうので使用する場所は選ばなければいけません。重要度の低い押印への利用がおすすめです。

クリックスタンパー

『クリックスタンパー』画面イメージ

あらかじめ用意されているサンプルファイルに手を入れ、さまざまなスタンプ風にベクター画像を作ることができるフリーソフト。

デザインに関してはソフトとサンプルファイル任せとなりますが、「三文判」「マル秘印」「回覧印」「名前と日付入りのデータネーム印」などは簡単に作成することが可能です。

縦横のサイズや解像度などの調整も自在。作成したスタンプをメタファイルとしてエクスポートすることも可能なので、拡大・縮小しても品質が劣化せず、使い勝手の良い電子印鑑として活躍します。

ただフリーサービスということもあり、デザインの自由度は正直高くありません。デザイン性の高い電子印鑑を求めたい方にはちょっと不満が残ります。

印鑑透過

『印鑑透過』画面イメージ

透過印鑑画像を自動で作成してくれるフリーのWebサービス。そのため本物の印鑑から電子印鑑を作ることが可能です。

作り方はシンプル。実際に白紙に押印した印鑑画像をそのままサイトにアップロードすると、印影が文字の上に被らない透過画像の電子印鑑を作れます。印鑑作成に特化した画像変換エンジンを使用しているため、面倒な作業が一切ないことも魅力です。

しかも実印から作るため、かすれ具合もそのままなので電子印鑑には見えない仕上がりになります。画像加工アプリを組み合わせれば、スマホで電子印鑑を作成することも可能。PCがなくても安心です。

PIXLR X

『PIXLR』画面イメージ

本来は電子印鑑作成用のツールではなく、Photoshopの代用として使えるほどの機能が備わった画像編集ツール。ですが、その機能を用いれば簡単に電子印鑑を作ることができます。スマホで使えるモバイルアプリもあるので、PCがなくても安心してください。

スキャナで印影を取り込むほか、スマホで撮影した印影から電子印鑑を作ることが可能。取り込んだ印影画像の背景を透明にし、印影に合わせたサイズに切り抜いたあとPNG画像として保存すれば、実印をベースにした電子印鑑のできあがりです。

ちなみに色の調節機能はないので、朱色がしっかりと出ている印影を用いないと、綺麗な電子印鑑は作れません。

Pixlr AI写真編集, 加工

Pixlr Pte Ltd

iPhone無料
Android無料
App Storeを見る
Google Playを見る

Excel電子印鑑

『Excel電子印鑑』画面イメージ

アドインとして無料で使えるExcelのフリーソフトなので、Excelユーザーには特におすすめ。ダウンロードすれば、右クリックメニューに電子印鑑のメニューが出て、そこから手軽に押印可能です。

テンプレートとして用意されている電子印鑑だけでなく、独自の印面を作って使用できることもポイント。認印や角印、日付入りの電子印鑑を作ることが可能なので、Excelでさまざまな書類を作成するのであればこのソフトを存分に活用できます。

デメリットは、アドインは使用環境次第でExcelの動作自体に影響を及ぼしてしまうこと。もしほかの業務に悪影響を及ぼすのであれば、ソフトの継続使用をやめましょう。

職印くん32

『職印くん32』画面イメージ

その名のとおり、会社で使用するような職印を作成してくれるフリーソフト。基本設定で情報を入力し、形状で「丸型・楕円形」「認印」「銀行印」「訂正印」の5種類から選択し、フォント(書体)と色を選択すれば完成です。

職印というワードは入っているものの、社名と役職名、フルネームと資格名などの情報を組み込むことはできないので、公的な立場で使用する印鑑として用いることは不可能。実際に認印以上の効力を持たせることは難しいです。

さらに認証をはじめとする高度な機能を有していないので、三文判的な位置付けで用いることになるのではないでしょうか。

電子印鑑を有料で作成できるソフト・サービス

無料ソフトを用いれば手軽に電子印鑑は作れますが、セキュリティ対策が万全とは言い切れません。

有料のサービスには、電子証明書付きの電子印鑑を作ることができ、実印と同等の法的効力も持っています。

契約書や公的書類作成など、ビジネスシーンでの電子印鑑活用を検討している場合は、セキュリティがしっかりしている有料のサービスをおすすめします。

>>社内の認印程度の効力でよければ無料の電子印鑑サービスでOK

クラウドサイン

電子印鑑 クラウドサイン

「クラウドサイン」は国内シェアNo.1の電子契約サービスです。売り上げシェア、契約送信件数、市場認知度、導入自治体数ともに1位を獲得しています。

UIの使いやすさとセキュリティ面の高さから、「TOYOTA」「リクルート」といった大手企業のほか、銀行や官公庁でも採用されています。

電子印鑑GMOサイン

東証プライム上場のIT企業大手、GMOグループの電子契約サービスです。政府機関や大手企業との取引実績があり、全世界で電子証明書を発行するGMOグローバルサインと連携しています。

契約印タイプと実印タイプの2つの電子印鑑(電子署名)を用意しているほか、手書きサインにも対応。

セキュリティ面も充実しており、外部と連携した脆弱性診断や署名鍵保管などのセキュリティ対策が講じらているため、信頼性も高いです。

Shachihata Cloud

ShachihataCloud公式サイトページ

稟議申請書、届出書、見積・請求書、注文・注文請書などにおける一連の流れを、すべてクラウド上で完結できるサービス。氏名印・日付印・社印などの電子印鑑が1印鑑あたり月額110円~(税込)利用でき、インターネット環境さえあればどこででも業務を進めることができます。

シヤチハタ印などの印鑑でお馴染みのシヤチハタ株式会社の提供するサービスなので、セキュリティ面にも不安なしです。

※2「シヤチハタ印」は、シヤチハタ株式会社の登録商標です。

とろろこんぶ電子印鑑(tksk eSeal)

『とろろこんぶ電子印鑑(tksk eSeal)』公式サイトページ

印影をイメージで表現する承認はんこと、印影を文字フォントで表現する日付印ぺったんの2つが作れる有料サービス。管理ツールと押印ツールに分かれ、エンドユーザーは印影を作成・登録することができません。

押印パスワードが設定できたり、押印時に押印ログが出力されたり、セキュリティ面も万全です。

京印章シーオージェイピー

『京印章シーオージェイピー』公式サイトページ

本物の社印を作る際に使用するのと同じフォントを用いた印章作成ソフトを使用し、手作業でオリジナル印影を作り上げるサービス。ライセンス制限がなく複数のPCで使うことができ、一般的な画像フォーマットで提供されるので使い方も簡単です。

作った電子印鑑を印材に彫刻して印鑑化することも可能なのは「はんこ屋」ならではの強みと言えます。

パパッと電子印鑑3PRO

『パパッと電子印鑑』公式サイト

印章用フォントを利用した本格的な電子印鑑画像ファイルを作成するユーティリティソフト。「認印・三文判」「データネーム印」「ビジネス印」「ユーザー印」「住所印」「会社印」「イラスト印」「スキャナ印」の8種類を作成可能です。

実際の印鑑をスキャンして編集できる「スキャナ印機能」も提供されています。デスクトップ上の任意の場所に「印鑑パネル」を設置でき、ソフトを起動せずとも簡単に押印できるなど使いやすさにこだわったソフトです。

10,780円(税込)でソフトを購入できます。

My電子印鑑

『My電子印鑑』公式サイトページ

電子印鑑の弱点といえる、拡大時のアウトラインのギザギザ。アウトラインで提供することでそれを解消する電子印鑑を手に入れられるのがこのサービスです。オーダーメイドで作成されるので、ほかにないオリジナルな電子印鑑と出会えます。

各印や社員に押印者情報が埋め込まれるため、不正コピーの防止・抑制への対策もできます。

電子印鑑を自作する方法

電子印鑑は自力で作ることも可能です。代表的な2例を紹介します。

Excelを使用した場合

  • 挿入タブから「ワードアート」を挿入
  • 印鑑として扱いたい名前を入力
  • 縦書きに変換
  • 挿入タブから「図形の丸」を挿入
  • 名前の文字と図形の位置を合わせたら完成

実際の印鑑をPhotoshopで電子化

  • 白紙に実際の印鑑を押印してスキャン、画像データ化する
  • 透過GIF・当かPNGで保存する

電子印鑑を便利に使おう

電子印鑑は大きく分けて2種類存在しています。ひとつは「印刷データのみの電子印鑑」、もうひとつが「印刷データに持ち主と作成者、タイムスタンプ情報が組み込まれた電子印鑑」です。

おすすめしたいのは、必要な書類に応じて使い分けられるように両方を作ること。認印としては前者を、実印としては電子印鑑証明を発行できる後者を選んでください。どちらとも用意することで、重要な書類にも電子印鑑のみで対応しやすくなります。

電子印鑑で快適なリモートワークを

電子印鑑は、無料・有料を問わずさまざまなサービスがすでに存在しています。電子印鑑の画像を用意しておけば、PDFやExcel、Wordにいつでも挿入できるので、これを機会にぜひひとつ作ってみましょう。

各企業のリモートワーク化は加速しています。地域によってはその長期化も予想されており、以前と同じ働き方を取り戻すのはかなり先になる場合も。こうした中、印鑑のデジタル化はX/Twitterでトレンドに入るなど、大きな注目を集めています。

ハンコ文化の日本として長く歩んできただけに、実務に取り入れるにはまだまだ乗り越えていかなければならない問題がありますが、電子印鑑を導入するとこれからの働き方を変えられたり、業務自体の効率化に繋がったりする確率は高いです。

まずはフリーソフト・無料サイトで電子印鑑を作り、安心してリモートワークができる環境を整えてみてください。

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