家計簿アプリの定番といえば、『Zaim』と『マネーフォワード ME』。どちらも多機能で便利ですが、初めて家計簿アプリを使う人からすれば、細かな機能の違いが多く、どちらを使えばいいのか迷ってしまうでしょう。
ここでは、2つのアプリの違いを徹底比較。利用している金融サービスの数や連携先から、どちらがおすすめなのかを解説します。
家計簿アプリ二強比較!『マネーフォワード ME』VS『Zaim』選ぶべきはどっち?
家計簿アプリは「金融サービスとの連携機能」で比較すべし!
家計管理を無理なく続けるためには、銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどと自動で情報をやり取りし、収支を自動で記録してくれる「金融サービスとの連携機能」が不可欠です。
『Zaim』と『マネーフォワード ME』には、どちらもこの機能がありますが、登録できる金融サービスの数と連携先に大きな違いがあります。
Zaim |
マネーフォワード ME | ||
---|---|---|---|
登録できる 金融サービス数 |
無制限 | 無料:4件 有料:無制限 | |
連携できる 金融サービス数 |
1,319 | 2,454 | |
クレジット・デビットカード | 83 | 145 | |
銀行 | 183 | 1110 | |
電子マネー・プリペイド決済 | 32 | 77 | |
QRコード決済 | 0 | 6 | |
ポイントサービス | 8 | 50 | |
証券 | 15 | 51 | |
投資信託 | 3 | 28 | |
暗号資産 | 2 | 35 | |
年金 | 5 | 10 | |
保険 | 1 | 10 | |
通販・ショッピング | 15 | 20 | |
信金・労金 | 265 | 265 | |
信用組合 | 57 | 63 | |
農協・漁協 | 646 | 552 | |
その他 | 4 | 32 |
登録数に制限はないが、連携に対応している金融サービスが少ない『Zaim』
『Zaim』は登録できる金融サービス数に制限がないため、複数の銀行口座やクレジットカードを管理したい人におすすめです。
ただし、『マネーフォワード ME』と比べてQRコード決済や投資信託、一部のポイントサービスなど、対応していない金融サービスが多いため、すべてを管理したい人にはやや使い勝手が悪いと感じてしまうでしょう。現金やクレジットカード決済が多く、おおよその収支記録をつけたい人に向いています。
外部リンク:Zaim 自動取得に対応する連携先
また、『マネーフォワード ME』と違い、『Zaim』は登録された収支を細かく編集できるのも魅力のひとつです。タグや写真を追加したり、費目や金額の変更が可能なので、自分の管理スタイルに合わせた柔軟な使い方ができます。
筆者は、現金を引き出した際に「プレゼント」や「ご褒美」などのタグをつけて管理しており、シンプルながらもカスタマイズしやすい点を評価しています。
対応金融サービスが多いが、無料では4件しか登録できない『マネーフォワード ME』
QRコード決済や投資信託、ポイントサービスなどを使っている人は、『マネーフォワード ME』がおすすめです。『マネーフォワード ME』は、家計簿アプリの中でも最多の2,454件の金融サービスと連携が可能。これは、1,319件の金融サービスと連携できる『Zaim』よりも多い数字です。
外部リンク:マネーフォワード ME 対応金融関連サービス一覧
ただし、『Zaim』と比較すると無料プランでは最大4件の金融サービスしか登録できないため、複数サービスを管理したい人は月額480円からの有料プランへの切り替えが必要です。使っている金融サービス数が少ない人、もしくは有料でもすべての金融サービスを管理したい人に向いています。
また、『Zaim』は金融サービスを利用した翌日から一週間以内に収支が記録されるのに対し、『マネーフォワード ME』では利用当日から翌日にかけて反映されるため、タイムリーな管理が可能です。前日の収支を確認して「使いすぎを防ごう」と意識できるので、貯金を目指している人にも便利です。
金融サービスと連携できるほかのアプリのランキングはこちらの記事でご紹介しています。
現金派は「レシート読み取り機能」にも注目すべし!
現金決済がメインの人が家計簿アプリを選ぶ際に注目したいのは「レシート読み取り機能」です。『Zaim』と『マネーフォワード ME』はどちらもこの機能を備えていますが、使い勝手には大きな違いがあります。
長いレシートを読みとるなら『Zaim』
結論から言うと、現金派には『Zaim』がおすすめです。
『Zaim』では「長尺モード」を使えば、どれだけ長いレシートでも読み取りができ、他のカメラアプリで撮影したレシート画像を後から取り込むことも可能。また、支出総額と品目一覧の両方を登録できるので、過去のお買い物を振り返りやすいと感じました。
一方、『マネーフォワード ME』は、レシートを読み取ると金額と購入品目を登録できるものの、長いレシートの読み取りに対応しておらず、30cm以上のレシートは読み取れませんでした。また、登録できるのは支出総額か品目一覧のどちらかだけで、支出総額を登録してしまうと、内訳を振り返る事ができなくなります。
レシート読み取り機能に対応した家計簿アプリのランキングはこちらの記事で紹介しています。
メモや電卓などの機能は引き分け
自販機での飲み物購入など、レシートが発行されない支出が多い場合は、手入力機能も気になるところ。『Zaim』と『マネーフォワード ME』には、どちらも手入力で収支を登録する機能があり、電卓やメモ機能も完備されています。
そのため、手入力が多い人は、どちらのアプリを選んでも大きな違いは感じないでしょう。
節約をしたい人は分析項目が豊富なことが重要!
家計簿アプリを選ぶ際、支出の詳細な分析ができるかどうかは節約に直結します。長期的な総資産額の分析を行うにはどちらのアプリも有料プランが必要ですが、短期間の分析なら無料プランでも充実した機能が利用できます。
収支のグラフや費目ごとの分析は『マネーフォワード ME』
結論から言うと、より詳細な分析を重視するなら『マネーフォワード ME』を選びましょう。
『マネーフォワード ME』では、収支を大分類・中分類で円グラフ化できるため、各費目にどれだけの支出が集中しているかを簡単に把握できます。
また、銀行口座や株式投資、投資信託の各残高の推移を月ごと・年ごとで閲覧することも可能。さらに、家計管理で困った際には、無料でファイナンシャルプランナーに相談できるサービスも提供されています。
『Zaim』は収支の詳細な分析に不向き
『Zaim』では、収支を大分類でしか円グラフ化できず、無料プランでは新しい大分類を追加することができません。特定の支出を細かく分けて管理したい場合には不便を感じるでしょう。
また、無料プランでは直近1ヵ月の残高しか確認できないほか、無料の相談サービスも提供されていないため、将来に向けた貯金計画を立てる際には不安を感じるかもしれません。
視覚的な観点では、円グラフの並び順やアプリ内のアイコン表示など『Zaim』のほうが見やすいと感じる箇所は多々あります。しかし、分類のカスタマイズや1年間のデータを無料で閲覧できる機能など、分析面での使い勝手を考えると、やはり『マネーフォワード ME』が優れていると感じました。
『マネーフォワード ME』でより詳しく収支を分析したい人は、プレミアム版の登録を検討してみましょう。無料版とプレミアム版の違いはこちらの記事で解説しています。
どちらのアプリもセキュリティは万全! 二段階認証などパスコードロックあり
『マネーフォワード ME』と『Zaim』は、どちらも基本的なセキュリティ機能をしっかりと備えており、安全に利用できるアプリです。アプリ内の個人情報はSSL(Secure Socket Layer)による暗号化で守られているほか、万が一ログイン情報が漏洩した場合には、二段階認証でアカウントへの不正アクセスを防ぐことができます。
また、パスコードロックや不正アラート機能も提供されており、アプリ内での情報漏洩を防止するための仕組みが整っています。加えて、連携されている金融サービスの情報はデベロッパーによって厳重に管理されており、過去に大きなセキュリティトラブルも報告されていません。
『マネーフォワード ME』と『Zaim』は家計簿アプリの中でも安全なほうですが、ほかの家計簿アプリにはどのような危険があるのか、詳しくはこちらの記事で解説しています。
『Zaim』と『マネーフォワード ME』の機能を比較
これまでの説明を踏まえて『Zaim』と『マネーフォワード ME』の主な機能を比較表にまとめたので、自分に合った家計簿アプリを見つけてください!
Zaim |
マネーフォワード ME | |
---|---|---|
登録できる 金融サービス数 |
無制限 | 無料:4件 有料:無制限 |
金融サービス連携先 | 1,319件 公式サイト |
2,454件 公式サイト |
レシート読み取り | ◎ 長尺モード:あり 写真のインポート機能:あり 品目の登録:あり |
◯ 長尺モード:なし 写真のインポート機能:なし 品目の登録:なし |
手入力機能 | ◯ 電卓:あり メモ:あり |
◯ 電卓:あり メモ:あり |
収支グラフ | ◯ 週・月・年ごと 一覧で大分類のみ表示 |
◎ 月・年ごと 一覧で大分類・中分類を表示 |
残高推移グラフ | ◯ 直近1ヵ月のみ |
◎ 月ごと・年ごとの推移 |
お金の相談サービス | ✕ | ◯ |
SSL | ◯ | ◯ |
二段階認証 | ◯ | ◯ |
不正アラート | ◯ | ◯ |
パスコードロック | ◯ | ◯ |
運営会社 | 株式会社くふうAIスタジオ | 株式会社マネーフォワード |
料金プラン | iOS・Android:480円~ Web:440円~ 公式サイト |
iOS:480円~ Android・Web:500円~ 公式サイト |
リンク | https://app-liv.jp/5293/ | https://app-liv.jp/757564/ |
『Zaim』と『マネーフォワード ME』、それぞれのアプリに向いている人の特徴を紹介します。
Zaimはこんな人におすすめ
- 5件以上の金融サービスを利用している
- 現金決済が多い
- 日々の収支記録をつけたい
『Zaim』の詳しい使い方を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
マネーフォワード MEはこんな人におすすめ
- 最大4件の金融サービスを管理したい
- キャッシュレス決済やポイントサービスを利用している
- 株式や投資信託を含めた資産総額を管理したい
『マネーフォワード ME』の詳しい使い方を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
どちらも選び難い人には『リンククロス 家計簿』もおすすめ
『マネーフォワード ME』と『Zaim』の両方に長所があるため、どちらを選ぶべきか迷ってしまった人におすすめしたいのが『リンククロス 家計簿』です。『リンククロス 家計簿』は、両アプリの特徴をバランスよく取り入れた機能を提供しています。
無料で登録できる金融サービス数は10件以内
『リンククロス 家計簿』では、無料版でも最大10個までの金融サービスを登録できます。これは、制限なく金融サービスを登録できる『Zaim』に比べれば少ないものの、最大4件しか登録できない『マネーフォワード ME』に比べれば多く、家計管理をするには十分な数です。
アプリ名 | 登録できる金融サービス数 |
---|---|
Zaim |
無制限 |
リンククロス 家計簿 |
最大10件 |
マネーフォワード ME |
最大4件 |
連携できる金融サービスは『マネーフォワード ME』と同じ
『リンククロス 家計簿』は、『マネーフォワード ME』と同じデベロッパーが運営しているため、連携に対応している金融サービスが同じです。アプリ内のデザインもほとんど違いがないので、筆者は利用する金融サービスが増えたタイミングで『リンククロス 家計簿』に乗り換えました。
グラフ表示やお金の相談サービスなども使える
さらに、『リンククロス 家計簿』では、家計診断や家計資産レポート、生涯年収の分析など、『マネーフォワード ME』や『Zaim』にはない独自のサービスを無料で利用できます。自分でグラフを見て分析するのが難しいと感じた人は使ってみるとよいでしょう。
結論:現金派は『Zaim』、キャッシュレス派は『マネーフォワード ME』
家計簿アプリを選ぶ際には、利用している金融サービスの数と種類が重要です。現金決済がメインの方には、豊富な金融サービスを登録でき、レシート読み取り機能が優秀な『Zaim』が最適。一方で、キャッシュレス決済を活用している方には、電子マネーやクレジットカードなど、幅広い金融サービスと連携できる『マネーフォワード ME』が便利です。
ただし、「どちらかひとつに決められない……」という人は『リンククロス 家計簿』を選択肢に入れてもよいでしょう。『リンククロス 家計簿』は、無料で10件まで金融サービスを登録でき、『マネーフォワード ME』と同じ連携サービスを利用しながら、詳細なグラフ表示やお金に関する相談機能も備えています。
利用している金融サービスにあった家計簿アプリを選んで、無理のない家計管理を実現しましょう!
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