Meta Platforms, Inc.(以下、Meta)は日本時間1月21日(火)、日本国内で利用されている『Instagram』アプリについて、保護者の見守りのもとで10代の利用者向けに新しい体験を提供する「ティーンアカウント」を導入すると発表しました。

対象は13歳から17歳の国内利用者で、順次自動的にティーンアカウントに移行します。
この機能は2024年9月に米国、イギリス、オーストラリア、カナダで導入され、年末までにEU域内にも拡大。2025年はMetaが提供する他のプラットフォームへの展開も予定されています。

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これまで、18歳未満は非公開アカウントのみ利用可能だった

Instagram』ではこれまで、日本を含む一部地域では18歳未満のアカウントをデフォルトで非公開に設定することで、不要なDMや見知らぬ人からの接触を防ぎ、安全で楽しいプラットフォームの維持に努めてきました。

『Instagram』がこれまでに行ってきた取り組み

  • 18歳未満の利用者をデフォルトで非公開アカウントに設定
  • 悪意のある可能性が高いアカウントから、18歳未満の利用者を見つけにくくする仕組みの実装
  • 18歳未満の利用者へリーチする広告に関して、広告主がもつ選択肢の制限

こうした取り組みは、18歳未満の利用者を守る上で重要な役割を果たしてきた一方、若年層クリエイターがフォロワーを増やし、発信の場を広げる上での制約ともなっていました。

この課題を解決するため、『Instagram』は18歳未満の利用者を対象に、安全性と表現の自由を両立させる仕組みとして「ティーンアカウント」の導入を決定しました。

ティーンアカウントはいつから適用される?

2025年1月21日(火)から新しく『Instagram』に登録する13歳~17歳の利用者にはティーンアカウントが適用されます。また、該当する年齢で既に『Instagram』を使っている利用者には、変更に関する通知が届いており、順次ティーンアカウントに移行されます。

Instagramの「ティーンアカウント」でなにが変わる?

「ティーンアカウント」は、18歳未満の利用者が対象で、設定の変更には保護者の承認が必要となります。また、保護者には子どもの利用状況を把握できるツールが提供されます。

「ティーンアカウント」に設定されたアカウントの制限や利用できる機能は以下の通りです。

デフォルトで非公開アカウントに設定される

18歳未満のアカウントはデフォルトで非公開に設定され、フォロワー以外のユーザーは投稿を見ることはできません。

メッセージを送受信できるユーザーが制限される

18歳未満のアカウントでは、自身がフォローしている、あるいはフォローされている相手からのメッセージしか受け取る事ができません。

不適切なコンテンツの表示が制限される

18歳未満のアカウントには、「不適切なコンテンツをコントロール」の機能で最も安全性の高い設定が自動的に適用され、発見タブやリールなどで不適切なコンテンツ(人々が戦う様子や美容整形を勧める内容など)の表示がされにくくなります。

タグ付け・メンションできるユーザーが制限される

18歳未満のアカウントにタグ付け、もしくはメンションできるのは、そのアカウントがフォローしているアカウントだけです。また、いじめ対策として「非表示ワード」の設定が自動適用され、コメントやメッセージ(DM)のリクエストに含まれる攻撃的な言葉やフレーズが自動的にフィルタリングされます。

利用時間のリマインダーがある

18歳未満のアカウントが1日あたり60分以上『Instagram』を利用すると、アプリを閉じるように通知が届きます。

スリープモード中は通知がミュートになる

午後10時から午前7時まではスリープモードが適用され、通知がミュートになります。また、この時間帯に受信したDMには自動返信メッセージが送信されます。

ティーンアカウント設定で保護者が管理できることは?

Instagram』のティーンアカウントでは、保護者が子どものアプリ利用を詳細に管理できる「ペアレンタルコントロール」が提供されています。この仕組みで保護者が利用できるのは、以下の機能です。

会話をしている相手を把握する

保護者は子どものメッセージ内容を確認することはできませんが、過去7日間に誰にメッセージを送信したかを把握することが可能です。

1日の利用時間を制限できる

保護者は子どもの1日あたりの『Instagram』の利用時間を設定できます。指定した時間に達すると、アプリへのアクセスが自動的に制限されます。

特定の時間帯の利用を制限できる

簡単な設定で、夜間や指定した時間帯に子どもの『Instagram』の利用を制限できます。

保護者がティーンアカウントを管理する方法

18歳未満の利用者がアカウントの制限を解除したい、もしくは保護者が子どものアカウントを制限したい場合は、『Instagram』のペアレンタルコントロール設定が必要です。ペアレンタルコントロールが設定されると、保護者は子どもからの設定変更リクエストを承認・拒否したり、子ども自身が設定を管理するのを許可したりすることができます。

なお、近日中に保護者が子どものアカウントの設定を直接変更できるようになる機能も実装予定です。

10代利用者にとって適切なコンテンツを表示するために

Instagram』はこれまでにも、多くの保護者が懸念する成人向けや不適切なコンテンツの表示を防ぐために厳格なルールを設けてきました。

今回導入された「ティーンアカウント」では、不適切なコンテンツをコントロールする最も厳しい設定が適用され、18歳未満の利用者にはルール違反のコンテンツはもちろん、性的な示唆や自傷行為に関する不適切な内容が表示されなくなります。

「ティーンアカウント」の導入は、若年層の安全を確保すると同時に、保護者にとっても安心できる仕組みです。こうした取り組みが他のSNSにも広がり、安全性と使いやすさを両立させる仕組みが、デジタル時代の新たな標準となる日もそう遠くないかもしれません。

(文・かがわまなみ)

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