「派遣バイトに興味があるけど、どういう働き方なんだろう。アルバイトと何が違うの?」と考えている人は多いのではないでしょうか。
短期間での就業が可能な派遣バイトは、副業をしたい人や大学生に根強い人気があります。しかし派遣バイトのルールやその仕組みについては、あまりよく知られていません。
そこで本記事では、派遣バイトの仕組みや業務内容、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
派遣バイトとは? 条件や業務内容、メリットなどを徹底解説
派遣バイトとは単発で働ける派遣型アルバイトのこと
派遣バイトとは、派遣会社に登録をして単発のアルバイトをすることです。登録をした派遣会社から希望に合った条件の求人を紹介してもらえます。登録制バイトと呼ばれることもあります。
派遣バイトは特定の日だけや1週間だけなど、短期間の就業であることがほとんど。「単純作業を手伝ってくれる人を一時的に大量採用したい」といった、スポット採用を希望する企業にニーズがあるからです。
派遣バイトで働ける条件
2012年に労働者派遣法が改正され、日雇い派遣が原則として禁止されました。日雇い派遣とは31日未満の労働契約を指します。雇用主は契約期間を31日以上に設定しなければいけません。
ただし以下の条件に当てはまる人は、日雇い派遣を行うことが許されています。
<日雇い派遣が行える人の条件>
・60歳以上の人
・雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる「昼間学生」)
・副業として従事する人(生業収入が500万円以上の人に限る)
・主たる生計者以外の人(世帯収入が500万円以上の人に限る)
上記の条件に該当しない人は、派遣バイトをすることは基本的にできません。31日以上のアルバイト契約なら問題ないですが、そのような条件の求人はまれです。
普通のアルバイトとの違い
「なんで派遣会社に登録しなきゃいけないの?普通のアルバイトでも良くない?」と感じた人もいるかもしれません。
ここからは、派遣バイトと普通のアルバイトの違いを説明します。
雇用主の違い
派遣バイトと普通のアルバイトは、雇用主が異なります。アルバイトは、就業先の会社に雇用されるのに対し、派遣バイトにおける雇用主は派遣会社であり、実際の就業先ではありません。就業先は派遣会社にお金を支払い、労働者の確保や人材の選定を代行してもらっています。
加えて派遣バイトでは、給与の支払いや福利厚生も派遣会社から受けることになります。
契約期間の違い
一般的なアルバイトにおいて、契約期間が厳密に定められているケースは少ないです。期間が決められている場合は、求人に具体的な契約期間が掲載されています。期間終了後に契約更新ができるアルバイトもあります。
一方で派遣バイトの場合、単発かつ短期間の雇用になることがほとんどです。1日だけの就業が可能な求人もたくさんあります。
給与の支払日の違い
派遣バイトでは、即日で給与をもらえる求人が豊富にあります。日払いだけでなく週払い、月払いなど給与の振り込みタイミングが多様なのも、派遣バイトの特徴だといえるでしょう。
紹介予定派遣との違い
派遣会社に登録して働く一般的な派遣とは別に「紹介予定派遣」と呼ばれる派遣の種類もあります。
紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶことを前提にした派遣契約です。
派遣契約の期間を「試用期間」のように捉えて、その期間中に企業は派遣社員を直接雇用するか検討します。
もちろん労働者側も、派遣期間終了後、直接契約をするかどうか選ぶことができます。
一般派遣との大きな違いは、派遣前に派遣先企業と面談を行う点です。正社員としての登用を視野に入れるため、簡単な選考を行う必要があります。
派遣バイトの主な仕事内容
派遣バイトの仕事は、多くの人手が必要な単純作業であるケースが多いです。
ここでは、派遣バイトの代表的な仕事例を3つご紹介します。
工場の軽作業
工場の軽作業の求人は、登録制バイトの中でも多く募集があります。梱包や、指定の荷物・部品のピッキング、検品、シール貼りといった業務を行います。
ほとんどは簡単な作業ですが、ピッキングではたくさんの荷物を運搬するので体力が必要です。
イベント運営スタッフ
コンサートやセミナー、スポーツイベントの運営を補助する仕事です。具体的には、チケットのもぎり、イベントグッズの販売、設備の設営、警備、来場者の誘導といった業務があります。
イベント運営スタッフでは、長期休暇の際に友人と参加する大学生が多いです。
警備
警備の仕事では、道路に立って交通誘導を行ったり、工事現場で車や歩行者を案内したりします。
体力仕事である一方、休憩時間が多い点が警備の仕事のメリットです。現場に必要な人数よりも余分に雇うことが多いため、休憩の時間をしっかりと取りながら働くことが可能です。
派遣バイトのメリット
続いて通常のアルバイトにはない、派遣バイトのメリットを3つ紹介します。
すぐに給料を受け取れる
派遣バイトでは最短即日で給与を受け取れるため、すぐにお金が欲しいときにピッタリな働き方です。「支払いが近いけどお金に余裕がない」「参加したいイベントがあるけど給料日がまだまだ先」という場合におすすめです。
アルバイトの場合は、月末締め翌月末払いが一般的です。締め日と支払日の間隔がより短い場合もありますが、日払いや週払いを実施している会社はかなりまれでしょう。
面接や書類作成の手間が少ない
多くの派遣バイトでは、派遣会社の説明会や登録会に参加したあと、案件の紹介を受けられるようになります。
説明会の際に履歴書を作成する場合、求人ごとに履歴書を作成し直す必要はありません。一度作ってしまえば使い回せるので、短期アルバイトに比べて書類作成の手間が小さい点がメリットです。
最近は、派遣会社へ応募する段階で「ウェブ履歴書」を作成するパターンも増えてきました。経歴を変更する際、ウェブ上で情報を更新するだけでいいので楽です。
また派遣バイトでは面接を実施しません。あなたの希望に合った求人を紹介してもらい、承諾の返事をするだけでOKです。
未経験からでも挑戦できる簡単な仕事が多い
派遣バイトは短期間での就業が前提となるため、スキルのいらない簡単な業務がほとんどになります。簡単な作業であってもたくさんの人手が欲しい際に、企業は派遣バイトを利用するからです。
工場の軽作業やイベントスタッフの業務は、説明を受けたらすぐに一人で作業ができるレベルです。多少覚えることが多い場合は、簡単な研修を実施する場合もあります。アルバイトの経験がなく、初めての就業に不安を感じている人におすすめです。
派遣バイトのデメリット
派遣バイトにはメリットだけでなく、デメリットもあります。両者をしっかりと理解した上で、派遣バイトにチャレンジするかどうかを検討しましょう。
単調な仕事が多く飽きやすい
派遣バイトの業務は誰でもできる、シンプルな作業がほとんど。楽ではあるものの、単調な作業が多いため飽きやすいです。
たとえば工場のピッキングの場合、荷物についた番号に従って仕分けを行います。簡単ではありますが、この作業を1日中続けることになるため、「つまらないな」と感じてしまう人もいるかもしれません。
また簡単な仕事ばかりなので、実績として残りづらいのもデメリットです。将来的にアルバイトをする際、スキルとしてアピールできるものは少ないでしょう。
友人を作りづらい
人間関係に悩む必要がない点は、派遣バイトの大きなメリットです。短期契約が前提なので、合わない人がいてもすぐに違う仕事を始められるからです。
一方でこの特徴は、深い交友関係を作りづらいことの裏返しにもなりえます。
長期雇用のアルバイトであれば、同僚と自然と仲良くなれますが、単発の派遣バイトで友人を作ることはなかなか難しいでしょう。バイトが他者との交流の場にもなる大学生の場合、友人を作れないことはデメリットといえます。
派遣バイトは小回りの利く働き方
派遣バイトは1日から働けるので、「夏休みだけ働きたい」「すぐに給料が欲しい」といったときにピッタリです。
一方で普通のアルバイトにはないデメリットもあるため、自分の状況に合わせて利用するようにしましょう。やってみるか迷っているなら、1日だけ働いて派遣バイトの雰囲気を体感してみるのがおすすめです。
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