2024年10月28日、Appleは「Apple Intelligence」を発表しました。この新機能は、「iPhone 15 Proシリーズ」「iPhone 16シリーズ」に対応しておりAIを活用して日々の作業をより簡単に、効率的に行えるよう設計されています。
また、日本語版のリリースは来年の予定ですが、国内でもiOS 18.1にアップデートした後に言語設定をアメリカ英語に変更することで利用可能です。早速「Apple Intelligence」の機能を使ってみました。
「Apple Intelligence」でiPhoneがさらに進化!注目の機能と活用方法
Apple Intelligenceで何ができる?
Appleの「Apple Intelligence」は、iPhoneやiPad、Macで使える新しいAI機能で、日常の作業をより簡単にしてくれるシステムです。これにより、通話内容を自動でテキストにしたり、Siriが複雑な指示を理解したり、写真や動画から必要なものをすぐに見つけてくれます。
2024年10月28日のリリースでは、以下の機能が使えるようになりました。
今回のリリースで提供された特徴的な機能は以下の通りです
Apple Intelligenceの注目機能
- 作文ツール:文章の文体を変更したり、長文を簡単に要約する機能
- Siriの強化:従来よりも複雑な指示に対応し、テキストでの指示や質問にも柔軟に応答
- Clean Up機能:写真から不要なオブジェクトをワンタップで除去できる画像編集機能。Googleの「消しゴムマジック」と同様の操作が可能で、日本語設定のままでも使用できる
- 写真・ビデオのテキスト検索、ムービー作成:写真やビデオ内に写っているオブジェクトやテキストをもとに、言語を超えて検索が可能。英語や日本語の単語も認識するため、膨大な写真の整理や、必要な画像を簡単に見つけられる便利な機能で、ムービーを自動生成する
- 通知の要約:ユーザーが集中しやすいよう、大量の通知から緊急度が高いものや、重要な内容かどうかをAIが判断し、選別してくれる
実際に使ってみた感想:Clean Upが便利!
「Apple Intelligence」を試してみると、特に便利だと感じたのは写真編集機能の「Clean Up」です。写真の中で消したい部分をタップするだけで、スムーズに不要な対象物を除去できます。加工の速度も速く、複数箇所を同時に処理しても自然な仕上がりが10秒以内で完了しました。
さらに、モザイク処理も一瞬で行える点が便利です。くわえて、単語から形を認識し、写真内のメニューや看板に書かれたテキストまで見つけてくる検索機能も高精度で驚きました。
英語だけでなく日本語の単語も認識してくれるため、写真の整理や必要な情報の検索が非常にスムーズになった印象です。
通話録音と文字起こし機能について
「Apple Intelligence」には通話内容を録音し、自動的にテキスト化してくれる文字起こし機能が搭載されています。通話が終わると録音データが純正の「メモ」アプリに保存され、要約も自動で生成される仕様です。
しかし、英語の会話で通話の長さや内容を変えて10回以上試しましたが、「メモ」に録音内容は表示されるものの、一度も要約と文字起こしができませんでした。発音の問題でしょうか? 早く日本語版が使えるようになってほしいです。
作文ツールについて
「Apple Intelligence」の作文ツールは、文章作成に役立つ機能です。「もっと丁寧な表現にしたい」「親しみやすい文体にしたい」といった要望に瞬時に対応してくれ、ビジネスシーンで役立つ長文の要約機能や校正機能も備えています。
これらの機能により、英語のメール作成や文章表現に自信がない場合でも、簡単にプロフェッショナルな仕上がりが期待できます。
個人情報は大丈夫?
「Apple Intelligence」はAI機能を活用するため、ユーザーの個人情報がどのように扱われるかが気になるところです。しかし、Apple社は一貫してプライバシー保護を最優先にしており、「プライベートクラウドコンピューティング」と呼ばれる新しい技術を導入しています。
この技術により、デバイス上での処理とクラウド連携が必要最小限に制限されており、情報が外部に漏れないよう徹底して管理されています。ユーザーのデータは暗号化され、プライバシーを守りながら高いパフォーマンスを実現していますので、安心して利用できる設計になっています。
iOS18.2以降で搭載される予定の機能
今回紹介したiOS18.1の機能にくわえ、次のiOS18.2以降では「Apple Intelligence」に以下の新機能が追加される予定です。プロンプトを使った「Genmoji」による絵文字生成や「Image Playground」による画像生成のほか、「Visual Intelligence」による情報読み取り機能も搭載されます。
また、ラフスケッチから画像を生成する「画像マジックワンド」や、作文ツールがChatGPTと連携する機能も追加される予定です。さらに、Siriがユーザー個々のニーズに合わせて最適化され、よりパーソナルな対応が可能になります。登場が待ち遠しいですね。
(文・清 仁美)