イラストを描くことに関心がある人なら、1度は「デジタルで絵を描いてみたい!」と考えたことがあるはず。
しかし、デジタルイラストを描くために必要なパソコンやタブレットは高額。「すぐには買えない……」と諦めてしまう場合もあります。
実は無料のスマホアプリでもデジタルイラストを描くことは可能です。実際に制作の段階で、スマホのアプリを利用しているクリエイターも多くいます。
今回の記事では、スマホで使えるおすすめのイラストアプリを7つ紹介していきます。無料のままどこまで描けるのかも確かめました。
スマホでイラストを描こう! 無料で使えるおすすめアプリ8選【初心者OK】
無料でどこまで描ける? 7アプリの課金の境目
App StoreとGoogle Playで、紹介する7アプリの配信状況を1つずつ確かめました。7つとも配信は続いています。ただし「無料」の中身はアプリごとに大きく違い、広告を見ないと使えないブラシがあるものや、描く画面そのものに条件が付くものもありました。
| アプリ | 対応OS | 広告 | 無料でレイヤー |
|---|---|---|---|
| アイビスペイントX | iPhone Android |
あり | ○ |
| CLIP STUDIO PAINT | iPhone Android |
なし | ○ |
| SketchBook | iPhone Android |
なし | ○(上限あり) |
| Tayasui Sketches | iPhone Android |
なし | ○(4枚まで) |
| MediBang Paint | iPhone Android |
あり | ○ |
| Tayasui Memopad | iPhoneのみ | なし | ○ |
| 簡単メモ | iPhoneのみ | あり | - |
広告ありのアプリでは、描いている途中や保存した後にバナー広告や動画広告が出ます。また、無料のまま描き続けるうえで引っかかりやすいポイントが4つありました。
- 一部のブラシに広告の視聴か課金が必要:アイビスペイントX、MediBang Paint
- レイヤーの枚数に上限がある:Tayasui Sketches(1枚の絵に4枚まで)、SketchBook
- 自由に描く画面がすぐには開かない:ドローイング デスク(レッスンを5つ終えると開く)
- 無料で使える時間が決まっている:CLIP STUDIO PAINT(毎月30時間)
スマホで描ける!本格的なイラスト向けアプリ5選
「アイビスペイントX」高機能! 筆圧感知・手ブレ補正・メイキング動画も◎
「アイビスペイントX」は、(通称:アイビス)はiOS・Android端末どちらでも利用できるイラスト・マンガ制作アプリです。
このアプリの最大の特徴はパソコン・タブレットのソフトに劣らない機能性の高さにあります。
ワンタップでメイキング動画も収録できるので、イラスト制作の配信をしたい人にもおすすめのアプリです。
▲「アイビスペイントX」の編集画面。実際に描いてみた。
キャンバス・レイヤーはかなり細かい設定が可能です。作品の目的に合わせてサイズ・画質・色味をカスタマイズできます。
またクラウド保存ができるので、ほかのデバイスとの共有もスムーズにおこなえます。
▲レイヤー機能を使った本格的な制作が可能。X(旧Twitter)のヘッダー用・LINEスタンプ用のキャンバスも用意されている。
さらに手ブレ補正・入り抜き調整の機能が搭載されているので、線画を思いどおりに仕上げることができます。
スマホでも本格的なイラスト・マンガを描きたいと考えている人にとって、ありがたい機能が満載のアプリです。
▲手ブレ補正の度合い・入り抜きの設定ができる。(画像の先は上から 補正なし・補正あり・入り抜きあり)
無料のままでも、キャンバスを作ってレイヤーを分け、保存するところまで一通り進められます。ただし、一部のブラシには「Ad」と鍵マークが付いていて、使うには広告の視聴か課金が必要です。画面の下部にはバナー広告も出ます。保存した静止画に透かしは入りませんが、設定の「動画のウォーターマーク」は鍵マーク付きで、タイムラプス動画の透かしを消すのは有料機能です。
料金:無料利用可能、広告除去の買い切り版 アイビスペイント(1,500円)・プレミアム会員(月額480円/年額3,000円)
対応デバイス:スマホ・タブレット
「CLIP STUDIO PAINT」プロも利用! ペン・ブラシ・素材の種類が超豊富
「CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)」(通称:クリスタ)はiOS・Android端末どちらでも利用できるイラスト・マンガ制作アプリです。
魅力はペン・ブラシ・素材の種類が非常に豊富な点。筆圧感知機能もついており、油彩画や水彩画などの制作も可能です。公式からリリースされているペン・ブラシ・素材だけでなく、クリエイターが作成したオリジナルツールも一部無料で利用できます。
無料版では、毎月30時間ぶんすべての機能を広告なしで使えます。この30時間は毎月1日の午前4時にリセットされるため、月をまたげば残りを気にせず描き始められるでしょう。
基本的なツール・パレットに加え、マンガのコマ割りが可能。マンガの背景・装飾に使えそうなトーン・テクスチャ・スタンプなど、ほかのアプリでは見られない素材もかなりの数がそろっています。
「クリスタ」のパソコン版は多くのプロが利用するツールとして昔から有名ですが、スマホ版においても使える機能はほぼ同じ。
さまざまな作品の用途が想定されていて、同人誌や簡単なアニメーション制作も可能です。
そして、こちらもクラウドでのデータ共有ができます。タブレット・パソコンへの移行を考えている人にはイチオシのアプリです。
スマホ向けに項目を絞った「シンプルモード」も用意されていて、2本指タップで取り消し、3本指タップでやり直しといったジェスチャーも設定できます。
料金:無料利用可、スマートフォンプラン PRO(月額100円)・EX(月額300円)
対応デバイス:スマホ・タブレット・パソコン
「SketchBook」コピックカラーのパレット搭載!
「SketchBook(スケッチブック)」はiOS・Android端末どちらでも使えるイラスト・スケッチ用アプリです。
一番の特徴はCopic(コピック)のブラシ・カラーパレットが搭載されている点にあります。アナログイラストを描く際にコピックを使用してきた人にとって使いやすいアプリです。
補色を提案してくれる機能もあるため、配色を考えやすいのもポイントといえます。
無料アプリと思えないほどのブラシツール・カラーパレットの豊富さが魅力。
ひと目でどんなツールなのかがわかりやすく、アナログから移行したばかりの初心者にとっても使いやすい仕様のアプリです。
グリットや・対称線といったツールもそろっているので、立体的な図形・幾何学模様なども簡単に描くことができます。
無料のままでも描くこと自体に制限はかかりません。ただし、レイヤーのグループ化やPDFへの書き出し、キャンバスの解像度指定はプレミアムバンドルを買ってから使える機能です。
料金:無料利用可、プレミアムバンドル(500円・買い切り)
対応デバイス:スマホ・タブレット・パソコン
「Tayasui Sketches」リアルな質感! 厚塗り・写実向き
「Tayasui Sketches」はiOS・Android端末どちらでも使えるイラスト・スケッチ用アプリです。
このアプリの最大の魅力は、繊細なブラシやぼかし機能を用いてリアルな質感を表現できる点にあります。特に厚塗りのイラスト・写実的な絵を描きたい人におすすめです。
▲指だけでも、スケッチブックに描いたような質感を出すことができる。
シンプルで分かりやすい編集画面が特徴で、無料ツールは全部で消しゴムを入れると全15種類。
それぞれ太さ指定ができる上に、塗りの重なり方の設定なども可能です。
塗りつぶし・切り取りのような時短できる便利なツールもそろっています。
カラーパレットは1色ごとに編集してカスタマイズができます。
単に見た目で決めるのも、カラーコードを直接指定するもOK。
無料で使う上で先に知っておきたいのが、レイヤーの枚数です。ストアの説明文には「1つの絵に対し最大で4枚のレイヤーを使用可」とあり、下描き・線画・色・背景で埋まる枚数といえます。
また、一部のブラシに青いダイヤのアイコンが付き、設定の「図面の回転を許可します」「自動直線」には「PRO」と表示されていました。なおAndroid版は2025年10月から更新が止まっています。
料金:無料利用可、アプリ内課金 Pro Version(1,300円)ほか月額・年額プラン
対応デバイス:スマホ・タブレット
「MediBang Paint」マンガ用のツール・素材が充実!
「MediBang Paint(メディバンペイント)」はiOS・Android端末どちらでも使えるイラスト・マンガ制作アプリです。
このアプリは特にマンガのためのツール・素材や充実しているのが大きな特徴です。
マンガ制作に便利な集中線・平行線などの定規ツールも用意されています。
編集画面が見やすい、ペンの太さ・透明度をワンタップで変更できるなど、作業中のストレスの無さも評価できるポイントです。
マンガに使える風景・吹き出し素材も多種類そろっています。印刷用に解像度を上げることも可能です。
風景は1つ1つのクオリティが高いので、トレースして構図などを学ぶという方法もあり。
マンガ制作をメインにしたい人はこのアプリがおすすめです。
描いて保存し、png・jpg形式で書き出すところまでは無料です。ただし、キャンバス画面の上部に広告が出ます。ブラシ一覧では一部のブラシに動画のアイコンが付き、広告を見てから使うタイプのブラシが混ざっています。
広告を消したい場合は「MediBang Premium」への加入が必要です。メニューにも「広告を非表示にする」という項目が用意されています。
料金:無料利用可、MediBang Premium(350円〜)
対応デバイス:スマホ・タブレット
スマホで描ける!初心者向けイラストアプリ2選
「Tayasui Memopad」シンプルだけど機能充実! 落書き・アイデアメモに
「Tayasui Memopad」はiOSのみで使えるお絵描きアプリです。
ちょっとした落書きやアイデアメモとして使いやすい設計なので、思いついたときにサラサラと描けるのがメリット。
とてもシンプルな編集画面ですが、カラーも自由に選ぶことができ、お絵描きするための十分な機能がそろっています。
また、キャンバスの種類は白色の無地だけでなく、罫線やドットが入ったものを選択できます。
イラストだけでなく文字や図形・表も書きやすく、幅広い用途で活用可能なアプリです。
1点だけ添えておくと、このアプリは2025年5月の更新を最後に、バージョンが上がっていません。いま使うぶんには問題ありませんが、長く使うつもりなら覚えておきたいところです。
料金:無料利用可、アプリ内課金「その他のツール」(800円)ほか月額・年額プラン
対応デバイス:スマホ・タブレット(iOS端末)
「簡単メモ」お手軽さ重視! ササッと描きたい人向け
「簡単メモ」はiOS端末のみで使えるお絵描きアプリです。このアプリはとにかく最低限の機能さえあれば良いという人向け。
細かい設定・選択をせず、アプリを開けばすぐに描きこめるのがメリットです。
完成した絵は写真フォルダに保存することができます。また、アプリ内からメール・SNSで送ることも可能です。
暇つぶしとして落書きを楽しみたい場合や、臨時でメモが必要な場合はこのアプリだけでも十分役立ちます。
機能は最小限に絞られていて、ペンの色は16色、太さは0.5〜30から選ぶ形です。レイヤー機能はないため、塗りを分けて管理したい場合はほかのアプリに頼ることになります。無料版は広告を表示することで運営されており、広告なしで使いたいなら別アプリの「簡単メモ Pro」(300円)を選ぶことになるでしょう。
料金:無料(広告あり)。広告なしの「簡単メモ Pro」は別アプリで300円
対応デバイス:スマホ・タブレット(iOS端末のみ)
スマホでイラストをうまく描くコツ
筆者自身もイラストを描いているため、これからスマホで本格的にイラストを描きたいという人のためにうまく描くコツを紹介します。
画面を拡大してゆっくり描く
スマホはパソコン・タブレットに比べて画面が小さいので、補正なしで100%表示のまま指で描いた場合、線がブレてしまったり、塗りがはみ出てしまったりしやすいです。
きれいなイラストに仕上げるためには、できるだけ画面を拡大してゆっくり描くのが大切です。
消しゴム・切り取り機能をうまく利用する
スマホで描くイラストできれいな線・塗りを表現したい場合、上述のようにゆっくり丁寧に描くだけでなく、描いた後に余分な部分を消してバランスを調整するという手段をとることもできます。
消しゴム機能・切り取り機能が備わっている場合は、うまく活用してみましょう。
下描きは手書きで描いてスキャンする
より本格的なイラストに仕上げたい場合は、下描きを手書きで描いてからスキャンしてスマホアプリで仕上げるという方法が可能です。
紹介したアプリでも、写真・データを簡単に読み込めるものが多くあります。土台がしっかりしているだけでイラストの仕上がりはかなり違ってくるので、ぜひ活用しましょう。
指で描けない細かい部分はタッチペンを使う
指だけではどうしても思いどおりのイラストを描けないという場合は、スマホ用のタッチペンを利用するのも手です。
タッチペンは100円で買える簡易的なものから、イラスト用のアプリに対応した本格的なものまでさまざま。欲しい機能・描き心地などを基準に探してみましょう。
スマホでイラストもマンガも描いてみよう!
今回はスマホで使えるおすすめのイラストアプリ7つを紹介しました。
イラストアプリには、簡単なお絵描きアプリから本格的なイラスト・マンガ創作ができる高機能なものまでいろいろあります。
ゆくゆくはパソコンやタブレットで本格的なイラスト創作をしたいと考えている人も、本格的な機材を買う前に一度スマホアプリの機能を試してみるのがおすすめです。
描きたいイラストのイメージに合ったアプリを使ってみてください。