2025年5月26日、日本郵便がデジタルアドレスのサービスを開始しました。ニュースで「住所が7桁の英数字になる」などと報じられており、便利そうなら使ってみたいですよね。
ですが、始まったばかりということもあり、概要や使い方など、不明点も少なくありません。
そこでこの記事では、デジタルアドレスの概要や、『郵便局公式アプリ』を使った取得方法などを解説。併せて、使用に際しての注意点もご紹介します。

住所を書かなくてもよくなる!? 『郵便局公式アプリ』での「デジタルアドレス」の取得方法や利用時の注意を解説
デジタルアドレスとは? どのサービスで使えるの?
オンライン上のフォームなどに住所を記載する際、いつも同じ住所を入力するのを面倒に感じたり、多数の文字の打込みで時間がかかってしまったりすることがありますよね。
こうした不便を解消するとされているのが、デジタルアドレスです。話題の新サービスについて、内容や使える場面を見ていきましょう。
デジタルアドレスの概要
▲郵便番号から部屋番号までの住所を7桁の英数字に変換
出典元:デジタルアドレス|日本郵便株式会社
デジタルアドレスは、自分の住所が7桁の英数字で表現されるサービスです。無料で取得でき、オンラインでの住所入力などのシーンで使用可能。
これまで手間がかかっていた住所入力が7桁の文字列だけで済むうえ、一度取得すれば継続的に使えるので、以下のようなメリットが期待されています。
デジタルアドレスのメリット
- ✓長くて複雑な住所を入力する手間が省ける
- 記入ミスの防止になる
- 住所の代わりに相手にデジタルアドレス伝えればOK
- 引っ越し後に知り合いに新しい住所を連絡する手間が減らせる
自宅用・職場用など、複数の住所にデジタルアドレスをそれぞれ付与できる点も魅力です。
そのほか、紐づいた住所が表記されるので誤入力がなくなり、郵便局員が誤字から正しい住所を推測する負担が減るなど、さまざまな面で恩恵があるとされています。
なお、デジタルアドレスを利用しても、匿名で郵便物を送れるわけではありません。郵便物送付方法についてはこちらをご覧ください。
デジタルアドレスだけでは郵便物を送れない
対象サービス
2025年5月29日時点で、デジタルアドレスを利用できるのは、『郵便局公式アプリ』内のゆうパック・ゆうパケットの「送り状作成機能」のみ。
まだまだ限定的ですが、将来的には日本郵便内外のサービスとの連携が期待されます。
デジタルアドレスはどのように取得する?
始まったばかりのデジタルアドレスは、取得方法もよくわからないですよね。
デジタルアドレスは、日本郵便提供の無料IDサービス「ゆうID」を取得後、『郵便局公式アプリ』または郵便局のホームページで取得可能です。
ここでは、アプリを使った取得手順を、「ゆうID」とデジタルアドレスに分けて解説します。
「ゆうID」をすでにお持ちの方はこちらをご覧ください。
デジタルアドレスの取得
「ゆうID」の取得
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STEP1
デジタルアドレスのボタンから「ゆうID」の取得に進む
▲「ゆうID」を持っていないと、デジタルアドレスは使用できない
まず、『郵便局公式アプリ』を起動し、ホーム下部にあるデジタルアドレスの「詳細・取得はこちら」をタップ。次の画面で「取得・確認する」に進み、「ゆうIDを登録」を選択します。
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STEP2
規約に同意し、メールアドレスを入力
▲パスワード・個人情報を入力し、「登録する」をタップ
続いて、利用規約などチェックボックスにチェックを付けたら、「次へ」をタップ。メールアドレスを入力し「仮登録する」に進むと、仮登録用のURLが記載されたメールが届きます。
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STEP3
パスワードを設定し、個人情報を入力
▲パスワード・個人情報を入力し、「登録する」をタップ
最後に、届いたメールのURLから飛んだ先の画面で、パスワードを入力し「次へ」をタップ。氏名や住所などを入力し、「登録する」に進むと「ゆうID」の登録は完了です。
デジタルアドレスの取得
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STEP1
「ゆうID」でアプリにログイン
▲「ゆうID」で取得したメールとパスワードでアプリにログインする
「ゆうID」を取得したら、デジタルアドレスの取得を行います。
先ほどと同様、デジタルアドレスの「詳細・取得はこちら」で、今度は「ゆうIDでログイン」をタップ。取得したIDを入力してアプリにログインします。 -
STEP2
住所と注意事項を確認する
▲「ゆうID」に登録した住所が表示される
ログインすると、「ゆうID」に登録した住所が表示されるので、問題がなければ「ご利用上の注意事項へ」をタップ。その後、注意事項に関するチェックボックスにチェックを付けたら「利用規約へ」に進みます。
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STEP3
利用規約に同意し、デジタルアドレスを取得
▲紐付いたデジタルアドレスと住所が表示される
最後に、利用規約に同意し「取得する」をタップすると、デジタルアドレスの取得が完了します。
デジタルアドレス利用時の注意点は?
デジタルアドレスは便利に思える反面、住所と紐づいていることで個人情報が漏れないか、不安も感じてしまいます。
そうした懸念を解消するためにも、利用時の注意点は事前に確認しておきましょう。
デジタルアドレスだけでは郵便物を送れない
現時点で、デジタルアドレスは住所入力の手間を減らせるサービスであり、それ自体を郵便物の宛先として利用できるわけではありません。
郵便物の送付・受領にはこれまでどおり、郵便番号、住所、氏名が必要です。
▲デジタルアドレスを入力すると、フォームに紐づいた住所が表示される
ゆうパックの送り状作成サービスで試してみたところ、お届け先画面で送り先住所の入力が求められました。
住所録を使えば宛先入力の手間はかかりませんが、住所録を利用していない方や、送り先が住所録に登録されていない場合、これまでは手入力をするしかありませんでした。その点、デジタルアドレスなら住所録の利用の有無にかかわらず簡単に入力が完了します。
なお、デジタルアドレスに紐づく情報は住所のみであり、郵便局公式アプリでの送り状作成には、送り先電話番号や名前の入力が別途必要です。デジタルアドレスを使ってほかの方に郵便物を送ってもらうときは、電話番号を忘れずに伝えましょう。
誤入力で他人の住所が表示されることがある
デジタルアドレスは一意のコードで管理されています。
そのため、誤入力したデジタルアドレスが他人のデジタルアドレスとして使用されていると、その方の住所が表示されます。住所が紐づいていない場合、何も表示されません。
このように聞くと、第三者に個人情報が漏れないか不安に感じるかもしれませんが、住所のみと紐づいたデジタルアドレスからは、個人の氏名や電話番号が知られることはないとのこと。削除もいつでも可能です。
引っ越し後は「ゆうID」での住所変更が必要
デジタルアドレスを使用中に引っ越しをしたら、「ゆうID」に登録した住所の変更をしましょう。住所が古いままだと、デジタルアドレスを使った際に以前の住所が表示されてしまいます。
登録住所を変更しても、デジタルアドレスは変わりません。大勢の人に新しい住所を伝え直す必要がないのは、手間が省けてありがたいですね。
(文・ばんしょうふみえ)
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