SNSで大バズりしたジブリ風の写真加工。少しピークは過ぎたものの、写真加工自体の楽しさから、引き続きさまざまな世界観の加工画像が作成されていますよね。
ジブリに続き人気を博しているのが「ビックリマンチョコシール風」。 あの80年代レトロな懐かしいキラキラシールの世界観を、AIやスマホアプリで簡単に再現できるとあって、Z世代から30〜40代の大人世代まで人気を集めています。
この記事では、ビックリマンチョコシール風加工を中心に、エモさ満載な遊戯王、マジック:ザ・ギャザリング、ポケモンカードといった各種トレカ風加工の再現方法をまとめてご紹介。また、加工に際して留意したい著作権や肖像権についても解説します。
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ビックリマンシール風やトレカ風AIイラストがエモい! 作り方と著作権の注意点まとめ
ビックリマンシール風画像を作るなら『ChatGPT』
『ChatGPT』の場合、GPT‑4oモデルを使えば、加工したい画像をアップロードして「この写真をビックリマンシール風にして」と伝えるだけでも画像を生成してくれます。
▲写真をアップして「この写真をビックリマンシール風にして」とだけ指示すると、「友情天使」「サケノミーナ」など、名前も勝手につけてくれた
ただし、この方法だと加工内容はAIにおまかせとなるため、予想とは違う仕上がりになることも。やり直すにしても無料プランだと1日の生成枚数は3~4枚程度(2025年5月現在)と少ないので、できれば一発で理想の仕上がりにして、ほかの写真の加工も楽しみたいですよね。そのためには、1回のプロンプト(指示)で具体的な希望を伝える必要があります。
写真加工アプリであれば、テンプレートが用意されているものもあるので、それを利用するのもひとつの方法です。
理想型に近づく加工プロンプトは?
AIの特性上、同じ指示を出しても、100%同じ画像を描くことはほぼありません。それでも希望に近いものを出すにはどういう指示にしたらいいのでしょうか。
そこで、全部丸投げするプロンプトから、ポーズや洋服まで指定するプロンプトまで、指示をいろいろ試してみました。
なお、同じチャット内で画像生成を続けると、直前のプロンプトがそのセッション内で保持されているため、新しいプロンプトを伝えても前回のプロンプトの要素が混ざることがあります。
新しいプロンプトで指示を出す場合は、
・「新しいプロンプトです。前回の条件は無視してください。以下の設定でお願いします」と伝えてから新しいプロンプトを記載する
・新しいチャットを立ち上げて、元画像をアップロードし直す
といった対策をしてから、生成を試してみましょう。
以下の加工はすべて、プロンプトごとに新しいチャットで指示を出したものです。
1.基本おまかせ
プロンプト
この写真をビックリマンシール風にして
▲左が元画像(実際の加工にはぼかしなしのものを使用)
シンプルなプロンプトの場合、「おちゃらけ天女」というビックリマン風なネーミングとともに、たしかにおちゃらけた感じのイラストが生成されました。ただ、ビックリマンシール風としては少々おとなしい感じもしますね。
ちなみに、「ビックリマンシール風」ではなく「ビックリマン風」と指示すると、上画像のようにテキスト部分に「ビックリマン」や「びっくりマン」と入ってしまうことが多々ありました。これを避けるには「ビックリマンシール風」と指示するといいでしょう。
2.背景やシールの質感、テキストを設定
プロンプト
この写真をモデルにビックリマンシール風のオリジナル画像にして。背景はサイケ調、全体の質感はホログラムメタリック、上部テキスト部分は名前をおまかせで入れてみて。
ビックリマンシールといえば、ホログラムの質感も捨てがたいですよね。また、名前も別のものにしてみようという意図で指示した結果、このような画像になりました。「ド派手ナー」というネーミング、AIはどこから拾ってきてくれたのでしょう……。
3.テイストを細かく指示
プロンプト
この写真ををモデルにビックリマンシール風のオリジナル画像にして。 背景には炎、全体の質感はホログラムメタリック、上部テキスト部分の名前は「ド派手ナー」、全体テイストはビックリマン風デフォルメ感やかわいさと強さのバランスを重視して。
「サイケ調」の指示が今ひとつピンと来ていないようだったので、背景を変更してみました。名前はとりあえず同じものにして、もう少しかわいさを足しつつ、ビックリマンらしさを失わないような指示を出しました。手の角度が少し崩れてしまったのは気になるところですね。
4.衣装やポーズも変更
プロンプト
この写真をモデルにビックリマンシール風のオリジナル画像にして。背景には後光が輝き、全体の質感はホログラムメタリック、上部テキスト部分の名前は「ド派手ナー」、テキストの色は黄色。全体テイストはかわいさを重視したビックリマン風デフォルメ、服装を青と黄色で構成されたピエロ服に変えて、玉乗りしているポーズにして
今度は手の角度も正確になり、構図は全身に。背景、服装、アイテム変更も反映されました。
プロンプトに記載する要望
- 背景エフェクト(炎、稲妻など)
- 質感(ホログラムなど)
- テキスト(名前や短文、色)
- テイスト(ビックリマン風デフォルメ、かわいさなど)
- 服装、アイテム、構図、色味
これらの要望を最初から細かく指示しておき、自分好みのオリジナル画像を生成してみましょう!
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『ChatGPT』でその他のトレカ風も試してみた
ビックリマンシール以外にも、80年代以降から今に至るまで、コレクションして楽しむアイテムがいろいろありますよね。
編集部でリサーチしたところ、「思い出深い」と名前の挙がったのは以下のトレカ(トレーディングカード)でした。
・遊☆戯☆王カード
・マジック:ザ・ギャザリング
・ポケモンカード
そこで、これらのトレカ風のイラスト生成も試してみました。
なお、ChatGPTの運営元であるOpenAIでは、著作権や商標の観点から、既存のキャラクターや公式デザインに酷似した画像の生成を制限しています。そのため、「特定のゲーム風の公式デザイン」を再現しようとする指示は、コンテンツポリシーに抵触する可能性があるため、画像が生成されないことがあります。
加工や画像生成を楽しむ際は、あくまで“オリジナル要素”としての創作を心がけるようにしましょう。
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遊戯王カード風
ただ「遊☆戯☆王カード風にして」だけでは、上画像①のように多少雰囲気は出たものの、ビックリマンシールほどテイストが近いものは生成されません。以下を指定することで、②のように加工されたものができあがりました。
プロンプト
この写真をモデルに遊☆戯☆王カード風のオリジナル画像にして。
出力は必ず縦長長方形でお願いします(アスペクト比約7:10)。
【全体イメージ】
中二病風
【イラストイメージ】
キャライラストも遊戯王風。闇の魔術師風で、背景に魔方陣を入れたい
【キャラ設定】
名前:おまかせ
種族/属性:悪魔族/闇属性
レベル:★6
効果テキスト:おまかせ
ATK/DEF:ATK 2200 / DEF 1600
トレカ風の場合、長方形の指定をしないと正方形で出力されることが多々ありました。そのため、アスペクト比も明記しておくといいでしょう。
イメージやキャラ設定はある程度指定したほうが好みに近いものが作れます。名前は「おまかせ」で何パターンか試したところ、「虹髪の道化師」「邪悪のヘルクラウン」「虚無道化クラウンズ・リリィ」のような凝ったキャラ名も作成してくれましたが、イラストを作成する前に「かっこいい名前を何パターンか出して」などAIと会話しておいて、先に決めてしまってもいいかもしれません。
なお、レベルの★の数は6つと指定したものの、画像②では7つとなってしまいました(別の生成時には4つだったことも)。具体的にいくつと指定しても反映されないことも多いようです。
マジック:ザ・ギャザリング風
こちらも、ただ「写真をマジック:ザ・ギャザリングのカード風にして 」と指示しても、雰囲気は寄ったものの、画像①のように、元写真をそのまま加工しただけで面白みには欠けました。
「マジック:ザ・ギャザリング」は背景で印象も異なってくるので、具体的に指示を入れ込んだほうが理想の仕上がりに近づきます。
以下のプロンプトを参考に、しっかり指定する項目とおまかせにする項目を検討してみましょう。
上記画像のプロンプトは以下のとおりです。
画像②プロンプト
この写真をモデルにマジック:ザ・ギャザリングのカード風オリジナル画像にして。
全体イメージ:重厚、荘厳
背景:巨大な建物や遺跡
キャラ名:おまかせ
テキスト:おまかせ
キャラテイスト:マジック:ザ・ギャザリングに出てくる人間のキャラのテイストに近づけて
構図:全身に変更。魔術師っぽい服装とポーズで
画像③プロンプト
この写真をモデルにマジック:ザ・ギャザリングのカード風オリジナル画像にして。
出力は必ず縦長の長方形(アスペクト比2:3)でお願いします。
全体イメージ:幻想的、荘厳
カード色:赤
マナ・コスト:{2}{U}{U}
カードタイプ:クリーチャー — ドラゴン
パワー/タフネス:3/4
能力テキスト: おまかせ
背景:宇宙空間、星雲が渦巻く
構図:宙に浮かびながら敵を見下ろすポーズ
キャラテイスト:MTGらしいデフォルメのドラゴン
レアリティ:レア(ゴールドシンボル)
セットシンボル:おまかせ
フレーバー・テキスト:おまかせ
ポケモンカード風
ポケモンカード風は「コンテンツポリシーに抵触する」とのメッセージが出やすい加工のひとつ。そのため、具体的なキャラ名や技の名前などの指示を出したときは大抵、画像は生成されません。あくまでも、「写真をモデルに、テイストを参考にしてデフォルメしたオリジナルのデザイン」であることが重要です。
以下は、徐々に指示を増やすことで雰囲気の近いものが作成された例です。基本的に、③のプロンプトを推奨しますが、以下とまったく同じプロンプトでも、コンテンツポリシーに抵触すると判定され、画像生成が途中で止まることもありました。AIによる自動判定のため判断がブレてしまうとはいえ、制作する側もポリシーに抵触しないよう注意しながら利用しましょう。
画像①プロンプト
この写真をポケカ風にして。ポケカそのものをまねするとコンテンツポリシーに抵触すると思うから、あくまでもオリジナルとして生成して。
出力は必ず縦長長方形(アスペクト比63:88)でお願いします。
キャラはアニメ風にデフォルメして。
画像②プロンプト
この写真をポケカ風にして。コンテンツポリシーに抵触しないよう、あくまでも写真をモデルにしたオリジナルとして生成して。
HPなどの要素や技の名前はオリジナルで考えたものを入れて、配置は似て非なるものにして。
出力は必ず縦長長方形(アスペクト比63:88)でお願いします。
キャラはカードキャラ風にデフォルメして。
画像③プロンプト
この写真をポケカ風にして。コンテンツポリシーに抵触しないよう、あくまでも写真をモデルにしたオリジナルとして生成して。
HPなどの要素や技の名前はオリジナルで考えたものを入れて、配置は似て非なるものにして。
出力は必ず縦長長方形(アスペクト比63:88)でお願いします。
キャラはポケモンアニメ風にデフォルメしたオリジナルキャラにして、名前もつけて。カード表記は日本語にして。
画像➀プロンプト
この写真をポケカ風にして。
出力は必ず縦長長方形でお願いします(アスペクト比63:88)。
コンテンツポリシーに抵触しないよう、雰囲気を似せたオリジナルカードとして制作して。
キャラはかわいいモンスター風にデフォルメして。
画像②プロンプト
この写真をポケカ風にして。コンテンツポリシーに抵触しないよう、あくまでも写真をモデルにしたオリジナルとして生成して。
HPなどの要素や技の名前はオリジナルで考えたものを入れて、配置は似て非なるものにして。
出力は必ず縦長長方形(アスペクト比63:88)でお願いします。
キャラはかわいいモンスター風にデフォルメして。
画像③プロンプト
この写真をポケカ風にして。コンテンツポリシーに抵触しないよう、あくまでも写真をモデルにしたオリジナルとして生成して。
HPなどの要素や技の名前はオリジナルで考えたものを入れて、配置は似て非なるものにして。
出力は必ず縦長長方形(アスペクト比63:88)でお願いします。
キャラはかわいいモンスター風にデフォルメして。カード表記は日本語にして。
著作権や商標権、肖像権の侵害には十分気をつけよう
このようなAI画像生成で注意したいのが著作権や商標権、そして肖像権の問題です。
下記のポイントをチェックしてから創作を楽しみましょう。
◯◯風加工を楽しむためのチェックリスト
チェック項目 | 内容 |
---|---|
☑ キャラクターはオリジナルですか? | 既存のキャラをそっくり再現していませんか? 「ポケモンそっくり」や「ミッキーマウスを描いて」などのプロンプトはNGです。 |
☑ 名前・ロゴは変えていますか? | 「ポケモン」や「ジブリ」など実名・ロゴをそのまま使っていないか確認しましょう。キャラ名・内容がオリジナルならOK。 |
☑ 作風だけを参考にしていますか? | 背景の色味・デフォルメなど、「雰囲気」「世界観」だけなら許容範囲に収まる可能性大。 |
☑ 商用利用していませんか? | ネタ画像を販売・配布・広告利用しないようにしましょう。個人利用が基本です。 |
☑ 他人の写真を使う場合、許可は取れていますか? | 肖像権・プライバシーにも配慮を忘れずに。なお、OpenAIの規約では、許諾があっても実在人物の顔を模倣再現するような生成は禁止されています。 |
参考:Creating images and videos in line with our policies | OpenAI
安心して加工を楽しむには、規約への抵触はもちろん、さまざまな権利への配慮が大切です。「好きな世界観をリスペクトしつつ、自分だけのオリジナルキャラを生み出す」ことを心がけ、友人とのコミュニケーションを楽しんでくださいね。
(文・辻美紀子)
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