2024年12月、『Amazon』がふるさと納税市場に参入しました。返礼品の発送スピードや到着日の明確さが大きな魅力で、特に忙しい方や急ぎで返礼品を受け取りたい方におすすめです。老舗の『楽天市場』、同じく新規参入した『Yahoo!ショッピング』とも比較し、それぞれのメリット・デメリットを比較して詳しく紹介します。
今年初めてふるさと納税を検討している方や、返礼品の到着時期を重視したい方にも役立つ情報をお届けします。自分のライフスタイルに合った賢い選択をしてみましょう。
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Amazonがふるさと納税に参入! 楽天、Yahoo!ショッピングと比べて使いやすいのはどれ?
ふるさと納税の利用サイト 1位は「楽天」
まずは、ふるさと納税サイトの人気状況についてチェックしてみましょう。スマホ情報サイト「Appliv TOPICS」編集部が実施した「ふるさと納税に利用しているサイトについての調査」によると、最も利用者が多かったのは「楽天ふるさと納税」で、回答者の過半数が利用しているという結果が出ていました。
元々持っている楽天ポイントを寄付に利用できるうえ、さらにポイントも獲得できる点が、非常に高い人気を集めている理由といえるでしょう。
また、楽天IDを持っていれば住所などの記載が不要で、通常の買い物感覚でふるさと納税ができる手軽さもあり、2023年は「楽天ふるさと納税」の一強状態が続いていました。
そこに、2024年12月、そこに同じ総合通販サイトの『Yahoo!ショッピング』が新規参入。ほぼ同時期に『Amazon』も加わり、市場競争が活発化しています。
『Amazon』『楽天』『Yahoo!』それぞれのふるさと納税の特徴を比較
既存ユーザーにとって、『Amazon』や『Yahoo!ショッピング』でふるさと納税が利用できると、既存1位の『楽天市場』同様、住所入力の手間が省けたり、既存ポイントが使えたりといったメリットが生まれるでしょう。
一方で、『楽天市場』とはどのような差別化を図っているのかを調査しました。
ふるさと納税比較表
項目 | Amazon | 楽天 | Yahoo! |
---|---|---|---|
自治体数 | 約1,000 | 約1,700 | 約1,000 |
返礼品の多さ | △ | ◎ | △ |
決済方法 | クレジットカード デビットカード |
クレジットカード Apple Pay |
クレジットカード PayPay残高 PayPayクレジット auかんたん決済 ドコモ払い ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い コンビニ 銀行振り込み 商品代引 Yahoo!ウォレット |
発送 | プライム会員なら最短翌日〜 | 最短1週間〜 | 最短1週間〜 |
ワンストップ特例のオンライン対応 | ✕(2024年12月時点) | ◯ | ◯(12/24〜対応開始) |
アプリの使いやすさ | ◯ | ◯ | ◎ |
特典 | プライム会員、Amazon Pay利用 | 楽天カード利用 | PayPay利用 |
システム | 独自 | 独自 | さとふる |
貰えるポイント | Amazonポイント | 楽天ポイント | PayPayポイント |
最大ポイント還元率※ | 最大3% | 最大31.5% | 最大27.5% |
大きな違いは、「ワンストップ特例制度」と「発送時期」です。「ワンストップ特例制度」に関しては、1月10日までに申告特例申請書を各自治体に提出する必要があります。
2024年12月時点では、「Amazonふるさと納税」では書類の郵送対応のみとなっており、寄付実施日によっては今年の制度利用には間に合わない可能性もあります。そのため、「ワンストップ特例制度」を利用したい場合は、ほかの2サイトの利用をおすすめします。
一方で、『Amazon』が他のサイトよりも圧倒的に優れているのは「発送の早さ」です。到着日の目安が明確に記載されており、Amazonプライム会員であれば最短で翌日に受け取れる返礼品もあります。ポイント還元率の高さや「ワンストップ特例制度」の利便性よりも、「いつ届くかわかる」という点を重視する方にはおすすめのサイトです。
使ってみた印象は? 人気返礼品を例に比較
「Appliv TOPICS編集部」が2023年に行った調査によると、人気の返礼品1位は「肉」で、半数近い方が選ぶ予定であるという結果でした。
ふるさと納税では、ちょっと贅沢なお肉や魚介、果物などが好まれる傾向があります。そこで今度は「すき焼き用の牛肉(切り落としは除く)」で検索した結果で、3サイトを比較してみました。
すき焼き肉の比較
項目 | Amazon | 楽天 | Yahoo! |
---|---|---|---|
「すき焼き」の件数 | 3,000件以上 | 8,170件 | 7,082件 |
「すき焼き用牛肉」の最低金額帯 | 7,000円〜 | 5,000円〜 | 7,000円〜 |
通常ポイント還元 | 0〜3.5% | 1%〜10% | 1.5%〜7% |
『Amazon』は品数の少なさとポイント還元率では見劣りがしてしまう結果となっていますが、この後、実際にれぞれのサイトを使って感じた印象とあわせて、さらに詳しく解説します。
「Amazonふるさと納税」は発送の早さと独自グッズが魅力
「Amazonふるさと納税」は、2024年12月現在、支払い方法がクレジットカードとデビットカードの2つに限定されています。ギフトコードやポイントが利用できないため、支払いを抑えたい方にとっては使い勝手がよいとは言いえない状況です。今後の改善に期待しましょう。
一方で、『Amazon』のメリットとして挙げられるのは、通常の買い物と同様に到着日がわかりやすい点です。すべての返礼品にお届け予定日が記載されているため、「お正月の集まりですき焼きをしたいけれど、いつ届くのかわからない」といった不安を解消できるのは、その他のデメリットを十分補えそうです。
特に、出張などで不在がちの方や、冷蔵庫のスペースを確保するために発送時期を細かく調整したい方にとっては、おすすめできるサイトといえます。
『Amazon』にはロゴ入りのグッズなど独自の返礼品があります。また、サランラップが1本1,500円からと低めの納税額でふるさと納税できるアイテムもあり、『Amazon』らしく実用性があるアイテムが多いのが特徴です。
「楽天ふるさと納税」は品数で他を圧倒しているが、逆に探しにくいという声も
『楽天』のふるさと納税は2015年から運営されており、提携自治体の数が圧倒的に多いのが特徴です。返礼品の種類も豊富で、すき焼き用の肉だけでも8,000件を超えています。牛肉のカテゴリが細かく分かれているため、目的に合わせて選びやすい印象です。また、ほか他のサイトと比較して価格帯が幅広く、5,000円からすき焼き用の肉が見つかることも魅力的です。
さらに、ポイント還元率が高い点も大きなメリットです。「お買い物マラソン」や「スーパーセール」など「楽天市場」のイベントにあわせて寄付を行えば、ポイントが10%程度還元されることもあります。
ただし、その一方で「選択肢が多すぎて探しきれない」という声が多く聞かれるのも『楽天ふるさと納税』の特徴です。
検索の一助として、カテゴリから星の数や口コミ評価の良い返礼品を絞り込むこともができます。レビューが100件以上ついていて、星4以上のものを選んでおけば、ハズレの確率はぐっと少なくなるので、参考にするといいでしょう。ただし、そもそもの数が多いので、チェックするのも時間がかかります。そのため、「選ぶのにそこまで時間をかけたくない」という方には向かないでしょう。
「Yahoo! ふるさと納税」はデザインが見やすく使いやすい
「Yahoo! ふるさと納税」を利用してみたところ、「表示がわ分かりやすく、寄付がきちんと行えるか不安にならない」という印象を強く受けました。特に、ワンストップ特例制度の電子申請が利用可能かどうかや、「PayPayポイント」の還元率が明確に記載されている点は、初めてふるさと納税を行う方でも安心して利用できるポイントでしょう。
返礼品を検索する際、ユーザーが知りたい情報が的確に整理されており、探しやすさの点では「Yahoo! ふるさと納税」が群を抜いて優れていました。また、決済方法の多様さも「Yahoo! ふるさと納税」を利用する大きなメリットです。「代引」や「コンビニ払い」にも対応しており、3サイトの中で唯一クレジットカードがなくても支払える点が特徴的です。
結論:急ぎなら「Amazon」ポイント狙いなら「楽天」、使いやすさの「Yahoo!」
通販大手3サイトのふるさと納税を比較してみた結果、それぞれの長所が明確になりました。
- 納期の早さで選ぶなら「Amazonふるさと納税」
- ポイント還元率の高さや返礼品の多さで選ぶなら「楽天ふるさと納税」
- 初心者が安心して使うならわかりやすい「Yahoo!ふるさと納税」
あとは、それぞれのサイトの特徴にあわせて、ふるさと納税を上手に使い分けるのがよいでしょう。なお、ポイント付与については2025年10月から制度変更が予定されていますので、今後の報道にも注目してふるさと納税を利用しましょう。(文・清仁美)
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