公共交通のデジタル化が進む現代において、移動を劇的にスムーズにするアプリが登場しています。そのひとつが、モバイルチケットアプリ『RYDE PASS(ライドパス)』です。
この記事では、RYDE PASSの機能概要から具体的な使い方、そして実際に使ってみてわかったメリットなどを詳しく解説します。
地域交通のDXを牽引! モバイルチケットアプリ『RYDE PASS』が「乗車券の未来」を変える
RYDE PASSとは? どこで使える?
『RYDE PASS』の対応エリアはほぼ全国(2025年12月時点)。どのような交通機関でどのように使えるのか、見てみましょう。
スマホで公共交通のチケットを利用できる
『RYDE PASS』では、スマートフォン上で各種交通チケットの購入が可能。片道の乗車券や回数券、フリーパス、定期券、そしてシェアサイクルなどが対象となっています。切符購入の手間が省けるため、改札に直行できる効率の良さもメリットです。
チケットによっては特典も
対象チケットによっては、乗車券と連動した特典や割引が付くことがあります。例えば、「都営バス一日乗車券」には、沿線のセレクトショップ「とえいろ」で使える10%OFFクーポンが付属。その他、水族館・温泉などの施設入場券とセットになったお得な連携チケットも多数登場しています。
移動だけでなく買い物や観光もおトクに楽しめる設計で、スマホひとつで観光プランをスマートに組み立てられるのが大きな魅力です。
『RYDE PASS』で利用できる交通チケットの例
| チケット名 | エリア | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 温泉日帰りパック 1日乗車券(じょうてつバス) | 北海道・札幌〜定山渓 | バス1日乗車券+温泉入浴券セット。自然と癒やしが楽しめる観光パック |
| モノレールdeえのすい | 神奈川県・湘南エリア | 東京モノレール+新江ノ島水族館入場券のセット。日帰り観光に人気 |
| IKEBUS 1日乗車券 | 東京都・池袋 | 池袋の賑わいスポットを電気バスでぐるっと周遊。2ルートの利用が可能 |
| 小江戸巡回バス1日フリー乗車券 | 埼玉県・川越市 | 川越の蔵造りの町並み、菓子屋横丁など定番観光地を巡回 |
| のと鉄道沿線復興応援フリーきっぷ | 石川県・能登半島 | のと鉄道乗り放題+クーポン付。観光しながら復興支援にもつながる |
| 天橋立・伊根フリーパス | 京都府・丹後地方 | 鉄道・バス・遊覧船・ケーブルカー等を1〜2日乗り放題。海の京都エリアを満喫 |
| とさでん 電車全線24時間乗車券 | 高知県・高知市 | 高知城、はりまや橋、ひろめ市場などへのアクセスに便利な路面電車パス |
| わくわく1dayパス 熊本県内版 24時間券 | 熊本県・熊本市 | 市電+路線バス24時間乗り放題。熊本城・水前寺公園などの定番観光に対応 |
RYDE PASSの使い方
『RYDE PASS』アプリ自体は誰でも無料で利用可能です。早速、購入方法と利用方法を確認していきましょう。
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STEP1
アプリをダウンロードする
まずはアプリをダウンロードしましょう。
RYDE PASSアプリをダウンロードする -
STEP2
RYDE PASSに会員登録する
登録の際、Googleアカウント、もしくはAppleアカウントを持っている場合はそれに紐付けた設定が可能です。画像はGoogleアカウントを選んだ例ですが、もしどちらもない場合も登録は可能なので、「どちらもお持ちでない場合」をタップして進みましょう。
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STEP3
チケットを購入する
▲「都営バス一日乗車券」をクレジットカードで購入したときの例
アプリホーム画面から、買いたいチケットを検索して選びます。
画面右下の「購入に進む」をタップし、枚数をセット。下にスクロールして、支払い方法を選択し、必要事項を記入して、最下部の支払いボタンをタップすると購入が完了し、チケットがアプリ内に保存されます。 -
STEP4
購入したチケットを利用する
アプリホーム画面下部の「マイチケット」をタップすると、購入したチケットが表示されます。
「利用を開始する」をタップすると確認画面が出てくるので、「OK」を押せば、利用が開始されます。この後のキャンセル・変更はできないので、この手順は必ず利用日に行うようにしましょう。
都営バス一日乗車券の場合は乗務員にチケット画面を見せて利用するスタイルのため、利用開始後の画面に「チケットを見せる」というボタンが表示されます。乗車時には、ここをタップして表示される画面を提示した上で乗り込みましょう。
使い勝手上々! RYDE PASSを実際に利用してみた
とある平日、編集部ではRYDE PASSを利用して都営バス一日乗車券を購入。実際に乗車してみました。
メリット① 購入がとにかくスムーズ
RYDE PASS最大のメリットは、どこでも事前購入ができることです。
例えば都営バス一日乗車券の場合、事前購入するにはバスの営業所へ出向く必要がありました。一方、RYDE PASSならバス停に向かいながら、あるいはバスの待ち時間中に購入を完了できます。
メリット② 一日乗車券の「持ち歩きストレス」がゼロ
アナログな一日乗車券は、その特性上、何度も提示するため紛失が怖いものです。しかし、RYDE PASSはスマホに登録されているので安心感が違います。
メリット③ 観光・日常利用での相性が抜群
旅行の際に使いやすそうな周遊タイプのチケット購入や、シェアサイクルの予約もできるほか、日常生活においては定期券の購入にも利用可能という幅広さ。都市生活者にも旅行者にも便利な選択肢として、とても使い勝手のいいアプリだと感じました。
利用時の注意点
メリットの多いRYDE PASSですが、利用の際には気をつけたい点も。注意しておきたいケースを確認していきましょう。
通信環境が必要
チケットの購入や「利用開始」の操作には、通信環境(インターネット接続)が必要です。地下鉄駅構内やトンネル内など、圏外になる可能性がある場所へ向かう場合は、あらかじめ地上など通信できる場所で「利用開始」をしておくなど、対処しておきましょう。
有効期間と払い戻しポリシーは要確認
チケットにはそれぞれ有効期間と払い戻しポリシーがあります。「購入から〇日以内に利用開始」「利用開始後は当日限り有効」といったルールはチケットにより異なるため、利用開始前に確認を忘れずに行いましょう。
チケットの譲渡や分割利用はできない
RYDE PASSで購入したチケットを譲渡することはできません。そのため、例えば同行者の分をまとめて購入した場合は、必ず購入者と同行者が一緒に利用する必要があります。
また、自分で複数回利用するためにまとめてチケットを購入したとしても、別々の日に利用することはできないので注意しましょう。
ほかのICカードとの棲み分けに注意
RYDE PASSは、SuicaやPASMOといった交通系ICカードとは別運用になります。RYDE PASSの購入区間なのに、運賃支払いの際にICカードをタッチした場合、意図せず二重に料金を支払うことになってしまいます。RYDE PASS利用時は、スマホ画面の提示など、指定の方法で利用するようにしましょう。
RYDE PASSは地域交通のDXを推進するアプリ
RYDE PASSは「乗車券の代わり」というだけでなく、移動における時間や手間といったコストを削減してくれる「スムーズな移動体験」を提供してくれます。
特に地方の交通事業者にとっては、高額な設備投資が必要なICカードシステムを導入せずとも、キャッシュレス化やデータの収集が可能になります。これにより、乗客の利便性向上と運営側の効率化を同時に実現する、地域交通DXの「現実解」として機能している点も、本アプリの大きな社会的意義。地域交通のDXを推進するアプリとして、さらなる対応路線の拡大や、観光パス、地域連携チケットの充実など、MaaSとしての展開にも期待が高まります。
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