「ゼクシィ」と聞いたときに想像するのは、キラキラしてて幸せが溢れ出てるピンク色の雑誌……というイメージ。また一方で、「あんた早く結婚しなさいよ」とお節介を焼いてくる親戚のおばさんのようなイメージもあります。
ゼクシィは『ゼクシィ縁結び』『ゼクシィ恋結び』というマッチングサービスを2014年からスタートさせており、一段と結婚を奨励しているような印象を受けます。
では結婚情報メディアであるゼクシィは、”結婚しない人”についてどう思っているのか? 50歳までに一度も結婚しない「生涯未婚」が急増する日本の現状をどう見ているのか?
株式会社リクルートマーケティングパートナーズの執行役員であり、株式会社リクルートゼクシィなびの代表取締役社長、貝瀬雄一氏に伺いました。
※ゼクシィ恋結びはゼクシィ縁結びに統合されました
独身は悪いこと? ゼクシィは「生涯独身」をどう見つめているのか
結婚しないのは悪いこと? ゼクシィの生涯未婚に対する想い
― 「結婚したい人だけすればいい」という風潮が徐々に強くなってきていますが、ゼクシィはどんな思いで見ていますか
ゼクシィも結婚の自由については賛同しています。2017年にCMで「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というメッセージを出しまして、これが非常に多くの反響をいただきました。
世の中の価値観が多様化していく中で、何も「結婚だけが人生のすべてではない」ということが、ゼクシィの根本的なスタンスとしてあります。
結婚しない幸せも価値観としてあるでしょうし、しないことは悪でもない。ただ、結婚しない方がたくさんいる中で、そうはいっても我々は「結婚の幸せ」というのをより多くの方に感じてほしいんです。
いろいろな価値観を認めた上で、「結婚しようよ」というのが我々のスタンスですね。
― 結婚の自由を認めた上で、結婚にこだわる理由はなんでしょうか
ゼクシィは結婚をビジネスとしているので、もちろんビジネス面において結婚を増やしたいという思いはあります。
ただビジネスだけでなく、生涯未婚率を抑えたいという想いが第一にあります。2015年で生涯未婚率は25%近くなり、年々上がり続けています。
1970年頃のベビーブームでは約100万組の婚姻数だったのが今は約60万組。少子化のスピード以上に婚姻数が減っていて、人口減少のスピードよりも婚姻数の減少が圧倒的に早いんです。
『ゼクシィ恋結び』『ゼクシィ縁結び』のサービスを立ち上げたのも、生涯未婚率を抑えたいという理由があってのことです。
今は社会的に「出会いがない時代」
― 生涯未婚率が上がった原因をどう分析していますか
さまざまな理由があると思いますが、「出会いがない」という問題が、2010年代に入ってから顕著になっていると考えています。
旧来は大学のサークルや職場など、いわゆる「職縁」というコミュニティの中での出会いが中心でした。同じ大学、同じ職場という場での恋愛が多かった時代です。
そこから徐々にコミュニティの中における関係性が希薄化してきています。会社の飲み会は5年前から減っているし10年前からはもっと減っています。結婚式に呼ぶ会社関係者の人数も減っています。
職場とプライベートをしっかり分けていく昨今では、ひとつひとつのコミュニティがLINE上やSNS上の小さなグループに縮小していて、若者はそこを「内」と認識しています。
会社や大学の枠組みはもう「外」なんですね。同じ会社の人でも同じ大学の人でも、外の人という認識なんです。
事実として昨今の若者は、コミュニティ内で男女関係を持つことやパートナーを探すことに非常に消極的です。コミュニティ内で当たり前に恋愛していた時代とは違い、恋愛によってコミュニティの関係性が壊れるリスクを避ける傾向にあります。
― コミュニティに居づらくなるなら、友達のままがいいというのはありますね
そうですよね。逆に友達関係でも楽しいし、彼氏彼女がいなくても楽しい。僕が学生の頃は、「彼女いないの? なんのために生きているんですか?」という文化でした(笑)。
やっぱり文化の違いなんですよね。この環境が続いて、ずっと同じ会社、同じコミュニティにいたら出会いなんて起こりませんよね? そして「出会いがなくてもいい」という風潮もある。
大学や職場で「集団お見合い」がなされている時代から、2000年代に入って文化が変わった今、我々が出会いのプラットフォームを世の中に提供しないと、どんどん生涯未婚や少子化が進んでいってしまう。
「結婚しなくてもいい」という価値観もあると思いますが、やはり結婚することの良さも感じてほしいというのはゼクシィの想いでもあるので、生涯未婚には真正面から取り組んでいます。
ゼクシィ恋結び・縁結びと、「出会い系」の違い
― いわゆる「出会い系」とゼクシィのマッチングサービスの違いはなんでしょうか
まずサービスの成り立ち方が明確に違います。逆に伺うと、「出会い系」と聞いたときにどういうイメージを想像されますか?
― 一般的な視点でいうと、いかがわしい、犯罪の温床、不適切な関係性といったイメージでしょうか
我々はそのイメージの真逆を目指して、サービスを作っています。犯罪やいかがわしいことが一切起きない状態、究極の安心安全な出会いの場を提供するのが、我々のサービスと「出会い系」との違いだと考えています。
これは「Pairs(ペアーズ)」さんや「Omiai」さんなど含む「MSPJ※」に共通して言えることですね。
※MSPJとは
「一般社団法人結婚・婚活応援プロジェクト」の略。『ゼクシィ縁結び』を始めPairsやOmiai、タップル、withなど、安心安全を目指すマッチングサービスが参画している。
― では『ゼクシィ恋結び』『ゼクシィ縁結び』にサクラはいない?
サクラは100%いません。ただしアプリから他のサイトへ誘導する業者や、マルチ商法を目当てにサービスに入り込んで来てしまう人はゼロではないです。いくら本人認証をしても入ってきてしまいます。
ユーザーによる通報や、メール1通1通の目視チェックによってすぐアカウントロックされるように監視しているので、その点は安心していただけるかと思います。
ゼクシィで恋人ができる人の特徴は? モテない人はどうすればいい?
― 出会いコンパス編集部の調査結果によると、ゼクシィ恋結びの「恋人できた率」がNo.1でした。この結果になった要因をどう分析しますか?
これは嬉しいですねー! ありがたいです。「恋人ができて退会した率」というのを重要指標のひとつにおいていて、そのために様々な施策をしているので、とても嬉しい結果です。
要因の1つとして、恋人ができる確率を高めるために、マッチングアルゴリズムに力を入れています。
サービスを使い続けてもらうためというよりも、よりその人にあった恋人ができやすい仕組みを作っている。すぐ恋人ができてやめちゃう人も多いので、ビジネス的には少し痛んですが……これは仕方ないです(笑)。
もう1つはゼクシィというブランドが理由かなと。『ゼクシィ恋結び』『ゼクシィ縁結び』において「マッチングアプリは少し怖かったけど、ゼクシィだから使ってみました」という声も多く聞きます。
余談ですがゼクシィのアプリを最初に使って、慣れてくると他社のサービスも併用される方が多いみたいですね(笑)。併用していくのは、我々としてもいいことだと思っているので喜ばしいです。
― マッチングアプリの男性は、どんな人が多いでしょうか。また男性と女性では、どちらが積極的な印象ですか
マッチングアプリのユーザーに関しては、世の中の一般男性とまったく変わらないと思います。データとしても圧倒的に男性からの「いいね!」が多いです。
ただ、サービス内で出会えている女性は、自分から「いいね!」を送った経験がある人が多いので、女性からのアプローチもぜひしていただきたいですね。
― ゼクシィ恋結び・縁結びで、上手く恋人ができるユーザーの特徴はなんでしょう
一般論としてですが、状況に応じて「こういう人とだったら上手くいきそう」など、相手に求める条件を幅広くもっていて、かつ柔軟に変更できる方です。
「この条件じゃなきゃ絶対イヤ!」という方は、やはりなかなかマッチングできないです。まずはお会いしてみようという姿勢を持った人が、恋人ができて退会していく印象はあります。
あとはプロフィール項目をたくさん入れている方はマッチング率が高いデータも出ています。他にもコミュニケーション量が多い方。いわゆるマメな方ですね。
こう見ると世の中一般と一緒ですよね。女性に対してマメでホスピタリティがある方は、オンラインマッチングでもモテる。デジタルだろうが対面だろうがそれは変わりません。
― では今まで恋愛経験がなく、まったくモテないという人はどうすればいいんでしょうか……
サービス選びも重要になってきますね。その方の忙しさや許容できる値段、結婚に対する温度感などにもよるんですが、「ゼクシィ縁結びエージェント※」では、2人に1人がパートナーを見つけて退会しています。
実際に会員さん同士で恋人を見つけて退会される方は4人に1人です。またサービスをご利用いただくと、みなさん恋愛に活動的になり、他の場所で恋人を見つける方も多いです。これを含めると、2人に1人がパートナーを見つけて退会しています。すごいですよね。
※ゼクシィ縁結びエージェントとは
https://zexy-en-soudan.net/
ゼクシィの結婚相談所サービス。入会金33,000円、初期費用 66,000円、月会費9,900円(税込)~。
縁結びカウンターでは、恋愛に対するコンサルティング(指導)をするので、”恋愛力”が上がるんですね。マッチングコーディネーターが、デートのたびに「この場面でこう言ったらいいですよ」「こういうことは絶対言わないように」とかアドバイスをくれるんです。
あとフィードバックもあって、なぜ今回断られてしまったかなど、異性の気持ちを学習できるんです。
― フィードバックは勉強になる反面、胸に突き刺さりそうですね……
そうですね、必要な事とはいえなかなか胸が痛いと思います。でも週に1人程度、新しい方とお会いしてトライアルデートをしていくと、目に見えて恋愛力が上がっていくんですね。
なので恋愛をまったくしてこなかった人にも勧められるサービスになっています。強力なセコンドが付くので(笑)。
5年後には半分の人がマッチングサービスを利用している状況に
― マッチングサービスの市場は年々成長していますが、5年後の2023年にはどうなっていると思いますか?
現状ですと、マッチングサービスの利用率は独身者で20%弱です。これを3年後には40%、5年後には半数近くの人が利用している世の中にしていきたいです。
現在のマッチングサービスの市場が400億円で、結婚相談所の規模とほぼ同じくらいです。そして今年は結婚相談所の市場を超える勢いで伸びています。
いまネット上のマッチングサービスは、広告規制によりTVCMや交通広告ができないのですが、今後解禁されるだろうと考えています。
そしてそのときに一番必要なのが、業界の健全化です。いわゆる出会い系と呼ばれる危ないサービスが今も存在することは確かなので、それらと我々のマッチングサービスをちゃんと切り分けできている状態を目指していきたいです。
『ゼクシィ縁結び』の基本情報
月額料金 | 男性 4,378円※ 女性 4,378円※ |
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累計会員数 | 210万人以上 (2023年12月時点) |
運営会社 | 株式会社リクルート |
Recruit Co.,Ltd.
※ゼクシィ恋結びはゼクシィ縁結びに統合されました
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