最近SNSで見かけるAIによるジブリ風イラスト。「同じようなイラストを自分も作りたい」「SNSでシェアしたい」と思っても、どのアプリを使ったらいいかわからなかったり、ネットで著作権に抵触しないか議論が巻き起こっているのを見ると、不安に感じたりしますよね。
この記事では、写真をジブリ風イラストに変えられるアプリと、無料で使える範囲を紹介します。あわせて、アップロードした写真がどう扱われるのか、どこまでなら著作権の心配なく楽しめるのかも、文化庁などの資料を確認しながら整理しました。
写真をジブリ風イラストに変えたい! 無料で使えるおすすめAIアプリと著作権・安全性の注意点
写真をジブリ風イラストに変換できるおすすめAIアプリ6選
写真をジブリ風イラストに変換できるアプリは多数あるので、迷ってしまいがち。無料で使えるのか、実際にどう作ったらいいのか、わからないことも多いですよね。
写真をジブリ風にするときは、ジブリ風のAIイラストフィルターが備わっている写真加工アプリを基本的に使用します。フィルターと加工したい写真を選択すると、AIが自動で作成してくれるので簡単ですよ。
写真からジブリ風イラストを作成できるおすすめのアプリは、以下のとおりです。
アプリによって、ジブリ風イラストのAIフィルターが無料であるか、作成したイラストを修正できるかといったことは異なります。
費用や修正機能の有無などに応じて、使いやすいアプリを選択しましょう。
無料で何度でも利用可能!『ToonMe』
▲一覧からジブリイラスト風のフィルターを探して変換
| 無料版 | あり |
|---|---|
| ジブリ加工 | 完全無料 |
| 有料版の料金(税込) | 1,300円/週 15,000円/年 |
| AI加工後の修正 | できない |
| 有料版の無料トライアル | 3日間 |
『ToonMe』には、明確に「ジブリ風」と名付けられたフィルターは用意されていませんが、ジブリに近い画風のものが利用できます。
無料で何度でも作成できるので、初めて作成する方や、多くの写真をジブリ風イラストに変えたい方におすすめです。
作成後のイラストを修正する機能はありませんが、フレームやカラーフィルターなどのエフェクトやテキストの追加は可能。ただし、使用には広告の視聴が必要なので、わずらわしいと感じる人は有料版を使用するといいでしょう。
複数のジブリ風フィルターがある『AI Mirror』
▲ジブリイラスト風のAIフィルターが多数用意されている
| 無料版 | あり |
|---|---|
| ジブリ加工 | 有料 |
| 有料版の料金(税込) | 800円/週 6,000円/年 |
| AI加工後の修正 | できる |
| 有料版の無料トライアル | なし |
ジブリ風と一口にいっても、作品によってタッチは少しずつ異なります。詳しい人は、ジブリ作品の中でも希望の作風があるかもしれません。
『AI Mirror』には、複数のジブリ風フィルターが用意されており、作品ごとのタッチにこだわりたい人にぴったりです。
ただし、ジブリ風のAIフィルターはどれも有料となっています。
作成時は、ベースとなる写真の雰囲気や色味などの印象を、全体的にどの程度残すのか設定が可能。ジブリ風イラストでも写真の印象を強くするか、AIによる創作の程度を強くするか、好みに応じて調整できるのが魅力です。
しかも作成後に、同じ写真を基に肌の色や性別を変えたバージョンを再生成する機能もあります。
POLYVERSE ENTERTAINMENT INC.
簡単な指示で無料作成!『ChatGPT』
▲プロンプトを入力すると、写真を加工してくれる
| 無料版 | あり |
|---|---|
| ジブリ加工 | 無料 ※容量制限あり |
| 有料版の料金(税込) | 1,400円/月~ |
| AI加工後の修正 | できる |
| 有料版の無料トライアル | なし |
イラスト作成や画像加工に特化したアプリ以外でも、写真からジブリ風イラストへの変換が可能です。
自然言語処理モデルとして人気の『ChatGPT』なら、無料で写真をジブリ風イラストにできますよ。
イラストの作成は、写真をアップロードして「ジブリ風にして」などの簡単なプロンプト(命令文)を入力するだけ。特に、普段からChatGPTを使っている人におすすめです。
作成した画像は、プロンプトを続けて入力することで細かく修正していけます。思ったようなイラストにならなかったときに希望の雰囲気に自由に修正していける点は、ほかのアプリにあまりないメリットだといえます。
操作動画で確認できた『ChatGPT』の画面
- 最初の画面に「画像を生成する」が並び、文章だけでも画像を作れる
- 「+」をタップすると「カメラ」「写真」「ファイル」から手持ちの画像を渡せる
- 文章から画像ができあがるまでにかかった時間は約25秒
- できあがった画像に透かしは入っていない
なお、3枚目を作成しようと写真をアップロードしようとしたところ、有料版へのアップグレードが必要だと表示されました。制限がかかるタイミングは写真の容量次第で変わると思われるものの、一度に多数の作成ができない点に留意しましょう。
無料で1日3作品作れる『MyEdit』
▲アニメフィルターからジブリ風のものを選んで作成
| 無料版 | あり |
|---|---|
| ジブリ加工 | 無料 ※1週間で最大21回 |
| 有料版の料金(税込) | 2,000円/月 6,000円/年 |
| AI加工後の修正 | できない |
| 有料版の無料トライアル | 7日間 |
『MyEdit』は、『ToonMe』同様、ジブリ作品に近いイラストフィルターが用意されており、それを使用すれば写真をジブリ風イラストに変換できます。
なお、AIを使った画像の作成には、アプリ内で使用できる独自トークンとして1クレジットが必要です。無料版の場合、ログインすると1週間の利用期限付きトークンとして1日あたり3クレジットが付与される仕組みです。
この範囲内での作成で済む人は無料版でも不便なく使用できますが、それ以上の写真をジブリ風イラストに変えたいなら、有料版もしくはクレジットの購入をおすすめします。
ジブリ風の動画も作成できる!『Fotor』
▲複数のジブリ風フィルターが用意されている
| 無料版 | あり |
|---|---|
| ジブリ加工 | 無料 ※1日最大3回 |
| 有料版の料金(税込) | 5,680円/年 |
| AI加工後の修正 | できない |
| 有料版の無料トライアル | 7日間 |
『Fotor』には、複数のジブリ風フィルターが用意されています。
また、写真からジブリ風イラストの動画を作成する機能も搭載。
ジブリ風のイラストだけでなく、自分の写真を基にジブリ作品風の動画も作成したい人におすすめのアプリです。
-
STEP1
「AIアートエフェクト」をタップ
メイン画面の「AIアートエフェクト」をタップし、イラストにしたい写真を選びます。
-
STEP2
カテゴリからスタイルを選択
「日本のアニメスタイル」を選ぶとジブリ風になります。
-
STEP3
生成を待って「保存」をタップ
「画像を認識中」の表示に変わったら、仕上がるまで待ちます。あとは右上の「保存」から書き出すだけです。
「AIアートエフェクト」は、無料で1日3回まで利用可能です。
ほかにも「AI漫画」でジブリ風の加工ができ、こちらは1回の利用につき1クレジットを消費します。クレジットは、初回起動時にトライアルとして20付与されます。
なお、トライアルクレジット使用後は、有料版の購入が必要です。ほかのアプリと比較して高額ではあるものの、使用できるジブリフィルターの数や動画機能などを考えると価格に見合った内容といえるでしょう。
作成後もさまざまな修正が可能! 『BeautyPlus』
▲アニメのフィルターが豊富。ジブリ風イラストも用意
| 無料版 | あり |
|---|---|
| ジブリ加工 | 無料 ※1日最大5回 |
| 有料版の料金(税込) | 1,200円/月 5,900円/年 |
| AI加工後の修正 | できる |
| 有料版の無料トライアル | 7日間 |
『BeautyPlus』では、ジブリ風のAIイラストフィルターを無料で使用可能です。
AIでの作成後に、色味や彩度、明度など細かな調整が続けて可能なほか、『BeautyPlus』自体がセルフィー系アプリとして多機能なので、スタンプ・テキストの追加なども自由に行えます。
ジブリ風の画像を気軽に作成しつつ、細部にこだわった仕上げを行いたい人におすすめのアプリです。
なお、ジブリ風も含めたAIイラストフィルターの無料利用は、1日5回までとなっており、それ以上の生成にはトークンであるクレジットの支払いや、有料版への加入が必要です。
無料で使えるアプリは安全? 課金の線引きと写真の扱い
「無料」と書かれていても、どこまで使えるかはアプリごとに違います。書き出した画像に透かしが入るものもあれば、回数を使い切った時点で課金を求められるものもある、といった具合です。
| アプリ | 無料でできる範囲 |
|---|---|
| ToonMe | 回数の制限なし。エフェクトの利用には広告の視聴が必要 |
| AI Mirror | ジブリ風のAIフィルターは有料 |
| ChatGPT | 無料のまま作れる。続けて作ると上限に達する |
| MyEdit | ログインすると1日3クレジット。1枚につき1クレジットを消費 |
| Fotor | 1日3回まで無料、無料プランは透かしが入る |
| BeautyPlus | 1日5回まで |
無料で作れる回数や付与されるクレジットの数は、公式サイトにもストアの説明文にも書かれていないものがほとんどでした。表に入れた回数は、編集部が実際に試したときのものです。
もうひとつ確かめておきたいのが、アップロードした写真の扱いです。個人情報保護委員会は、生成AIサービスを使う一般の利用者に向けて、「利用規約やプライバシーポリシー等を十分に確認し、入力する情報の内容等を踏まえ、生成AIサービスの利用について適切に判断すること」と呼びかけています。
同じ「無料」でも、写真の扱いはここまで違います。『ChatGPT』は学習に使うと認めたうえで、設定画面からオフにできると案内しています。一方、『BeautyPlus』のように学習に使うとも使わないとも書かれていないアプリもありました。
どのアプリを使うにしても、顔がはっきり写った写真や、写っている場所がわかる背景の写真は避けておくと安心です。また、削除の請求がアプリの中で完結せず、メールや郵送での問い合わせが必要なサービスもあります。
写真をジブリ風イラストにうまく変えるコツは?
アプリで写真をジブリ風イラストに変換しても、崩れたり、ジブリの雰囲気にならなかったりすることがありますよね。
実は、AIによる写真のイラスト化や、ジブリの雰囲気を出すにはポイントがあります。
写真をジブリ風イラストにうまく変換する方法を、あらかじめチェックしておきましょう。
正面向きで明るめの画像を選ぶ
写真をジブリ風イラストに変換するときは、AIに読み込ませる写真の「向き」と「明るさ」が重要です。なるべく明るい場所で、正面向きの写真を選ぶことをおすすめします。
この理由は、人物が正面を向いていて、顔がはっきり見える画像のほうが、AIが認識しやすく、きれいに仕上がる傾向があるため。反対に、暗かったり顔が斜めになったりしている写真は、顔のバランスが崩れて不自然になりがちです。
表情やポーズがナチュラルな写真を使う
ジブリ作品の登場人物たちは、派手な表情やポーズよりも、日常の自然な仕草や落ち着いた表情が多いといえます。
AIに読み込ませる写真も、にっこり笑った自然な表情や、リラックスした姿勢のものを選ぶと、よりジブリっぽい印象のイラストに仕上がりますよ。
逆に、大げさな驚き顔やウインク、変顔などの誇張された表情、ピースサインや決めポーズなどの写真では、ジブリの雰囲気が薄まってしまいやすいでしょう。
AIでの作成後も色味などを調整してみる
ジブリ作品の多くは、派手すぎない優しい色合いが特徴的ですよね。AIで生成したジブリ風イラストをさらにそれっぽく仕上げたいときは、少しセピア調にしたり、彩度を下げて落ち着いた雰囲気にするだけで、一気に「ジブリっぽさ」がアップしますよ。
イラスト生成後の調整機能があるアプリなら、一括で手早く行えて便利です。機能がないときは、一度ダウンロードしてイラスト加工アプリなどで編集するのも手です。
著作権に注意! ジブリ風イラストでトラブルを避けるための知識
ジブリ風も含めたアニメイラストなどのAIフィルターに関して、著作権が話題になっているのを見たり聞いたりしたことがあるかもしれません。
この機会に、ジブリ風イラストへの加工に関する著作権上の扱いを確認し、トラブルにならない使い方を知っておきましょう。
著作権について初耳という人も、利用前にチェックしておくことをおすすめします。
著作権とは? イラスト作成前に最低限知っておきたいこと
AIを使って写真をジブリ風イラストに変換するときは、「著作権」を侵害しないよう注意が必要です。著作権とは、絵や音楽、小説などの著作物をほかの人が勝手に使ったり、それによって利益を得たりしないよう、定められているルールです。
時間をかけて作った作品が勝手に使われてしまえば、作り手が正当な評価や利益を得ることができません。
そのため、特定の作品やキャラクターによく似た作品を自分のオリジナルだと偽ってSNSに投稿したり、スタジオジブリの公式イラストだと誤解を招くような作品を公開したりすると、著作権侵害として訴えられるリスクがあります。
では、どこからが侵害になるのでしょうか。文化庁の資料では、人が作ったかAIが生成したかにかかわらず、次の2つがそろうかどうかで判断されると説明されています。
| 条件 | 文化庁の資料での説明 |
|---|---|
| 類似性 | 既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができること |
| 依拠性 | 既存の著作物に接して、これを自らの作品の中に用いること |
どちらか片方だけでは侵害になりません。元の作品を知らずにたまたま似てしまったなら依拠性がなく、作品を知っていても表現が似ていなければ類似性は認められない、という整理です。
自分が持っている写真をジブリ風イラストにするリスクは?
2026年9月現在、画風やタッチそのものは著作権の保護対象とされていません。そのため、自分の持っている写真をジブリ風イラストに変換する行為自体は、個人で楽しむ範囲であればほとんど問題にならないでしょう。
文化庁の資料でも「作風や画風といったアイデア等が類似するにとどまり、既存の著作物との類似性が認められない生成物は、これを生成・利用したとしても、既存の著作物との関係で著作権侵害とはならない」と整理されています。裏を返せば、特定のキャラクターや場面がそれとわかるほど再現されていれば、話は変わってくるでしょう。
同じイラストでも、使い方によって扱いは変わります。
| 使い方 | 既存作品に似ていない | 既存作品に似ている |
|---|---|---|
| 自分や家族で楽しむ | 問題なし | 権利者の許諾なく生成・鑑賞できる |
| SNSに投稿する | 問題なし | 権利制限の対象外 |
| 商用で使う | 著作権、アプリの利用規約で商用利用の可否で判断 | 権利制限の対象外です |
プロンプトの書き方にも注意が必要です。文化庁の資料では、作品のタイトルやキャラクター名といった固有名詞を入力した場合、その作品を知っていたと推認させる材料になり、依拠性が認められやすくなると説明されています。作品名で指定するのではなく、色合いや線のタッチを言葉にして伝えるほうが、余計なリスクを抱えずに済むでしょう。
とはいえ、どのようなケースでも絶対に安全とは言えません。以下の点に、必ず注意しましょう。
写真をジブリ風イラストに変換するときの注意
- 作品やキャラクターが特定できるような背景や構図、特徴的なポーズにしない
- SNSでシェアする際は「AIによる加工作品」であることがわかるようにする
- 商用利用をしない
- 作品名やキャラクター名をプロンプトに入力しない
法律は今後変わる可能性も十分考えられます。既存の作品やそれに関する情報を利用するときは、著作権に抵触しないか、常に確認することが重要です。
また、AIやツールで簡単に表現ができる時代だからこそ、元になった作品や、それを生み出したクリエイターへのリスペクトを忘れないようにしたいですね。
(文:ばんしょうふみえ)