イラストアプリ『アイビスペイント』の線画抽出とは、写真やイラストから線だけを抽出できる機能です。なぞる手間なくスムーズな操作で、画像をもとにイラストの一部や背景の作画ができます。この記事では、『アイビスペイント』を使った線画抽出の方法を解説します。
『アイビスペイント』で写真をなぞるやり方 線画抽出とトレースの方法を紹介
この記事をまとめると・・・
- 『アイビスペイント』は豊富なブラシと素材で表現できるお絵かきアプリ
- 線画抽出機能を使えば、写真や画像から線だけを手軽に抽出できる
- 『CLIP STUDIO PAINT』と連携すれば、PCでイラストの仕上げができる
『アイビスペイント』で線画抽出するやり方
線画抽出では写真をなぞる必要はなく、アプリが自動で被写体を検出し、その輪郭やディテールといった線を検出してくれます。線画抽出のやり方は以下のとおりです。
1.線画を抽出したい写真を読み込む
まずはマイギャラリー左下の「+」ボタンからキャンバスを新規追加します。次に上の「写真読み込み」をタップし、スマホ内から線画抽出したい画像を選びます。
2.表示されたウインドウで「線画抽出」をタップ
画像を開くと、最初にウインドウが表示されます。「線画抽出」をタップしましょう。
3.色のバランスを調整する
スライダーで黒色と白色のバランスを調整します。そのままだとモノクロ写真のようですが、「中間値」を0%にすると完全に黒と白の2色だけになり、漫画の背景のようになります。「黒側」と「白側」のバランスを操作すれば、線の濃さや密度を調整可能です。
『アイビスペイント』で画像をトレースするやり方
『アイビスペイント』では、画像の上から自分で線を引けます。これはトレースと呼ばれる方法で、元の画像から輪郭などの線を写し取れるもの。イラストの作画の手間を減らしたり、被写体の輪郭を正確に把握したりするのに役立ちます。
『アイビスペイント』では画像を透過し、上から新しいレイヤーに描画することで、元画像を見つつトレースが可能。手順は以下のとおりです。
1.トレースしたい画像を読み込む
新規キャンバスの追加画面で「写真読み込み」をタップし、トレースしたい画像を開きます。
2.画像の不透明度を下げる
レイヤーメニューを開き、追加した画像があるレイヤーの不透明度を下げます。次に「+」をタップして、線を引くための新しいレイヤーを追加しましょう。
3.新しいレイヤーに線を引く
先ほど追加したレイヤーを開き、画像をなぞって線を引きます。
トレースする画像は自分が制作・撮影したものから選ぶのがベター
ほかの人に著作権がある画像をトレースし、自分の作品としてSNSなどに投稿すると、著作権法に違反しトラブルになるおそれがあります。トレースに使う画像は自作の作品や自分で撮影した写真、著作権フリーの画像などにするのがベターです。
『アイビスペイント』を使ったトリック画像の作り方
猫の写真を塗りつぶして、消しゴムで消したら一瞬でイラストに!? 『アイビスペイント』とスマホの録画機能を使えば、こんなトリック動画が作れちゃいます。少々手間はかかるものの、ユニークな動画で友達をびっくりさせられるでしょう。作り方は以下のとおりです。
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STEP1
画像を開く
まずは動画に使いたい画像を開きます。次にレイヤー画面を開き、新規レイヤーを3枚ほど追加します。
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STEP2
完成した動画をチェック
動画が完成したら、最初から最後まで再生して確認します。違和感なく動画が繋がっているようであれば、動画を保存して完了です。SNSなどにアップロードして、友達を驚かせてみましょう。
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STEP3
写真をなぞって線画を描く
レイヤー3に線画を描いていきます。被写体の輪郭をなぞるように線を引きましょう。色塗りが楽になるので、輪郭の線は隙間なく閉じるようにしてください。
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STEP4
自動選択ツールを開く
ツールから自動選択を選びます。次に歯車のアイコンをタップし、「参照レイヤー」を「作業レイヤー」に設定。その状態で線の範囲内をタップすると、線の内側が選択範囲として選択されます。
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STEP5
線の範囲内を選択して塗っていく
次にレイヤー2を開いて、線の内側を塗っていきましょう。細かくなくてもいいので、被写体の色や形とおおまかに一致するようざっくり塗ります。塗り分ける部分によっては、新しく塗り用のレイヤーを作っても構いません。
選択範囲の外には塗りがはみ出さなくなるので、スムーズに塗れます。範囲を塗り終わったら、画面上の四角いアイコンから「選択解除」で範囲の選択を解除します。 -
STEP6
線と塗りのレイヤーを統合
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STEP7
録画して、一番上のレイヤーを塗りつぶす
一番上のレイヤーを開いたら、録画を開始します。被写体の形や色に合わせて、太めのブラシで大胆に塗りつぶしていきましょう。塗り残した部分が出ないよう、背景もまんべんなく塗ります。
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STEP8
写真のレイヤーを一番下に移動させる
写真のレイヤーを一番下に移動させます。①塗りつぶしたレイヤー、②イラストのレイヤー、③写真のレイヤーの順に並ぶようにしましょう。
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STEP9
録画して、一番上のレイヤーを消す
再び一番上のレイヤーを開いたら、再度録画を開始します。太めの消しゴムで、一気に塗りつぶしを消してしまいましょう。塗りつぶしの下からイラストが現れれば成功です。
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STEP10
2つの動画を結合する
動画編集アプリ(本記事では『VITA』を使用)を開き、2つの動画を結合します。『VITA』では編集ツールを開き、録画の操作部分をカット。2つの動画が塗りつぶしのレイヤーの画面でスムーズにつながるようにしました。
動画全体が長くなるので、倍速にするとより見やすくなるでしょう。エフェクトなどを加えると、より魅力を出せます。
『CLIP STUDIO PAINT』と連携すればPCで続きが描ける!
『アイビスペイント』で描いた作品をスマホだけで終わらせていませんか? PCで仕上げるなら、『CLIP STUDIO PAINT』がおすすめ。スマホで描いたラフを連携できるので作画環境が広がります。特に、レイヤー構成を保持したままデータが移せるのが強み。
データ連携のやり方は簡単。まず『アイビスペイント』で作品を.clip形式で書き出します。するとCLIPのクラウドサービスに作品がアップロードされるので、あとは『CLIP STUDIO PAINT』の作品一覧にデータが読み込まれるのを待つだけ。この方法で、スマホで描いた作品の続きや仕上げがPCでスムーズに行えます。
『CLIP STUDIO PAINT』とは
『CLIP STUDIO PAINT』はイラスト、漫画、アニメーション制作に適した多機能ツールです。プロのクリエイターから学校教育まで、幅広い場で活用されています。特に、高度なレイヤー機能やペン設定が評価されており、多くの人気作品がこのソフトで制作されています。
ソフト名 | CLIP STUDIO PAINT |
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対応OS | Windows / macOS / iOS / Android |
主な機能 | 豊富な背景画像やブラシ素材、建物、小物、ポーズの3D素材など |
料金 | DEBUT:無料 PRO:月額¥480、年額¥2,800 EX:月額¥980、年額¥7,800 |
会社 | 株式会社セルシス 東京都新宿区西新宿4-15-7パシフィックマークス新宿パークサイド 2F |
公式サイト | https://www.clipstudio.net/ja/ |
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