Appliv編集部が気になるアプリにインタビュー!
今回紹介するのは、カレンダーシェアアプリ『TimeTree(タイムツリー)』。グループで予定を共有でき、プライベート用、家族用など、用途ごとに複数のカレンダーを作成できる便利さから、世界中で利用者がいる人気のアプリです。
予定管理の悩みは世界共通、5500万人が使うカレンダーシェアアプリ『TimeTree』
今回お話を伺ったのは
大切なのはコミュニケーション、「冷蔵庫に貼ったカレンダー」が開発のヒントに
「TimeTree」はどんなアプリですか?
簡単にグループでカレンダーを共有できるアプリです。従来のカレンダーは、自分の予定を書き込むものですが、誰かと共有して使う点が大きく違います。
また、カレンダーを複数持てるので、それぞれを異なるグループで共有することが可能です。
アプリを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
私自身の体験が1つのきっかけになっています。
当時、保育園に通っていた子どもの送り迎えの予定を、妻と相談していたんですが、自分が迎えに行くはずの日に会議を入れてしまい、喧嘩になるようなことがよくあったんですよね。
「この日どっちが行く?」ってチャットでのやりとりには限界があるなと感じたんです。会話の履歴をたどって見つけるのも大変じゃないですか。
よくありますね、「言ったよね?」「そうだっけ?」とお互いすれ違ってしまうこと。
こうしたことを防ぐため、コミュニケーションをストックできる形がいいなと考えていたときに、実家の冷蔵庫にカレンダーを貼って、家族の予定を書いてやりとりしていたことを思い出したんです。
この感じを、アプリに出来たら便利だろうなって。
実家の冷蔵庫に貼ったカレンダーがヒントになっていたのですね。
確かに、1つのカレンダーでみんなの予定を共有するという部分は、「TimeTree」に通じるものを感じます。
家族、職場、ゲーム仲間と、使い方はアイデア次第で無限大!
「TimeTree」はどんな人が使っていますか?
一番多いのは家族、その次にカップル、あとは職場で使っているユーザーさんも多いですね。
サービス初期はファミリー層が中心で、特に、小さなお子さんがいるご家族の方がよく使って頂いていました。
夫婦間で子どものお迎えの予定を共有したり、出張や飲み会などの予定に対して、帰り時間を聞いて夜ご飯の相談したりといった使い方です。
ご自身の体験とすごく近かったのですね。
最初の頃はそうでしたが、複数のカレンダーを持てるという強みから、「家族で使ってみて便利だったから職場や他のグループで使ってみたいな」と、口コミで広がっていきました。
カップルだと、例えばバイトがこの日あって会えないとか、この日は会えそうだねと予定を見ながら相談する人が多いようです。
相手の予定が分かると、安心感もありますよね。
あと、職場で使っている方も非常に増えてきています。
企業向けのスケジュール管理ツールは色々とあるかと思いますが、なぜ「TimeTree」が選ばれているんでしょうか?
最初から職場で活用されることを想定したわけではないので、意外でしたね。
使って頂いている方々は、建築事業や医療介護、美容院、飲食店など、基本デスクワークではない業種の方が多く、仕事場で手早くスケジュールを確認する方法として、便利に感じて頂けているのかなと。
開発した私たちも、全く想像していなかった面白い使い方がいろんなところで生まれているんですよ。
他にも、予想していなかった使い方でユニークなものがあれば教えてください。
最近ですと、オンラインゲームでチームのスケジュール共有に活用頂いているのをよく見かけますね。
大会情報をカレンダーに入れて、チーム内で誰が参加できるか、予定を管理するためのツールになっているようです。
すごく面白いですね。共有するために作られたカレンダーだからこそ、コミュニティによって全く違う発想で、新たな活用方法が生まれているんだなと感じました。
ユーザーさんからのリクエストをきっかけに機能を改善
様々なユーザーさんによって活用方法が広がっているとのことですが、TimeTreeの機能はどういう基準で改善しているのですか?
ユーザーさんからのお問い合わせやご意見を参考にしています。
すべてのリクエストに対応しているわけではありませんが、似たような意見がたくさん集まってきたら、これはやった方がいいんじゃないかと動き出す感じです。
過去にはどんなリクエストがありましたか?
最初、カレンダーに招待できる人数の上限は10人でした。家族や小さなグループを想定していたので、それくらいで足りるだろうと考えていたんですね。
ある時、お問い合わせで「200人にしてください」という要望を頂きまして、どうして200人も必要なんだろう?と、直接お話を聞いたところ「子どものサッカーチームでアプリを使いたくて、本人とその親を合わせると、200人ぐらい必要なんだ」と。
なるほど、こういう使い方があるのかと気づきがあり、招待人数を増やすことにしました。
他にも印象に残っているリクエストはありますか?
「TimeTree」は海外のユーザーさんもすごく多いのですが、ヨーロッパのユーザーさんから「週番号(Week Number)が欲しい」というリクエストをもらいました。
最初はちょっとマニアックなリクエストが届いたなあくらいに思っていたのですが、同じ要望がずっと来るので、これは一体何なんだろうと、ドイツ在住の友人がいる人にお願いして、地元の文房具屋さんで紙のカレンダーを買って日本に送ってもらったんですね。
実物を確認してみると、ヨーロッパのカレンダーは1週間毎に1ページで、週に番号が振られていました。
それまで、週番号の重要性をよく分かっていなかったのですが、「なるほど、ヨーロッパの方にとっては大事なものなんだ」と、週番号が出せるよう改善をしました。
これは日本の習慣だと全然出てこないですね。
カレンダーの表示形式が異なる国外のユーザーさんにも、「TimeTree」が選ばれている理由はどんなところですか?
時間をどう管理するかという課題は世界共通だと思いますし、チャットというツールも浸透していますから、自分と同じように、チャットを見逃して怒られたみたいな人が世界中にいるんじゃないかと。
国によってユーザー層には多少違いが見られますが、アプリの使い方はどこの地域も似ていると感じています。
イベント情報をカレンダー形式で届けられる「公開カレンダー」
新機能の「公開カレンダー」の使い方を教えてください。
「公開カレンダー」は、家族や恋人といったグループ内だけではなく、インターネット全体に発信したいイベント情報を、カレンダーで共有できるという機能です。
SNSみたいにフォローする形になっていて、例えばプロスポーツの試合日程や、アイドルのライブやテレビ出演予定、お店のスケジュール情報などをご使用いただくイメージです。
家族や職場で共有するカレンダーとは公開範囲が違うのですね。
そうですね。「TimeTree」を使っていない人にも広く共有することができます。
実はこの機能も、ユーザーさんの間で新しい活用方法が生まれているなかにヒントがありました。
どんな使い方だったんですか?
好きなアイドルのメディア出演情報を「TimeTree」を使ってまとめているユーザーさんが、SNSでカレンダーを共有するメンバーを募集しているところを見かけまして。
既存の共有カレンダーでは、共有できる人数に上限があり、どんなに広めようと思っても200人が限界なんですね。
一人でも多くの人に共有したいというニーズがありそうだなと考え、「公開カレンダー」機能を作りました。
ちょっとした気遣いに、プレゼントが贈れる「TimeTreeギフト」
「TimeTreeギフト」はどのような機能ですか?
カレンダーを共有しているメンバーに、プレゼントを贈ることができる機能になります。
誕生日や記念日だけではなく、例えば相手の予定にあわせて「出張おつかれ様」の一言を添えてコーヒーチケットをプレゼントすることもできますよ。
カレンダーでお互いの予定を知ってるからこそ、贈り物でちょっとした気遣いができるんですね。
アップデートで、カレンダーを共有していない相手にもギフトのURLを送ってプレゼントができる機能も追加しました。
また、電子チケット以外にも、手渡しで贈る感覚に近い配送ギフトも拡充しています。
TimeTreeプレミアムなら、もっと便利に
月額300円の有料プランもありますが、無料版とはどのような違いがあるのか教えてください。
有料プランですと、広告が非表示になる他、時間単位で表示できるバーチカルビューが使えたり、コメント欄に写真以外のファイル添付もできるようになります。
PDFやWord、Excelなどのファイルも添付できるようになるので、職場でTimeTreeを使って頂いている方にご好評を頂いております。
共有をもっとスムーズに、「TimeTree」が目指す姿
最後に、今後の展望について教えてください。
「TimeTree」はコミュニケーションとカレンダー共有をコンセプトにしているので、共有をもっとスムーズに、心地よいものにしていきたいと考えています。
また、アプリの中にイベント情報を表示して、「こんなイベントがあるんだって、一緒に行かない?」と相手を誘えるような、ユーザーさんの未来に対して、より良い選択をお手伝いできるアプリを目指しています。
子どもが小さかった頃、毎週どこに連れていこうか行き先を考えるのがとても大変だったので、カレンダーにイベント情報が載っていたら便利だろうなと。
それはすごく素敵ですね。予定は空いているけど、どこに行こうか悩んでいる人は結構多いと思います。
「TimeTree」を通じて、さらにコミュニケーションの幅が広がっていくのですね。
本日は、ありがとうございました。
深川 泰斗さん(株式会社TimeTree 代表取締役社長CEO)
九州大学大学院で社会学・文化人類学を学び、2006年にヤフー株式会社へ入社。ソーシャル・コミュニケーションサービスの企画を担当。2012年にヤフーからカカオジャパンへ出向後、2014年に株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)を共同設立。2015年3月にカレンダーシェアアプリ「TimeTree」をリリース。
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