幻想的な写真を撮るためには、二重露光・多重露光を利用するのがおすすめです。この記事では、二重露光での撮影方法や原理など、初心者の方にもわかりやすく解説します。幻想的な写真を撮るためコツも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
多重露光・二重露光のやり方 フィルムカメラ・デジタルカメラの撮影のコツなど
二重露光・多重露光とは
二重露光(多重露光)とは、1つのフィルムやデジタルイメージに複数の露光を重ねること。フィルムカメラであれば、1枚のフィルムで2回シャッターを切ることで、異なる像を重ねられます。
デジタルカメラでは、複数の画像を撮影しデータを合成することで思い通りの二重露光写真を作成可能。編集ソフトでも二重露光写真を作れるため、より複雑で芸術的な表現が可能となり、写真家やアーティストによく利用されています。
また、二重露光・多重露光は、写真だけでなく映像作品においても使用されます。映像では、異なるシーンや時間を同一フレームに重ねることで、時間の流れや物語の進行を視覚的に表現することが可能です。
二重露光・多重露光の主なパターン
人物と思考
人が何かを考えていることを表現したいときにぴったり。頭の部分に考えていることのイメージを二重露光で撮影することで表現できます。
人物と建物
建物と人を二重露光で撮影するとその中にいる人たちを表現可能です。この写真のように、仕事中のイメージのようなものを伝えられます。
感情の表現
1人の人物を二重露光で撮影すると、感情を表せます。表の顔と内面の違いを1枚の写真で簡単に表現可能。そのギャップがあればあるほど雰囲気を出せますよ。
二重露光・多重露光を撮影する方法
フィルムカメラで撮影する
二重露光・多重露光を行うためには、まずフィルムカメラの設定を確認しておきましょう。多くのフィルムカメラには、二重露光を可能にする多重露出レバーが搭載されています。この機能を利用することで、1つのフレームに複数回露光を行うことができます。
撮影の手順
1.最初の露光
シャッターを切り、最初の画像を撮影します。この時点ではフィルムを巻き上げずに、そのままにしておきます。フィルムを巻き上げないためには、多重露出レバーを利用してください。
2.2回目の露光
2つ目の画像を撮影します。この時、カメラの設定を変更せずに、同じフレームに再度露光を行ってください。
3.フィルムの巻き上げ
二回目の露光が終わったら、フィルムを巻き上げれば撮影完了です。
注意点
二重露光・多重露光を行う際には、露光のバランスに注意が必要です。1つのフレームに複数の画像を重ねると、画像が明るくなりすぎてしまう可能性があります。そのため、各露光で適切な露出設定を行いましょう。
デジタルカメラで撮影する
デジタルカメラであれば、フィルムカメラよりも簡単に二重露光・多重露光の写真を撮影できます。
撮影の手順
1.二重露光の機能を開く
カメラのメニューを開きます。多くのデジタルカメラには、二重露光の機能が搭載されています。メニューの中にある「二重露光(多重露光)」や「マルチエクスポージャー」などの項目を探し、使用してください
2.最初の撮影
最初の画像を撮影します。この画像は、二重露光の「ベース」となるものです。通常、明るい背景に対して暗い被写体を選ぶと良い結果が得られます。
3.二回目の撮影
次の画像を撮影し終われば完了。2枚目の画像は、最初の画像に「重ねる」ものです。
注意点
デジタルカメラであっても二重露光・多重露光を行う際には、露光のバランスに注意が必要です。複数の画像を重ねると、明るくなりすぎてしまう可能性があります。そのため、各露光で適切な露出に調整してください。
また、被写体や背景、照明など、画像の要素を慎重に選ぶことが重要です。異なる角度から同じ被写体を撮影する、または全く異なる被写体を組み合わせるなど、創造性を発揮してみてください。
編集ソフトで二重露光・多重露光を作る方法
画像を透過させ、合成する
この手法は画像を透過させて重ね合わせるだけなので、とても簡単かつポピュラーなものです。透過させたい画像と背景画像を選び、編集ソフトで透過度を調整し、画像を重ねるだけ。適切な画像選択と透過度の調整で美しい二重露光・多重露光の作成が可能です。
合成機能のあるソフト・アプリを使用すると、このプロセスを簡単に行うことができます。
マスクを使う
マスクは画像編集の重要なツールで、特定の部分を隠すことが可能です。画像の一部を透過させ、一部を強調したり、複数の画像を自然に融合させたりすることができます。
マスクを使った一般的な手順は、新しいレイヤーにマスクを追加し、ブラシツールで表示する部分と隠す部分を選択するだけ。これで、必要な部分だけを表示させられます。
幻想的な二重露光・多重露光にするコツ
明るさと色彩のバランス
幻想的な二重露光・多重露光を作成するコツは、明るさと色彩のバランスを適切に調整すること。明るすぎると画像が白飛びしてしまい、暗すぎると詳細が見えなくなります。色のコントラストを強調することで、画像に深みと鮮やかさをもたらすことが可能です。
シャッタースピードの調整
二重露光・多重露光の作成において、シャッタースピードの調整も重要な要素となります。長時間露光を行うと、動きのある被写体が幻想的な軌跡を描くことができます。
一方、短時間露光を行うと、被写体の動きを止めることができ、異なる視点からの被写体を重ね合わせることが可能です。
フレームの選択
フレームの選択も重要な要素となります。被写体と背景の関係性を考え、どの部分を重ね合わせるかを決定することで、より幻想的な二重露光・多重露光を作成することが可能です。また、被写体の位置や角度を変えることで、異なる視覚効果を得ることができます。
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