「LINE(ライン)」は重要な個人情報が含まれているアプリです。LINEの設定や端末の管理を疎かにしていると、情報の流出やアカウント乗っ取りといったトラブルに巻き込まれる危険性があります。
このページでは安全にLINEを使い続けるために過去の事例と対策を紹介します。この記事を読んで、LINEの設定を見直してください。
LINEの危険性&対策まとめ 電話番号・メールアドレスを危ない人から守る設定はこれ
チェック!LINEの危険度
LINEのセキュリティ対策のために、以下の項目を自分がやっていないかチェックしておきましょう。
・「友だち自動追加」をオンにしている
・「ID検索」をオンにしている
・プッシュ通知を許可している
・PCをなど特定のスマホ以外からもログインしている
・LINEのパスワードを設定していない
・LINEアプリにパスコードを設定していない
・Letter Sealing(レターシーリング)を設定していない
・他アプリとLINEを連携させている
・LINEのプライバシー管理の設定を見たことがない
個々の項目については以下で詳しく解説していきます。
「友だち自動追加」による個人情報の流出
LINEでは、アドレス帳に登録されている電話番号から自動で友だちに登録する「友だち自動追加」があります。QRコードでの追加やID検索より手っ取り早く友だちに追加できるので、使ったことのある方もいるでしょう。
しかし、アドレス帳の情報を使うということは、情報が悪用されるのではと思う方も少なくないはず。この件について、LINEプライバシーポリシーには以下のように記載されています。
また、友だち自動追加ではLINEでつながりたくない人にLINEアカウントが知られてしまう危険性があります。少しでも気になることがあれば設定をOFFにしましょう。
初回登録時に「友だち自動追加」を使っていても、以下の手順を行えばLINE運営会社に保存されたデータは削除されます。
【対策】「友だち自動追加」「友だちへの追加を許可」をOFFにする
自分のアドレス帳に登録されている人を自動で友だちに追加する「友だち自動追加」と、知り合いのアドレス帳に登録されている自分の電話番号から自動で友だちに追加される「友だちへの追加を許可」の2種類があります。
知り合いとLINEでつながりたくない場合は、両方ともOFFにしましょう。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「友だち」の順にタップ
2.「友だち自動追加」「友だちへの追加を許可」のチェックを外す
知らない人からID検索される
「ID検索」とは、LINEで年齢確認のできた18歳以上のユーザーが使えるユーザー検索機能です。18歳未満の未成年と年齢を確認できないユーザーは検索することも、検索されることもありません。
アドレス帳から自動追加される友だちの多くは相手と面識があります。一方、ID検索をされるとまったく知らない人から友だち追加されたり、メッセージが送付されたりする可能性があります。
面識のない人が友だちにいるのは精神的に恐怖を感じるものです。安心して利用し続けるために、以下の対応を行いましょう。
【対策①】「IDによる友だち追加を許可」をOFF
ID検索で自分のLINEアカウントが出ないようにする方法です。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プロフィール」の順にタップ
2.「IDによる友だち追加を許可」のチェックを外す
【対策②】友だち以外のメッセージ受信を拒否
知らない人からメッセージが送られたくない人は、「メッセージ受信拒否」を設定しましょう。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プライバシー管理」の順にタップ
2.「メッセージ受信拒否」のチェックをつける
プッシュ通知からメッセージを閲覧される
プッシュ通知を許可している場合、スマートフォンの管理を疎かにしているとほかの人に受信メッセージを見られる可能性があります。
メッセージによっては、画面の写真を撮られて情報を拡散される危険性も。こうしたシチュエーションを防ぐためにも、安易にスマートフォンを放置しないことはもちろん、通知の設定を見直すようにしましょう。
【対策①】プッシュ通知の内容非表示
プッシュ通知にメッセージ内容が表示されないように設定できます。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「通知」の順にタップ
2.「通知」のチェックを外す
別デバイスからメッセージを閲覧される
LINEは、スマホとPCもしくはスマホとiPadの組み合わせで同時ログインが可能です。
ほかの人が自由に使えるデバイスでLINEにログインしてしまうと、そこからメッセージを見られる危険性があります。心当たりがあれば、すぐにログアウトしましょう。
【対策】「ログイン中の端末」を確認する
スマートフォンからログインしているデバイスを確認して、強制ログアウトさせることができます。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「アカウント」の順にタップ
2.「ログイン中の端末」をタップして、ログアウトさせたいデバイスを選択
アカウントに不正アクセスされる
LINEアカウントはPCやiPadを使えば同時ログインが可能です。もし身に覚えのないログイン通知がスマホに届いた場合、誰かが不正アクセスを試みている可能性が高いと言えます。
放置すると重大なトラブルに発展する危険性があるので、気付いたら即対応することを心がけてください。
【対策①】パスワードを変更する
不正ログインをされたばかりであれば、パスワードを変更することで対処できます。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「アカウント」の順にタップ
2.「パスワード」をタップする
スマートフォンを操作される
普段使っているデバイスから直接LINEのメッセージを読まれる可能性があります。たとえば、家族や友人など親しい間柄であれば、スマートフォンを置いてその場を離れることもあるでしょう。その隙にLINEを盗み見られるのです。
また、スマートフォンを紛失するなどして第三者に操作されることもあります。肌身離さず持ち歩くようにするもの大切ですが、パスコードを設定するなどして不測の事態に備えましょう。
【対策①】スマホにパスコード設定
パスコードを設定して、ほかの人がロックを解除できないようにします。
ただし、誕生日や電話番号をパスコードとして設定してしまうと簡単に推測できてしまうのでNG。指紋認証も寝ている間に解除されてしまう危険性があるので絶対安心とは言えません。
親しい間柄でも推測できないパスコードを設定して、プライバシーを守りましょう。
【対策②】LINEアプリにパスコード設定
LINEアプリにパスコードを設定すれば、セキュリティはより強固に守られます。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プライバシー管理」の順にタップ
2.「パスコードロック」にチェックを入れて、パスワードを設定
LINEサーバーから情報が流出
LINEはユーザーとサーバー間で通信を行う際、通信経路上でデータを保護するために暗号化(LEGY暗号、HTTPS)を行っています。通信が暗号化されていないと、悪意のある第三者から簡単にメッセージを盗み見られてしまいます。
またLINEは、個人情報関連サービスに関する内部統制の国際認証SOC(Service Organization Control)2、3(及びSysTrust)を世界で初めて同時に取得したことでも知られています。これは、第三者による不正アクセスから保護されていることを証明するものです。
このセキュリティをより高めるために、以下の設定を行いましょう。
参考:ポリシーと外部認証
【対策②】Letter Sealing(レターシーリング)をONにする
友だちとのやり取りを暗号化することで、第三者から内容を確認できないように設定しましょう。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プライバシー管理」の順にタップ
2.「Letter Sealing」にチェックをつける
LINEで連携可能なアプリにプロフィールが流出
LINEと連携できるアプリの一部には、LINEの友だちを招待したり、情報をシェアしたりする機能があります。そうしたアプリに自分のプロフィールが表示されるということは、そのアプリの運営会社にプロフィール画像やアカウント名などが知られるということです。
もし、知らないアプリにプロフィール情報が知られたくない場合は、「アプリからの情報アクセス」をOFFにしましょう。
ただし、これが適用されるのは自分が使っていないアプリだけ。設定を解除しても、既に使っているアプリには引き続きプロフィール情報が表示されます。
【対策】「アプリからの情報アクセス」をOFF
外部アプリにLINEのプロフィール情報を送信しないためには、以下の設定を行います。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プライバシー管理」の順にタップ
2.「アプリからの情報アクセス」を変更する
韓国にあるLINE親会社への情報提供
LINEの親会社は韓国最大手のインターネットサービス会社として知られる「NAVER(ネイバー)」。
政治的な背景から情報流出を疑う声もありますが、運営を行っているLINE株式会社は日本の企業です。利益を追う企業である以上、ユーザーの信頼を失うリスクは避けたいと考えるのが普通でしょう。
ただし、サービス利用や品質向上のために必要な情報はLINE株式会社に提供されます。気になる方は以下を参考に設定を解除しましょう。
【対策①】コミュニケーション関連情報をOFF
LINEでは、スタンプや絵文字、トーク相手などの情報をサービス改善の観点から自動的に取得しています。
もちろん情報提供は任意となっていて、許可していてもトーク内容や通話内容が取得されることはありません。どうしても不安な方は項目をOFFにしてください。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プライバシー管理」の順にタップ
2.「情報の提供」をタップして、「コミュニケーション関連情報」のチェックを外す
【対策②】位置情報取得の許可をOFF
LINE Beaconや災害速報などからタイムリーに情報を入手したり、友だちとのやり取りで自分の居場所を伝えたりと便利に使える位置情報。
ですがその反面、自分の居場所をLINEの運営会社へ提供していることになります。位置情報が必要なサービスを使っていない場合は、設定をOFFにしてください。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プライバシー管理」の順にタップ
2.「情報の提供」をタップして、「位置情報の取得を許可」のチェックを外す
【対策③】ウェブ追跡型広告受信をOFF
LINEはユーザーの興味関心を分析して広告を表示しています。
それが実現できるのは、LINEの運営会社が提供する計測タグを利用し、ウェブサイトの訪問履歴を入手しているからです。
ユーザーの嗜好に関する情報を提供し続けているとも言い換えられるので、それを防ぎたい方は設定をOFFにしてください。
1.LINEホーム画面の「歯車アイコン」、「プライバシー管理」の順にタップ
2.「広告の設定」をタップして、「ウェブ追跡型広告の受信」のチェックを外す
まとめ
LINEにまつわるトラブルは、設定一つで未然に防げるものが多いことを知っていただけたと思います。
対策や設定をしっかりしておけば、LINEは安全に使い続けることができるアプリであることは間違いありません。
改めてプライバシーやセキュリティを守る大切さを知ってもらえたら幸いです。
こちらの記事もおすすめ