ソーシャルゲーム界では「リセマラ」というワードがよく話題になります。ですがこれからソーシャルゲームを始める人にとっては未知の存在ですね。
「リセマラ」は上手く使えばゲームをより楽しめる一方、覚えておくべきデメリットや注意点もたくさんあります。
そこで本記事ではリセマラの意味からやり方、メリット、やるべきなのか? など多方面に渡って解説します。
リセマラとは? 方法・メリット・やるべき? 今さら聞けないソシャゲ事情
リセマラの意味
リセマラとは「リセットマラソン」の略。チュートリアル終了後にレアガチャを引き、納得のいく結果が出るまでアプリのインストールとアンインストール(リセット)を繰り返す行為を指します。
当たりが出るまでひたすら同じ作業を繰り返す行為がまるでマラソンを思わせる事から、この名が付きました。
リセマラのやり方
では実際のリセマラの流れを、『モンスターストライク(モンスト)』で解説していきます。
ゲームによって多少の違いはありますが、基本的な流れはどのゲームでも同じで、以下の通りです。
1.ストアからアプリをインストールする
2.ゲームを始める
3.チュートリアルをプレイする
4.プレゼントBOXから、有料アイテムやガチャチケットを受け取る
5.レアガチャを引く
6.ガチャ結果に納得できなければ、アプリをアンインストールして1.からやり直し
1.ストアからアプリをインストールする
2.ゲームを始める
3.チュートリアルをプレイする
4.プレゼントBOXから、有料アイテムやガチャチケットを受け取る
5.レアガチャを引く
レアガチャとは有料アイテムやガチャチケットを消費して引くガチャ。運が良ければ強力なキャラクターを入手できます。
6.ガチャ結果に納得できなければ、アプリをアンインストールして1.からやり直し
リセマラが広まったのはいつから?
現在の意味でのリセマラが広く知れ渡るようになったのは、『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』や『モンスターストライク』などが登場した、スマホゲームの草創期の2012年頃から。
それまでモバイルゲームの主流プラットフォームだった「モバゲー」や「GREE」でもリセマラは可能でしたが、やり方が複雑でした。
一方スマホアプリでは一部を除いてアプリのインストールとアンインストールをするだけ。手順が大幅に簡単になったのが、普及の大きな要因と考えられます。
※コンシューマーゲームでも似たような行為は存在した
強いキャラクターや希少性の高いアイテムを入手するために同じ作業を繰り返す行為は、スマホアプリの登場以前にもありました。
たとえば『実況パワフルプロ野球』シリーズの天才型選手の厳選や、『モンスターハンター』シリーズのレア素材獲得のためのクエスト周回、『デモンズソウル』の刃石マラソンなど。
ただしこちらが1ユーザーの1本のゲーム内で完結するのに対し、ソーシャルゲームのリセマラはリアルマネーが絡む、ダウンロード数に影響を与えるなど、事情はだいぶ異なります。
リセマラのメリット・デメリット
今では多くの人が何気なくやっているリセマラですが、さまざまなメリット・デメリットが存在します。中にはメーカーの運営や利用規約に関わるものもあるので、ぜひ知っておきましょう。
メリット
強力なキャラ・お気に入りのキャラを無料で入手できる
ソーシャルゲームで最も手軽に強くなる方法は、レアガチャで強力なキャラクターや装備を入手する事。ただしそういったものは排出率1%以下などよほど運がない限り1発で引くのは不可能です。
ですがリセマラで粘れば、強力なキャラやお気に入りのキャラを、実質的に無料で獲得できます。
序盤を有利に進められる。間接的に有料アイテムを稼げる効果も
リセマラで強力なキャラを厳選すれば、序盤を有利に進められます。また多くのソーシャルゲームでは、ステージクリアの報酬として有料アイテムが手に入るシステムになっているのも特徴。
強力なキャラがいればそれだけ先に進みやすくなるので、リセマラで間接的に有料アイテムを稼げる効果もあります。
運営側にとっては、「ユーザーに熱中してもらえる」メリットも
苦労して手に入れたものに対して、価値を見いだしたくなるのが人間の性。リセマラも同様で、「あれだけリセマラしたんだから続けてみるか」という心理が働きます。運営側にとっても、ユーザーに長く遊んでもらえるというメリットがあります。
デメリット
時間がかかる
運次第ですが、1%以下の確率を引くために何十回もアプリのダウンロードとチュートリアルを繰り返すリセマラは時間がかかります。
しかもソーシャルゲームのデータ容量は少なくとも1GBはあるため、ダウンロード時間だけでもかなりの量に。
そもそも「マラソン」という名の付くあたりから、その道のりの長さが伺えます。リセマラは厳選しだすとキリがないため、適度な所で切り上げるのが大切です。
通信量がかかるため、Wi-Fiや使い放題のプランが必須
先ほども触れましたが、ソーシャルゲームは少ないものでも約1GB、多いものでは約5GBの大容量のデータです。
モバイルデータ通信でリセマラでもしようものなら、あっという間に通信制限(ギガ不足)に達してしまいます。そのためリセマラには、Wi-Fiか通信量使い放題のプランが必須です。
サーバーへの負荷が大きくなる
リセマラはデータのダウンロードを何度も繰り返すため、サーバーへの負荷が大きくなります。それを何千、何万単位の人数で行えばなおさらです。
リセマラの有無に関わらず、サービス開始直後にサーバーへの過重な負担で運営が立ち行かなくなり、長期メンテナンスが必要となったゲームも少なくありません。
運営側にとっては、ユーザーがリセマラをする前提でサーバーを用意する必要があります。
正確なアプリダウンロード数がわからなくなる
リセマラでは一人のユーザーが何度もアプリをインストールをするため、その分アプリダウンロード数が多くなります。
一方でApp StoreやGoogle Playでは重複ダウンロード数はカウントしていないと言われています。そのためメーカー側の発表と、ストアで表示されたダウンロード数に齟齬が生じる事も。
現在では「リセマラで水増しされているのでは?」という認識がユーザーにも広がっていますが、メーカーから発表された数字が本当か疑わしくなるのは事実です。
リアルマネートレード(RMT)の一因となる
ごく一部のユーザーの中には、ゲームデータをインターネット上で販売(RMT)する者がいます。これはほぼ全てのソーシャルゲームで規約違反と定められており、BAN(追放)などの罰則の対象となります。
RMTそのものを禁止する法律はありませんが、RMTを発端に詐欺などのトラブルに発展する危険性も。
リセマラは普通にゲームをするのに比べれば、簡単に「商品」となるデータを作成できます。リセマラの存在が、RMTを助長している一面は否めません。
リセマラはやるべきか?
今や当たり前のように行われているリセマラですが、それは必須でしょうか? その疑問に対する答えは、リセマラをする目的によって異なります。
●攻略を有利にするため
●お気に入りのキャラを獲得するため
この2つの面で解説します。
「攻略を有利にするため」のリセマラは重要ではない
リセマラをすることで確かにスタート時点では有利になりますが、長期的に見れば攻略面ではさほど重要ではありません。
というのも5年ほどソーシャルゲームをプレイしてきた筆者の経験上、長く続けていればいつかは神引き(大当たり)することもあるし、100連してもお目当てのキャラが出ない事もあるからです。リセマラの差は時間(と課金額)で埋まっていきます。
また最近のソーシャルゲームでは、全キャラ最高レアリティまで育成できたり、低レアリティでも一点特化で使いようがあったりと、ガチャの差がなるべく出ないよう設計されたゲームも少なくありません。
対戦要素があって、それこそ全国ランキングで1位になりたいなら話は別ですが、そうでもなければリセマラで何時間も苦労するより、早く本編を楽しむ方がおすすめです。
「お気に入りのキャラを獲得するため」ならば致し方ない面も
一方で「リセマラは絶対にしなくていい」と言い切れない理由もあり、それが「強さ目的」ではなく「キャラ目的」の場合です。
特に外部作品のコラボがきっかけでそのアプリを始める場合、なんとしてもコラボ作品のキャラが欲しいはず。しかもコラボキャラは版権の都合上、コラボ期間中しか獲得できない可能性が非常に高いです。
運営目線で考えると課金して当てて欲しい所ですが、ユーザーの金銭事情を考えると、リセマラした方がお得と言わざるを得ません。
リセマラは禁止行為か?
中には「リセマラは禁止ではないか?」と疑問に思う方もいるはず。筆者が確認した限りでは、明確に「リセマラ禁止」と打ち出しているソーシャルゲームは見当たりません。
メーカーとしても、リセマラが当たり前となった現状、禁止にするとユーザーが付かなくなると危惧しているのではないでしょうか。半ば黙認状態にあるように見受けられます。
複数アカウントの所持は禁止とされている。解釈次第ではリセマラも?
直接リセマラを禁止する規約は見かけませんが、「一人のユーザーが複数のアカウントを持つこと」は多くのソーシャルゲームで禁止されています。
アプリのインストールと削除を繰り返すリセマラが複数アカウントの保有に該当するかは際どい所ですが、解釈次第では抵触し得る事は覚えておくべきでしょう。
なおこの規約に則ると、リセマラの途中でそこそこ良い結果が出たら引き継ぎコードを発行するなどして保留し、さらにリセマラを続ける行為は複数アカウントの所持に該当するものと思われます。
リセマラが簡単・大変なアプリ
最後にリセマラが簡単なアプリ、大変なアプリを一例として3つずつ紹介します。
リセマラにかかる時間はゲームによってさまざま。どういったものがリセマラに向いているのか、そうでないのか、参考にどうぞ。
リセマラが簡単なアプリ 3選
この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ
『この素晴らしい世界に祝福を!(このすば)』初のスマホRPG。本作ではチュートリアルをスキップして、いきなりレアガチャを引けるという、リセマラに優しい仕様となっています。
加えて初回10連は無料、10連分の有料アイテムと星4(最高レアリティ)確定チケットが配布されるため、1回のプレイで多くのガチャを引けるのもポイント。星4の排出率も4%と比較的高めです。
ワールドフリッパー
ピンボール風の体当たりアクション『ワールドフリッパー』。こちらもチュートリアルのスキップが可能で、データ容量も約1.5GBと比較的軽め。さらに最高レアリティの星5の排出率が5%とかなり高くなっています。
加えてアプリ内に「データクリア」機能があり、それを利用すればデータの再ダウンロードが不要になるため、高速でリセマラが行えます。
きららファンタジア
「まんがタイムきらら」系列の人気作品が一堂に会する『きららファンタジア』。リリース当初はゲーム開始直後に10連召喚(ガチャ)がやり直し放題というシステムでしたが、後に変更されました。
現在は好きな星5(最高レアリティ)のキャラクターを1人自由に選べるという形に。お気に入りのキャラが出るまでリセマラをする必要はなく、すぐにゲームを始められます。
リセマラが大変なアプリ 3戦
Fate/Grand Order
TYPE-MOONの人気シリーズ待望のRPG『FGO』。チュートリアル後に引ける召喚(レアガチャ)の回数が5回程度、最高レアリティの星5の排出率が1%と、リセマラには辛い仕様となっています。
推しのサーヴァントが欲しい気持ちは十分にわかりますが、最初に出たサーヴァントとの出会いを大事にするのもおすすめです。
プリンセスコネクト!Re:Dive
超大作アニメRPGという触れ込みでリリースされ、TVアニメ版も放映された人気アプリ『プリコネR』。
アニメが豊富な分データ容量が非常に大きく、レアガチャを引くまでに少なくとも約5GBものデータダウンロードが必要になります。そのため通信環境次第ではデータダウンロードだけで膨大な時間がかかる事に……。
幸いチュートリアル中のストーリーパートやバトルは大半がスキップできるため、通信環境が整っていれば多少楽になります。
ドラゴンクエストウォーク
国民的RPG『ドラゴンクエスト』が位置情報ゲームになった『ドラクエウォーク』。位置情報ゲームのため、やり直しのたびに実際に歩かなければならないという、肉体的に大変な仕様となっています。
運動不足を痛感している人にとっては、リセマラついでに運動もできて一石二鳥かも?
大変だったが改善されたアプリ
マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝
『魔法少女まどか☆マギカ』が原作のRPG『マギレコ』。リリース当初はレアガチャを引くまでかなりストーリーを進めなければいけないうえにデータ容量が約3GBと大きく、リセマラに相当な手間がかかる事が話題となりました。
現在はチュートリアル途中に「選べる星4確定ガチャ」が追加されたため、好きな魔法少女を加えるのは簡単になっています。
リセマラで苦しんでは本末転倒。ゲームを楽しむことが大事
良くも悪くもガチャはソーシャルゲームを象徴するシステム。リセマラで有利になるのは事実ですが、こだわるあまり膨大な時間を取られ、ゲームを始められないのでは本末転倒です。
先述の通り、リセマラの差は時間と共に埋まっていきます。あまりリセマラで気張らずに、ゲームを楽しむことを第一に考える事をおすすめします。
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