その年に最もユーザーへ届けたい優秀なアプリを表彰する「アプリブ Best App Award 2025」の授賞式が、2026年2月12日に東京・新宿にて開催されました。
学習、ショッピング、ヘルスケア、生成AI、家計管理など、多彩なジャンルから全43アプリを表彰。会場となったグレイドパーク新宿駅前には100名ほどが集い、登壇者による受賞コメントとともに、いま多くのユーザーに選ばれているアプリの姿が紹介されました。
本記事では、当日の様子をレポート形式でお届けします。
いま選ばれているアプリが一堂に。「アプリブ Best App Award 2025」授賞式レポート
和やかなムードのなか、授賞式がスタート
▲左:ナイル株式会社 ホリゾンタルDX事業本部 メディア&ソリューション事業部 ビジネスマネージャー 針替健太/右:手渡されるトロフィー
開会にあたり、主催者を代表して登壇したナイル株式会社の針替健太は、数万件のアプリを見つめてきた『アプリブ』の歩みを振り返り、アプリが今や社会を支える重要なインフラへと進化していることに言及。そのうえで、次世代を拓く原動力となるのは、数値では測れない「磨き上げられたこだわり」や「ユーザーへの深い愛」であるとして、本アワードはそうした思いに光を当てる場でありたいと語ります。
多様なジャンルから集った受賞者へ敬意を示すとともに、本会がさらなる飛躍のきっかけとなることへの期待を込め、授賞式は幕を開けました。
各表彰部門の紹介
以下、表彰順に各カテゴリの受賞アプリと、式典当日の模様をダイジェストでお伝えします。残念ながら当日来場できなかった企業についても、会場からは温かい祝福の拍手が送られました。
学習
【最優秀賞】Duolingo
ゲーム感覚で語学力を高められる仕組みを確立した、世界的な教育アプリのトップランナー
【優秀賞】Langaku(ランガク)
人気マンガで英語学習。日英の瞬時切り替えでインプット不足を解消する画期的な学習体験を提供
【優秀賞】ポケモンフレンズ
パズルでポケモンを集める世界観。大人から子供まで楽しめる「ひらめきパズル」の傑作
学習カテゴリは、審査員を務めたアプリブ編集部の伊藤隆史(写真左)よりトロフィーが贈られました。
ショッピング
【最優秀賞】カウシェ
アプリで育てた作物が実際に届き、オンラインをリアルの喜びへつなぐ新感覚のショッピングアプリ
【優秀賞】ジハンピ
自販機購入をシンプルにし多様な決済に対応。徹底したユーザー目線で日常の行動をスマートに変革
【優秀賞】Rocket Now
送料・サービス料無料の圧倒的インパクトで消費者ニーズに鋭く応える注目のデリバリーサービス
続くショッピングカテゴリでも伊藤よりトロフィーが手渡されました。
最優秀賞授与では、株式会社カウシェ代表取締役CEOの門奈剣平氏が登壇。500万ダウンロードを突破し、日本を代表するサービスへと成長を遂げた今も、その視線は常にユーザーに向けているとのこと。数字に表れない「ユーザーへの愛」や「生活への意識」という定性的な側面を評価されたことが何よりうれしいと、喜びをにじませました。
ライフスタイル
【最優秀賞】CHARGESPOT(チャージスポット)
どこでも借りて返せる利便性。充電切れの課題を解消し、都市に欠かせないモバイルインフラへ成長
【優秀賞】母子モ
地域情報や成長記録のデジタル化で親子の笑顔を支える包括的なサポートを実現し、育児のDXを牽引
【優秀賞】OiTr(オイテル)
生理用ナプキンの無料提供という革新的な仕組みで外出先の安心を創出し女性の日常を支える
ライフスタイルカテゴリのプレゼンターも同じく伊藤が担当し、トロフィーが贈呈されました。
最優秀賞の『CHARGESPOT』からは株式会社INFORICH 執行役員 Group CPO 広瀬卓哉氏がスピーチ。サービス開始から7〜8年、今や都市のインフラとして定着した同サービスですが、意外にも「アプリ」としての表彰は今回が初めてだとか。今日まで支えてくれた設置パートナーへの感謝を述べるとともに、改めて気を引き締めると語る姿が印象的でした。
ヘルスケア
【最優秀賞】Pokémon Sleep
睡眠不足という課題に、ポケモンという喜びで回答。枕元に置くだけで眠りが楽しみになる体験を提供
【優秀賞】Disney STEP
ディズニーの世界を現実に融合し、アイテム収集を通じ単なる移動を冒険や健康づくりへと昇華
【優秀賞】キッズドクター
オンライン診療で家族に近い医療を実現。高い社会貢献性で夜間や休診日の不安に寄り添う「救世主」
ヘルスケアカテゴリのトロフィーは、ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーの 鈴木朋子氏(写真左)より手渡されました。
ニュース・防災気象
【最優秀賞】特務機関NERV防災
エヴァの世界観と正確な防災情報を融合させ、高いデザイン性と実用性で若年層の防災意識向上に貢献
【優秀賞】ウェザーニュース
膨大なデータに基づく正確な予報で生活から災害対策まで安全を支える気象インフラの決定版
【優秀賞】Yahoo!天気
リアルタイム投稿機能で情報の鮮度を向上。生活に根ざした機能拡充により不動の地位を築く
ニュース・防災気象カテゴリでも、引き続き鈴木氏よりトロフィーの授与が行われました。
コミュニケーション
【最優秀賞】Threads
既存資産を活かした巧みな設計でXとの棲み分けに成功。新たなテキストベースSNSとして地位を確立
【優秀賞】Jiffcy(ジフシー)
テキストだけで電話のような会話ができる、コミュニケーションの常識を塗り替えた新感覚ツール
【優秀賞】Pairs(ペアーズ)
マッチングをより安全に多様に。ユーザーに寄り添い進化を続ける、信頼厚き定番マッチングアプリ
こちらのカテゴリも、同じく鈴木氏が授与を担当しました。
最優秀賞の表彰で登壇したMetaの小串良輔氏は、世界的に月間ユーザー4億人を突破する中で、特に日本の熱量の高さに注目していると発言。日本独自のトレンドやクリエイターが次々と誕生している現状を報告し、今後も『Threads』がプラットフォームとしての活気を維持していくことに意欲を示しました。
ビジネス・ユーティリティ
【最優秀賞】Google Gemini
Googleサービスとの高度な連携で圧倒的な汎用性を実現し、生成AIを公私問わず身近な存在へ
【優秀賞】Eight
名刺交換をDXし、ビジネスインフラの地位を確立。働き方の変化に寄り添い進化を続ける必携アプリ
【優秀賞】TimeTree(タイムツリー)
直感的な操作と共有性能で予定共有のストレスをゼロに。人々の交流を円滑にしたカレンダーアプリ
ビジネス・ユーティリティカテゴリは、HARS Global Pte. Ltd. Founder and CEOの森下明氏(写真左)よりトロフィーが贈呈されました。
ゲーム
【最優秀賞】Pokémon Trading Card Game Pocket
圧巻のUI/UXで魅了。「コレクション」と「バトル」の楽しさを高い次元で両立させた不動のタイトル
【優秀賞】P5X ペルソナ5: The Phantom X
『ペルソナ5』の世界観をスマホで完璧に再現。高品質なグラフィックとUIでファンを圧倒した意欲
【優秀賞】SDガンダム ジージェネレーション エターナル
あらゆるガンダム作品を手のひらで追体験。戦略性と没入感に満ちたシミュレーションRPGの最新回答
エンターテインメント
【最優秀賞】FOD SHORT(FODショート)
フジテレビ発の短編ドラマを提供。通勤・通学のスキマ時間を上質なエンタメに変える
【優秀賞】少年ジャンプ+
毎日更新される圧倒的な作品数で読者を魅了し、マンガ文化の発信地として進化し続ける公式アプリ
【優秀賞】TikTok
動画とショッピングを融合し、新たな購買体験を創出。トレンドを生み続け圧倒的な影響力を示した
エンターテインメントカテゴリも同じく森下氏よりトロフィーが授与されました。
お出かけ
【最優秀賞】トリファ
eSIMによる簡便な通信購入を実現。複雑さを排除し海外旅行のハードルを劇的に下げた革新的アプリ
【優秀賞】NEWT(ニュート)
Z世代にもわかりやすいUIと手軽な予約体験を両立した、旅行業界に新たな標準をもたらすDXの旗手
【優秀賞】RYDE PASS(ライドパス)
交通チケットのデジタル化で利便性を向上。自治体等と連携しモビリティの力で地域課題の解決に挑む
お出かけカテゴリは、iPhone芸人や家電芸人としても活躍する吉本興業のかじがや卓哉氏(写真左)がプレゼンターを務めました。
「海外旅行の通信における不便を解消したい一心で開発された本アプリが、リリースからわずか1年で快挙を成し遂げ、社員一同の努力が報われた」と顔をほころばせた、株式会社トリファ 代表取締役の嘉名雅俊氏。「アプリひとつで世界とつながる体験」をより広く届けていきたいと、さらなる展望を語りました。
写真・ビデオ
【最優秀賞】Edits
高性能な編集機能を直感的に扱えて、アイデア出しから分析まで完結するSNS動画投稿の強力な味方
【優秀賞】Adobe Premiere
スマホ操作に最適化しプロ級の編集環境を提示。豊富な素材と自動字幕等で動画制作の定番に
【優秀賞】写ルンです+
フィルムの質感はそのままに、デジタルでデータ入手する手軽さを実現。独自の魅力を現代に蘇らせた
写真・ビデオカテゴリも、引き続きかじがや氏よりトロフィーが贈られました。
『Edits』表彰ではMetaの小串氏が再び登壇。クリエイティブな機能を毎週のように追加している開発体制に触れつつ、高度な編集が無料でできる点が多くのクリエイターに支持されているのではと分析。まだ認知度は高くないものの、この賞を励みに進化を図りたいと、今後の成長に強い意欲を見せました。
ファイナンス
【最優秀賞】マネーフォワード ME
個人とふたりの資産をひと目で把握。ライフステージに寄り添い進化を続ける王道の家計簿アプリ
【優秀賞】くふう Zaim
金融サービス連携の無制限化による「始めやすさ」を追求した、支出管理を超え家計改善へ導く伴走者
【優秀賞】ワンバンク
決済からポイ活まで一気通貫。AIが支出を学習し、無理のない家計改善を支える次世代の家計簿
最後を飾るファイナンス部門も、かじがや氏が授与を担当しました。
2013年からのロングセラーゆえに「昔のイメージ」で止まっているユーザーも多いのでは、と分析しているという、マネーフォワードホーム株式会社 マーケティング本部の中村祥子氏。実際には絶えず機能改善を積み重ねている自負を見せ、今回の受賞を機に「一度離れてしまった方にこそ、今の便利さをもう一度体感してほしい」と、プロダクトへの揺るぎない自信を覗かせました。
スタートアップ部門
スタートアップ部門では、2024年12月から2025年11月までにリリースされたアプリの中から、今後さらなる成長が期待されるサービスが選出されました。
Sora by OpenAI
テキスト等から高品質動画を生成可能な、クリエイターの想像力を広げるAI技術の最先端を走るアプリ
mixi2
完全招待制による「安心できる居場所」を再構築し、人とつながる楽しさを再定義したSNS
iGrow
資産管理から取引までをシームレスに接続。配当予想機能など着実な資産形成を支える優れたUI/UX
「20年間mixiを運営してきた会社が、改めて“スタートアップ”として挑戦している」と語ったのは、株式会社MIXI mixi2プロデューサーの岩野成利氏。サービス開始から約1年、機能改善を積み重ねてきた日々を振り返り、支えてくれたユーザーへの深い感謝と、国産SNSとして再びコミュニケーションの本質に向き合う決意を述べました。
iGrow
『iGrow』はやむなく欠席となりましたが、楽天証券株式会社から受賞メッセージが寄せられ、司会が代読。投資信託の購入しやすさや資産全体の見える化など、初心者でも安心して資産づくりを継続できる環境を評価されたことに喜びを示し、「資産づくりの最強パートナーとして進化を続けたい」とのコメントが紹介されました。
スポンサー特別賞
スポンサー各社の視点で選出される「スポンサー特別賞」も発表され、各スポンサー企業よりトロフィーが贈呈されました。
【Repro賞】テラードラマ
多彩なジャンルの縦型ショートドラマで濃厚な視聴体験を創出し、物語に没入する楽しさを提供
【adjust賞】MUJI アプリ
実店舗とデジタルをつなぎ、店舗在庫確認やポイント管理が便利に。情報メディアの役割も果たす
【Braze賞】PLUG(プラグ)
複数ショップを自動で横断検索し最安値を瞬時に提示。価格比較の手間を省く現代の節約アシスタント
【Moloco賞】Payke
スキャンで多言語情報を提供し訪日客の体験を変革。アジア全域で人気なインバウンドの強力サポーター
【Repro賞】テラードラマ
『テラードラマ』は当日欠席となりましたが、代読されたメッセージでは、自社プラットフォームの作品を縦型ショートドラマ化するという挑戦を支えた原作・作画の作家や、制作会社、キャストといった全関係者への感謝が示されました。この新しいエンタメフォーマットを通じて、日本の優れた文化をさらに世界へ発信していきたいという、今後の飛躍に向けた力強い決意が伝えられました。
【adjust賞】MUJI アプリ
『MUJI アプリ』もやむなく欠席でしたが、メッセージでは暮らしに役立つ情報の提供を通じ、ユーザーの日々の生活に「優しく寄り添う存在」でありたいという同社の真摯なブランド姿勢が語られ、今回の受賞を大きな励みとして、今後もより良い買い物体験やサービスづくりに邁進していくという、プロダクトへの真摯な思いが代読されました。
株式会社STRACT マーケティング・CRMの中川弾氏は、『PLUG』がAIショッピングアプリとして現在200万ダウンロードを突破している実績に触れつつ、Safariの拡張機能から始まった独自の進化について言及。今後もBrazeのテクノロジーを活用しながら、より賢く快適な買い物体験を追求していきたいと意欲を語りました。
バーコードスキャンで多言語の商品情報を表示し、訪日客の「言語の壁」という課題解決に挑んできた本アプリ。株式会社Payke 取締役の宇田川悠氏はこれまでの歩みを振り返り、試行錯誤を続ける開発メンバーへの深い謝意を述べつつ、多様なニーズに応えるプロダクト開発をさらに加速し日本と世界を繋ぐ役割を担い続けたいと、今後の展望を力強く示しました。
アプリビジネスを支えるソリューションパートナーが語る最新トレンド
▲Repro株式会社 ReproMA & Solutions Division App Evangelist 中野竜太郎氏(左上)、adjust株式会社 Sales Lead 高橋将平氏(右上)、Braze株式会社 ストラテジックビジネスコンサルタント 佐藤洋介氏(左下)、Moloco合同会社 Japan Growth Director 長島大介氏(右下)
※登壇順
休憩を挟んで行われた後半のセクションでは、アプリ市場を陰で支えるソリューションパートナー4社が登壇。Repro株式会社、adjust株式会社、Braze株式会社、Moloco合同会社が順にマイクを握りました。
ライトニングトークでは、プッシュ通知の最適化やユーザーの継続率(リテンション)を高めるためのデータ活用術、今後に向けた最新の市場予測、さらにはAIを駆使したグローバル水準のマーケティング支援など、各社が持つ独自の知見を惜しみなく披露。受賞企業のみならず、アプリの成長を加速させる支援側の視点も共有される、貴重な時間となりました。
閉会後は懇親会へ。アプリ業界の“いま”を語り合う場に
▲受賞企業・審査員・スポンサーによる記念撮影
最後に、ナイル株式会社 取締役の土居健太郎が閉会の挨拶に登壇し、審査を通じて感じた各アプリの質の高さに敬意を表したうえで、自身がクイズアプリをわずか3時間で自作したエピソードを紹介。生成AIなどの恩恵により、膨大な工数をかけずともアイデアを瞬時に形にできる「ワクワクする時代」の到来を強調しました。
「皆さんのアイデアが、明日には世界をより良くするアプリになるかもしれない」と参加者へエールを送り、会場が温かな拍手に包まれるなか、授賞式は締めくくられました。
▲ナイル株式会社 取締役 土居健太郎
式典終了後は懇親会へ。受賞アプリを起点に、アプリ業界の“いま”を共有し合う場としても、充実した時間となったようです。
今回の授賞式では、機能の新しさだけでなく、日常に自然に溶け込み、続けられる体験を備えたアプリが数多く紹介されました。いま選ばれているアプリは、便利さの先にある「使い続けられる理由」を持っている――そんな傾向を感じさせる一日となりました。
アプリブ Best App Award 2025 概要
主催:アプリブ
協賛:Repro株式会社/adjust株式会社/Braze株式会社/Moloco合同会社
Mistplay Inc./バリューコマース株式会社/株式会社MOTTO/GAME FUTURE SUMMIT
賛同メディア:MarkeZine/ECZine/ProductZine/ITmedia Mobile
審査員:かじがや卓哉(吉本興業株式会社)、鈴木朋子(ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー)、森下明(HARS Global Founder and CEO)、小口貴宏(CNET Japan編集長)、伊藤隆史(アプリブ編集部)※敬称略
選考基準:「話題性や注目度」「ユーザーの課題解決度」「革新性と独自性」「飛躍性」「ユーザーエクスペリエンス」