2024年12月9日(月)、登山アプリ『YAMAP』に通行量を地図上に可視化した「みんなの軌跡」機能が追加されました。既存の通行量を「線の太さ」で表示し、赤い線で描かれた登山道と実際の通行実績をよりリアルに把握することが可能になります。
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道に迷ったときでも安心! 『YAMAP』にユーザーの過去の軌跡を可視化した「みんなの軌跡」機能が追加
ユーザーの過去の軌跡が見える「みんなの軌跡」の2つの特徴
「みんなの軌跡」は、『YAMAP』ユーザーが実際に歩いたデータをもとに、通行量の多いルートを可視化する機能です。この機能では、既存の登山道を示す赤い線とは別に、通行量を黄色い線の太さで表し、通行量が多いほど線が太く表示されます。
この機能を活用することで、登山計画時のルート選びや、登山中の状況判断に役立つでしょう。ここからは「みんなの軌跡」がどのような場面で役立つのかを、2つの具体例を挙げてご紹介します。
道に迷ったときに復帰までのルートを確認できる
「みんなの軌跡」が役立つ場面の1つが、登山中に道に迷ったときです。計画していたルートを外れてしまった場合でも、現在地付近の通行量が多いルートを確認できるので、安全な復帰ルートを見つけやすくなります。
ただし、登山中にこの機能を利用するには、事前に対象エリアの地図データをダウンロードしておく必要があります。通信状況が不安定な山中ではダウンロードが難しい場合もあるため、登山前にしっかり準備しておきましょう。
マイナーなルートや整備されていないコースの通行量を把握できる
「みんなの軌跡」が役立つもう1つの場面は、一般的に知られていないルートや整備が行き届いていないコースの通行量を確認したいときです。これまで『YAMAP』では、一般的な登山道を赤い実線、上級者向け登山道を点線で表示していましたが、実際にどれだけの登山者がそのルートを通行しているかはわかりませんでした。
「みんなの軌跡」では、実際の通行量に基づいて表示されるため、普段とは異なる景色やルートを楽しむことができます。ただし、こうしたルートは危険を伴う可能性が高いため、十分な計画と準備が必要です。挑戦する際は安全を確保し、無理のない範囲で楽しむよう心がけてください。
「みんなの軌跡」の使い方
ここからは、この機能の使い方をご紹介します。まだアプリをアップデートしていない方は、以下のボタンからアプリストアにアクセスし、最新バージョンにアップデートしてください。
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STEP1
マイページを開いて歯車アイコンから「みんなの軌跡」がONになっていることを確認
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STEP2
アプリを起動して、画面下の「さがす」をタップ
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STEP3
ルートを確認したい山をタップして、「地図を見る」
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STEP4
初めて起動するときはポップアップが表示されるので、内容を確認して「完了」をタップ
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STEP5
みんなの軌跡が表示される
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STEP6
登山中に使用する場合は事前に「ダウンロード」が必要
登山中に使う場合は、事前に地図のダウンロードを行いましょう。地図画面の右下にある「ダウンロード」をタップして、データをDLできます。なお、無料でダウンロードできる地図は2種類ありますが、どちらも「みんなの軌跡」に対応しています。
「みんなの軌跡」を使う前に知っておきたいこと
ここからは実際に登山で利用する前に確認しておきたいことを3つご紹介します。
初心者や体力に自信のない方には不向き
「みんなの軌跡」は、『YAMAP』ユーザーの通行データをもとにルートを可視化する機能ですが、表示されるルートには難易度が高い登山道や未整備の道も含まれます。そのため、登山初心者や体力に自信のない方が積極的にこのルートを進むことはおすすめしません。
また、登山中にスマホを操作しながら歩くことは非常に危険です。山道は滑りやすい場所や足場の悪い箇所が多く、スマホに集中していると転倒する恐れがあります。操作を行う際は安全を最優先に考え、必ず立ち止まりましょう。
ルート作成時には表示されない
「みんなの軌跡」は、登山計画を作成する際には表示されません。そのため、「みんなの軌跡」では確認できるものの、登山道として登録されていないルートを計画に組み込むことはできない仕様です。
この機能は、あくまで登山中の判断をサポートするのに役立つものです。例えば、初心者が道に迷った場合に周囲で最も利用されている道を見つけたり、上級者が一般的な登山道以外の新しいルートを発見する参考情報として利用したりといった使い方が想定されています。
登山計画を立てる際には、整備された登山道を進むのが基本です。しかし、状況に応じて「みんなの軌跡」を補助的に利用することで、より安全に登山を楽しむことができるでしょう。
GPXには表示されない
GPX(GPS Exchange Format)データとは、時計などのウェアラブル端末にルート情報を保存・共有するためのファイル形式です。『YAMAP』では、GPXデータをプレミアム会員限定で提供していますが、「みんなの軌跡」の情報はGPXデータには表示されません。
そのため、「みんなの軌跡」を登山中に確認するには、『YAMAP』アプリを開くほかありません。スマホのバッテリー切れが不安な方は、事前に地図を印刷して携帯するなど、しっかりとした準備を行い、万全の態勢で臨むことをおすすめします。
安全第一で「みんなの軌跡」を活用しよう
「みんなの軌跡」は、『YAMAP』ユーザーの通行データをもとに通行量を可視化する便利な機能です。これから訪れる2025年の登山シーズンに向けて、今から計画を立てている方も多いのではないでしょうか。「みんなの軌跡」を見ながら、新しいルートを探索しようと胸を高鳴らせている方もいるかもしれません。
しかし、登山では何よりも安全が最優先です。自分の実力に見合わないルートを選ぶことは避け、体力や経験に応じた計画を立てるようにしましょう。安全なルートで無理なく楽しむことが、充実した登山体験への第一歩です。安全に下山することを最終目標に、登山の計画と準備をしっかり整えてシーズンを迎えましょう。
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