生活費の中でも、一番節約しやすいのは食費です。特に自炊は誰でも始められ、食費を大きく節約できることもあります。かくいう筆者も、自炊のおかげで赤字を脱した1人です。

本記事では筆者の実体験も織り交ぜつつ、自炊で簡単に節約するコツや、おすすめの食材をご紹介。自炊と聞いて、料理を作ることに抵抗がある人もいるかもしれません。しかし実は意外とゆる~い姿勢でも、自炊は続けられるのです!

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この記事をまとめると・・・

  • 自炊中心の食生活は食費の節約におおいにつながる
  • 効果的に食費を節約するためには毎月の予算をきめることが大切
  • 予算の管理は自動で収支を記録できる『マネーフォワード ME』がおすすめ
生活費全体の節約にも役立つ!
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適正な食費は月収の10~15%

適正な食費は月収の10~15%

1ヶ月あたりにかける適正な食費は、一般的に月収の10~15%が目安とされています。たとえば手取り20万円なら、2~3万円ほどになります。

実際に総務省が発表している2022年の家計調査を見てみると、一人暮らしの男女勤労世帯における、1ヶ月の手取り月収と食費の平均は以下の通り。おおむね適正とされる範囲に収まっています。

男女・年齢別の1ヶ月あたりの食費平均

男性・34歳以下 男性・35~59歳 女性・34歳以下 女性・35~59歳
可処分所得 316,989円 361,456円 251,135円 305,763円
食費 37,823円 45,555円 30,921円 40,909円

※可処分所得=税金や社会保険料などを除いた、自由に使える手取り収入のこと

勤労者の方が学生よりも食費が多い。原因は外食にかけるお金

学生と勤労者とでは、勤労者のほうが食費が増える傾向にあります。全国大学生協連が行った「第58回学生生活実態調査」によると、下宿生活をしている大学生が1ヶ月にかける食費の平均は24,130円(2022年)。

勤労者になるとより食費が伸びるのは、忙しさで食事を作る暇がなくなり、また職場での飲み会もあるためと考えられます。余計な外食を削ることが、食費節約の第一歩です。

節約するなら自炊中心の食生活を

節約するなら自炊中心の食生活を

食費を節約する上で最も有効なのは、外食を減らして自炊を中心にすること。食材や献立を自分で決められるため、栄養バランスを考えた食事もしやすくなります。

自炊にすると、1ヶ月で2万円近く食費を節約できる

外食中心の食生活から自炊中心に切り替えると、1ヶ月あたり2万円近くの節約になることも。ここでは筆者のある日の食生活を例に、自炊を始める前と後でどう変わったか比較してみましょう。

外食が中心だった頃の筆者の食事

食べたもの(金額)
トースト(食パン1枚25円)
牛丼(外食400円)
ラーメン(外食800円)
合計 1,225円

これを毎日とすると、単純計算で1ヶ月あたり1,225×30=36,750円。夜は家で食べるときもありましたが、買い食いがほとんどだったので、大抵3万円はかかっていました。

当時の筆者の手取り月収はおよそ17万円だったので、適正の10~15%(2万円前後)をオーバーしています。さらに転職して住民税をまとめて払った直後で、貯金もありませんでした。そんな中この食生活を続けていたため赤字は当たり前で、一文なしの危機に……!

続いて、自炊を中心とした食生活に改善した後の支出状況を見てみましょう。

自炊を中心にしてからの筆者の食事

食べたもの(金額)
トースト(食パン1枚25円)
サラダ(レタス3枚20円)
=合計45円
炒飯(米200g30円+卵1個20円
+シーフードミックス100g100円)
=合計135円
肉野菜炒め(鶏むね肉300g130円
+ブロッコリー100g30円+エリンギ1本50円)
ご飯(米200g30円)
=合計240円
合計 435円

これを毎日とすると、単純計算で1ヶ月あたり435×30=13,050円。外食中心の頃に比べ2万円ほど安くなっています。また食材から何か作るという選択肢ができたため、朝食に手軽な1品を加えられるように。

これはやや切り詰めすぎですが、本当にお金がない中で猛省し、自炊を始めた頃はこのくらいでした。貯金をする余裕ができたので、無事に生活を持ち直せました。今では自炊を続けつつ、たまに外食や贅沢もできています。

自炊で節約するためのポイント

自炊で節約するためのポイント

自炊で節約するためのポイント

  • 支出の記録をもとに、毎月の予算を決める
  • 鶏肉や豆腐などの安い食材を買う
  • コンビニよりもスーパーで買う方が安い
  • 食材は無駄にしないよう使い切る。余ったら冷凍保存
  • 料理を作り置きすれば、食材が無駄にならない

料理の習慣がつけられず食材を無駄にしたり、食材の費用が高すぎたりすると、あまり節約の効果が出ないことも。ここでは効果的に節約するための自炊のコツを紹介します。

支出の記録をもとに、毎月の予算を決める

お金の使いすぎを防止するには、今までの支出をもとに予算を設定しておくのが効果的です。いきなり食費を削ろうとしても、目標が厳しすぎては続きません。無理のない範囲で予算を決めましょう。

今までの支出をチェックするには、家計簿をつけるのがいいでしょう。特に家計簿アプリは計算が自動で行われるので、初心者でも手軽に家計を記録・確認できます。

ここでは家計簿アプリ『マネーフォワードME』を使った支出管理の手順を紹介します。

  • STEP1

    食費をもれなく記録する

    食費をもれなく記録していきます。自炊の食材も外食費も、クレジットカードにまとめておけば、口座連携で自動記録できます。電子決済のできない出費は手動で記録するか、レシート読み取り機能を活用しましょう。

  • STEP2

    外食費を振り返る

    現金支払いの時はレシート読み取りを活用しよう

    一定期間(1ヶ月分あるとベスト)食費を記録したら、家計簿の振り返りを行います

    まずは食費の中でも特に削りやすい外食費に注目しましょう。外食費を自炊に置き換えるだけで大きな節約になる可能性があります。

    口座連携での記録の場合は店名が記録されているので、それをもとにカテゴリーを振り分けます。現金決済はその都度レシート読み取りで記録しましょう。

  • STEP3

    自炊の食材費を振り返る

    簡単なメモを残しておくとわかりやすい

    外食費を差し引いても食費が多いなら、自炊の食材費の見直しを行います。使いきれない野菜・肉類を買っていないか、お菓子やお酒などの嗜好品を買いすぎていないかチェックしましょう。

    電子決済だと食材費の内訳まで確認できないので、レシートはなるべく保存しておくのがポイントです。

  • STEP4

    予算を設定する

    洗い出した現状の課題をもとに、予算を設定します。最終的には食費を手取りの15%ほどに抑えられると、十分に節約ができているといえるでしょう。

    とはいえ、最初からハードすぎる節約プランを立てるのは、ストレスが溜まって挫折の原因になります。まずは外食を2回減らしてみる、お酒を買う頻度を減らすなど、ちょっとしたアクションから始め、慣れてきたら徐々に負荷を強めていくのがおすすめです。

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鶏肉や豆腐などの安い食材を買う

節約するからには、安い食材を中心に購入しましょう。代表的なものは鶏肉や豆腐などです。高い食材ばかり買っていては、結局外食よりお金がかかってしまうことも。ボリュームや栄養がありつつ、値段も安い食材はたくさんあります。

自炊におすすめの食材はこちら

コンビニよりもスーパーで買う方が安い

食材はコンビニよりもスーパーで買う方がお得です。特売日などのセール中はさらに安く買えるでしょう。近所に複数の店舗がある場合は、よく使う食材を安く買えるお店がおすすめ。特に業務スーパーは、多くの食材が他店より安くなっています。

また特売日の前日や閉店間際になると、商品に値引きシールが貼られて安く買えることがあります。スーパーの特売日は店が混み、目当ての食材を買えない場合もあるので、こうした半額商品を買うのもアリでしょう。

ただし半額や割引は賞味期限が近いなどの理由もあるので、買ったら早めに使い切るか、冷凍保存するのがおすすめです。

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買い物は週1~2回にして、出費の機会を減らす

買い物は週1~2回にまとめましょう。買い物の機会が多いと、余計なものを買うことも増えてしまいます。また買い物の回数を少なくすることで、記録の手間も少なくなります。

【筆者の体験談】
筆者が自炊を始める前は、ほぼ毎日コンビニなどに寄っていたので、つい目についたお菓子やお酒を買ってしまうことが多々ありました。1回は小さな出費でも、重なると大きな痛手になります。

食材は無駄にしないよう使い切る。余ったら冷凍保存

買った食材は使い切るようにしましょう。週に1回、冷蔵庫が空になるくらいが目安です。腐らせるなどして捨ててしまうのは、お金を損しているのと同じ。安いからと大量に買って余らせるより、多少高くても小分けされた食材を買う方が無駄にならないこともあります。

余った食材は冷凍保存するのがおすすめ。安いときに買っておいて、好きなときに使えます。ただしきゅうりやレタスといった水分の多い野菜、卵などの冷凍に向かない食材も。それらは優先的に使っていきましょう。

また食材を分類し、冷蔵庫の中で置く場所を分けると、在庫を把握しやすくなります。どの食材が余っているか確認していないと、まだ残っている食材を買ってしまい使い切れなくなることも。見やすいかたちで保管することが大切です。

食材は無駄にしないよう使い切る。余ったら冷凍保存

【筆者の体験談】
筆者は食材の管理が下手なため、そもそも冷凍で売られている肉や野菜を多く使っています。特に業務スーパーや大きなスーパーでは、500gなど多めかつ安く買えるので、コスパと保存の両方において助けられています。

料理を作り置きすれば、食材が無駄にならない

あらかじめ調理して保存しておく作り置きも、余った食材の保管に有効。特に焼いたり炒めたりする料理は冷凍保存に向いています。さらに温めるだけですぐ食べられるので、料理を作る暇がない日にも自炊料理でまかなえるのも嬉しいところ。

また無理に作り置きせず、食材を切っておくなどの下ごしらえをした状態で保存するのもアリ。調理をラクにしつつも、メニューが固定されないので飽きにくく、食材を消費しやすくなります。

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挫折せずに自炊を継続するコツ

挫折せずに自炊を継続するコツ

挫折せずに自炊を継続するコツ

  • 特定の日だけご飯を炊くだけなど、部分的な自炊から始める
  • 「レンジでチン」「焼くだけ」といったお手軽な料理を中心にする
  • たまには外食する日を設けてメリハリをつける
  • 使う食器を少なくまとめるなどして、片付けの手間を減らす

いきなり本格的な自炊をするのは大変なので、まずはできる範囲で自炊をするのが継続のコツ。最初から毎日すべて自炊できなければいけない、というわけではないのです。ここでは初心者が自炊を続けやすくするための対策を紹介します。

特定の日だけご飯を炊くだけなど、部分的な自炊から始める

まずは特定の曜日だけ自炊をするなど、段階的に自炊を始めてみるのがおすすめです。慣れないうちから毎日自炊をすると、疲れてしまい続かないことも。

忙しいときはご飯だけ炊き、おかずはお惣菜や冷凍食品で済ませるのもラクでしょう。それでも外食をするよりは食費を抑えられます。

また料理をすると決めた日に数日分をまとめて作り置きしておくと、忙しい日にも食費を節約できます。これも全メニューを作らなくてもOK。ご飯のみやおかずのみをまとめて作っておくだけもラクになります。

「レンジでチン」「焼くだけ」といったお手軽な料理を中心にする

最初は手間のかからない料理から作るのがベター。いきなり難しい料理に挑戦すると、手間がかかったり失敗したりしてストレスになってしまいます。レンジでチンするだけ、フライパンで焼くだけなどの料理は特に簡単なのでおすすめです。

忙しいときは、セブンイレブンなどが提供しているミールキットを使うのもアリ。1食分の食材とレシピがセットになっており、短時間で調理ができます。献立を考える必要もありません。

料金の相場は1食あたり500円ほどと少し高め。しかし食材を余らせる心配がなく、ものによっては食材があらかじめカットされているなど、自炊の負担を大きく減らしてくれます。

たまには外食する日を設けてメリハリをつける

たまには息抜きに外食をしても構いません。節約を目標に自炊をしていると、料理の手間がかかる割に、食生活は質素になりやすいもの。ストレスの反動で思わぬ散財をしたり、挫折したりするよりは、自分へのご褒美として外食をする日があってもいいでしょう。

ただし外食にお金を使いすぎては本末転倒。食費とは別に、外食用の予算を決めておくと安全です。

使う食器を少なくまとめるなどして、片付けの手間を減らす

後片付けの手間を減らす工夫をすると、より自炊の負担を減らせます。料理をした後の片付けはひときわ面倒なため、それがもとで自炊が続かなくなることも。そこでワンプレートで食べられる料理を作る、ホイルシートを使うなどして、食器や調理器具を少なくまとめるとラクになります。

また調理グッズを使って、スムーズに料理をするのも有効です。たとえばフリーザーバッグは手を汚すことなく具材を混ぜる、食材を密封して冷凍保存するなどができます。またホイルシートはフライパンに敷くことで油を使わず調理でき、油汚れや焦げつきを掃除する手間を省けます。

安くて便利なおすすめ食材11選

安くて便利なおすすめ食材

  • お米
  • パスタ
  • 鶏むね肉
  • ひき肉
  • 豆腐
  • きのこ
  • わかめ
  • もやし
  • 納豆
  • 缶詰

自炊の食材選びにおいて、安さはもちろん、ボリュームや栄養も重視すべき要素。ここでは安いだけでなくボリュームや栄養も兼ね備えた、おすすめの食材を紹介します。

自炊には欠かせない最強の主食「お米」

自炊には欠かせない最強の主食「お米」

ご飯はお茶碗1杯(200g)あたり30円程度とコスパが良好。炊飯器で炊くだけなのでラクな上、一度にまとめて炊きやすく、ラップに包んで冷凍保存もできます。炊き込みご飯などのアレンジもしやすいでしょう。

茹でてソースをかけるだけで作れる「パスタ」

パスタは1食(100g)あたり20円とこちらも安めで、茹でる前なら保存も利きます。市販のソースが使えるため、連続で食べても飽きにくいのもメリット。ソースを買っても1食あたり80円程度増えるだけなので、お手軽さと安さを両立できます。

肉では最安。タンパク質豊富でボリューミーな「鶏むね肉」

鶏むね肉は2kgで900円ほどと肉の中で最も安く、タンパク質も豊富。炒めものや揚げ物に向いています。脂が少ないので、健康に気をつかう人にもおすすめ。

【筆者の体験談】
パサパサした印象がありますが、料理酒に漬ける、片栗粉をまぶして焼くなどの工夫でふっくらした食感に。特に刻んだ舞茸と一緒に漬けると、鶏肉とは思えない柔らかさになります。

色々な料理に使えて、調理も手軽な「ひき肉」

ひき肉は100gあたり100円ほどで買えるほか、火が通りやすいので調理しやすいのも強みです。ガパオライスや肉豆腐など、使える料理の幅も広め。肉をがっつり食べたいときには、ハンバーグなどにするのもアリです。

栄養満点で料理のバリエーションも多い「卵」

卵は1個あたり20円と安く、栄養価も高いのが特長。目玉焼きやゆで卵など使える料理も多く、何か1品欲しいときにボリュームと栄養をプラスできます。また他の食材との相性もよく、親子丼やオムライスも作れます。

低カロリーで使いやすく、そのままでも食べられる「豆腐」

豆腐は1丁あたり30円ほど。タンパク質がありながらもカロリーが低いので、脂質を気にする人にはぴったりです。麻婆豆腐や鍋物、味噌汁の具など多彩に使えるほか、調理が面倒ならそのままでも冷奴として食べられます。

種類が多く旨味もたっぷり。和洋中どれでも使える「きのこ」

種類が多く旨味もたっぷり。和洋中どれでも使える「きのこ」

きのこはエリンギやしめじ、なめこなど種類が多く飽きにくいのが特長。風味が豊かで、色々な料理にアレンジできます。100円ほどで買える割に、ビタミンDや食物繊維など栄養も満点。

乾燥タイプなら長期保存も可。さっぱり食べられる「わかめ」

わかめは乾燥した状態では長く保存でき、水ですぐ戻せてお手軽。50gで200円ほどですが、増えるので満足感は充分です。味噌汁やスープの具になるほか、サラダや酢の物などさっぱりしたレシピに向いています。

安い食材と言ったらコレ。茹でても炒めてもおいしい「もやし」

もやしは20~30円ほどと野菜の中でも随一の安さ。見た目の割にカリウムやビタミンCなどの栄養もあります。クセがなく色々な料理と合うので、使いやすいのもメリットです。

朝ごはんのおともに。アレンジレシピも多彩な「納豆」

納豆は3パック100円ほどと安く買えるほか、日持ちもします。ご飯のおともにそのままでも食べられますが、オムレツやパスタなどのアレンジレシピも多数あります。

買っておくといざという時に役立つ。長期保存が利く「缶詰」

缶詰は保存が利くので、食材が足りないときに手軽に使えます。1缶100円程度なので、負担にもなりません。トマト缶はパスタのソースに、サバ缶は煮物にと、中身に応じて使い分けましょう。

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