家計簿アプリは、手入力やレシート撮影で記録するものだと思っていませんか?
最近では、銀行やクレジットカードと連携し、自動で支出や収入を記録するものや、自分で予算を設定し貯金の計画を立てられるものなど、さまざまな家計簿アプリが登場しています。
一方で、アプリの種類が多すぎて、どれを選べばいいのかわからないと悩む方も多いはず。
そこで、20種類以上の家計簿アプリを試してきた筆者が、初心者でも無理なく続けられるアプリの選び方をわかりやすく解説します。家計管理の負担を減らして、お金をもっと賢く使いましょう!
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最新の家計簿アプリを解説 自動で記録&手間なく節約できる家計管理
家計簿アプリとは「お金の管理」を簡単にするツール
家計簿アプリとは、スマホやタブレットで使えるデジタル版の家計簿です。手書きのノートやExcelとは違い、収入や支出を記録するだけで自動でグラフにまとめてくれるため、お金の流れを簡単に把握できます。
実際にアプリブが行った「家計簿にかける時間」に関する調査(※1)では、家計簿アプリを使用することで、お金の管理にかかる時間が減少することがわかっています。
しかし、どんなに便利な家計簿アプリでも、自分の使い方に合っていなければ続かないことも。だからこそ、自分にぴったりのアプリを選ぶことが重要です。
まずは、あなたに合った家計簿アプリのタイプをチェックしてみましょう!

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次の見出しでは、それぞれのタイプについて詳しく解説していきます。
※1 家計簿に関するアンケート調査
調査対象:10~60代の男女612人、調査期間:2023年11月10日~15日
【自動連携できる家計簿アプリ】キャッシュレス決済を多く使う方におすすめ

キャッシュレス決済を多く使う方におすすめなのが、金融サービスと連携する家計簿アプリです。銀行口座やクレジットカード、電子マネーと連携し、「いつ」「どこで」「いくら使ったか」が自動で記録されるため、入力の手間がかかりません。
自動連携できる家計簿アプリのメリット
- クレジットカードの利用履歴がそのまま家計簿に反映
- 銀行口座の入出金も記録される
- QRコード決済やタッチ決済など電子マネーの利用履歴も取り込める
自動連携できる家計簿アプリのデメリット
- アプリによっては対応する銀行・カードが限られる
- 現金決済は手動入力が必要
- セキュリティ対策がされていないアプリは情報漏えいの危険性がある
「家計簿をつけるのは面倒……でも、お金の管理はしたい」という方には、このタイプの家計簿アプリが最適です。
自動連携できる家計簿アプリの「ここが気になる!」
「銀行口座やクレジットカードと連携して、本当に大丈夫?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。お金に関する情報を扱う以上、セキュリティや情報漏洩のリスクが気になるのは当然です。
ここからは、自動連携できる家計簿アプリに関する気になるポイントを詳しく解説していきます。
どうやって収支のデータを取得しているの?
アプリにお金の情報を登録すると聞くと、安全面のリスクからその仕組みが気になる方もいるでしょう。
家計簿アプリでは、大きく2つの方法で収支データを取得しています。
API連携(安全性が高い方式)
- 銀行やクレジットカード会社が収支項目を提供するデータ連携の仕組み
- アプリにパスワードを保存せず、必要なデータのみを取得
スクレイピング方式(対応サービスが多いがリスクあり)
- 銀行口座やカードのログイン情報を登録し、アプリがログインして情報を取得する方式
- API連携できないサービスでも利用できるが、アプリにID・パスワードの保存が必要
つまり、API方式を採用している家計簿アプリであれば、パスワードをアプリ側に渡すことなく安全にデータを取得できます。
なお、現在は一部の銀行・カードを除いて、API方式でデータを取得できるサービスがほとんどです。
情報漏洩の危険性は本当にない?
「銀行口座と連携することで、貯金額や取引履歴が外部に漏れたりしないの?」と心配する方もいるでしょう。家計簿アプリは、こうしたリスクを防ぐために、さまざまなセキュリティ対策を実施しています。
そのなかで、特に安心できるのが、「2段階認証」「不正アラート機能」「パスコードロック」があるアプリです。

2段階認証があるアプリなら、万が一IDやパスワードが流出しても別のデバイスからの不正ログインを防ぐことができますし、不正アラート機能があれば、不審なログインが検知された際に通知が届くため、速やかに対策が可能です。
また、パスコードロックがかけられるアプリであれば、スマホを一時的に誰かに貸しても、家計簿の内容を見られる心配がありません。
加えて、上場企業や運営実績の長い企業が提供しているアプリは、個人情報保護のルールが厳しく定められているため、安心して利用できるでしょう。
自動連携できる家計簿アプリはここをチェック! 失敗しない選び方
自動連携できる家計簿アプリは、なんとなく選んでしまうと使っている銀行やクレジットカードと連携できなかったり、セキュリティ面で不安を感じたりして後悔する可能性があります。
ここからは、失敗しないためのチェックポイントを紹介します。
登録できる銀行・クレジットカードを確認する
自動連携できる家計簿アプリは、どの銀行やクレジットカードに対応しているかが重要です。対応数が多くても、自分が使っている金融機関が登録できなければ意味がありません。
※「PayPay」や「楽天ペイ」などのキャッシュレス決済では、どの家計簿アプリとも自動連携できません。
※「メルペイ」は『マネーフォワード ME』『マネーフォワード for SOMPOひまわり生命』のみ対応しています。
セキュリティ対策を確認する
自動連携できる家計簿アプリを使うなら、セキュリティ対策がしっかりしているかを必ずチェックしましょう。特に、銀行やカードと直接連携するアプリは、運営会社の信頼性も確認しておくと安心です。
安全に使える家計簿アプリの条件
- 2段階認証がある
- パスコードロックや指紋認証が設定できる
- 運営実績のある企業が提供している
- 個人情報の取り扱いが明記されている
- API方式で収支データを連携している
これらのセキュリティ対策を行っているアプリなら、情報漏洩のリスクも少なく安全に利用できます。
【レシート読み取りできる家計簿アプリ】現金決済が多いという方におすすめ

現金決済が多くてレシートが溜まりがちという方におすすめなのが、レシートを撮影するだけで家計簿に記録できるアプリです。スマホのカメラ機能でレシートを読み取れば、日付・金額・店舗名・購入品目などが自動で記録されるため、入力の手間を省けます。
レシート読み取りできる家計簿アプリのメリット
- レシートを撮るだけで自動記録!手入力不要でラクチン
- 現金払いでも正確に支出を管理できる
- レシートをなくしてもアプリにデータが残るから安心
レシート読み取りできる家計簿アプリのデメリット
- レシートのない支払い(電子決済・手渡しの支払い)は手入力が必要
- 読み取り精度はアプリによって差がある
- 手書きの領収書や一部の特殊レシートは認識しにくいことがある
「現金払いが多いけど、家計簿を手軽につけたい!」という方には、このタイプの家計簿アプリがぴったりです。
レシート読み取りできる家計簿アプリの「ここが気になる!」
レシート読み取りタイプの家計簿アプリをストレスなく使うためには、読み取り精度の高さと、読み取ったデータの管理方法が重要です。
ここでは、レシート読み取り機能を使う際に気になるポイントを解説します。
読み取り精度は高い?
「レシートを撮影するだけで、本当に金額や商品名を正確に読み取れるの?」と気になる方もいるでしょう。正直なところ、読み取り精度はアプリやレシートの状態によって異なります。
レシート読み取りの精度に影響を与える要因には、以下のものがあります。
レシート読み取り精度に影響を与える要因
- レシートの印字状態(かすれ・汚れの有無)
- 記載方法(手書き・印刷)
- 特殊な記号やレイアウトを含むもの
- 撮影時の手ブレ
各アプリの読み取り精度を比べたい方は、こちらのページで「レシートの読み取りやすさ」をチェックしてみてください!
読み取ったレシートは捨てていいの?
家計簿アプリにレシートを登録したら、すぐに捨てても大丈夫なのか気になりますよね。結論をお伝えすると、用途によります。
例えば、日常の買い物(スーパー・コンビニ・飲食店など)なら、登録後すぐに捨てても問題ありません。しかし、副業などの経費や確定申告に使う場合は、レシートの原本や領収書を一定期間保管する義務があります。
個人の支出なら登録後すぐ処分OK、経費なら原本を保存! と覚えておきましょう。
レシート読み取りできる家計簿アプリはここをチェック! 失敗しない選び方
レシート読み取り機能がある家計簿アプリは、読み取り精度や対応レシートの種類、ポイ活機能の有無によって使い勝手が大きく異なります。
ここでは、失敗しないための選び方を紹介します。
読み取り精度が高く、対応するレシートの種類が豊富なものを選ぶ
選ぶ際は、レシートの読み取り精度と対応するレシートの種類をチェックしましょう。
なぜなら、撮影しても内容を読み取れないとなると、手入力の手間が増えてしまい、家計簿アプリを使うメリットが半減してしまうから。
また、実店舗のレシートは読み取れても、ネットショップの購入履歴には対応していないなど、アプリによって対応範囲は異なります。自分がよく使う支払い方法やレシートの種類に対応しているかを確認し、ストレスなく使えるアプリを選ぶことが大切です。
お小遣い稼ぎもするなら、ポイ活機能があるものを選ぶ
「どうせレシートを登録するなら、少しでもお得に!」と考えている方は、ポイ活機能付きのアプリを選ぶのもおすすめです。ポイ活できるレシート読み取りアプリには以下の種類があります。
ポイ活できるレシート読み取りアプリの種類
- レシートを撮影するだけでポイントがもらえるアプリ
- 特定の商品を購入するとボーナスポイントがつくアプリ
- レシートを撮影して抽選に申し込めるアプリ
ただし、ポイ活機能を使って短期間で大金を稼ぐことはできません。
ポイ活機能付きのアプリはコツコツ貯めるのが得意な方におすすめ。すぐに成果が出ないと続かない方は、ポイ活機能の有無を気にせず、家計簿機能の使いやすさを重視するとよいでしょう。
【手入力できる家計簿アプリ】レシートや領収書がない方におすすめ

お小遣いの受け渡しや自販機での購入など、レシートや領収書がない取引が多い方におすすめなのが、手入力タイプの家計簿アプリです。このタイプは、収入や支出を自分で入力するスタイルなので、どのような取引でも正確に記録できます。
手入力アプリのメリット
- 支出のカテゴリを自由にカスタマイズできる
- 現金・キャッシュレス問わず、すべての支出を記録可能
- 金融サービスと連携しないため、情報漏えいのリスクが低い
手入力アプリのデメリット
- すべて手入力なので、記録に手間がかかる
- 入力を忘れると正確な家計管理ができない
手入力で記録するため、自由度が高いのが魅力。「すべての支出を自由に管理したい!」という方は、このタイプの家計簿アプリを選びましょう。
手入力できる家計簿アプリの「ここが気になる!」
手入力の家計簿アプリは、自由に記録できる反面、すべてを手動で管理する必要があります。
そのため、家計簿をつける習慣がない方や、これまで挫折した経験がある方にとっては、ややハードルが高いかもしれません。
初めて家計簿をつける方は、「自動連携タイプ」や「レシート読み取りタイプ」から試してみるのをおすすめします。家計簿を長く続けられるよう、自分に合ったタイプのアプリを選びましょう。
手入力できる家計簿アプリはここをチェック! 失敗しない選び方
手入力の家計簿アプリは、選び方を間違えると面倒くさくて続かないということにもなりかねません。
そこで、無理なく続けられるアプリを選ぶためのチェックポイントを紹介します。
履歴やテンプレート機能があるものを選ぶ
毎回同じような支出を入力するのが面倒だと感じる方には、履歴機能やテンプレート機能があるアプリがおすすめです。
同じ支出を何度も入力する方は履歴機能、毎月の固定費(家賃・光熱費・サブスクなど)を事前に登録したい方はテンプレート機能があるものがおすすめです。例えば、「毎月の家賃」「毎週の食費」「習い事の月謝」など、繰り返し発生する支出をテンプレート化しておくことで、入力ミスを防げます。
グラフ機能が充実しているものを選ぶ
手入力の家計簿アプリは、機能に大きな差がないため、データの見やすさがアプリ選びのポイントです。
せっかく家計簿をつけるなら、支出や収入を一目で把握できるグラフ機能が充実しているアプリを選びましょう。
家計簿アプリの主なグラフ機能
- 円グラフ……「支出の割合」がわかる(食費・交際費・固定費などカテゴリ別に確認)
- 折れ線グラフ……「収支の推移」が見える(月ごとの収支の増減を把握できる)
- カレンダー表示……「どの日にどのくらい使ったか」が確認できる
家計簿をつける目的は、「お金の流れを把握して、賢く管理すること」です。直感的に使いやすいと感じるグラフ機能があるか、アプリを選ぶ際にチェックしてみましょう。
迷っている方におすすめ! 王道の家計簿アプリ3選
「結局どの家計簿アプリを選べばいいの?」 と迷っている方のために、定番の王道アプリ3つを紹介します。
金融サービスと連携するなら『マネーフォワード ME』
出典:Google Play
このアプリのおすすめポイント
- 銀行・カード・電子マネーなど、2,400以上の金融サービスと連携可能
- 自動で収支を記録&カテゴリ分け
- グラフ機能が充実していて、支出の傾向が一目でわかる
銀行口座やクレジットカードと連携して収支を自動で記録できます。連携できる金融機関の多さは、家計簿アプリの中でもトップクラス。口座残高の推移や支出の内訳をグラフで可視化できるため、家計の全体像を把握したい方におすすめです。
レシート読み取りで管理するなら『Zaim』

出典:Google Play
このアプリのおすすめポイント
- レシートを撮影するだけで、日付・金額・カテゴリを自動入力
- 銀行・クレジットカードとの連携機能もあり、キャッシュレス決済にも対応
- 家族やカップルと家計簿を共有できる「ペア機能」付き
レシート撮影で日付・金額・カテゴリを自動入力してくれる家計簿アプリ。一般的なレシートなら高精度で読み取り可能で、手入力の手間を大幅に削減できます。銀行口座やクレジットカードの連携機能もあり、現金・キャッシュレス両方をバランスよく管理したい方におすすめです。
予算管理&プリペイドカードなら『B/43』
出典:Google Play
このアプリのおすすめポイント
- 専用のクレジットカードと連携して日付・金額・カテゴリを自動入力
- プリペイドカード(Visa)を発行し、その範囲内で管理できる
- 夫婦やパートナーと一緒に使う「ペア口座」機能あり
家計簿+プリペイドカードという新しいスタイルの家計管理アプリ。専用のVisaプリペイドカードを使って金額をリアルタイムで記録できます。夫婦やカップルで家計をシェアできる「ペア口座」機能もあり、2人で予算管理したい方にもおすすめ。
今日から始めよう! あなたにぴったりの家計簿アプリで賢く管理
家計簿アプリは難しそう、続けられるか不安。そう思っていた方も、この記事を読んで自分に合った方法が見つかったのではないでしょうか。
家計簿は、お金の流れを把握するための大切なツール。最初はざっくり記録するだけでも、続けていくうちに今の自分のお金の使い方が見えてきます。そして、未来のお金の不安も少しずつ解消されていきますよ。
あなたに合った家計簿アプリを見つけて、今日から楽しく家計管理を始めましょう!
(文・かがわまなみ)
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