iPhoneで月を綺麗に撮るには設定が大事です。肉眼では綺麗に見えている月も、iPhoneで撮影するとぼやけて白い光の玉にしか見えず、がっかりした経験はありませんか?
本記事ではiPhoneで月を綺麗に撮る方法を紹介。標準搭載のカメラだけでなく、外部アプリを使う方法のそれぞれの手順と撮れ方の比較を動画でも解説。2024年4月の満月は24日(水)で「ピンクムーン」を言われている月になります。2024年のスーパームーンや各月の満月を見られる日時も記事後半でまとめています。
iPhoneで月を撮影する方法 ノーマルカメラでも設定次第で簡単に綺麗な写真に!
おすすめカメラアプリ『BeautyPlus』
『BeautyPlus』は高画質の撮影ができ、かつ直感的な操作で使いやすい点が魅力です。加工機能も充実しており、不要な部分を消したり細かな光補正ができたり万能カメラアプリです。
月をキレイに撮影する4つの方法:事前にやっておきたい設定はこれ
撮影前にカメラの設定を変更しておけば、スマホでも月を綺麗に撮影できます。
iPhoneの標準カメラや、その他のカメラアプリで変更すべき設定は以下の通りです。
※なお、動画の画質設定を上げて撮影する方法もネット上に見られますが編集部で試したところ月にズームをあわせるとブレてしまい三脚なしでの撮影が実際には厳しいと判断したため本記事では載せていません。
露出を下げる
iPhoneの標準カメラで月を撮影するなら、必ず調整してほしいのが露出補正です。露出を下げることで月が光の玉のように、白飛びする現象を軽減できます。
まずは画面に写り込んでいる被写体をタップしてピントを合わせましょう。
すると四角い枠と一緒に太陽のマークが表示されます。太陽のマークを上下にスライドして露出を調整してください。
調整がうまくできれば被写体が鮮明に見えます。
シャッタースピードを上げて撮影する
シャッタースピードはカメラアプリ『MuseCam』や一眼レフカメラで調整できます。
シャッターを開いてる時間を短くすると露出の少ない写真が撮れます。月の満ち欠けに合わせて速度を変更するといいでしょう。
シャッタースピードの目安
●満月 :1 / 500秒から1 / 250秒
●半月 :1 / 30秒から1 / 15秒
●三日月:1 / 15秒から1 / 8秒
満月のときには一瞬だけシャッターを開き、三日月のときには少し長めにシャッターを開くイメージです。
シャッタースピードが長くなると手ブレしやすくなるので、脇を締めスマホをしっかりと固定して撮影に望みましょう。三脚があると写真がブレる心配もなくなります。
※シャッタースピードの調整はiPhoneの標準カメラにはありません。
ISO感度を低く設定する
ズームして月を撮影するならISO感度は低く設定しておきましょう。レンズの倍率を上げたことにより、荒くなった映像が鮮明になるだけでなく、月の白飛びを防ぐ効果もあります。
※ISO感度調整はiPhoneの標準カメラでは設定できません。
レンズを絞る(F値を大きくする)
もし月の撮影に一眼レフカメラを使う人は、レンズの絞り具合を表すF値を上げてみましょう。
ここで混乱する人も多いかと思いますが、F値は数値が大きいほど露出が減り、月の白飛び現象を抑えられます。
ちなみに、iPhoneのポートレートモードでもF値は変えられます。ただ、ポートレート機能は月のような遠距離の対象物には適さないためくっきりした月を撮るのには向きません。
F値が大きい方が僅かですがくっきり撮れています。iPhoneのポートレートモードで撮る場合はF値を右にずらして値を大きくして撮ると良いでしょう。
iPhone標準カメラだけで月をうまく撮るには夜景モード(ナイトモード)を使いこなすのがポイント
暗い場所は暗いままに、明るい場所をより強調できるのがナイトモードです。月を撮影する場合には周囲が暗くなり、月がより際立つようになるのでおすすめの撮影方法のひとつとなります。
ただし建物の明かりなど、月以外にも明るい場所が写ってしまう状況での撮影には不向き。月以外のものも強調されてしまうので、月の美しさが際立ちません。
ナイトモードと似ている機能にフラッシュがありますが、こちらは暗い場所も明るく鮮明に写してしまうので、月や夜景撮影では使用しないほうが良さそうです。
ナイトモードで綺麗に撮影するコツ
白と黄色の十字ガイド線をピタリと合わせ続けることで、ブレない綺麗な写真が撮れます。
また、撮影場所の暗さに応じてナイトモードの撮影時間は異なります。数秒間はスマホを動かさないようにじっと耐えましょう。どうしても動いてしまう場合には、三脚などでスマホを固定した状態で撮影するのがおすすめです。
月の撮影に向いているカメラアプリの使い方
iPhone標準カメラではなく、専用のカメラアプリを使うことでシャッタースピードやISO感度の設定が行なえます。
おすすめのカメラアプリ、『MuseCam』、『Adobe Lightroom』、『夜撮カメラ』の使い方をそれぞれ説明をしていきます。
プロカメラ・RAW現像・月カメラ 【MuseCam】で月を綺麗に撮影する方法
『プロカメラ・RAW現像・月カメラ 【MuseCam】』はカメラを起動するだけで焦点距離やシャッタースピード、ISO感度の調整ができる高性能なカメラアプリです。操作画面もシンプルなので、簡単に設定変更ができます。
またグリッド線の表示もできるため、写真の構図を意識しながら撮影できるのも嬉しいポイント。各機能の使い方は下記にて解説していきます。
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STEP1
「ISO感度」を最小に設定
月の白飛び防止と高画質で撮影するために、ISO感度は最小に設定しましょう。
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STEP2
「焦点距離」を調整する
月にピントを合わせるため、「焦点距離」を調整します。スライドバーを動かし、月の輪郭がくっきりするところを探しましょう。
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STEP3
「シャッタースピード」を調整する
シャッタースピードは1 / 4秒が最も明るく、1 / 2000秒が最も暗くなる設定です。好みの明るさになるよう調整してみましょう。設定に迷う人は下記の数値を参考にするのもいいでしょう。
シャッタースピードの目安
●満月 :1 / 500秒から1 / 250秒
●半月 :1 / 30秒から1 / 15秒
●三日月:1 / 15秒から1 / 8秒
設定が終わったら、画面下の赤いボタンを押して撮影してください。
『Adobe Lightroom』で月を綺麗に撮影する方法
写真加工アプリの『Adobe Lightroom』は写真の撮影から加工までをアプリひとつで完結できます。またカメラの機能を以下の3つから選んで使えるのも魅力のひとつです。
「AUTO」: 自動的に露出補正
「HDR』 : 露出補正・ホワイトバランスの調整が可能
「プロフェッショナル」 : 露出補正・ホワイトバランス・ISO感度・シャッタースピードが調整可能
月を撮影するならISO感度やシャッタースピードまで変更できる「プロフェッショナルモード」の利用がおすすめです。
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STEP1
カメラ機能を選択する
右下のカメラアイコンをタップするとカメラが起動します。
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STEP2
プロフェッショナルモードを選択
左下の「AUTO」をタップして「プロフェッショナル」を選択しましょう。
プロフェッショナルでは下記の項目を調整できます。
●Exp : 露出を補正
●Sec : シャッタースピードを調整
●ISO : ISO感度の設定
●WB : ホワイトバランスの設定
●[+] : ピント調整
「Exp」や「ISO」を低く設定して月の白飛びを防ぎ、「[+]」で月にピントを合わせたら、「Sec」を微調整しながら撮影をするのがおすすめです。
「WB」は月の色を変化させたいときに利用するといいですよ。
『夜撮カメラ』で撮影する方法
『夜撮カメラ』には、月の満ち欠けに合わせて数値を自動で決めてくれる機能があります。
細かな設定がよくわからない or 手軽に撮影したい人は『夜撮カメラ』を使ってみましょう。
設定手順は以下の通り。
- 右上から3個目のアイコンをタップ
- 「夜空」を選択
- 「月」をタップ
- 月齢を選択
写真の明るさを微調整したい人は、各項目を手動で設定するのもアリ。
画面をタップすると調整可能な項目が表示されるので、お好みで設定を変更してみてください。
月の模様まで写したいなら望遠レンズが便利
月の凹凸まで鮮明に撮影するなら、Amazon等に『望遠レンズ』が売っているので、iPhoneにセットして使うといいでしょう。
ピントの調整は望遠レンズが付いている分、あわせにくいかもしれませんが、うまく調整できれば月の模様まで写せます。
2024年の満月はいつ見られる?
2024年の日本では、毎月1回ずつ合計12回満月を見られます。各月に見られる満月には名前がついていて、6月のストロベリームーンが有名です。これは、ネイティブアメリカンが季節に応じて付けた満月の名称が元になっていると言われています。
名称 | 次の観測日時 | |
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1月 | ウルフムーン | 1月26日(金) 2:54 |
2月 | スノームーン | 2月24日(土) 21:30 |
3月 | ワームムーン | 3月25日(月) 16:00 |
4月 | ピンクムーン | 4月24日(水) 8:49 |
5月 | フラワームーン | 5月23日(木) 22:53 |
6月 | ストロベリームーン | 6月22日(土) 10:08 |
7月 | バックムーン | 7月21日(日) 19:17 |
8月 | スタージョンムーン | 8月20日(火) 3:26 |
9月 | ハーベストムーン | 9月18日(水) 11:34 |
10月 | ハンターズムーン ※スーパームーン | 10月17日(木) 20:26 |
11月 | ビーバームーン | 11月16日(土) 6:29 |
12月 | コールドムーン | 12月15日(日) 18:02 |
直近は2024年10月17日のスーパームーン! 珍しい月を次見られるのはいつ?
月の名称 | 次の観測日 |
---|---|
スーパームーン | 2024年10月17日(木) 20:26 |
ブラッドムーン (皆既月食) | 2025年9月8日(月) 2:30〜3:53 |
ブルームーン | 2026年5月31日(日) |
直近で珍しい月が見られるのは、2024年10月17日(木)のスーパームーンです。次に見られるブラッドムーン(皆既月食)は2025年9月8日(月)、ブルームーンは2026年5月31日(日)なので、ブラッドムーンとブルームーンは2024年中に日本で見ることはできません。
スーパームーン
スーパームーンとは、1年で最も大きく見える満月のことです。日本と満月との距離が近いため、通常の満月と比べて月が大きくて明るく見えます。
ちなみに、1年で最も小さく見える満月はマイクロムーンと呼ばれていて、2024年では2月24日(土)に観測されました。
ブラッドムーン(皆既月食)
ブラッドムーンとは、皆既月食の際に赤く見える満月のことです。月食は、地球が月と太陽の間に入り込むと起きる現象。そして、月が太陽をほとんど覆い隠すと皆既月食になります。
皆既月食は2〜3年に一度見られることが多く、次回の皆既月食も2年10ヶ月ぶりで2025年9月8日(月)です。
ブルームーンは実際に青く見えない?
ブルームーンといえば青い月の写真が有名ですが、実際のブルームーンは青く見えません。ネット上に多く出回っているブルームーンの写真は、青く色を付けて加工したものです。
ブルームーンはひと月で2度目の満月のこと。満月は月に一度がほとんどですが、2〜3年に一度くらいで月に2回満月を見られることがあります。ブルームーンと呼ばれる理由は諸説あり、はっきりとしていません。