AIイラストのクオリティが上がっていることから、「AIイラストを使って仕事を効率的に進めたい!」「AIイラストでグッズを作りたい!」といった考えを持つ人も多いですよね。そこで気になるのが、商用利用に関すること。
AIイラストの商用利用には法的な規定や著作権の問題が絡むため、注意が必要です。
この記事では、AIイラストの生成過程から商用利用の可能性、著作権の存在、そして法的な見解まで、AIイラストに関する商用利用を詳しく解説します。
写真からAIイラストを自動生成、写真・動画も編集できる万能アプリ
BeautyPlus(ビューティープラス)
AI自動生成イラストは商用利用できる? 著作権に関するリスクと注意点を解説
この記事をまとめると・・・
- 他者の創作物を学習に利用していなければ、商用利用は基本的に問題ない
- AIイラストに著作権はないが、独自性をもって指示すると著作物になることがある
- AIイラストを作るなら商用利用OKなAIイラストサイトがおすすめ
Pixocial Technology (Singapore) Pte. Ltd.
AIイラストとは
AIイラストとは、人工知能(AI)が生成したイラストのこと。生成させたいイラストのイメージを、テキストでAIに伝えることで、自分のイメージに近いイラストが生成できます。
AIがイラストを生成する過程は、以下の3つのステップに分けられます。
1.AIに学習させる:大量のデータをもとにイラストの特徴やパターンを理解させる
2.AIを訓練する:学習したデータを基に、新たなイラストを生成する能力を訓練する
3.AIに生成させる:学習・訓練した内容をもとに新たなイラストを生成させる
AIイラストは商用利用できる?
AIイラストの商用利用は、その生成に使用された学習データに依存します。サービスの利用規約で商用利用を許可しており、他者の創作物を学習に使用していなければ、商用利用は基本的に問題ありません。
しかし、他者の創作物(商用利用不可のもの)をAIの学習に使用しているサービスは著作権の観点から商用利用は避けたほうが良いでしょう。
AIイラストに著作権はあるか
AIが自動生成した画像には、原則として著作権は発生しません。しかし、人間が独自性をもって細かく指示をした場合、その結果生成されたイラストは著作物となる可能性があります。
また、前述した通り他者の著作物を学習に使用していた場合、生成されたイラストがその著作物と高い類似性をもつと、著作権侵害となる可能性があります。
AIイラストと法律
AIイラストの法的な側面について理解するためには、文化庁ならびに内閣府が公開した「AIと著作権の関係等について」が非常に有益な情報源となります。
この文書によると、AIを利用して生成した画像等をアップロードして公表したり、複製物を販売したりする場合の著作権侵害の判断は、著作権法で利用が認められている場合を除き、通常の著作権侵害と同様です。
生成された画像等に既存の画像等(著作物)との類似性(創作的表現が同一又は類似であること)や依拠性(既存の著作物をもとに創作したこと)が認められれば、著作権者は著作権侵害として損害賠償請求・差止請求が可能であるほか、刑事罰の対象となります。
AIイラストの商用利用のリスクと注意点
AIイラストの商用利用には、リスクと注意点があります。まず、AIが他者の著作物を学習データに使用していた場合、生成されたイラストを商用利用すると著作権侵害となる可能性があります。さらにAIイラストサービスが商用利用を禁止している場合も注意が必要です。
また、AIが生成したイラストの品質は、使用されたAIの学習データや訓練の程度、さらに指示の仕方により大きく異なります。そのため、商用利用する前には、イラストの品質を確認し、自分のビジネスやプロジェクトに適しているかを慎重に評価してから利用しましょう。
AIイラストを活用するビジネスシーン
AIが生成したイラストは、ビジネスシーンで多様な活用方法があります。こちらでは、具体的なビジネスシーンでのAI画像生成の活用方法について解説します。ただし利用の際には、前述の注意点やリスクを確認した上で行いましょう。
Webデザインの作成
AIが生成したイラストは、Webデザインの一部としての活用すると便利です。AIはユーザーの好みやトレンドに応じてイラストを生成する能力を持っているため、ターゲットのペルソナに合わせたデザインを提供することができるでしょう。
マーケティング資料の作成
マーケティング資料は、製品やサービスの特徴を視覚的に伝えるための重要なツールです。AIは、ブランドのイメージやメッセージを反映したイラストを生成する能力を持っているため、視覚的に魅力的で一貫性のあるマーケティング資料を作成することが可能となります。
SNS投稿の画像生成
SNSは、ビジネスのプロモーションやブランド認知度向上のための重要なプラットフォームです。AIにうまく指示を出すことで、さまざまなイラストを生成できます。そのためSNS投稿の画像にぴったり。
また、AIはユーザーの好みやトレンドに応じてイラストを生成する能力を持っているため、ターゲットに合わせた投稿を作成することが可能です。
AIイラストアプリおすすめ4選
ここではおすすめのAIイラストアプリを4つ紹介します。各サービスがAIの学習に著作物を利用している可能性があるので、商用利用に関しては注意してください。
BeautyPlus
「AIイラストレイター」の機能を使えば、簡単にイラスト風の加工が楽しめます。加工したい写真を選ぶだけでAIが自動で認識。精度も高く、イラストのタッチもさまざまです。SNSへのアップや、アイコン作成にも役立つでしょう。
Pixocial Technology (Singapore) Pte. Ltd.
WOMBO Dream
キーワード&アートスタイルを選ぶだけで、AIが美しいアートを作成。パステルや浮世絵風といったさまざまなスタイルを収録しています。何気ないキーワードを入力するだけでも、アーティスティックな仕上がりになるのが魅力。
SNSへの投稿もスムーズにできるため、お気に入りの作品をシェアしてみてはいかがでしょうか。
AIイラスト
写真を選択するだけでサクッとイラストが作れる画像生成アプリ。写真以外にも「山と川」のようにテキストを入力しておくと、それに沿った画像を生成してくれます。AIが自動で処理するので、イラストを1から手がける必要がなくなります。
Wonder
キーワードを入力し、スタイルを選択するだけでAIがデジタルアートを作成。「Animation」や「Cinematic」など20種類以上のスタイルを収録しています。
本アプリは1つのキーワードに対し4つの画像を作成してくれるのが特徴。どれも完成度が高いので待ち受け画面などに設定するのもおすすめです。
商用利用OKなAIイラスト自動生成サイト8選
Midjourney
コミュニケーションツールの『Discord』上で使える無料の画像生成ツールです。無料プランでは非商用利用のみ可能で、作った画像はMidjourney内の全員に公開されます。操作はシンプルで、慣れてしまえば、高品質のAIイラストを簡単に生成可能。
商用利用をする場合は、有料プランに加入してくださいね。
Stable Diffusion
「Stable Diffusion」は、Hugging Face、Dream Studio、Mageという3つのWebサービスを利用できます。「Stable Diffusion」のAIは、入力するテキストの長さや単語の数によって、生成される画像の品質が変化します。
ネガティブプロンプトを利用することで、より高品質なイラストを制作可能です。
Leonardo.Ai
「Leonardo.Ai」は、20時間ごとに最大150枚まで無料でイラスト生成できるAIサービスです。このAIサービスの特徴は、生成するイラストAIのモデルを決められること。同じプロンプトを利用しても、AIのモデルごとに絵の雰囲気がガラリと変わります。
無料で利用できるイラスト生成AIの中では、かなり細かく設定ができたり、機能を使ったりできるのが大きなメリットです。
DALL-E 2
「DALL・E 2」は、Chat GPTを提供しているOpenAI社の画像生成AIです。入力したテキストから画像を生成する基本機能から、バリエーション生成や画像にあった背景の生成などの機能まで搭載しています。
毎月無料で15クレジットが付与され、入力内容に合わせた画像を4種類生成してくれます。1クレジットで1回テキストを入力できるため、無料でも1ヶ月で60枚の画像を生成可能です。
Adobe Firefly
「Adobe Firefly」は、PhotoshopやIllustratorなど、高性能なクリエイティブツールを提供しているAdobeの画像生成AIです。この画像生成AIは、著作権フリーのデータのみ学習しているため、著作権問題を気にせず画像を生成できます。
テキストからの画像生成、画像のAIによる編集、テキストへのテクスチャ適用など、さまざまな用途で利用可能。日本語での入力にも対応しているのが嬉しいポイントです。
Novel AI
「Novel AI」は、アニメや漫画系のイラストを生成するのに適した画像生成AIです。イラストの生成だけでなく、小説のようなテキストの生成もできます。
画像生成を行うためには、有料プランに加入する必要があります。月10ドルのプランに加入すれば、200枚程度イラストを生成可能です。日本語対応はしていないため、翻訳などを利用しながらプロンプトを作ってください。
NightCafe
「NightCafe」は、AIのモデルを選んで、画像生成を行えるツールです。アニメ風やポップアート、油絵風などを簡単に変更可能。プロンプトに詳しくない人でも、イメージしている画像を生成しやすいです。
また毎日無料で5クレジットが配布されるため、月に150枚画像を生成できます。6ドルから有料プランがあるので、たくさん生成したい人は、課金してみてください。
Canva
豊富なテンプレートで簡単にデザインができる無料ツール「Canva」で、画像生成が行えます。日本語でプロンプトを入力できるため、英語が苦手な人でも画像生成しやすいです。
絵柄のスタイルも豊富にあり、イメージした画像を生成できます。もちろん生成した画像を、そのままデザインに利用可能ですよ。
AIイラストを販売できるおすすめサイト3選
Kindle
「Kindle」はAmazonが提供する電子書籍サービスです。「Kindle」では、自分で本を作成して販売できるため、AIで生成した画像を詰め合わせたイラスト集や写真集を売れます。
ただしAIを利用した商品をAmazonで販売する際は、申告が必要です。申告せずに販売すると、アカウント停止などの処置をとられる可能性があります。
電子書籍のサブスクサービス「Kindle Unlimited」での配信も可能で、ユーザーは無料であなたの作成したイラスト集を見られるようになります。売るわけではないですが、閲覧数に応じてお金を稼げるので、おすすめ。
Adobe Stock
「Adobe Stock」は、画像生成AI「Adobe Firefly」を提供しているAdobe社のストックフォトサービスです。イラストや3DCG、写真などあらゆる素材を販売しています。
もちろんAIによる画像やイラストの販売も可能です。実際にイラストカテゴリーのAI生成画像は、1,500万点も登録されています。AIが生成した素材を販売する際は、必ず生成AIを使用したと記載してください。
BOOTH
「BOOTH」は、クリエイターが制作物を販売できるサービスです。画像投稿サイト「pixiv」と同じ運営会社が提供しているサービスで、イラストやアクセサリー、グッズなどさまざまなものを販売できます。
AIを使ったイラストも販売可能ですが、かなり厳しい制限があります。あくまで制作の主体は人であり、画像生成AIがメインで作ったものは禁止されています。そのため、画像生成AIが出力したイラストをそのまま販売はできません。
詳しくは、こちらの利用規約をご覧ください。
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