TOEIC(テスト・オブ・イングリッシュ・フォー・インターナショナル・コミュニケーション)は、日常生活やビジネスシーンでの英語力を測る国際的な試験です。
TOEICのスコアは自身の英語力のアピール材料になります。職場での評価アップや理想に近い条件での転職にも役立つでしょう。
しかし、適当に教材を買って無闇に勉強するだけではなかなかスコアは上がりません。
本記事では、TOEICのスコアを効率よく上げるための対策方法について解説していきます。初心者から上級者まで、どのレベルの方でも参考にできる内容にしています。
TOEIC対策を考えなしにやってない? 学習のコツや手順、おすすめアプリを紹介
TOEICのスコアを上げるメリット
TOEICのスコアを上げることで、選べるキャリアが幅広くなります。高いスコアは、就職・転職活動で有利に働くだけでなく、海外でのビジネスチャンスも広がります。
さらに、自分自身の英語力が客観的にわかるため、モチベーションの維持にもつながります。英語力を確認する指標としてTOEICを使うのもいいでしょう。
TOEICの問題数・配点・試験時間
TOEICの試験はリスニングとリーディングの二部構成となっており、合計で990点満点です。問題数と配点、試験時間は以下の通りです。
・リスニング:100問・495点満点・45分間
・リーディング:100問・495点満点・75分間
TOEIC対策に着手する前にすべきこと
TOEIC対策を始める前に、いくつかの重要なステップがあります。ここでは、TOEICの対策を始める前にしておくべき3つのことを詳しく説明します。
TOEICの出題形式を把握する
TOEICの出題形式を理解することは、効果的な対策の第一歩です。
試験の形式、出題範囲、試験時間などをしっかりと把握しておくことで、無駄なく勉強を進められます。
過去問や公式ホームページをチェックして、問題の雰囲気や形式を理解しておきましょう。
現在の英語レベルをチェックする
現時点の英語レベルによって、学習手段やペースは変わってきます。
まだ英語力の基礎が身についていないなら、中学レベルの英語から復習し始めるのが効果的です。
一方で、ある程度基礎が出来上がっているなら、最初から過去問を中心とした学習に取り組んでOKです。
レベルチェックには、過去問を解いてみるのが手っ取り早いでしょう。例年600点程度が平均なので、基準としてみてください。
目標スコアを設定する
目標スコアを設定することで、モチベーションが高まり、計画的に勉強ができます。
初心者の人は、平均点の580〜600点を目指してみるといいでしょう。
TOEICの独学での効果的な対策方法
TOEIC対策は独学でも十分に可能です。ここでは、独学で効果的にスコアを上げるための方法を紹介します。
基礎的な単語・文法を完璧に身につける
基礎的な単語と文法をしっかりと理解することが、TOEICで高得点を取る基盤になります。単語と文法の知識がないと、リーディングにもリスニングにも太刀打ちできません。
単語学習は、TOEICに特化した単語帳を使うのがおすすめです。文法の参考書は、自身のレベルに合ったものを選びましょう。
英語長文を繰り返し音読する
音読はリーディング力を高める効果的な手段です。特にTOEICでは、長文が多く出題されるため、音読によるリーディング力アップが欠かせません。
音読は、英語を英語のまま理解する力や、英文の正確なイントネーションを身につけるのに効果を発揮します。リーディング力を鍛えながら、リスニングスキルも磨くことができます。
音読の手順は以下の通りです。
<音読の手順>
1. 長文を不明点がなくなるまで読み込む
2. CD音源を聴く
3. CD音源に合わせて音読する
4. 発音やイントネーションを理解したら音源なしで音読する
5. 音読を計20〜30回繰り返す
毎日の習慣として、英語の長文を音読する練習を行いましょう。
音源を使ってリスニングの練習をする
リスニング力はTOEICで大きなウェイトを占めます。音源を使って毎日継続的にリスニングの練習をすることで、耳が英語に慣れてスコアが向上します。
リスニング練習には、以下のような方法があります。
<リスニング練習の方法>
・リピーティング:聞こえた英文をそっくり発話する
・シャドーイング:流れる英文を2秒ほど遅れて発話していく
・ディクテーション:流れる英文を書き取る
まずは一番簡単なリピーティングから行いましょう。一文再生したら停止し、音声の通りに発話していけばOKです。
実践問題集で本番同様の練習をする
TOEICの問題形式に慣れることは、安心して試験に臨むために不可欠です。実践問題集を使って、本番と同じ条件で練習を重ねることで、試験に対する自信がつきます。
レベル別:TOEIC対策法
TOEICのスコアによって最適な対策方法は異なります。ここでは、スコア別にどのような対策が効果的かを詳しく解説します。
スコア500点以下:単語・文法の徹底
スコアが500点以下の人は、まず基礎的な単語と文法に焦点を当てるべきです。
英単語はTOEIC用の単語帳1冊を完璧に覚えること。文法は中学生レベルの文法書1冊を完璧に理解すること。
上記2つを完了すれば、英語の脱初心者レベルに達するでしょう。
スコア500~600点:実践問題集でパートごとのコツを掴
500~600点のスコア帯は、ある程度の基礎力が備わっている状態です。600点を超えるには、TOEIC特有の問題形式に慣れることが必要です。
実践問題集を使って、各パートの解き方やコツを掴みましょう。試験形式に慣れるだけで大幅に点が上がることもあります。
スコア600~800点:ディクテーションとシャドーイングで応用力を磨く
600~800点のスコア帯では、応用力の向上が求められます。
ディクテーションやシャドーイングなど高度な練習を取り入れて、英語の応用力を磨きましょう。
TOEIC対策におすすめの参考書
TOEIC対策には、良質な参考書が欠かせません。ここでは、各レベルに合わせたおすすめの参考書を3冊紹介します。
『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)』
『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ』は、TOEICで頻出する単語やフレーズを効率よく覚えられるように設計されています。
各単語がフレーズごとにわかりやすくまとめられており、効率的に学習を進められます。
英単語がレベル別に整理されているので、初心者から上級者まで全ての人におすすめできる参考書です。
『Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル』
文法の基礎を固めたい方には『Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル』が最適です。
本書は、中学3年分の英文法を30日でマスターできるよう設計されています。
インプットとアウトプットをバランスよく行えるため、英文法を理解しながら使いこなす練習もできます。
『TOEIC(R) L&Rテスト全パート完全攻略 問題集 』
『TOEIC(R) L&Rテスト全パート完全攻略 問題集 』は、TOEICの全パートを網羅しており、実践的な対策ができます。600点レベルの人が対象で、平均点からさらに上を目指すのにぴったりです。
各パートの解説も詳しく、高得点を目指す方には特におすすめです。
TOEIC対策におすすめのアプリ
TOEIC対策には書籍だけでなく、スマホアプリも役立ちます。
アプリ学習の強みはその手軽さ。ちょっとした空き時間でさくっと学習できるので、無理なく勉強を継続できます。
ここでは、TOEIC対策におすすめのアプリをいくつか紹介します。
『スタディサプリENGLISH TOEIC®L&Rテスト対策』
『スタディサプリENGLISH TOEIC®L&Rテスト対策』はTOEICに特化した学習アプリで、リスニングとリーディングを徹底的に練習できます。
問題はほとんどが数分以内に取り組めるので、外出先のスキマ時間でもサクッと勉強できます。
また、ネイティブによる収録音声で本番さながらの雰囲気を味わえます。プロの講師による解説動画があり、わかりやすく説明してくれるので理解が深まります。
『スタディサプリENGLISH 日常英会話から海外旅行英語』
『スタディサプリENGLISH 日常英会話から海外旅行英語』はリスニングに特化した英語学習アプリです。
実践的な問題が豊富に用意されており、聴き取りや筆記、スピーキングなど、バランスよく語学力を向上させることができます。また、リスニングの問題点を解決する解説動画も視聴できます。
TOEICの試験対策に特化しているわけではありませんが、リスニングの練習には最適なレベルになっているため、ぜひ利用してみてください。
『トレーニング TOEIC ® test』
『トレーニング TOEIC ® test』はTOEICの公式テストの出題傾向を分析した英語学習アプリで、400~800点レベルの問題を収録しています。
短時間で毎日勉強できるので、通学中や休み時間などのスキマ時間に最適です。
TOEIC勉強のスケジューリング
ここでは、生活スタイルに応じたTOEIC勉強のスケジューリングをご紹介します。あくまで一例ですので、ご自身の生活に合わせて取り入れてみてください。
学生向けの効率的な勉強プラン
学生は長期休暇を活用して集中的にTOEIC対策をするのがおすすめです。長期休暇を利用することで、短期間で効果的にスコアを上げることが可能です。
長期休暇以外の期間では、毎日一定時間学習を行うようにしましょう。学習時間にばらつきがあると、「今日はやる気が出ないから勉強しないでいいか」と怠ける日が出てきます。
社会人向けの時間管理テクニック
社会人は仕事と並行してTOEIC対策をする必要があります。
多忙な中で効率的に学習するには、スキマ時間の活用が欠かせません。電車や昼休み、寝る前の時間などを使い、英語学習を積み上げていきましょう。
スキマ時間での学習には、参考書よりもアプリのほうが便利でしょう。
正しい手順でTOEIC対策を行おう
TOEICのスコアアップに近道はありません。毎日コツコツと長期間学習を続けることで、初めて成果を実感できるものです。
だからこそ、正しくて効率的な学習方法を取り入れないと、大幅な時間のロスになりかねません。
本記事を参考に、自分に合った学習方法を生活に取り入れてみてください。
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