前回、将棋や囲碁のベストアプリを紹介する記事を書いたのですが(前回の記事)、その記事を書くためにたくさんの将棋アプリを触っていた時、ふと思ってしまいました。

「この中で1番”強い”将棋アプリはいったいどれなんだろう?」と……。

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そこで今回は、強いAIを売りにしている『AI対戦将棋』、『ぴよ将棋』、『金沢将棋』、『ShogiDroid』の4つをトーナメント形式で戦わせ、最強の将棋アプリを決定したいと思います!

■エントリーさせたアプリ

どれも強いAIを売りにしており、最強を決めるこの舞台にふさわしいアプリたちです……!

■トーナメント表はコチラ!

せっかくなので対戦の様子を皆さんにお伝えしたいのですが、僕は将棋の解説ができるほど将棋に精通しているわけではありません。

そこで今回は、将棋に詳しい先輩ライターのOKさんに解説をお願いして進めていこうと思います。OKさん、よろしくお願いします!

OKさん「よろしくお願いします。」

解説のOKさん

高校生のときから将棋に熱中。寝ても覚めても将棋ばかりし、学校の授業中に詰将棋を解いていたほどのハマりっぷり。「高校将棋竜王戦」の県大会にて準優勝。得意戦法は角換わり。橋本崇載八段の「SYOGI BAR」へ面接に行って落ちたのが悔やまれる。

というわけで、実況=筆者、解説=OKさんでお送りします。

対戦に入る前にルールなどの説明もしておきましょう。

本大会のルール

・制限時間はなし。
・先手、後手はランダムで決定する。
・各アプリ、最大レベルのCPUで戦わせる。

※アプリ同士の戦わせ方

1. 将棋アプリをインストールしたスマホを2台用意する。(AとB)
2. 端末A(先手)でCPUが指した手を、端末Bでプレイヤーとして指す。
3. 端末B(後手)でCPUが指した手を、端末Aでプレイヤーとして指す。
4. 以下、繰り返し。

今回はより分かりやすくるために、実際の将棋盤を用意してCPU同士の対局を実写で再現しました。

それでは長らくお待たせしましたが、早速、第一回戦の様子からダイジェストで観ていきましょう。どうぞ!

■第一回戦その①『金沢将棋(レベル300)』vs『ShogiDroid』

第一回戦は『金沢将棋(レベル300)』(先手)と、『ShougiDroid』(後手)の戦いです。

■序盤

筆者「序盤は両者ともに、守りを固めていっている感じでしょうか?」

OKさん「そうですね。先手は”金矢倉”というオーソドックスかつ堅い囲いに守られています。一方後手は、王を真ん中に配置する”中住まい”という囲い。左右バランス良く守れる代わりに、王の脇がスカスカになってしまう薄い囲いです。」

■中盤

筆者「中盤に差し掛かり、先手の仕掛けを交わした後手が反撃に転じようかといった感じでしょうか。」

OKさん「はい。金矢倉は堅いですが、この局面では後手の飛車・角が敵陣をいつでも直撃できる状況になっているので、とても攻めやすいですね。ここから飛車が敵陣へ切り込むことで、金矢倉は一気に崩壊してしまいます。」

■終盤

OKさん「玉の頭に歩を打つ”叩きの歩”が好手です。これを銀で取ると”8八金”と打って詰んでしまう(先ほど解説した角のラインがよく利いている)ので、玉で取るしかありません。こうして徐々に玉を中段に引っ張り出していくわけです。」

筆者「なるほど。玉を危険な場所に誘い込んでいくわけですね。」

OKさん「そうです。後は上下から挟み撃ちを仕掛け、詰ませていくといった狙いでしょう。」

筆者「なるほど。実際にこの後もその通りの展開になりましたね。というわけで第一回戦、勝ったのは後手『ShogiDroid』でした!」

『ShogiDroid』の勝利!

■第一回戦その②『AI対戦将棋』vs『ぴよ将棋』

第一回戦、2つめの対局は『AI対戦将棋』と『ぴよ将棋』の戦い。
プロレベル(AI)とレート目安1620(ぴよ)の戦いは、果たしてどちらに軍配が上がるのでしょうか?

■序盤

筆者「序盤のこの展開、OKさんはどう見ますか?」

OKさん「先手の居飛車に対して、後手は”ゴキゲン中飛車”という戦法を選択しました。中飛車は普通、角道を歩で止めておくのですが、この戦法は角道を止めません。飛車と角が飛び交うため、序盤から激しい戦いになりやすいのが特徴です。」

筆者「なるほど。では激しい攻め合いが見られそうですね。」

OKさん「そうですね。」

■中盤

筆者「うーん、中盤に差し掛かりましたが、両者攻めあぐねているといった感じでしょうか。」

OKさん「そうですね。予想とは異なる展開です。先手は金矢倉というオーソドックスな囲いを作ろうとしている最中で、敵陣に”と金”を作り飛車を抑え込んでいます。後手は素早く作れる”片美濃囲い”を完成させ、手持ちの銀で相手の角を攻めているところ。駒の損得も発生しておらず、緊張感のある勝負です。」

■終盤

筆者「…………ん!?」

OKさん「先手(AI対戦将棋)の手が止まりましたね。」

筆者「はい。これまで一手あたり3、4秒のペースで順調に打っていたのですが、急に5分以上の長考。これは……」

筆者「まさかのフリーズ!」

OKさん「先手は囲いも堅いですし、飛車を中央に持ってくるなどして十分戦える局面でしたが……AI同士の対局はこういったこともあるんですね。」

筆者「そうですね……。あっけない幕切れでしたが、『ぴよ将棋』の勝利となりました。」

『ぴよ将棋』の勝利!

※試しに再戦させてみたところ、2回目も同じような現象が起きたため、このままAI対戦将棋の負けということにさせて頂きました。

■決勝戦!『ShogiDroid』vs『ぴよ将棋』

さて、いよいよ決勝戦です。将棋アプリ最強の座に着くのは、果たしてどちらのアプリなんでしょうか!?

■序盤

筆者「OKさん、序盤の動きはどうでしょう?」

OKさん「角を交換する”角換わり”という戦型になりましたね。先手は2四の地点に歩を打ち敵陣に圧力をかけているのが強みです。後手は、7六の地点(桂馬の頭)を攻める楽しみがあります。」

■中盤

OKさん「後手は狙い通り7六の地点を攻め、桂馬を取れそうです。一方、先手は攻めに失敗してしまいました。」

筆者「なぜ失敗なのですか?」

OKさん「後手の打った2六歩に阻まれたからです。もしこれを飛車で取ってしまうと、1五に角を打たれて飛車が取られてしまいます。」

筆者「逃げると王が取られてしまうというわけですね。」

OKさん「そうです。だから、この歩はすぐに取れないんです。」

筆者「なるほど。」

■終盤

筆者「いよいよ終盤ですね。」

OKさん「はい。優勢になった後手がそのままリードを広げていきました。先手も反撃を試みるものの、図の局面で投了です。
先手は持ち駒が金桂歩しかないため、攻めても相手玉の逃げ場が広すぎます(5一~6二~7二と逃げられる)。一方、先手玉のまわりには角、成桂、そして遠くから竜もにらみを利かせており、もうまともな逃げ場がありません。後手の攻めがきれいに決まった一局です。」

筆者「はい。飛車角を全部取ったShogiDroidの圧勝でしたね。というわけで優勝は『ShogiDroid』でした! OKさん、解説ありがとうございました。」

『ShogiDroid』の優勝!

3位決定戦 『AI対戦将棋』vs『金沢将棋(レベル300)』

3位の結果が気になる人のために、こっそり3位決定戦を行いました。その結果、画面上の『AI対戦将棋』が勝利! 飛車角をすべて取るという見事な勝利でした。

将棋アプリ最強の座は『ShogiDroid』!

というわけで、将棋アプリ最強の座に付いたのは『ShogiDroid』でした!(ちなみにこのアプリ、”技巧”というAIをアプリにインストールすることで更に強くなるらしいです……!)

いやぁ、振り返ってみると中々熱い戦いでしたね。筆者は子供の頃に父と将棋をやっていたのですが、その頃の思い出が蘇ってきました。解説のOKさん、振り返ってみていかがですか?

OKさん「コンピュータ将棋の強さは知られていますが、スマホアプリはどうなのだろうかと楽しみに見させて頂きました。正直この対局を見る限り、アプリの強さはまだまだ人間に及ばないです。ただ、人工知能の発達スピードは凄まじいので、そう遠くない未来にアプリがプロを負かす日が来てもおかしくありません。今後の発展が楽しみです」

そうですね。今後のアプリの発展に期待しましょう!(ShogiDroidが”技巧”を積むと、プロにも匹敵するのでしょうか?)
ということで、このあたりでシメさせていただきたいと思います。ご視聴ありがとうございました!

1位のアプリ

将棋アプリ ShogiDroid

siganus

iPhone
Android無料
iOS版は配信されていません
Google Playを見る

2位のアプリ

ぴよ将棋

STUDIO-K Inc.

iPhone無料
Android無料
App Storeを見る
Google Playを見る

3位のアプリ

AI対戦将棋

kiyofumi nagami

iPhone無料
Android無料
App Storeを見る
Google Playを見る

4位のアプリ

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