Meta Platforms, Inc.(以下、Meta)は、日本国内で利用されている『Instagram』において、保護者の管理のもとで10代の利用者が安全にサービスを利用できるようにする「ティーンアカウント」を提供しています。
ティーンアカウントは、13歳から17歳のユーザーを対象に、利用時間や機能を制限したり、保護者が利用状況を見守ったりできる仕組みです。現在は『Instagram』限定の機能ですが、今後は『Facebook』や『Messenger』にもティーンアカウントの導入が予定されています。
この記事では、『Instagram』のティーンアカウントでできることや、保護者が設定・管理できる内容について詳しく解説します。
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『Instagram』、保護者の管理化で利用範囲を変更できる「ティーンアカウント」の提供を開始
元々、18歳未満は「非公開アカウント」が基本
『Instagram』ではこれまで、18歳未満のアカウントは、元々自動的に「非公開アカウント」に設定されていました。これは、知らない人からのフォローやDM(ダイレクトメッセージ)を防ぎ、サービスを安全に使えるようにするための取り組みの一環でした。
『Instagram』がこれまでに行ってきた取り組み
- 18歳未満の利用者をデフォルトで非公開アカウントに設定
- 悪意のある可能性が高いアカウントから、18歳未満の利用者を見つけにくくする仕組みの実装
- 18歳未満の利用者へリーチする広告に関して、広告主がもつ選択肢の制限
こうした対策は、18歳未満の利用者を守るために大切でしたが、一方で若年層のクリエイターにとっては「フォロワーを増やしにくい」「発信が広がりにくい」と感じる要因にもなっていました。
この課題に対応するために導入されたのが「ティーンアカウント」です。13〜17歳のユーザーを対象に、安全にSNSを使いながら、発信の自由度も少しずつ広げられるよう設計されています。
ティーンアカウントはいつから適用された?
日本では2025年1月21日から、13〜17歳の利用者を対象に『Instagram』のティーンアカウントが導入されました。
現在では、13〜17歳のすべてのユーザーが自動的にティーンアカウントに設定されています。新しくアカウントを作成する場合も、対象年齢であれば最初からティーンアカウントとして利用することになります。
Instagramの「ティーンアカウント」でなにが変わる?
「ティーンアカウント」に設定されたアカウントは、DM(ダイレクトメッセージ)のやりとりや、タグ付け、表示される投稿の内容などが、大人のアカウントとは少し異なります。
具体的な違いは以下のとおりです。
デフォルトで非公開アカウントに設定される
ティーンアカウントは、最初から「非公開アカウント」として設定されます。知らない人にフォローされたり、フォロワー以外のユーザーから投稿を見られたりする心配がありません。
メッセージを送受信できるユーザーが制限される
DM(ダイレクトメッセージ)のやりとりができるのは、自分がフォローしている相手か、フォローされている相手だけ。知らない人からいきなりメッセージが届くことはありません。
不適切なコンテンツの表示が制限される
発見タブやリールで表示される投稿は、あらかじめ安全性の高い設定が適用され、暴力的な内容や美容整形をすすめる投稿など、刺激の強いコンテンツは表示されにくくなっています。
タグ付け・メンションできるユーザーが制限される
タグ付けやメンションができるのは、自分がフォローしているアカウントだけ。また、コメントやDMに攻撃的な言葉が含まれている場合は、自動で非表示になる仕組みも備わっています。
利用時間のリマインダーがある
1日あたり60分以上『Instagram』を利用すると、アプリを閉じるように通知が届きます。
スリープモード中は通知がミュートになる
午後10時から午前7時まではスリープモードが適用され、通知がミュートになります。また、この時間帯に受信したDMには自動で返信メッセージが送られる仕組みになっているので、返事が遅れても相手に失礼になりません。
13〜15歳は保護者の許可がないとライブ配信ができない
ティーンアカウントのうち13〜15歳のユーザーは、ライブ配信を行うときに、保護者の許可が必要です。ライブを始めようとすると、保護者にリクエストが送られ、承認されないとライブを開始することはできません。
DMで送られてきた不適切な画像は自動でぼかし表示
ティーンアカウントのうち13〜15歳のユーザーは、DM(ダイレクトメッセージ)で不適切な画像が送られてきた場合、自動でぼかされる「ヌード保護」機能がオンになっています。
ティーンアカウント設定で保護者が管理できることは?
ティーンアカウントでは、保護者が子供の『Instagram』の使い方を見守れる「ペアレンタルコントロール」という機能が用意されています。利用できる主な機能は次のとおりです。
会話をしている相手を把握する
子供のメッセージ内容を確認することはできませんが、過去7日間に誰にメッセージを送信したかを把握することが可能です。保護者が知らないユーザーとのやりとりが急に増えた場合など、トラブルの兆しに早めに気づくことができます。
1日の利用時間を制限できる
子供の1日あたりの『Instagram』の利用時間を設定できます。指定した時間に達すると、アプリへのアクセスが自動的に制限されるので、使いすぎを防げます。
特定の時間帯の利用を制限できる
簡単な設定で、夜間や指定した時間帯に『Instagram』の利用を制限できます。スマホの使いすぎや夜更かし対策に便利です。
一部機能の管理や表示を制限できる
13〜15歳のティーンアカウントでは、保護者が一部の機能を管理したり、表示される内容を制限したりできます。
前述の「Instagramの『ティーンアカウント』でなにが変わる?」でも触れたように、ライブ配信は保護者のInstagramアカウントで承認されないと開始できません。また、DM(ダイレクトメッセージ)に不適切な画像が含まれていた場合は、自動でぼかしが入る「ヌード保護」の設定も可能。
フォロワー同士のやり取りであっても、不適切なコミュニケーションや画像が共有されないようにする仕組みです。
10代ユーザーが安心して使えるように、保護者がサポートを
『Instagram』のティーンアカウントは、10代のユーザーがサービスを安心・安全に使えるようにするための仕組みです。
とはいえ、どんなに機能が充実していても、完全にトラブルを防げるわけではありません。困ったときにすぐ相談できる関係をつくり、使い方のルールを親子で話し合って決めることが何よりも大切です。
『Instagram』をきっかけに、親子でSNSとの付き合い方を考えてみるのもよいかもしれませんね。
(文・かがわまなみ)
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