音楽編集ソフト・アプリは、楽曲制作だけでなく、勉強や仕事など幅広い分野で使われています。この記事では、たくさんあるツールのなかから編集部がおすすめする音楽編集ソフト・アプリを5つ紹介します。ツールの選び方も解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
無料の音楽編集アプリおすすめ7選! カットやピッチ変更可能【MP3対応】
音楽編集アプリとは?
音楽編集ソフト・アプリとは、音楽や音声ファイルを編集できるツールです。音声のカット、コピー、分割、ノイズ除去、ピッチの変更などができ、音楽制作やポッドキャストの制作、ライブ音源の編集など、多岐にわたる用途で利用されています。
最近では、AIを活用した高度な編集機能を提供するツールも増えており、編集時間の大幅な短縮や、より精緻な編集ができるようになっています。
音楽編集におすすめのアプリ7選
Audition
波形編集 | ○ | 打ち込み | × |
---|---|---|---|
録音 | ○ | エフェクト | ○ |
イコライザー | ○ | 同時に扱えるトラック数 | 制限なし |
再生できるファイル形式 | MP3、MP2、RAW、WAV、IFFなど | フリー音源 | ○ |
このソフトのおすすめポイント
- プロフェッショナルな音楽制作に適した高度な機能
- マルチトラックエディターを使用して複数のオーディオファイルからミックスダウンが可能
- Premiere Proとシームレスに連携でき、映像作品のオーディオ編集が効率的
『Adobe Audition』は、豊富な機能が搭載されたプロも利用する音楽編集ソフトです。オーディオの録音、ボリューム変更、フェードイン、フェードアウトの適用、スタジオリバーブの追加など、多機能な編集作業が可能。
マルチトラックエディターを使用して複数のオーディオファイルからミックスダウンを行うことができ、ダイナミックス操作エフェクトを利用して、ナレーション音声にあわせて音楽のレベルを自動的に下げるといった編集もできます。
さらに、『Premiere Pro』とのシームレスな連携により、映像作品のオーディオ編集を効率的に行うことが可能に。これらの機能により、『Audition』はプロの音楽制作者だけでなく、音楽制作を趣味とする人々にとっても非常に有用なツールと言えます。
Audacity
波形編集 | ○ | 打ち込み | ○ |
---|---|---|---|
録音 | ○ | エフェクト | ○ |
イコライザー | ○ | 同時に扱えるトラック数 | 無制限 |
再生できるファイル形式 | WAV、AIFF、MP3、AU、FLACなど | フリー音源 | × |
このソフトのおすすめポイント
- 高機能な無料の音楽編集ソフトで、マルチトラック編集に対応
- 音声ファイルの内容はグラフ(波形・スペクトラム)を見ながら編集可能
- 不要な場面のカット、ノイズ除去、ピッチ(音程)やテンポの変更なども可能
『Audacity』は、マルチトラック編集に対応した無料の高機能オーディオエディタです。
不要な部分のカット、指定した部分の複製、音程・テンポの変更、フェードイン・ アウト、リバーブ、各種 VST Plug-inによるエフェクト付加、ノーマライズ、複数ファイルの合成、録音などの機能を搭載しています。
グラフで視覚的に周波数を分析できるため、編集がとてもしやすいのが特徴です。
WavePad
波形編集 | ○ | 打ち込み | × |
---|---|---|---|
録音 | ○ | エフェクト | ○ |
イコライザー | ○ | 同時に扱えるトラック数 | 無制限 |
再生できるファイル形式 | MP3、WAV、VOX、GSM、WMAなど | フリー音源 | ○ |
このアプリのおすすめポイント
- 初心者でも簡単にプロ級の音楽編集が可能な無料ソフト(有料版あり)
- 多機能で、音声ファイルの切り出し、結合や様々なエフェクト設定が可能
- 著作権フリーの無料音楽や効果音を使える
『WavePad』は、初心者でも簡単にプロ級の音楽編集ができるソフトです。音声の切り貼りなどの基本的な編集はもちろん、エコーや音声増幅などの各種エフェクトの追加やノイズの除去など、便利な機能が充実しています。
また、WAVやMP3、VOB、WMAなど、数多くのファイル形式に対応しており、同時に多数のトラックを扱うことが可能です。これらの機能により、『WavePad』は音楽編集の幅を広げ、より高度な編集を可能にします。
音楽編集アプリ
波形編集 | ○ | 打ち込み | × |
---|---|---|---|
録音 | ○ | エフェクト | ○ |
イコライザー | × | 同時に扱えるトラック数 | 無制限(無料版では3) |
再生できるファイル形式 | MP3、AAC、M4A、WAVなど | フリー音源 | × |
このアプリのおすすめポイント
- 楽曲や音声のファイルをカットまたはミックスできる編集アプリ
- 多彩なサウンドエフェクトやノイズ除去といった機能も搭載
- MP3やWAVなど多くのフォーマットに対応。再生環境に合わせられる
音声や楽曲のファイルを編集できるMP3に対応したアプリ。シンプルながら機能は多彩で、音声のカットだけでなく、複数の楽曲の組み合わせも可能です。さらにエフェクトや音域の調整もでき、クオリティを重視する方にも嬉しい機能が充実しています。
またノイズを自動除去する機能もあり、録音データも快適に聴けるようになります。テープ起こしなどビジネス面でも活躍してくれるでしょう。
djay - DJ アプリ& ミキサー
波形編集 | × | 打ち込み | × |
---|---|---|---|
録音 | × | エフェクト | ○ |
イコライザー | ◯ | 同時に扱えるトラック数 | 2 |
再生できるファイル形式 | MP3、AAC、WAVなど | フリー音源 | × |
このアプリのおすすめポイント
- リアルタイムでのキーとトラックの適合度表示機能でプロフェッショナルなミックスを実現
- 有料アプリだが、無料体験版も提供されている
- 初心者はもちろん、音楽愛好家やDJ上級者までおすすめ
『djay - DJアプリ&ミキサー』は、プロ並みのDJ体験ができるアプリです。直感的なインターフェースと豊富な機能を備えており、音楽ライブラリからトラックを選択し、ミックスやリミックスを作成できます。
iTunesやSpotifyなどのストリーミングサービスにもアクセス可能で、自動ミックスやサンプリング、エフェクト、ループ、クロスフェードなどの機能を利用して、プロフェッショナルなDJ体験を楽しめます。
Beat Maker Go
波形編集 | × | 打ち込み | × |
---|---|---|---|
録音 | ○ | エフェクト | × |
イコライザー | × | 同時に扱えるトラック数 | 1 |
再生できるファイル形式 | MP3 | フリー音源 | ○ |
このアプリのおすすめポイント
- ビートパターンを組み合わせてクオリティの高いビートをすぐに制作できる
- プロフェッショナルなエフェクトやミキシングツールを活用してクリエイティブな音楽制作ができる
- 初心者だけではなくオリジナルトラックを創りたいDJ上級者にもおすすめ
『Beat Maker Go』は、AndroidおよびiOSに対応したパワフルなビートメイキングアプリです。DJ初心者でも簡単にビートを作成、編集、演奏できるほか、数百種類のサウンドやサンプル、ループを使用し、リアルタイムでトラックを編集し、音楽をカスタマイズできます。
EZAudioCut
波形編集 | ◯ | 打ち込み | × |
---|---|---|---|
録音 | ◯ | エフェクト | × |
イコライザー | ○ | 同時に扱えるトラック数 | 1 |
再生できるファイル形式 | MP3、AAC、M4Aなど | フリー音源 | × |
このアプリのおすすめポイント
- 音源のカット編集やリバーブ追加が簡単にできる録音アプリ
- 広告視聴をするだけで、音声エフェクトの追加作業もずっと無料
- フォルダを分けて管理可能。タイトル変更で何の音源かもすぐ分かる
誰でも簡単に使える無料の音楽編集アプリ。音源のカットやエフェクト追加が簡単にできるので手軽に音楽を編集できます。また多彩なエフェクトを使いながら、クリエイティブな音声作品が作れます。
さらにフォルダ分け機能で、制作・編集した音源を管理しやすいです。ただマルチトラック対応にはしていないため、複数の音楽を重ねたい人は、ほかのアプリやソフトを利用しましょう。
音楽編集アプリの便利な機能
音楽の編集をするときにあると便利な機能をピックアップ。各アプリごとに機能の比較ができるように表を用意しました。比較表を参考に使用するアプリを検討してみてはいかがでしょうか。
ファイル形式変換 | カット編集 | 録音 | ボーカル除去・強調 | ノイズ除去 | 歪み除去 | |
---|---|---|---|---|---|---|
Audition | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Audacity | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
WavePad | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
音楽編集アプリ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
djay | × | × | ○ | ○ | ○ | × |
Beat Maker Go | × | × | ○ | × | × | × |
EZAudioCut | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
音楽編集アプリの選び方
適切な音楽編集ソフト・アプリを選ぶためには、以下の要素を考慮することが重要です。
必要な機能が備わっているか
音楽編集アプリを選ぶ際に重要なポイントは機能性です。基本的な編集機能だけではなく、トリミングや分割、結合といった基本操作、エフェクトの追加や音量調整などの高度な機能が使いやすいかが重要。
編集した音楽データの音自体も調整できる機能があれば、サイト投稿や動画に付加する音楽を作るときにも便利です。
対応しているファイル形式は豊富か
音楽編集アプリを使用する前に、そのアプリの音楽ファイル形式のサポート状況の確認も重要です。MP3など、一般的な音楽ファイル形式が編集できるかどうか、元はMP3のファイル形式であるものを他の形式へ変換できるかどうかもチェックしておく必要があります。
自分が編集したい音楽ファイルの形式を考慮し、対象のアプリにおいてその形式をサポートしているかも確認しましょう。
予算とニーズとのバランス
現在は無料で利用できる音楽編集アプリが豊富に存在します。無料での一定の機能が使えますが、有料のものはより多くの便利な機能を使ってクリエイティブな音楽を制作できます。
例えば、エフェクトやループが無料で編集できるアプリがあったとしても、他アプリの有料版のエフェクトやループとはクオリティが異なる可能性が高いです。そのため、アプリを利用する個人がどんなトラックを創りたいか、どんな編集をしたいかといったニーズと、予算に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
サポートとアップデートは充分か
音楽編集アプリを長期間使用する場合は、定期的なアップデートがされているか、そして信頼性の高いサポートがあるかが非常に重要です。アップデートが滞っているアプリは将来的に使用できなくなる可能性が高いため、更新頻度が高いアプリを選択すると良いでしょう。
また、サポートの信頼性の高さはアプリ使用中に問題が発生した場合、迅速かつ適切に対応してくれることを意味します。アプリのレビュー欄や、比較サイトの意見を確認し、アップデートの頻度とサポートの品質を把握することが重要です。
試用版で使い心地を確かめる
音楽編集アプリを選ぶ上で大切なのは、まずは試用版を活用し、使い勝手や機能性を実際に体験することです。試用版は、そのアプリの一部機能、または有料版と同様の機能を一定期間無料で利用でき、自分のニーズに合っているかどうかを判断できます。
さらに、アプリ画面の操作性だけではなく自分が音楽を編集するときに必要とする機能の有無、その機能が自分のイメージ通りに動くか、実際に編集したい音楽ファイルを取り込んでみて編集ができるかどうかを確認できます。
試用版ではそのアプリが自分の音楽編集の作業フローに適している、自分のイメージに合った音楽が編集できるかどうかを判断できます。アプリの使い心地を知ることで編集作業におけるストレスを軽減し、効率的に作業できるアプリを選択する手助けとなるでしょう。
音楽編集アプリの活用方法
音楽編集アプリには録音やカット編集、ノイズ除去などさまざまな機能があり、音声編集がしやすくなっています。
動画にナレーションを追加したい場合や、歌ってみた、弾き語りの動画を作る際に音楽編集アプリは役立ちます。
ノイズ除去を行うことで、音声全体を通して聞こえるサーッというホワイトノイズや、ギシギシという椅子がきしむ音まできれいに消せています。
伴奏と歌で音源を分けることで、どちらの音も聞き取りやすいようにボリューム調整ができます。また、ギターの音はそのままに、歌声だけにエコーを追加するといった編集も可能。