『学園アイドルマスター』を徹底レビュー
『アイドルマスター』の異色作、学園モノ×アイドル育成でキャラの「成長」を実感
お気に入りのキャラをプロデュースしてアイドル試験でトップをとる、アイドル育成シミュレーション。本作では「アイドル科」が存在する初星高校が舞台となっており、登場するアイドルは皆学生です。それゆえに、胸をタッチすることによる特殊セリフ(通称πタッチ)などのややセンシティブな表現はなくなっており、万人に親しみやすいゲームとなりました。
公式では「アイドル育成シミュレーション」と記載されていますが、過去作の『アイドルマスターシャイニーカラーズ SongforPrism』のようなリズムゲーム部分はなく、歌や踊りに対してのゲーム性をあえて排した、育成型ローグライクカードゲームとなっています。
本作をソシャゲの育成ゲームと侮ることなかれ。『Slay the Spire』や同ジャンルゲームを100時間以上プレイした筆者がハマった、本格派のやり込みゲームです。単なるローグライクに留まらず、体力管理など育成ゲームの要素も追加されることで独自のゲーム性を生み出しています。課金によるゲーム格差はほとんどなく、最終的に勝てる手牌を作っていくという意味では、麻雀が好きな人も楽しめるでしょう。
登場するアイドルは皆アイドルとして何かしらの「欠点」を抱えており、それゆえにステータスは最低数値からゲームが始まります。そんな彼女たちを「レッスン」で鍛え、「おでかけ」で息抜きをいれながら、ゲーム中に取得するカードを使ってオーディションで高評価を取得していくのが、主なゲームの目的。
はじめは声が上擦ったり音程をはずしたりするアイドルが、レッスンの結果次第で力強い歌声を響かせるのは感動の一言。ぜひ高得点を獲得して、単独ライブにたどり着いてみてください。ゲームを通して、ともに成長していく実感が得られます。
アイドルのスケジューリングは大変!? 体力と成長のバランスが重要
ゲームの進行は単純。日常パートにて「3~4つ表示されるスケジュールから1つを選択する」、オーディションやレッスンパートにて「道中で獲得したレッスンカードをプレイする」の2つだけです。
しかしアイドルも人間なので体力の概念があり、レッスンや授業などの育成スケジュールを詰め込み過ぎたり、消耗の激しいレッスンカードばかり使っていたりするとあっという間に体力が0になり、行動不能になってしまいます。
「お出かけ」や「休む」を選択すれば体力を回復できますが、休みが増えればパラメーター育成がままならず、オーディション時にスコアを出せなくなってこちらもゲームオーバーになりえます。
さらに、一度選んだことは巻き戻しができず、そのゲームが終わるまでやり直しが効きません。
自分のアイドルに無茶をさせてパラメーターを取りに行くのか、体力を温存させつつライバルにギリギリで勝てるステータスを目指すのか。シンプルなゲーム性ながら頭を悩ませることが多く、戦略性の高さが「何回もやりたい」と思わせる中毒性があります。
難易度が上がると一部のスケジュールを固定されたり、授業の体力消費量が増えたりするので一度クリアしたから飽きる、ということにはならないように工夫されているのもポイントです。
「王道」から外れた楽曲が登場、各アイドルの個性が光る
本作のアイドルソロ楽曲は、正統派からかけ離れた、個性的で実力派な人気クリエイターをそろえているのが特徴です。
たとえば、月村手毬の「Luna say maybe」は、シンガーソングライターの美波氏が担当。YouTubeで1.9億再生を獲得した「カワキヲアメク」を代表に、力強い感情表現が魅力です。
手毬には「歌声は文句なしに学年トップクラス」「ライブ中は全力を出し切りすぎて体力の限界を超えてしまう」という2つの特徴があります。
彼女の魅力を楽曲に反映した結果「歌いだし以降楽曲が盛り上がり続け、息継ぎをする間もなく感情をぶつけ続ける」というおよそアイドルソングとは思えないエモーショルな仕上がりとなっており、たとえ過去作ファンであっても、驚くこと間違いなしでしょう。
またライブ映像はアイドル単独となっており、全編デフォルメではないフル3Dで構成されています。
ソロ楽曲の場合、専用のステージも作りこまれており、各キャラをイメージしたオブジェクトが配置され、まるで本当にバーチャルライブに参加しているような気分になります。
「欠点」を持つアイドルたちが、成長を通して自分と向き合う
個人的に推したいのが、キャラゲーとしてしっかりと楽しめるストーリー部分の魅力。シナリオはゲーム部分で一定の評価を取るごとに進行していくので、無課金でも一応のゲームクリアである「TrueEnd」まで到達可能です。
メインのシナリオを担当しているのは、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』、『エロマンガ先生』などのヒット作を輩出した、伏見つかさ氏。キャラクター同士のコミカルな掛け合いが魅力で、本作においても「初星コミュ」という「花海咲季」「月村手毬」「藤田ことね」3人のエピソードにて遺憾なく発揮されています。
筆者イチオシは花海咲季というキャラクターなのですが、彼女はプロデュース開始時点ですでに学年主席の生徒です。
真面目で努力を怠ることはなく、成績を見てもプロデュースなど必要なさそうに見えますが、実は重大な欠点があり、それゆえに焦りを感じています。
彼女の課題とそれを乗り越えるまでの過程は王道アイドルものとしては異質で、目を引くものがあります。ぜひ自分の目で確かめてみてください。
『学園アイドルマスター』は課金すべき?
『学園アイドルマスター』は無課金でも遊べますが、たくさんガシャを回したい、体操着などの期間限定着せ替え衣装が欲しいといった場合にはダイヤ購入による課金が必要です。
ガシャは無料でもらえるダイヤのみでは1イベントで2、3回10連を回せるのみなので、課金がないと厳しく感じます。確定でアイドルを手に入れるには200回ガシャを回す必要があるので、イベント限定の場合は課金した方が効率よく手に入るでしょう。
無課金でも実力と運で高スコアを目指せる
課金キャラと初期キャラで性能の差はありますが、ゲームの結果を大きく覆すほどのものは現状ありません。また、定期的にイベントやミッション達成でもらえるダイヤだけでも課金キャラは手に入ります。
ゲーム中に手に入るレッスンカードは課金の有無にかかわらず同じものなので、ゲーム中に欲しいカードを手に入れる運と、コンボをうまく組み合わせる実力さえあれば、初期キャラでもSランク評価を狙うことは可能です。
実際に筆者は一切強化していないRレアリティの「月村手毬」でも、A+評価を獲得しています。
プロデューサーレベルを早く上げたいなら課金を検討
ゲーム中のレッスンカードは、プロデューサーレベルが上がるごとに新規カードが追加されます。
プロデューサーレベルは条件を満たすと解除される称号機能の「アチーブ」や、ゲーム開始時に与えられるミッションをこなすことで上昇するほか、SSRのアイドルを獲得や強化することでも経験値がもらえます。
そのため、早めにプロデューサーレベルを上げておきたい人は課金ガシャを回して高レアリティのアイドルを入手してしまうのもおすすめです。より早く高レベルなゲームが楽しめます。
このゲームもおすすめ
赤ずきんがモチーフのハイパーインフレゲーム『満月の夜』
『満月の夜』は赤ずきんをモチーフにしたファンタジー作品で、敵を倒してながら物語の真相を探っていてくローグライクカードゲームです。一見つながりが無いように思えますが、『学園アイドルマスター』と共通点があり、ゲーム中にカードを獲得していくローグライクカードゲームとなっています。
カードのプレイに1ターン1回というルールがないため、無限アタックや10万超えのスタックダメージなど組み合わせ次第でとんでもないコンボを生み出すことが可能。
アイドルの特訓が行き詰ってきたときに遊ぶとストレスを発散できます。
『学園アイドルマスター』の機能表
ジャンル | アイドル育成シミュレーション |
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メーカー | バンダイナムコエンターテインメント |
料金 | 基本無料(一部課金あり) |
対象年齢 | 12歳以上 |
リリース日 | 2024年5月16日 |
執筆:アプリブ編集部
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