妊娠中、摂取カロリーの管理は母子の健康に直結します。この記事では、妊娠期別の摂取カロリーの適正値から避けたい食事・栄養素まで、詳しく解説。さらに、日々の食事管理を簡単にするためのおすすめアプリも3つ紹介します。
妊娠中の女性はもちろん、そのパートナーも参考にできる内容です。安心して妊娠生活を送るための食事管理のポイントを押さえましょう。
妊娠中の摂取カロリーの目安は? 必要カロリーの計算方法も紹介
この記事をまとめると・・・
- 妊娠中の摂取カロリーは、通常よりも少し多めを意識する
- 葉酸・鉄分・カルシウムを積極的に摂ることが推奨されている
- ヘルスケア系アプリ『あすけん』を利用すれば、妊娠中の健康管理が楽になる
妊娠中の適正体重を理解しよう
妊娠中の体重増加量は、妊娠前のBMIによって、望ましい体重増加量は異なります。そのため、まずは妊娠前の大体のBMIを計算しておきましょう。妊娠中の体重増加は、母体と胎児の健康に直結します。
太りすぎるのも良くありませんが、体重が増えなさすぎるのもNGです。目安を知ったうえで、体重管理を行なってください。
BMI=体重(kg)/身長(m)²
BMIは妊娠前の体型で計算するので、身長160cm、体重50kgの場合、BMIは19.5です。このBMIを参考に以下の表から適切な体重を確認しましょう。
分類 | BMI | 体重増加の目安 |
---|---|---|
低体重 | 18.5未満 | 12~15㎏増 |
普通体重 | 18.5以上25.0未満 | 10~13㎏増 |
肥満(1度) | 25.0以上30.0未満 | 7~10㎏増 |
肥満(2度以上) | 30.0以上 | 個別対応(上限5㎏までが目安) |
妊娠中に必要な摂取カロリーを計算してみよう
妊娠中の体重管理の重要性はわかってきましたよね。もっと徹底的に体重を管理したい人、担当医師から体重管理を徹底するように言われた人は、自分に合った摂取カロリーをしっかり計算しましょう。
妊娠中は1日の摂取カロリーが、通常よりも多くなるのであらかじめ計算しておくことが大切です。
そもそも食べたもののカロリーがわからないという人は、スマホアプリの『あすけん』を利用してみましょう。食べたものの写真を撮るだけで摂取カロリーがわかるので、とても便利です。
妊娠中で一日に必要なカロリーの計算方法
妊娠中の摂取カロリーは、妊娠期によって異なる適正値があります。1日の摂取カロリーは、基礎代謝量(BMR)と身体活動レベル(PAL)を用いて計算します。具体的な計算式は以下の通りです。
- 必要な摂取カロリー=基礎代謝量(BMR)×身体活動レベル(PAL)
基礎代謝とは
基礎代謝量(BMR)とは、人が安静時に消費するエネルギーのこと。つまり、何もしない状態でのカロリー消費量です。この数値は、年齢、性別、体重、身長などによって異なります。一般的には、以下のハリス・ベネディクト方程式を用いて計算されます。
女性のBMR
- 65.5 +(9.6 × 体重[kg])+(1.8 × 身長[cm])-(4.7×年齢)
身体活動レベルとは
身体活動レベル(PAL)とは、日常生活での運動量を数値化したものです。一般的には、以下のように分類されます。
非常に軽い活動 (座っている、立っているなど) |
PAL 1.2 |
---|---|
軽い活動 (歩く、家事など) |
PAL 1.375 |
中程度の活動 (軽い運動、肉体労働など) |
PAL 1.55 |
激しい活動 (運動、重労働など) |
PAL 1.725 |
非常に激しい活動 (プロのアスリートなど) |
PAL 1.9 |
【妊娠期・年齢別】一日の摂取カロリー早見表
女性の各年齢における平均的な摂取カロリーの早見表です。胎児のためにも、適切な摂取カロリーを覚えておきましょう。
年齢 | レベル I(低い) 1.5 |
レベル II(ふつう) 1.7 |
レベル III(高い) 2.0 |
---|---|---|---|
18 - 29 | 1,805kcal | 2,045kcal | 2,406kcal |
30 - 49 | 1,791kcal | 2,030kcal | 2,388kcal |
50 - 69 | 1,652kcal | 1,872kcal | 2,202kcal |
妊娠している場合は、子供のためにより多くのカロリーを摂取する必要があります。妊娠初期・中期・後期、授乳中と4つの時期ごとに、以下の表の数値分カロリーを足しましょう。
追加カロリー | |
---|---|
妊娠初期 | +50kcal |
妊娠中期 | +250kcal |
妊娠後期 | +500kcal |
授乳中 | +450kcal |
初期の摂取カロリー
妊娠初期は、多少増やすイメージで大丈夫です。基礎代謝量と身体活動レベルで、適切な摂取カロリーを計算し、それに50kcal足せばOK。この期間はつわりがある場合も多いため、無理なく摂取できる食事内容を考慮することが重要です。
中期の摂取カロリー
妊娠中期に入ると、胎児の成長が活発になります。この時期は初期に比べると、多めにカロリーを必要とします。具体的には通常の摂取カロリーを250kcal増やしましょう。特に葉酸や鉄分など、必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。
後期の摂取カロリー
妊娠後期は、胎児の成長が最も盛んな時期です。母親も多くのエネルギーを必要とするため、適正よりも450kcal増やしてください。この期間は特にカルシウムや鉄分の摂取を意識し、バランスの良い食事を心掛けましょう。
出産後、授乳中の摂取カロリー
授乳中の摂取カロリーは、妊娠後期よりは少なくしましょう。適正摂取カロリーに350kcal増やせば、ちょうど良いとされています。鉄分やカルシウムなどをなるべく多めに摂取するイメージで、食事を摂りましょう。
妊娠中に摂りたい栄養素
妊娠中には特定の栄養素が必要とされます。これらの栄養素は、母体の健康維持だけでなく、胎児の成長や発育にも大きく影響します。ここでは、特に重要な栄養素とその摂取方法について解説します。
葉酸
葉酸は、妊娠初期に特に重要な栄養素です。この期間に葉酸を適量摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが低減するようです。1日に摂取したい葉酸の量は、約400~600μgとされています。
葉酸を多く含む食品
食品名 | 単位 | 含有量 |
---|---|---|
ほうれん草(生) | 一杯(約180g) | 約380μg |
アボカド | 半個(約100g) | 約83μg |
レンズ豆(ゆで) | 一杯(約200g) | 約44μg |
オレンジ | 一個(約130g) | 約44μg |
鉄分
妊娠中は、鉄分の需要が増加します。特に妊娠中期以降、胎児の成長とともに鉄分がより必要になります。
鉄分不足は貧血を引き起こす可能性があり、それが母体と胎児に悪影響を及ぼすことも。1日に摂取したい鉄分の量は、約16mgとされています。
葉酸を多く含む食品
食品名 | 単位 | 含有量 |
---|---|---|
牛肉もも(焼き) | 100g | 約3.3mg |
ほうれん草(生) | 一杯(約180g) | 約3.6mg |
レンズ豆(ゆで) | 一杯(約200g) | 約8.6mg |
カシューナッツ | 一握り(約30g) | 約1.4mg |
カルシウム
妊娠中のカルシウム摂取は、母体の骨密度を保つだけでなく、胎児の骨や歯の形成にも必要です。特に妊娠後期には、胎児の骨が急速に成長するため、カルシウムの需要が高まります。1日に摂取したいカルシウムの量は、約650mgとされています。
葉酸を多く含む食品
食品名 | 単位 | 含有量 |
---|---|---|
牛乳 | 一杯(約240ml) | 約260mg |
サーモン | 一切れ(約150g) | 約14mg |
アーモンド | 一握り(約30g) | 約72mg |
ブロッコリー | 一杯(約150g) | 約62mg |
妊娠中は避けたい食事・栄養素
妊娠中には、摂取を控えるべき食事や栄養素もあります。これらは胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、特に注意が必要です。
カフェイン
カフェインは、妊娠中に摂取を控えるべき成分の一つです。過度なカフェイン摂取は、流産や早産のリスクを高める可能性があると言われています。1日の摂取量は、約200〜300mg以下とされています。
食品名 | 単位 | 含有量 |
---|---|---|
コーヒー | 一杯(約240ml) | 約144mg |
紅茶 | 一杯(約240ml) | 約72mg |
緑茶 | 一杯(約240ml) | 約384mg |
アルコール
アルコールは、妊娠中には避けるべきです。アルコールが胎児に与える影響は非常に大きく、胎児アルコール症候群(FAS)などのリスクがあります。この症候群は、知的障害や成長障害を引き起こす可能性も。
食品名 | 単位 | 含有量 |
---|---|---|
ビール | 一缶(約350ml) | 約14g |
ワイン | 一杯(約150ml) | 約15g |
ウイスキー | 一杯(約30ml) | 約10g |
生食(生魚・生卵・生肉)
妊娠中は免疫力が低下するため、感染症にかかりやすくなります。そのため、生食は避けるべきです。特に生魚、生卵、生肉には、リステリアやサルモネラなどの感染症を引き起こす可能性があります。
● 寿司・刺身: リステリア感染のリスクがあります。
● 生卵: サルモネラ感染のリスクがあります。
● タルタルステーキ: 大腸菌感染のリスクがあります。
ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズには、リステリア感染のリスクが高いものがあります。特に、カマンベール、ブリー、フェタ、ゴルゴンゾーラなどの柔らかいチーズは注意が必要です。
●青カビタイプのチーズ
●ハードタイプのチーズ
●ヤギ乳のチーズ
ヨウ素
過剰なヨウ素摂取は、胎児の甲状腺機能に影響を与える可能性があります。ヨウ素は通常、甲状腺機能を正常に保つために必要な栄養素ですが、妊娠中には過剰摂取を避けるべきです。
食品名 | 単位 | 含有量 |
---|---|---|
昆布(刻み) | 10g | 約23,000μg |
わかめ(生) | 約100g | 約1,600μg |
さんま(焼き) | 約100g | 約25μg |
ビタミンA
過剰なビタミンA摂取は、胎児に先天性異常を引き起こすリスクがあります。ビタミンAは、視覚や皮膚の健康に必要な栄養素ですが、妊娠中には過剰摂取を避けるべきです。
食品名 | 単位 | 含有量 |
---|---|---|
牛レバー | 約100g | 約1,100μg |
ほうれん草 | 約100g | 約350μg |
にんじん | 約100g | 約760μg |
水銀
水銀は、特に海産物に含まれることが多く、妊娠中には避けるべきです。水銀は神経系に悪影響を与える可能性があり、胎児の発育にも影響を与えることが知られています。
食品名 | 摂取量目安 | 摂取頻度 |
---|---|---|
キンメダイやクロマグロなど | 約80g | 週に1回まで |
キダイやマカジキなど | 約80g | 週に2回まで |
ひじき(ヒ素)
ひじきは、ヒ素が含まれる可能性があります。ヒ素は、長期的に摂取すると健康に悪影響を与えるかもしれません。食べ過ぎには注意しましょう。
妊娠中の食事に関する注意点
妊娠中の食事は、胎児にも影響を与える可能性が高いです。そのため、しっかりとした注意が必要。ここでは、妊婦の食事に関する注意点を紹介します。普段の食事が問題ないか、よくチェックしておきましょう。
おやつは1日200kcal以下に抑える
妊娠中の体重管理は重要です。しかし、ついついおやつに手が伸びてしまいますよね。おやつのカロリーは比較的高いものが多く、適切な体重管理が難しくなります。そのため、1日のおやつのカロリーは、200kcal以下に抑えるようにしましょう。
- フルーツ: 低カロリーで栄養も豊富。
- ヨーグルト: 腸内環境も整えられます。
- ナッツ: 小分けにして摂ることで、カロリーを抑えられます。
塩分の多い食事は少なめに
妊娠中はむくみが起きやすく、高血圧のリスクも高まります。そのため、塩分の多い食事は控えめにすることが推奨されます。
- インスタント食品: 塩分が多く含まれる場合が多いです。
- 外食: 塩分が多い料理が多いので、選び方に注意が必要です。
- 調味料: 自宅で料理する際も、塩分を控えめにすることが大切です。
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