国内外で数多くの賞を受賞した『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』など、近年急速にタイトル数を伸ばす「オープンワールド」ゲーム。その面白さは一体どこにあるのでしょうか?
本記事では、意外に曖昧なオープンワールドの意味から、歴史、おすすめゲーム、スマホで遊べるアプリまで徹底解説。
オープンワールドの面白さ、絶対に遊ぶべきオープンワールドの名作が見つかります。
「オープンワールド」とは? 歴史、おすすめ名作ゲーム、アプリまで徹底解説
「オープンワールド」とは?
オープンワールドというジャンルの正確な定義はやや曖昧ですが、多くの媒体での定義をまとめると、「ひとつなぎの大きなフィールドを舞台とし、プレイヤーが自由に動き回って遊べるレベルデザイン」となります。
・フィールドの画面切り替えがないか、ほとんどない(シームレスマップ)
・エンディングまでの攻略の順番が決まっていない(フリーローム)
この2つを満たすのがより正確な意味でのオープンワールドで、フィールドの画面切り替えが無くても、攻略の順番が決まっているゲームは厳密にはオープンワールドからは外れます(例:『ワンダと巨像』)。
▲あの山に行ってみたい、そう思った時に……。(画像は『The Elder Scrolls V: Skyrim』)
▲画面の切り替えなしで本当に行ける。これが一般的なオープンワールドのイメージ。
オープンワールドは今も発展途上
ですが現在は「フィールドの画面切り替えがない(シームレスマップ)」という要素がオープンワールドとして優先される傾向にあります。
事実として現在オープンワールドと呼ばれるゲームの多くは、エンディングまでにある程度の道筋(チャプターやメインクエストなど)が決められており、オープンワールドは今も発展途上にあると言えます。
それでも広大なフィールドを走り回れる開放感は感動モノ。またメインクエストとは別に豊富な寄り道イベントが用意されているゲームも多く、自由度の高さを十分に堪能できます。
▲シナリオは一本道ながら、作品の持つ神秘的で寂しげな雰囲気をシームレスマップで表現してみせた『ワンダと巨像』。
MMORPGはオープンワールドか?
MMORPGも広大なフィールドをシームレスで移動できる、バトル以外にも釣りなどの要素が楽しめるなど、自由度の高さが魅力です。
ですが多くのMMORPGではメインクエストの攻略順番が決まっており、そういう意味ではオープンワールドとは若干趣きが異なると言えます。
とは言えMMORPGは他のRPGと異なり、エンディングを目指す以外の楽しみ方が無数に用意されています。メインクエストは二の次で、気ままに冒険を楽しむのも自由。
MMORPGは厳密にはオープンワールドではありませんが、プレイ感覚は限りなくオープンワールドに近いです。
▲絵本のような優しいグラフィックで、のんびりと冒険を楽しめるMMORPG『Ash Tale-風の大陸-』。
オープンワールドの魅力・面白さ
ではオープンワールドには一体どんな魅力があるのでしょうか。フィールドの切り替えがないこと、攻略の道筋が定まっていないこと、この2つの観点から見ていきましょう。
広大なフィールドをシームレスで冒険。「ゲームの世界にいる」没入感
オープンワールドでは、目に見えるほぼすべての場所に行けます。たとえば従来のゲームでは背景でしかなかった遠い山に、実際に行くことが可能。
また「マップの切り替え」というゲーム特有の要素がないことが、一層現実感を高めています。
世界の広さを実感でき、より大きな没入感を味わえるのがオープンワールドの魅力の一つです。
▲『レッド・デッド・リデンプション2』のワンシーン。見える範囲すべてがシームレスに移動できる。
悪の道に走っても、いきなりラスボスに挑んでもOK! 究極の自由
プレイヤーが自由に行動できるのもオープンワールドの魅力。たとえば『レッド・デッド・リデンプション2(RDR2)』はギャングが主人公のゲームですが、無法者らしく無差別に人を襲いまくるのも、義賊の如く困っている人を助けるのもプレイヤー次第。
▲『RDR2』のワンシーン。崖から落ちそうな男を助けるか、始末するか、どちらを選んでもストーリーは進む。
また『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』など、やりこみ次第ではいきなりラスボスに挑めるゲームもあります。
広い世界で、何をするのもプレイヤーの判断次第。オープンワールドには究極の自由があります。
オープンワールドの歴史
ではオープンワールドはどのように経緯を経て今に至るのか、ファミコンの時代から歴史を紐解いていきましょう。
オープンワールドで第二の人生を謳歌できる『マインクラフト』
『マインクラフト(Minecraft)』もオープンワールド型のゲーム。「サンドボックス」とも呼ばれる本作には、あらゆる判断がプレイヤーに委ねられています。
食料の確保はもちろん、素材集め、クラフト、モンスターとのバトルなどできる事は盛り沢山。特にクラフトは極めがいがあり、素材集めから自力で一軒家を建てた瞬間の達成感は筆舌に尽くしがたいものがあります。
一応エンディングはあるものの、それすらも目指すかどうかは自由。ゲームの中で第二の人生を謳歌できます。
▲一気に高い場所まで登れる水流エレベーター。アイディア次第でなんでも作れるのが『マインクラフト』の魅力。
オープンワールドの到達点『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』
そうしてたくさんのオープンワールドゲームが生み出される中で登場したのが『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(BoTW)』。
本作にはたくさんの画期的要素が詰まっていますが、特に他のオープンワールドゲームと一線を画すのが「自由」と「誘導」のバランス。
オープンワールドは自由度の高さが魅力である反面、ともすればできる事が多すぎて何をすればいいのかわからない、となりがち。
その点BoTWはごく自然に、かつプレイヤーを自発的に動かす仕掛けが随所に施されています。決してプレイヤーをほったらかしにせず、かと言って「やらされている感」を与えない絶妙の距離感。
これがBoTWが世界中で評価された一因であり、オープンワールドをひとつの到達点へと押し上げたと言ってもいいのではないでしょうか?
FF15、真・三國無双8……オープンワールドに挑んだ人気シリーズ
元々オープンワールドの要素が見受けられた『ゼルダの伝説』のほかにも、『ファイナルファンタジーXV(FF15)』や『真・三國無双8』など、オープンワールド化を試みた人気シリーズが存在します。
ですが『FF15』はストーリーが進むと行動範囲が狭まる、『真・三國無双8』はフィールドの広さに反してイベントが少ない、など扱いに苦心している様子。オープンワールドが決して万能ではない事が伺えます。
とはいえFF15ではテーマである「旅」を、三國無双8は一武将として中国全土を駆け巡る没入感を、断片的ながらも感じ取れるのも事実。試み自体は決して間違いではないと言えるでしょう。
『PUBG』など、オープンワールドの派生形も登場
オープンワールドの派生形と呼べるゲームも登場しています。たとえば広大な戦場を舞台に100人同時のバトルロワイヤルを繰り広げるTPS『PUBG』。
戦場のどこに降り立つか。戦うか、それとも逃げるかなどある程度の自由度もあり、オープンワールドを彷彿とさせます。
▲時間経過で行動範囲が狭まるが、最初にどこに降りるかは完全にプレイヤーの自由となる『PUBG』(画像はモバイル版)。
オープンワールドのおすすめスマホアプリ 4選
スマホアプリの中にも、オープンワールドで遊べるものがあります。コンシューマーからの移植がメインですが、自由度の高さは十分。無料のアプリもあるので、まずは気軽に遊んでみてください。
『マインクラフト』
『マインクラフト』はたくさんの機種に移植されており、スマホ版もあります。画面はコンパクトになっても自由度の高さは健在。家を作ったり、畑を耕したり、洞窟を探検したり、思う存分バーチャルライフを満喫できます。
▲ここを拠点に素材集めをするのも、さらなる未開の地を目指すのもプレイヤー次第。
『ARK: Survival Evolved』
PCやPS4でリリースされたオープンワールドサバイバルゲームのモバイル版。恐竜が住む島で、文字通り裸一貫からたくましく生き抜いていきます。
食料集め、武器の作成、家の建築まで、衣食住すべてを自力で賄う必要ある、自由度とストイックさを兼ね備えたゲーム性。
また登場するほとんどの生物を手懐ける(テイムする)ことができるのも本作の特徴。ティラノサウルスも手懐けられるかも。
▲画面はFPS視点。巨体の恐竜が目の前をノッシノッシと歩く姿は迫力満点。
『ギャングスターニューオーリンズ』
ニューオーリンズのギャングの頂点を目指し、縄張りを広げるクライムアクションゲーム。車を強奪する、住民を襲うなどGTAシリーズを彷彿させる容赦ない自由度の高さが特徴。
各地に散らばったミッションをこなしてゲームを進めるという基本的な流れはあるものの、ミッション時以外でも自由に動ける本作。オープンワールドの醍醐味である、歩き回れる楽しさを十分に満喫できます。
▲街中で銃撃戦は日常茶飯事。縄張りを広げるべく、相手ギャングを片っ端から蜂の巣にしてやろう。
▲広大なニューオーリンズのマップ。ミッション外なら自由に歩き回れる。
『Goat Simulator』
車に轢かれようが爆発に巻き込まれようがなぜか無敵のヤギ、ヤギに突かれると異常にぶっ飛ぶ人々、意図的に残されたバグの数々、そしてシームレスマップ。そんなむちゃくちゃな世界で好き放題できる、一言で表せばバカゲーです。
理解不能どころか考えたら負けな本作。有料版のほか、iOS限定で無料の『Pocket Edition』が出ているので、思う存分ヤギライフを満喫しましょう。
▲爆発に巻き込まれ豪快に吹っ飛ぶヤギの図。大丈夫、このヤギ不死身だから。
大人気ゲーム『原神』
家庭用ゲーム機に比べるとスケールの小ささは否めないスマホのオープンワールド。そんな中『崩壊3rd』などを手掛けるmiHoYoから、オープンワールドRPG『原神』がスマホを含むマルチプラットフォームで2020年にリリースされました。
美しい幻想大陸「テイワット」を自由に冒険できるという本作。果たしてどれだけ歩き回れるのか、リリースが楽しみです。
スマホでどこまで「オープンワールド」の楽しさを追求できるか?
ハードの進化と共に、どんどん表現力を増していくコンピュータゲーム。「オープンワールド」はハードのスペックを活かす格好のジャンルです。
家庭用ゲーム機はもちろん、スマホゲームでどれだけオープンワールドの楽しさを追求できるのか、この先目が離せません。
こちらの記事もおすすめ