長時間睡眠はメリットだらけだと思われがちですが、「10時間以上寝ないと疲れが取れない」「最近長く寝過ぎてしまっている」とお悩みの人もいるのではないでしょうか。
適切な睡眠時間は人によって異なります。必要以上に睡眠をとってしまうことには、ストレスや疲労などの外的な原因があるかもしれません。
本記事では、長時間睡眠のメリットやデメリット、原因などについて詳しく解説していきます。
長時間睡眠はメリットだらけ? 原因やリスク、睡眠の質の高め方を解説
日本人の平均睡眠時間は7時間54分
そもそもどれくらいの睡眠時間が「長時間睡眠」に該当するのでしょうか。
総務省による「令和3年社会生活基本調査」では、10歳以上の日本に住んでいる人を対象に平均睡眠時間を測定しています。データによると、平均睡眠時間は7時間54分でした。
この結果から考えるに、9〜12時間程度の睡眠が「長時間睡眠」に該当するといえます。
長時間睡眠はメリットだらけなのか
長く眠ることにネガティブなイメージを持つ人は少ないと思います。確かに、睡眠不足と比較すれば、長時間睡眠によるネガティブな影響は小さいです。
しかし、自分に合った睡眠時間を超えて眠ってしまっている場合は、身体に負荷がかかっている可能性があります。長時間睡眠はメリットだけでなく、睡眠不足とは異なるデメリットがあることを覚えておきましょう。
長時間眠ってしまう原因
前述のとおり、適正な睡眠時間は人それぞれ異なります。つまり、長時間睡眠が身体に合っている人もいるのです。長時間の睡眠が身体に合う人をロングスリーパーと呼びます。
もしロングスリーパーでないのに長時間眠ってしまうなら、何か外的な要因がある可能性が高いです。
<長時間眠ってしまう原因>
・ストレス
・睡眠負債
・睡眠の質が低い
・無気力症候群
・病気・疾患
上記の原因は、睡眠の長時間化以外にも、身体の不調や集中力の低下などさまざまなリスクにつながるので、早めに改善する必要があります。
ロングスリーパーと突発性仮眠症の違い
ロングスリーパーは平均よりも長時間の睡眠を必要としますが、十分な睡眠を取れていれば、日中に眠気に襲われることは稀です。
突発性仮眠症は、長時間睡眠が必要となる点はロングスリーパーと同じです。しかし突発性仮眠症の場合、いくらしっかりと寝ても、昼間に強烈な眠気に襲われたり、長時間の居眠りをしてしまったりすることがあります。
生活に明らかな支障が出ているなら、突発性仮眠症である可能性があります。医療機関へ相談するようにしましょう。
長時間睡眠のメリット
長く眠ることは一概に悪いとはいえません。ここでは、長時間眠ることのメリットを紹介します。
疲労が回復する
睡眠は疲労を回復したり、脳内の情報を整理したりする役割があります。長く眠るほど、日頃の疲れが取れやすくなります。
しかし、眠りすぎることで逆に疲れを感じてしまうこともあります。長時間眠ることで、身体をリラックスさせる副交感神経が過敏になり、疲労感につながってしまうのです。脳や身体自体の疲労は取れていても、「なんか寝た気がしないな……」と感じることがあるかもしれません。
成長ホルモンが多く分泌される
睡眠時間が長いと、その分成長ホルモンも多く分泌されます。成長ホルモンは体調や代謝の調整に必要不可欠。体のコンディションが整います。
長時間睡眠のデメリット
長時間睡眠にはメリットだけでなく、リスクも存在します。
ここでは、長時間睡眠がもたらす可能性のあるデメリットを解説していきます。
認知機能の低下リスクがある
必要以上に眠りすぎることで、認知機能が低下するリスクがあります。
九州大学の研究によると、睡眠時間が10時間以上の人は、5時間~7時間未満の人に比べて、認知症の発症リスクが2倍以上であることがわかっています。
頭や身体が痛くなることがある
睡眠中は身体をほとんど動かさないので、血流が滞って肩こりや腰痛を引き起こす可能性があります。
また、長時間眠ると脳の血管が拡張し、頭痛を引き起こしてしまうリスクもあります。
体重が増えやすくなる
長時間睡眠により、体重が増えやすくなってしまう可能性もあります。日中に比べて、睡眠中は消費カロリーが控えめ。睡眠時間が長くなるほど、消費カロリーの低い時間も長くなってしまい、代謝が落ちてしまうわけです。
睡眠の質を高める方法
自分にとって適切な睡眠時間を知るには、まずは睡眠の質を高めることが大切です。睡眠の質が高まれば、自然と睡眠時間が短くなっていくでしょう。
ここでは、睡眠の質を高める具体的な方法を5つ紹介していきます。
寝る前にスマホを触らない
寝る直前までスマホを見ていると、スマホの画面から出るブルーライトが脳を覚醒させ、睡眠の質が下がります。スマホを見ながら寝落ちしてしまった翌朝、強い倦怠感を感じた経験のある人は多いのではないでしょうか。
少なくとも消灯の30分前からは、スマホを見ずに過ごすことをおすすめします。30分間は、ストレッチや読書など、リラックスできることに取り組みましょう。
寝る3時間前までに食事を済ませる
夕食は就寝の3時間前までに済ませます。寝るときに体内に食べ物が残っていると、睡眠中に胃腸が活動しなければならず、身体が十分に休まりません。食べ物の消化には3〜4時間ほどかかるので、寝る時間に合わせて夕食を済ませましょう。
寝る90分前に湯船に浸かる
布団に入る90分前に、ぬるめのお湯に15分ほど浸かることも効果があります。湯船に浸かることで、身体の奥の体温が一時的に上昇します。上昇した体温は90分後に低下し、このタイミングで眠気を感じるのです。
熱いお湯だと、逆に身体が覚醒してしまいます。38〜40℃くらいの温度がベストです。
ホットミルクやハーブティーを飲む
睡眠の質を高める成分が入った飲み物を飲むのもおすすめ。寝る直前は体温を上げない常温の飲み物、1時間ほど前なら温かい飲み物もOKです。
<睡眠の質を高める飲み物>
・ホットミルク
・ハーブティー
・ホットジンジャー
睡眠アプリを活用する
近年は、睡眠の質を改善するスマホアプリが多数リリースされています。
例えば『熟睡アラーム』は、いびきや寝返りなどを測定してくれるアプリです。寝ている間の自分の動向を観測するのにぴったりのアプリですので、ぜひ活用してみてください。
睡眠の質を高めて睡眠時間を整えよう
本記事では、長時間睡眠について解説してきました。
長時間睡眠が自分に合っているかは、睡眠の質を高めることで確認できます。質を高めれば、より短い時間でもすっきり起きられるようになるかもしれません。本記事で紹介した方法を参考に、睡眠習慣の改善に取り組んでみてください。
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