AIによる画像生成技術は急速に発展し、人間が描いたものと遜色ないイラストや、写真そっくりな画像も簡単に作れるようになりました。しかしフェイク画像への対策や、AIではなく手描きで描いているイラストレーターに依頼したいときなど、AIイラストを見分けたい場面もあります

本記事ではAIで作成されたイラストと手描きのイラストを見分けるポイントをご紹介します。

このページはアフィリエイト広告を利用していますが、記載されている情報は一切その影響は受けておりません。

AIイラストかどうかをどのように見分ける?

AIイラストかどうかをどのように見分ける?

AIイラストには独特の質感や表現の傾向があり、そこから手描きのイラストと判別できます。特にAIが苦手とする分野の表現は作画が崩れやすいため、違和感のある箇所がないかは判別の基準になります。

ただしAIは常に進歩を続けており、ツールによっては苦手な分野も徐々に克服されています。また最近は違和感のある箇所を手動で加筆修正しているユーザーも増えています。適当に生成したイラストをそのまま使っている場合は見分けやすいですが、違和感がなくなるよう工夫の凝らされたイラストの判別は困難でしょう。

AIが苦手な傾向がある表現

AIが苦手な傾向がある表現

とはいえ、画像生成AIにも苦手な表現があり、中でも以下に挙げる表現は作画が崩れるなど不安定になりやすい傾向があります。注目してみて、違和感を覚えたらAIで生成した画像かもしれません

ただしこうしたAIが苦手な表現の特徴に該当するからといって、必ずしもそのイラストがAIで生成したものとは限りません。あくまで目安として考え、投稿者の活動なども照らし合わせてよく確認しましょう。

なお記事中で使用している画像は、すべて筆者が画像生成AIを使用して生成したものです。

指や髪・装飾といった細部の表現

毛先や指先が一体化している

指先や髪・アクセサリーなどの細かなパーツは特に乱れやすく、AIイラストを判別するポイントになります。たとえば画像では女の子の右手が、髪の毛先や持っているペンと溶けたようにくっついています。AIイラストにおいて、このような細部は輪郭が曖昧になり、ほかのパーツと混じりやすい傾向があります。

複数人のキャラクターがいる構図

2人の手が一体化している

イラストの登場人物が増えれば、それだけ崩れやすい部分も増えます。また人物同士の距離が近いと、画像のように手先などの重なる部分がくっつくこともあります

飲食などの特定の動作

フォークを直接食べているように見える

道具の使い方や動作の理解は画像生成AIが苦手とする傾向にあり、食事シーンを描いたイラストでは特に顕著です。画像ではキャラクターの持っているフォークが歪んでおり、まるでフォーク自体を食べているかのように見えます。食事の動作や食器の役割を理解して描いていれば、このようにはなりません。

キャラクターとしての整合性

人気のキャラクターを再現するのはAIイラストの得意分野です。しかしAIはそのキャラクターの性格や、細かな設定までは理解していません。無愛想なキャラクターが満面の笑顔を浮かべているなど、キャラクターのイメージや設定と食い違う場合はAIイラストの可能性があります

文字やマークの形状

文字のように見えるが実際には読めない

AIイラストでは、文字やマークを正確に表現するのは困難です。文字列のようなものが生成されても、よく見るとまったく意味がわからない場合がほとんど。キャラクターの服に書かれた文字や、雑誌風のロゴといった部分で多く見られるケースです。

現実世界の風景

AIによる自動生成でもクオリティの高い風景画は描けますが、現実世界の風景を再現するのは苦手。画像は一見すると街を上空から見下ろした風景に見えますが、道路のスケールやビルの密度は実際にはありえないものです

過去には被災地の写真として、AIイラストを投稿したフェイクニュースが、SNSで話題になったことがありました。もし話題の投稿に添付されている風景画像に違和感があったら、悪質ないたずらの可能性があります。

専門的な知識が必要なものや資料が少ないもの

AIはあくまで人間の描いたイラストをもとに学習しています。そのため例として着物やギター・銃器など、描くのに知識が必要で描く人が少ないものは、AIもあまり正確に描けない傾向があります。たとえば画像は着物の女の子のイラストを生成したものですが、帯から下が開いています。よく見てみれば、実際にはこんな着方はしないとわかるでしょう。

AIイラストを見分けるときは細部をチェックしよう

人間が描いたイラストやリアルな写真のように見えるAIイラストでも、違和感を完全に消すのは難しいもの。AIが苦手な分野を覚えておけば、AIイラストと手描きのイラストを見分けるヒントになるでしょう。特に細部のディテールは崩れやすいため、すみずみまでチェックするのがポイントです

こちらの記事もおすすめ

AIがイラスト画像を自動生成する仕組みと種類 応用事例や社会的な問題も解説 - Appliv
AIイラストの作り方とおすすめツール・アプリ10選 テキストから自動生成 - Appliv