Advanced data analysysとは?ChatGPTでデータ分析する方法を解説

Advanced data analysysとは?ChatGPTでデータ分析する方法を解説

最終更新日:2024年07月05日

ChatGPTを用いてデータ分析を行える機能が「Advanced data analysis」です。同機能を活用することで、アップロードしたファイルをもとにしたデータ分析や、Pythonコードの生成・実行などが可能になります。また、「文章の要約」「画像の編集」「QRコードの生成」など、さまざまな用途で活用できるのが特徴です。

今回は、Advanced data analysisの概要と導入方法、具体的な活用例などを解説します。ビジネスシーンでデータ分析をしたい方や、効率化・コスト削減をしたい方はぜひ参考にしてください。

Advanced data analysis(旧:Code Interpreter)とは

Advanced data analysisはChatGPTが公式に提供している機能のことです。日本語訳すると「高度なデータ分析」となり、その名のとおり、データをもとにした分析やグラフの作成、VBAマクロの作成などが可能となっています。もとは2023年7月に「Code Interpreter」という名称で公開されましたが、翌8月にAdvanced data analysis(以下、ADA)と改名されました。

なお、以前は有料版のChatGPT Plusのみでの提供でしたが、2024年5月13日のアップデートにより、無料版でも利用できるようになりました。

データ分析においてADAが注目される理由

ADAがデータ分析において注目される理由は、大きく2つあります。どのような理由で注目されているのでしょうか。

  • プロンプトからPythonコードの生成と実行ができる

ADAの画期的な点は、自然言語によるプロンプトからPythonコードの生成と実行ができることです。通常版のChatGPTでもプログラムコードの生成は可能ですが、あくまでもプロンプトに対する応答として表示されるだけでした。一方、ADAではPythonコードの生成ができるだけでなく、そのコードをPythonの仮想環境で実行し、結果まで提示してくれます。これにより、プログラミング初心者でも簡単にPythonコードを用いたデータ分析が可能になりました。

  • ファイルのアップロードとダウンロードができる

もう1つの画期的な機能が、ユーザーによるファイルのアップロードとダウンロードが行える点です。通常版のChatGPTも、一般的な内容であればある程度のデータ分析は可能ですが、自社の売上データなどの一般に公開されていない情報をもとにしたデータ分析は難しいという弱点がありました。一方、ADAはアップロードしたファイルをもとにしたデータ分析ができるため、自社のクローズドなデータ等を用いた分析も可能です。

なお、ADAでアップロードできるファイルはテキストだけでなく、Excelデータ、コード、画像、音楽、動画、ZIPなど多岐にわたります。

ADAを利用した具体的なデータ分析方法

ADAを活用することで、これまで膨大な時間がかかっていたデータ分析を効率良く行えるようになりました。ここでは、ADAの導入手順や、具体的な活用例について解説します。

ADAを導入する方法

前述したとおり、2024年5月よりChatGPTの無料版でADAが使えるようになりました。ADAは、下記の手順で簡単に導入することができます

<ADAの導入手順>

(1)ChatGPT Plusに入会後、左サイドメニューの「Explore GPTs」を選択

(2)GPTsの各機能が一覧から、「By ChatGPT」に含まれる「Data Analyst」を選択。もしくは、検索窓で「Data Analyst」を検索

(3)左サイドメニューに追加されたら、準備完了

ADAを活用してできること

ADAを活用することで、ユーザーがアップロードしたデータをもとにしたデータ分析が可能になります。また、定量的な分析だけでなく、人間のように定性的な分析もでき、さらには外部情報を組み合わせた分析ができるのもADAの優れた点です。

例えば、「東京都の人口推移」をまとめたExcelデータを、ADAでChatGPTにアップロードし、「折れ線グラフにしてください」と指示を出すことで、簡単にグラフ化できます。また、「1940年代に人口が減少した理由を教えてください」といった定性的な質問に対しても、「第二次世界大戦が影響しています」などの分析を行うことが可能です。なお、ADAによって作成されたグラフなどの生成物はダウンロードすることもできます。

こうした分析は通常版のChatGPTでもある程度はできますが、より詳細にデータを活用した分析を行うのであれば、ADAを用いるのがおすすめです。というのも、通常版のChatGPTは何かに特化したツールではなく、自然言語で入力されたプロンプトに対して汎用的に応答するツールだからです。さまざまなタスクに対して平均点以上の精度で対応できる代わりに、データ分析のような特殊なタスクを高いレベルでこなすのは難しいとされています。

一方、ADAは通常版のChatGPTのような汎用的なタスクにはそれほど向いていません。逆に通常版のChatGPTが苦手としている特化型のタスクであるデータ分析に適しているため、目的によって使い分けるのがおすすめです。

ADAの活用例

ADAを使いこなすことで、さまざまな業務を効率化できるでしょう。ここでは、ADAの具体的な活用例についてご紹介します。

  • プログラミングの生成・実行

ADAはPythonコードの生成と実行が行えます。使い方は簡単で、自然言語で実行させたい内容を入力するだけです。

例えば、売上データのExcelファイルをアップロードした上で、「1から1000までの数値の合計を計算するPythonコードを生成してください」と入力すれば、具体的なPythonコードを一瞬で生成・実行してくれます。

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  • 画像やExcelなどの外部データの読み込み・編集

ADAには、画像やExcelなどの外部データを読み込むことができます。具体的には「Data Analyst」のプロンプト入力欄にある添付ファイルのアイコンを選択し、アップロードしたいファイルを選ぶだけです。ファイルをアップロードしたら、そのファイルをもとに何をしたいのかをプロンプトとして入力しましょう。

例えば、Excelデータをアップロードし、「このデータをもとに売上分析を行ってください」と入力すれば、ChatGPTがExcelデータを読み取って分析結果を出力してくれます。また、画像については編集も可能です。画像をアップロードし、文字を入れるなどの処理が行えます。そのほかに画像内の異物を検出することも可能です。

  • 文章の要約

ADAに、テキストファイルやドキュメントファイル、PDFなどをアップロードすることで、それらの内容を要約することも可能です。

例えば、「この文章の内容を200字以内で要約してください」と入力すれば、そのとおりに200字以内で文章を要約したテキストを生成してくれます。ChatGPTにはOCR機能が搭載されているため、PDFにも対応できるのがメリットといえます。

  • QRコードの生成

QRコードを生成できるツールはさまざまありますが、ADAでも生成が可能です。QRコード化したいURLをプロンプト入力欄に貼り付け、QRコードを生成するよう指示するだけです。少し待つとChatGPTがQRコードを生成して、ダウンロードリンクが表示されるので、そこから入手できます。

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  • 資料のたたき台の作成

PowerPointなどで資料を一から作るのは労力がかかります。しかし、ADAを使うことで、その労力を大幅に削減できるのです。

まず、どんな資料を作りたいかをメモにまとめます。内容に関して決まっていることがあれば、箇条書きなどで詳しくまとめてください。メモを作成する際は、テキストファイルで構いません。作成したメモをADAにアップロードし、内容をもとにPowerPointを作成するよう指示すると、たたき台となるPowerPointファイルが作成されます。あとは自分で編集を加えて仕上げていきましょう。一から作成するよりも、素早く簡単に資料作成ができるはずです。

ADA以外でデータ分析する方法

ここまでADA の活用法を解説しましたが、ADAを使わずに通常版のChatGPTのみでデータ分析をすることも可能です。ここでは、ADA以外でデータ分析を行う3つの方法をご紹介します。

分析用関数

Excelの関数を使用してデータ分析する場合、やりたいことをChatGPTに入力すれば、適切な関数の生成が可能です。また、具体的に思いつかなくても、「こんなことはできるだろうか」といった疑問を入力すればChatGPTが回答してくれます。

例えば、「Excelの関数で便利なものを3つ教えてください」と入力したところ、VLOOKUP関数、SUMIF関数、IF関数の3つを紹介した上で、それぞれの解説をしてくれます。

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マクロ生成

Microsoft Officeのアプリケーション機能を拡張するプログラミング言語「VBA」を活用することで、Excelの機能を拡張し、より高度な活用が可能になります。ですが、VBAはプログラミングの知識を必要とする技術であり、一から身につけるのは大変です。しかし、ChatGPTを使用すれば、VBAのマクロコードを生成が叶います。

例えば、「セル範囲を選択して値をコピーするマクロを教えてください」や、「ワークシート内の特定のキーワードを含むすべてのセルを検索して、ハイライトするマクロを教えてください」と入力することで、その機能を実行するマクロコードを瞬時に生成できます。

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Excel連携

通常版のChatGPTでもファイルのアップロードすることは可能です。データ分析はADAを活用するほうがおすすめですが、Excelのテンプレートを作成してもらったり、簡単に分類してもらったりする程度であれば、通常版のChatGPTでも十分に行えます。Excel連携することで、業務効率化につなげることができるでしょう。

データ分析におけるChatGPTのリスク

ChatGPTを活用したデータ分析は非常に便利ですが、使用するにあたって注意すべき点もあります。ここでは、ChatGPTでデータ分析を行う上でのリスクについて解説します。

処理能力に限界がある

ChatGPTは基本的に、アイディアを出したり、質問に対する回答を出したりと、ユーザーにとっての壁打ち役となる存在です。元々、データ分析用に作られたAIではないため、高度な計算や大量のデータ処理を行うのには限界があります。このような作業を任せるのであれば、専用のツールを用意する必要があります。

情報漏洩のリスクがある

原則として、ChatGPTはユーザーが入力した情報を学習データとして活用します。そのため、 ChatGPTに入力したプロンプトの内容や、アップロードしたファイルの情報がChatGPTの学習に使われる可能性がある点には注意が必要です。万が一にも、機密情報が流出してしまうと大問題になるため、ChatGPTに提供する情報は、社外に出ても問題ない範囲にとどめておくのが無難といえます。

データ分析でChatGPTを活用したい方は「ナイルの生成AIコンサルティング」に相談を

ChatGPT Plusの機能であるADAを使用することで、アップロードしたファイルをもとに高度なデータ分析が可能になります。また、ADAを活用することで、コードの生成や文章の要約、資料のたたき台の作成など、さまざまな作業の効率化が見込めます。

「今後、データ分析の業務にChatGPTを活用していきたいけれど、活用方法に不安がある」という方は、まずは専門的な知識を持ったコンサルティングに相談するのがおすすめです。

ナイル株式会社が提供する「生成AIコンサルティング」では、ChatGPTを業務でどのように使うかの洗い出しや、それによる売上向上やコスト削減効果の可視化についてご相談いただけます。また、生成AIの知見のあるエンジニアによるマイクロアプリケーションの開発もでき、生成AIを使った業務効率化が図れるでしょう。

ChatGPTの導入を検討されている方は、まずは気軽に無料相談にお申込みください。

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