年賀状アプリでは、早くも2027年に向けた新デザインの提供が始まっています。そこでアプリブBizJournal編集部は、AppTweakの推定ダウンロード数をもとに、年賀状アプリの過去2シーズンを振り返りました。
日本のアプリ全体のダウンロード数が約4%増えた中で、年賀状アプリの2026年シーズンのダウンロード数は、2025年シーズンから約4割減っていました*。一方で、ピークは両シーズンとも元日で、年末年始の比重は高まっています。
本記事では、時期別・印刷方式別の減少幅と各社のストア運用から、その中身を読み解きます。
*AppTweakによる日本の推定ダウンロード数の合計(iPhone・Android)。2024年10月1日〜2025年1月31日と、2025年10月1日〜2026年1月31日の比較
【調査】2027年版が出始めた年賀状アプリ、昨季のダウンロードは約4割減。ピークは元日
調査概要
対象:年賀状・はがき作成関連の18アプリ
しまうま年賀状/みてね年賀状/スマホで写真年賀状/スマホで年賀状/カメラのキタムラ(年賀状アプリ)/TOLOT/スマホでカラリオ年賀/PIXUSはがきクリエイター/はがきデザインキット/みんなの筆王/Brother はがき・年賀状プリント/つむぐポストカード/宛名印刷 - はがき・封筒/つむぐ年賀/セブンイレブン年賀状/ノハナ年賀状/フジカラー年賀状/vivipri
期間:2025年シーズン(2024年10月1日〜2025年1月31日)と2026年シーズン(2025年10月1日〜2026年1月31日)
データ:AppTweakの推定ダウンロード数(日本、iPhone・Android)
※集計条件の詳細は記事末尾に掲載
年賀状アプリのダウンロード、1年で約4割減
対象18アプリのダウンロード数は、2025年シーズンの166.3万件から、2026年シーズンは105.1万件に減りました。減少率は約37%で、iPhone・Androidのどちらでも3〜4割減となっています。
同じ期間、日本のアプリ全体のダウンロード数は約4%増えていました(iPhoneは約8%増、Androidはほぼ横ばい)*¹。年賀状アプリでは、アプリ全体の増加とは対照的に、ダウンロード数が大きく減っています。
年賀状を取り巻く環境にも変化が続いています。日本郵便が公表した年賀はがきの総発行枚数は、2025年用の約10.8億枚から、2026年用は約7.9億枚へと減少しています*²。
AppTweakの推定ダウンロード数は「新たにアプリを入れた件数」のため、前年から使い続けている人は数字に表れず、アプリで年賀状を作る人の増減までは読み取れません。それでも、アプリ市場全体が伸びる中で新規のダウンロードがここまで減ったことには、年々進む「年賀状離れ」の影響も表れているとみられます。
*¹ AppTweakの日本の推定ダウンロード数より(iPhone・Android、各シーズンと同じ10月1日〜1月31日)
*² 日本郵便ニュースリリース 2025年、2026年
年賀状離れの中で、むしろ高まった年末年始の比重
日別に見ると、ダウンロード数は11月から徐々に増え、12月下旬に急増して元日に最大になります。この形は2つのシーズンで変わりません。
変わったのは、シーズンの中での比重です。2026年シーズンは、12月25日〜1月3日のわずか10日間に、ダウンロード数の45%が集中。前年の37%から8ポイント高まっています。件数そのものは61.5万件から47.5万件に減っていますが、シーズン前半の減りが大きかったため、年末年始の比重が上がっています。
元日に近づくほど、減少率は小さくなる
時期別のダウンロード数と前年比
| 期間 | 2025年 | 2026年 | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 10月 | 6.1万件 | 1.4万件 | −78% |
| 11月 | 27.3万件 | 12.7万件 | −54% |
| 12月1〜24日 | 59.5万件 | 33.0万件 | −45% |
| 12月25〜31日 | 40.6万件 | 29.2万件 | −28% |
| 1月1〜3日 | 20.9万件 | 18.2万件 | −13% |
| 1月4〜31日 | 11.7万件 | 10.5万件 | −10% |
※10〜11月は推定値が0の日を含むため参考値
※端数処理のため、合計が一致しない場合があります
全体の減少は、シーズンのすべての時期に均等に表れたわけではありません。12月1〜24日が45%減だったのに対し、12月25〜31日は28%減、1月1〜3日は13%減と、元日に近づくほど減少率は小さくなっています。
件数で比べると、差はさらにはっきりします。12月1〜24日と年末年始の10日間のダウンロード数は、2025年シーズンにはどちらも約60万件。2026年シーズンには、12月1〜24日が約33万件まで減ったものの、年末年始の10日間は約47.5万件でした。前年はほぼ並んでいた2つの期間に、約14.5万件の差が開いたことになります。
年末年始もダウンロード数は減りましたが、それ以前の時期に比べると減り方は緩やかでした。
一部のアプリでは、後半の比重が高まる
主要アプリを個別に見ても、12月24日までにダウンロードされた割合が下がり、後半の比重が高まったアプリがあります。例えば『スマホで年賀状』は、この割合が50%から30%になりました。
ただし、すべてのアプリで同じ変化が起きたわけではありません。2025年シーズンのダウンロード数が3万件以上ある11アプリのうち、割合が8ポイント以上下がったのは5アプリで、残る6アプリはほぼ横ばいでした。割合が下がった5アプリも、12月25日以降の件数は前年より減っています。
後半の比重が高まったのは、後半が伸びたからではなく、12月24日までの減り方がより大きかったためです。
割合が下がった5アプリは、いずれも業者やコンビニで印刷するタイプのアプリで、自宅のプリンターで印刷するアプリでは変化が見られませんでした。どこで印刷するかによって、利用者の動き方の変化にも違いが出ていた可能性があります。
注文印刷とコンビニ印刷で、減少率に2倍以上の差
印刷方式の違いは、ダウンロードの減少幅にも表れています。
年賀状アプリは、年賀状を印刷する方法によっていくつかのタイプに分かれます。
アプリで作成し、業者が印刷して配送や投函まで行う「注文印刷型」の5アプリは、いずれも4割以上減りました。一方、コンビニのマルチコピー機で印刷できる「コンビニ印刷型」の2アプリは、どちらも2割弱の減少にとどまっています。その結果、対象アプリ全体のダウンロード数に占めるコンビニ印刷型の割合は、25%から33%に高まりました。
この差を考える手がかりになるのが、作成から印刷までにかかる時間です。注文印刷型には業者による印刷や配送の工程がありますが、コンビニ印刷型は、デザインを作ったその日に店頭で印刷できます。
年末年始のダウンロードの減少率が比較的小さかったことと、コンビニ印刷型の減少幅が小さかったこと。両者には、必要になってから短時間で年賀状を用意できるかどうかが関係している可能性があります。
早割から寒中見舞いへ、時期で変わる各社のストア運用
ダウンロードが年末年始に集中する中で、ストアで伝える内容も時期によって変わっていました。
シーズン中のプロモーション用テキストの更新は、一部のアプリに限られる
AppTweakでApp Storeの変更履歴を確認したところ、対象18アプリのうち、2025年シーズン中にプロモーション用テキストを更新していたのは5アプリでした。
最も多かったのが『しまうま年賀状』で、更新は26回と、2番目に多いアプリ(10回)の2倍以上です。その文言は、次のように変化しています。
『しまうま年賀状』のプロモーション用テキストの主な変化(2025年シーズン、iOS)
| 時期 | 主な文言 |
|---|---|
| 11月〜12月27日 | 早割を告知(割引率を毎週見直し、56%OFFから30%OFFへ)。12月中旬からは「かんたん作成」の文言も追加 |
| 12月28日〜 | 割引の文言を外し、「送料&宛名印刷無料」「今すぐ、3ステップでかんたん作成」を打ち出す |
| 1月中旬〜 | 「寒中見舞いのはがき印刷は〜」と、寒中見舞いの案内に切り替え |
割引で早い注文を促す年内から、送料無料と作成の手軽さを打ち出す年末、寒中見舞いを案内する年明けへ。同じアプリでも、時期に応じて訴求の中心を切り替えています。
新シーズン版の公開と年号の切り替えは、各社で分かれる
ダウンロードが増え始める時期は、各アプリが新シーズン版を公開した時期とほぼ重なっていました。公開時期は大きく2つに分かれており、『みてね年賀状』は両シーズンとも10月1日に公開し、早い時期から提供。『はがきデザインキット』『セブンイレブン年賀状』『スマホでカラリオ年賀』は、年賀はがきの発売日とほぼ同じ10月末に新シーズン版を出しています。
アプリ名に入れている「年賀状 2026」のような年号を切り替える時期にも、違いがありました。『セブンイレブン年賀状』『スマホで年賀状』『つむぐ年賀』は、シーズンが終わった1〜3月に、『しまうま年賀状』と『カメラのキタムラ』の年賀状アプリは9月に年号を変えていました。
シーズンが終わってすぐ次の年号へ移るアプリと、新シーズンの直前に切り替えるアプリ。年号の扱いにも、各社の違いが表れています。
「約4割減」だけでは見えてこないもの
「約4割減」という全体の数字だけを見れば、年賀状アプリは一様に縮んだように映ります。
年賀状を用意する場面は、早めに準備して注文する場面と、年末年始に必要になってから作る場面に分かれます。ストアでも、割引で早い注文を促す年内と、送料無料や作成の手軽さを打ち出す年末とで、訴求を切り替える例がありました。年賀状を用意する時期に応じて、ストアで伝える価値も変わっていました。
シーズン全体の数字の裏で、どの時期に、どのタイプのアプリでダウンロードが減ったのか。今回の年賀状アプリの比較は、季節に左右されるサービスの変化が、内訳によって大きく違って見えることを示しています。
2027年シーズンでは、年末年始への比重の高まりが続くのか、印刷方式による差が広がるのかを、引き続きデータで確かめていきます。
集計条件
- ダウンロード数は、AppTweakの推定値(日本のApp Store・Google Play、iPhone・Android。iPadは除く)。iOSは初回ダウンロードのみで再ダウンロードを含まず、Androidは端末へのインストール数が基準。利用者数・注文数・市場規模を示すものではない
- 以下アプリはiOS版のみを集計:『宛名印刷 - はがき・封筒』(Android版の提供なし)、『Brother はがき・年賀状プリント』『フジカラー年賀状』『vivipri』『ノハナ年賀状』(Google Play版の推定値が得られないため)
- ストア運用は、AppTweakで確認した日本のApp Storeのメタデータ変更履歴による
- データ取得日:2026年10月5日
データ提供:AppTweak
AppTweakは、2014年にベルギー・ブリュッセルで創業した、アプリマーケティング向けのデータプラットフォームです。
自社アプリのダウンロードの増減は、施策の結果なのか、市場全体の動きなのか。競合アプリは、いつ、どんな訴求でストアの掲載情報を更新しているのか。こうした問いを、アプリごとの推定ダウンロード数や、ストア掲載情報の変更履歴から確かめられます。
アプリブBizJournalでは、AppTweakのデータをもとに、カテゴリごとのアプリの動向を連載で読み解いていきます。
▶公式サイト:https://www.apptweak.com/ja